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不動産投資におけるリスクについて

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469 views 2017.4.21

3.確定申告上のリスク

 

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つづいて、確定申告上のリスクを解説します。上述したとおり、不動産投資をして収益が出た場合には、必ず確定申告しなければいけません。ただし、確定申告の仕組みやポイントをしっかり理解しておかないと、無駄に税金を支払うことになってしまいます。

不動産所得を確定申告するメリット

不動産所得を確定申告するということは「税金を支払う」ということなので、あまり良い印象は持たないかもしれません。しかし、実は不動産所得を確定申告できるということの「メリット」もあるのです。そのメリットとは、「総合課税であること」「経費計上できること」の2つです。

総合課税とは?

総合課税とは、ほかの所得と合算して計算できるということです。所得税は累進課税※6といい、所得額に応じて税率が決まります。つまり、サラリーマンの方で不動産所得がある場合には、給与所得と不動産所得を合算して税率が決まるということになります。

総合課税のときに、何がお得かというと、「万が一不動産投資で赤字になったとしても、その赤字分を給与所得から差し引ける」ことです。給与所得から差し引けるということは、所得税額が減るということになります。仮に、株やFXなどの投資は分離課税になるので、ほかの所得との合算はできません。

たとえば、株で300万円の赤字が出たとしても、その赤字分を翌年に繰り越して株の所得との差し引きはできますが、「別の」所得とは分けて考えるのです。

一方、総合課税には「不動所得がプラスの場合には税率が上がる」というデメリットもありますが、赤字の場合に節税できるというメリットの方が強いです。

※6国税庁 所得税の税率

所得税の具体例

前項の総合課税を具体的に解説します。仮に給与所得が750万円だったとします。その場合の税率は23%で控除額は636,000円になります。つまり、「750万円×23%-636,000円=1,089,000円」が税額になるということです。

このときに、不動産投資で仮に250万円の赤字を出してしまったとします。投資用不動産を購入したばかりで多額の経費がかかる場合には、初年度だけ赤字になることもあります。そうなると、所得は500万円(750万円-250万円)の扱いになり税率は20%に下がり控除額は427,500円になります。

そのため、「500万円×20%-427,500円=572,500円」の税額になり、さきほどのケースと比較すると516,500円も節税できるということです。もちろん、そもそも赤字を出している状況ではありますが、特に物件取得時は経費が高額になるので、赤字を計上することはあります。

そのときに、ほかの投資だとそのまま赤字を補てんできませんが、不動産投資であれば「節税」することで少しでも赤字を補てんできるという強みがあるのです。

経費について

つづいて、経費についてです。不動産所得を計算するときには、「年間賃料-経費」で計算します。経費とは、物件取得や維持・管理にかかる費用のことで具体的には以下のような費用になります。

・管理費、修繕積立金
・賃貸管理代行手数料
・各保険料
・減価償却費
・室内の補修費用、クリーニング費用
・各税金
・ローン関係費用
・税理士報酬料
・その他の必要経費

このような経費を計上できるということは、逆にいうと不動産投資にはここまで経費がかかるということです。まずその点は不動産投資のリスクと認識しておきましょう。しかし、計上できる経費項目を知っておくことで、「賢く節税することができる」というメリットに替えることができます。

また、ほかの投資ではここまで多くの経費を計上できる投資商品はありません。経費が多いということは「お金がかかる」ということでもありますが、「賢く計上すれば節税できる」ということでもあります。

管理費、修繕積立金

管理費や修繕積立金は、一室のマンションやアパート投資をするときにかかる金額です。一棟のマンションやアパート経営の場合には、「建物全体」のオーナーになるので、各居室からオーナーへ管理費や修繕積立金は支払われるのです。

マンションを購入すると、そのマンション全体の管理費と修繕積立金がかかります。この支払い義務は「居室のオーナー側」にあるので、管理費・修繕積立金も加味した上で賃料設定する必要があります。こちらの費用も「経費」として計上できます。

賃貸管理代行手数料

賃貸管理代行手数料とは、主に一棟、もしくは複数の部屋を賃貸経営しているときにかかる費用です。賃貸物件は手間がかかるため、賃貸管理を代行することが多いからです。具体的には以下のような業務を代行してもらいます。
・入居者募集業務
・賃料集金業務
・敷金精算超無
・滞納時の回収業務

