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賃貸経営時におさえておきたい原状回復のトラブル事例

118 views 2017.3.16
賃貸経営時におさえておきたい原状回復のトラブル事例
賃貸経営を行う上で最も重要な知識のひとつが、原状回復にまつわるもの。
入居者とのトラブルが後を絶ちません。
一体どんなトラブルが発生し、どのような対応が必要になるのでしょうか。
基礎知識と具体的事例を交えながら紹介していきます。
目次

1.原状回復義務とは?

2.原状回復にまつわるトラブル事例

3.「原状回復特約」で通常損耗も対象とするためには?

1.原状回復義務とは?

まず、原状回復義務の基礎知識をおさえておきましょう。
賃貸借契約において、賃借人(入居者)は、退去時(契約終了時)に原状回復の義務を課せられていることがほとんどでしょう。
しかし、どこまでが原状回復の範囲になるのかで、大家や管理会社と入居者の間にトラブルが発生することがあります。
この原状回復ですが、裁判所が下した判断や国が定めたガイドラインの要点は、以下の2点です。

・建物を通常の生活で使い、消耗した分については原状回復の範囲ではない
・入居者の故意や過失によって劣化もしくは消耗させてしまった部分が該当する

日常生活の中で畳やフローリング、壁紙などが多少汚れてしまうぶんについては、常識的な範囲であれば原状回復の対象とはなりません。
しかし、酔っぱらって壁に傷や穴をあけてしまったり、タバコの不始末で床を焦がしてしまったりすると、原状回復の対象となる可能性があります。
つまり、原状回復とは「入居する前の状態に戻す」ということではないのです。
建物の経年劣化や通常使用する範囲の消耗については、賃料でカバーしているのが当然で、それを超えるような損傷や消耗のみを回復するという考え方になります。
原状回復という字面から、「元の状態にもどす」と考えがちですので、注意しておきましょう。

2.原状回復にまつわるトラブル事例

では実際に、原状回復が争点となった事例を紹介します。
賃貸経営時に同様のトラブルに巻き込まれないよう、参考にしてみてください。

・子供の落書き部分だけが原状回復の対象と認められた事例
子連れの入居者Aは、退去時にオーナーBから原状回復費用として35万円を請求され、敷金で相殺しきれない13万円あまりを請求されました。
その内訳は、壁クロスに子供がかいた落書き、ビス穴、床カーペットの汚れ、家賃の延滞分です。
しかし入居者Aは、子供の落書き部分と家賃の延滞分以外は、通常の生活で起こり得るものであり、支払いはしないと主張。
落書き部分11平米の壁クロス金額から、入居期間中の価値低下分を差し引き、落書き部分のクロス平米単価×28.75%が原状回復として負担すべき費用だと反論したのです。
裁判所は入居者Aの主張を認め、結果的に敷金のうち22万円弱が返還されることになりました。

少しわかりにくいかもしれませんが、ポイントは「落書き部分であっても新品価格を負担するわけではない」という点です。
落書きされた面積分の壁紙単価から経年によって価値が減少した金額を差し引き、あまりのみを原状回復の対象としています。

3.「原状回復特約」で通常損耗も対象とするためには?

「原状回復特約」で通常損耗も対象とするためには?
通常の日常生活における消耗は原状回復の対象とならないという原則があることは、すでに紹介した通りです。
しかし、賃貸契約時に「特約」を設けることも多いかと思います。
いわゆる「原状回復特約(通常損耗補修特約)」です。
原状回復特約を定め、入居者に説明したうえで合意することによって、通常の損耗についても原状回復の対象とすることができます。
しかし、そのためには主に以下3つの要件を備えている必要があるといえるでしょう。

・特約の必要性があり、暴利的ではなく、客観的合理的理由があること
・賃借人(入居者)が、通常の消耗部分についても原状回復の対象となることを認識していること
・賃借人(入居者)が特約に合意し、原状回復義務を負担する意思を示していること

この3つの要件を満たさなければ、消費者契約法によって特約自体が無効になってしまう可能性が出てくるので注意してください。
また、特約の文言は可能な限り具体性をもって数値化しておくこともポイントです。
例えば、「退去時に壁クロスの張替え費用は借主負担とする」という書き方だけでは不十分。
「退去時に壁クロスの張替え費用は借主負担とする。尚、壁クロス張替え費用は1平米あたり〇〇円とする」という書き方が求められるでしょう。
費用が予測できるような文言を心掛けたいところです。
ゴンロク

ライターゴンロク

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