不動産投資と暮らしの情報サイト

現物不動産と比較して考えるJ-REITのメリット・デメリット

98 views 2017.1.30
現物不動産と比較して考えるJ-REITのメリット・デメリット
2016年11月26日、「個人投資家のためのJリートフェア2016」というイベントが開催されました。不動産証券化協会と東京証券取引所が主催です。

Jリートフェアでは、ブース展示や説明会を通じて、Jリート(=J-REIT)や各投資法人の特徴、魅力などを知ることができます。Jリートフェア2016年には、過去最多となる43社が参加し、2015年時を上回る約1150人が来場しました。若年層の来場者も増えているようです。

今回の記事では、「J-REITとはどのようなものか」「現物不動産と比較したときのJ-REITのメリット・デメリットは何か」について詳しくお伝えします。
目次

1.J-REITとは

2.J-REITのメリット・デメリット

1.J-REITとは

まずREIT(リート)について簡単に説明します。REITとは、不動産投資信託と呼ばれるもので、投資信託の一種です。具体的には、投資家から集めた資金でさまざまな不動産を運用・売買し、賃貸収入や売却益を投資家に分配する投資信託のことです。REIT は1960年に米国で誕生しました。

J-REITとは、日本版のREITです。REITにJapanの頭文字を付けてJ-REITです。J-REITは「投資信託及び投資法人に関する法律」(投信法)に基づき設立され、一般的には「投資法人」(不動産投資法人)という形態で不動産を運用・売買します。そしてREITと同様、賃貸収入や売却益を投資家に分配します。

投資法人は投資証券を発行します。投資家はその投資証券を購入することで、投資主となり、分配金を受け取れるようになります。

投資法人については、株式会社と比較すると分かりやすいです。
・株式会社:株式を発行する。投資家はその株式を購入して、株主になり、配当金を受け取る。
・投資法人:投資証券を発行する。投資家はその投資証券を購入して、投資主になり、分配金を受け取る。

また、投資法人も株式会社のように証券取引所に上場することが可能です。

J-REITの特徴は、現物不動産と比較して少額投資が可能なことです。投資法人(銘柄)にもよりますが、1口数万円から購入できる投資証券もあります。

J-REITの市場は2001年9月に創設され、2銘柄(時価総額約2,600億円)の上場からスタートしました。現在(2017年1月時点)では57銘柄が上場しており、時価総額は約12兆円に拡大しています。また、J-REITの平均分配金利回りは2017年1月時点で3.6%ほどとなっています。

2.J-REITのメリット・デメリット

J-REITのメリット・デメリット
現物不動産と比較したときのJ-REITのメリット・デメリットについて考えていきます。

J-REITのメリット

現物不動産と比較したときのJ-REITのメリットは下記の通りです。

・少額で購入することができる
J-REITは比較的少額で購入することができます。J-REITの投資証券の価格は1口数万円~数十万円ほどです。一方、現物不動産の価格は数百万円~数億円ほどであることが多いです。融資を抜きにして考えた場合、J-REITの方が少額で購入可能です。

※「融資を抜きにして考えた場合」と書きましたが、現物不動産には金融機関から融資を受けられるというメリットがあります。融資を受けるのであれば、現物不動産も少額の自己資金で購入することが可能となります。

・流動性が高い
J-REITは比較的流動性が高いといえます。通常、現物不動産であれば売買(買い付け・売り出しから成約、決済まで)に一定の期間が必要となります。J-REITの場合は株式のようにサクサクと売買できます。買ったその日に売るといったことも可能です。そのような流動性の高さはメリットの一つです。

・管理の手間がかからない
J-REITにおいては不動産投資法人が不動産を運用・売買します。そのため不動産を管理する手間が掛かりません。空室や災害対策等に関しても投資法人に任せることになるので、自分で対策を考える必要はありません。

・確定申告の手間を省くことができる
J-REITの税制は株式と同様の扱いであるため、証券口座を「源泉徴収ありの特定口座」にすることで確定申告の手間を省くことができます。