また、一棟の不動産投資をしている場合には、「清掃費用」や「点検費用」「管理人の人件費」など管理会社に支払う金額も経費に計上できます。もちろん、一室の不動産投資で賃貸代行しているときにも、上記の金額は経費計上可能です。

各保険料

不動産投資をするときには、火災保険や地震保険に加入します。火災保険はローンを組んでいれば必須になりますが、ローンを組んでいなくても加入するケースがほとんどです。地震保険に関しては任意で加入します。

一棟の不動産投資をしている場合には、エントランスやエレベーターホールなどの「共用部」の保険もオーナーが支払います。実際には、各部屋の管理費の中に含めることが多いですが、支払い自体はオーナーに請求されるのです。これらの各保険に関しても経費として計上可能です。

減価償却費

不動産は、「時間が経つにつれて劣化する」という考えになります。そのため、劣化した分を「原価償却費」として計上することが可能なのです。減価償却費は、物件の取得金額や建物構造によって金額が異なります。

金額の算出は手間がかかるので、管理をお願いしている不動産会社や、仲介を依頼した不動産会社にヒアリングしてみましょう。また、確定申告をネット上から作成するときには、機械的に算出してくれるので実際に自分で計算する必要はありません。ただ、金額のイメージは持っておいた方が良いです。

室内の補修費用、クリーニング費用

賃貸物件は退去する際に補修・クリーニングすることがあります。その金額に関しても経費として計上することできるのです。また、補修費やクリーニングは必須項目ではないので、補修もクリーニングもしない場合には、そもそも費用自体が発生しません。

各税金

不動産を購入するときと、不動産を所有しているときには税金がかかってきます。具体的には「不動産取得税」「固定資産税」「印紙税」になります。不動産取得税は不動産を取得したときに一度だけかかってくる税金です。

金額については、仲介を依頼した不動産会社が「諸費用」として算出してくれることが多いです。不動産取得税は、不動産を取得してから半年~1年半後に請求されます。場合によっては1部屋でも数十万円の税金になりますので、きちんと計算しておきましょう。

また、固定資産税はその不動産の評価額によって算出され、毎年課税される税金です。税額の目安は、仲介を担当している不動産会社に算出してもらいましょう。印紙税については、不動産の売買契約を締結するときにかかる税金です。不動産価格によって税額は異なりますが、大体数万円程度になります。

これらを計上するためには、領収書などの「納税した証明」が必要になるため、捨てずに保管しておきましょう。

ローン関係費用

ローンを組んで不動産を取得した場合には、ローンに関連する費用も経費計上できます。具体的には、「ローン利息部分」と「ローン保証料」です。ローンには金利がかかっているので、年間支払っているローン返済額のうち、利息の部分のみ経費として計上できます。

ローンの利息部分については、毎年金融機関から郵送される「ローン償還表(返済予定表)」などに記載されています。なお、不動産所得が赤字の場合には、利息部分は経費として計上できないので、その点だけはイレギュラーケースとして覚えておきましょう。

また、ローンを組むときの「保証料」も経費として計上可能です。保証料とは、保証人の代わりとなる「保証会社」に支払う費用です。要は、借入者がローン返済できなくなったときに、肩代わりしてくれる会社に支払う費用です。

保証料に関しては、「保証料」として別途徴収する金融機関もあれば、金利(利息分)に含まれている金融機関もあります。ローンを組むときに確認しておきましょう。

税理士報酬料

先ほどいった「確定申告」を税理士に依頼する場合には、税理士に報酬を支払います。税理士によって金額は異なりますが、相場としては5万円~10万円前後です。この費用も経費として計上することができます。ただ、金額は「管理している不動産の数」にもよりますので、事前にヒアリングしておきましょう。

その他の必要経費

その他には「交通費」や「通信費」なども経費として計上できます。交通費は物件管理のために物件に訪問したときの交通費に限られ、通信費も管理会社とやりとりした通信費に限られます。

また、逆に良く勘違いされがちな「経費に計上できない」費用は以下の通りです。
・不動産売却時の仲介手数料
・測量費など土地や建物売却に伴う費用
・売却時の立退料など
・建物解体費用
上記のほかに、物件の管理に関係ない費用に関しては一切経費としては計上できません。

4.不動産を維持、管理する費用面でのリスク

つづいて、不動産を維持、管理する費用面でのリスクです。不動産投資は一千万円単位の高額な投資になるので、費用面でのリスクは比較的大きいと言えるでしょう。費用面でのリスクとは、具体的にいうと「ローン支払い」のことです。

