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個人が資産管理会社を設立する3つのメリットとデメリット

341 views 2017.2.6
個人が資産管理会社を設立する3つのメリットとデメリット
2017年1月、みずほフィナンシャル・グループと三井住友トラスト・ホールディングスが、資産管理業務の統合を協議していると、朝日新聞・日本経済新聞ほか新聞各社が報じました。

資産管理会社といえば、個人投資家のなかには法人化を検討している人もいるのではないでしょうか。

不動産投資では、節税や相続対策として資産管理会社を設立することがあります。

一般的な資産管理会社の役割から、メリットとデメリットについて解説します。

※平成29年1月1日時点の税制にもとづいています。
目次

1.資産管理会社とは何か

2.個人と法人では経費、売上になる範囲に違いがある。相続対策にも有効

2-1.【メリット1】経費に参入できる範囲が広い

2-2.【メリット2】売却損を他の収入と通算できる

2-3.【メリット3】相続税・相続トラブル対策としても使える

3.デメリットは費用と手間、サラリーマンの場合は副業禁止規定

3-1.【デメリット1】設立費用がかかる

3-2.【デメリット2】経理の手間

3-3.【デメリット3】勤めている会社に副業禁止規定がある場合

4.まとめ

1.資産管理会社とは何か

今回報道された2つの金融グループ間の会社統合は、おそらく規模の経済を目指したものでしょう。両者は年金基金のような機関投資家や個人などから資産を預かり、手数料を得ることが主要な業務です。管理システムなどの資本が集約されると、それだけコストが削減され、効率も上がります。

このような業態の会社はカストディーあるいはカストディアン、日本語では外部保管会社と呼ばれます。これに対して運用を行う会社をアセットマネジメントといいます。

もし土地を持っていて事務や運用を委託したいのなら、カストディーやアセットマネジメントなどの窓口である信託銀行に預けるという方法があります。建設から管理までほぼ丸投げすることができますが、物件探しから汗をかいて自分で不動産投資をしたほうが収益も達成感も高いものになるでしょう。

不動産投資で収益が上がってくると、個人資産管理会社を作ることがあります。信託銀行へ資産を預ける(土地信託)目的が事務と運用の代行であることに対して、個人資産管理会社を設立する目的は多くの場合節税です。

節税によるメリットは人によって異なりますし、かかる費用も考慮する必要があります。そこで、資産管理会社を作る主要なメリットとデメリットを挙げます。

2.個人と法人では経費、売上になる範囲に違いがある。相続対策にも有効

個人と法人では経費、売上になる範囲に違いがある。相続対策にも有効
資産管理会社として株式会社のような法人を作り、不動産を譲渡する。個人としては、その法人から役員報酬を得る。このよう個人資産管理会社を設立するメリットは主に次の3点です。

2-1.【メリット1】経費に参入できる範囲が広い

法人税と所得税は税金計算上の利益に対してかかるため、経費を増やせば税金を減らすことができます。税務上の経費にすることを損金算入といいます。

まず、役員報酬。法人税と個人の所得税は税率が異なっており、一般的に所得(売上から経費を引いたもの)が1,000万円以上になると、法人化のメリットがあるといいます。

保険料も扱いが異なります。個人の生命保険料控除は年間12万円までですが、法人には上限がありません。保険の内容によっては損金にできないので注意しましょう。例えば終身保険は全額が損金算入できません。

経営セーフティネット共済は、万が一資金繰りが厳しくなった時に、借入ができる制度です。個人の不動産所得に損金算入することはできませんが、法人なら可能です。

ほかにも出張の日当や福利厚生費、退職金など、法人化によって損金算入できる項目はまだまだあります。

損が出た時にも、法人の方が税金上得をします。土地購入に関するローンの利息は、個人の不動産所得にも損金算入できますが、赤字が出た場合にはできません。法人ならこれができます。

なぜ赤字が出た時まで費用を計上したほうがいいのかというと、赤字は繰越すことができるからです。翌年以降に黒字が出た場合にそれまでの赤字分を損金算入できます。繰越せる期間が個人では3年、法人では9年。ここにも法人化のメリットがあります。

2-2.【メリット2】売却損を他の収入と通算できる

物件の売却損を賃料収入と合算することができます。

個人で投資用の不動産を売却した場合、譲渡所得となるため、賃料や給料と合算することはできません。法人の場合、売却損益も賃料も経費もすべてひっくるめた最終的な利益に対して課税されるので、合算できます。売却損が出た場合、ほかの黒字の部分からマイナスすることができるので、全体で節税になるのです。

2-3.【メリット3】相続税・相続トラブル対策としても使える

しっかり計画すれば、相続税対策としても有効です。家族を資産管理会社の役員・監査役・または従業員として報酬を支払えば、将来相続することになる現金を減らすことができ、相続税を減らせます。役員報酬や給料は会社の経費となり、法人税の節税にもなります。

ただし、何も仕事をしていないのに時間給を払うなど、あまりにも実態とかけはなれていると、損金と認められないことがあるので注意します。

家族に物件の管理を手伝ってもらって報酬を払ったり、少規模企業共済(事業者向け確定拠出型年金のようなもの)に加入したりすることで、法人税上も経費を計上できます。

不動産は分割しにくいため、相続トラブルの引き金になりやすいのですが、法人設立はこの対策にもなります。相続する財産は資産管理会社の株式となるため、各相続人(遺族)に平等に分割することができます。

3.デメリットは費用と手間、サラリーマンの場合は副業禁止規定

デメリットは費用と手間、サラリーマンの場合は副業禁止規定
税金上のデメリットや他の費用、手間の問題もあります。物件選びと同じで最終利回りを計算して判断しましょう。

3-1.【デメリット1】設立費用がかかる

資産管理会社を設立するためには、費用がかかります。株式会社の場合、登記費用など役所に払うものだけで20万円以上します。合同会社の場合は6万円以上です。これに司法書士などに依頼すれば代行費用が数万円。実印の作成費用などもかかります。

法人住民税の均等割りは、たとえ赤字であったとしても毎年数万円かかります。事業所がある市町村ごとに発生しますが、収益不動産は事業所ではないので本店として登記してある1か所だけで済むでしょう。

法人化することで、かえって損金算入できなくなる部分もあります。飲食接待代などの交際費はその一つですが、800万円までは認められるので、あまり気にする必要はないかもしれません。

3-2.【デメリット2】経理の手間

法人は個人よりも帳簿付けや決算書の作成などの決まりが厳しく、事務作業に手間がかかります。税理士事務所に代行してもらうこともできますが、その分費用がかかります。

3-3.【デメリット3】勤めている会社に副業禁止規定がある場合

サラリーマン大家さんの場合は、新設法人の役員になることが、勤めている会社の規定に触れるかもしれません。就業規定で、他の会社の従業員や役員になることを禁止している会社は多いです。

ただ、世の中の風潮として、副業が認められやすくなっています。奨励する、あるいは義務付けるといった会社まであります。勤め先のルールを確認しましょう。

会社のオーナーになることまで禁止している会社はないと思います。配偶者や親族に役員になってもらい、収益は配当で得るという方法もあります。

4.まとめ

・不動産所得が1,000万円を超えるようなら、資産管理会社の設立を考えよう。
・超えなくても、個人と法人の税制の違いを駆使することでメリットがあることも。
・節税や相続対策としてのメリットと、費用や手間のデメリットを計算して判断しよう。
ファイコロジスト 山田

ライターファイコロジスト 山田

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