J-REITのデメリット

現物不動産と比較したときのJ-REITのデメリットは下記の通りです。

・レバレッジを効かせにくい
J-REITは「少額で購入することができる」というメリットがある反面、金融機関から多額の融資を引き出すことは通常できません。一方、現物不動産の場合は、価格が数百万円~数億円規模であることが多いため、金融機関から融資を受けて購入(投資)することが王道パターンとして確立されています。そのため、J-REITと比べてレバレッジを効かせやすいといえます。

なお、現物不動産を購入する場合の自己資金(頭金+物件購入にかかる諸経費)については、物件や融資を受ける人の属性によりますが、物件価格の2割~3割ほどが一般的です。ちなみに頭金0円で融資を受けるフルローン、自己資金0円で融資を受ける(頭金も諸経費も融資で賄う)オーバーローンという手法もありますが、月々の返済金額もそれ相応のものになります。

※厳密には、J-REITも「信用取引」を行うことで約3倍までレバレッジを効かせる(自己資金の3倍の金額まで購入する)ことが可能です。ただし、「制度信用取引は通常6か月以内に決済を行う必要があり長期保有向けではない」「一般信用取引は無期限の場合が多いが、通常、制度信用取引より金利や貸株料が高めに設定されている」「日々変動するJ-REITの価格が一定以上値下がりした場合、追証回避等のため入金を行う必要がある」などの理由により、分配金目的でJ-REITを購入する際に信用取引を行うことは一般的ではありません。信用取引は、たとえば株式の売買差益(キャピタルゲイン)を短期的に狙うときなどに活用することが多いです。

・価格交渉ができない
J-REITは「流動性が高い」というメリットがある反面、売買時の価格交渉ができません。J-REIT(各投資法人の投資証券)の価格は日々変動し、市場によって決定されるため、株式のように値動きを予想して安く買う・高く売るということは可能ですが、現物不動産のように相手方との価格交渉を行い売買することはできません。

・収益性を上げる工夫がしにくい
J-REITは「管理の手間がかからない」というメリットがある反面、現物不動産と比較して収益性を上げる工夫がしにくいです。

J-REITの平均分配金利回りは、2017年1月時点で3.6%(3%~7%)ほどです。分配金利回りは変動しますが、上手に不動産投資法人を選んで投資すれば利回り5%ほどで安定させることも不可能ではありません。ただ、現物不動産の場合は自分で賃貸経営を行える余地があるので、工夫次第でより高い利回りや収益性を実現することも可能です。

また、先述したように現物不動産は融資を受けられる(レバレッジを掛けられる)というメリットがあります。投資した資本(自己資金)に対する利益の割合をROI(投資利益率)と呼び、ROIが高いほど自己資金を利益によって素早く回収できます。ROIの高い投資を行えることは現物不動産の一つのメリットです。

・節税ができない
J-REITは証券口座を「源泉徴収ありの特定口座」にすることで確定申告の手間を省くことができます。一方、現物不動産は所得税や相続税の節税を行えるケースがあります。

現物不動産による不動産所得は給与所得と損益通算を行えますので、不動産所得が帳簿上赤字であれば所得税の節税を図ることが可能です。たとえば減価償却費の金額が大きい場合などは、キャッシュフローが黒字であっても帳簿上赤字にできることがあります。また、現金で相続するよりも現物不動産で相続するほうが相続税評価額(相続税の算定基準となる額)を低く抑えることができるため、相続税の節税効果も期待できます。


以上が、現物不動産と比較したときのJ-REITのメリット・デメリットです。それぞれのメリット・デメリットは表裏一体の関係にあるともいえます。J-REITも現物不動産も一長一短ですが、どちらか一方にしか投資をしてはいけないというわけではありません。合う、合わないもあるでしょうし、両方に投資してみれば良いのではないかと筆者は考えています。
有島 昇吾

ライター有島 昇吾

有島 昇吾の記事一覧を見る

キーワード別関連記事

不動産投資のランキング

ランキング一覧へ

Facebook Share Twitter Share Google+ Share B!bookmark

初心者向け

不動産投資用語

セミナー

注目のキーワード

不動産投資用語解説

人気記事ランキング

PR広告

初心者向け初心者向け

おすすめおすすめ

オススメ記事

PAGETOP

+Osh!メンバーに登録すると
以下のコンテンツをお楽しいただけます!