20年~30年スパンでローンを組むことも多いので、将来的にローン支払い額が上がってしまうというリスクがあるのです。

金利上昇リスク

まず、最も大きなリスクとしては金利上昇リスクです。金利は時期によって変動しますので、借入プランによっては「支払額が変わる」というリスクがあります。また、居住用不動産よりも投資用不動産の方が大きな金額を借り入れることが多いので、金利が上がることによるインパクトは大きいのです。

住宅ローンとの違い

投資用不動産の場合には、住宅ローンを組むことはできません。住宅ローンとは、基本的には「入居用不動産」の購入が前提なので、投資用不動産には適用されないのです。投資用不動産のローンは、一般的には「アパートローン」といったり「不動投資ローン」といったりします。

アパートローンと住宅ローンの大きな違いは「金利」です。結論から言うと、アパートローンの方が住宅ローンよりも数倍金利が高いです。たとえば、2017年3月現在でいうと、住宅ローンの変動金利は0.5%を切っているプランもありますが、アパートローンは2.8%程度です。

なぜ、ここまで金利差が出るかというと、住宅ローンは「入居用不動産」であり、生活する上で必要なモノを買うからです。一方、投資用不動産は必須なモノではないため金利は高くなります。また、投資用不動産を組む場合には、自分の入居用の不動産も別にあります。

つまり、入居用と投資用の二つの不動産の支払いがあるケースが多いため、アパートローンの方がリスクが高いと判断されるのです。

金利種類について

金利種類は住宅ローンもアパートローンも変わりません。具体的には「変動金利」「固定金利選択方式」「全期間固定金利」の3つのタイプです。変動金利、固定金利選択方式、全期間固定金利の順番で金利は低くなります。

ただ、変動金利は定期的に金利動向によって金利が見直されます。そのため、金利が上がった場合にはダイレクトに支払い額が増えます。固定金利選択方式に関しては、決まった期間は金利が固定されるプランです。

たとえば、「適用期間5年」であれば5年は金利が変わらずに、その後は変動に切り替えるか改めて固定金利に加入し直すかになります。「全期間固定金利」は、読んで字のごとく借入期間ずっと金利が変わらないプランです。

実際のシミュレーション

たとえば、「借入金額7,000万円 金利2.8% 借入期間25年」の変動金利でシミュレーションしてみましょう。この条件で借り入れを起こすと、月々324,712円がローン支払い額になります。仮に、5年後に金利が2.8%から3.4%に上昇したとします。

その場合には、月々支払い額が342,714円に上昇するので、月18,002円、年216,024円支払い額が上昇します。しかし、固定金利であれば期間中は支払額の変更はありません。

金利を見極める

金利動向については誰にも読むことができません。ただ、金利が上昇したときの「リスクの大きさ」は読むことができます。自分が組もうとしているローンの借入額と年数が分かれば、前項のように金利が上昇したときのリスクも分かります。

そのリスクを計算した上で、多少金利が上がっても問題ない範囲でローンは組みましょう。仮に、全期間固定金利を選んだとしても、支払額ギリギリで組むのはリスクが大きいです。

確かに全期間固定であれば支払額が上昇することはありませんが、先ほどいった「空室」および「家賃下落時」など不動産投資には別のリスクがあるのです。不動産投資は、仮に収益が数か月途絶えたとしても、支払いに問題ない範囲の借り入れにしておきましょう。

借入者の健康リスク

ローンに関してもう一つのリスクが、借入者の健康リスクです。借入者が健康を損ない収入が減少、または途絶えてしまったときにはローンの支払いが厳しくなってしまいます。ローンを組んで投資をすることが多い不動産投資は、その点のリスクも加味しなければいけません。

団信は任意

団信とは「団体信用生命保険」のことです。団信は生命保険であるので、仮に借入者が亡くなったときや高度障害になってしまったときには、その時点でのローン残債は支払われます。しかし、この団信に関しては、住宅ローンでは必須加入ですが、アパートローンは加入が任意になります。

また、団信はあくまで死亡時と高度障害時しか保障されませんので、何かの事情で働くのが困難になっても必ず保障されるというものではないのです。

必要であれば別途保険へ加入

もし、今後収入の減少や途絶える点が心配なのであれば、別途保険に加入する必要があります。今は、収入が途絶えたときに保障してくれる保険もあるので、ニーズに合わせて検討することをおススメします。

次のページ:不動産の売却リスクと賃借人とのトラブルリスク

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ライター中村 昌弘

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