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不動産投資におけるリスクについて

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725 views 2017.4.21

5.不動産の売却リスク

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基本的に不動産投資の収益は「賃料収入」です。ただ、不動産の場合には、「売却益」を得ることができるというメリットもあるのです。しかし、投資用不動産の売却と、居住用不動産の売却では根本的な違いがあり、その違いが投資用不動産のリスクとなり得ます。

オーナーチェンジ物件になる

投資用不動産を売却するときには、賃貸中の物件を売却する場合が多いです。つまり、賃借人がいる状態で不動産を売却するということなので、「オーナーチェンジ物件」という扱いになるということです。結論からいうと、オーナーチェンジ物件は以下の理由から、通常の居住用不動産売却より売りにくいです。

・部屋の確認ができない
・用意する資料が多い
・空室になっていると評価が下がる

部屋の確認ができない

まず、オーナーチェンジ物件だと部屋の確認ができません。理由は、単純に賃借人が居住中だからです。賃借人に許可を取れば室内の見学は可能ですが、そもそも賃借人に許可を取ることはほとんどしません。つまり、その物件を購入する人は、室内を見ずに購入しなければいけないということです。

室内の確認ができないと、「室内の劣化具合」を見ることができません。そのため、室内が予想以上に汚れていたり傷ついたりした場合には、退去時の補修費用が予想以上の出費になることがあります。特に、一棟の不動産投資の場合には、複数の部屋があるためリスクは一層大きくなります。

これらのリスクを加味して購入するということは、通常の入居用不動産の相場価格より金額が落ちることが多いのです。これが、投資用不動産を売却するときのリスクになるのです。

資料を用意する

オーナーチェンジ物件を少しでも高く売る方法は、できるだけ正確な資料を用意するということです。特に大事になってくる資料はレントロールと言われる資料です。レントロールとは日本語で「家賃明細表」と言われる資料です。

レントロールには以下の項目が記載されています。

・家賃
・敷金
・契約日、契約期間
・賃借人の属性

上記のような項目の記載がありますが、決まったフォーマットがあるワケではありません。ただ、このレントロールを見て、購入者が「どのような物件か?」「リスクはどの程度あるか?」を判断する必要があります。そのため、継続期間が長い居住者がいたり、賃借人の属性が良かったりするとプラスの評価になります。

一方、家賃の滞納があるなど、マイナスの要素があると売却するときにはデメリットになるということです。つまり、今後売却まで視野に入れている場合には、きちんと賃借人の選別をしなくてはいけないということです。

空室になっていると評価が下がる

前項の「内見できない」という点を受けて、「空室の状態のときに売却すれば良い」と思う人もいるかもしれません。しかし、その考えは間違いです。なぜなら、そもそも空室になっている物件を購入検討者は評価しないからです。

もちろん、退去の補修作業やクリーニング作業があるので、1日も空室がない状態というのは中々ありません。しかし、人気物件であれば、せいぜい1~2週間の間には修繕などをして次の入居者を迎えます。

不動産の売却には数か月かかりますので、空室になっている時点で「人気がない物件では?」と思われてしまうのです。

「3,000万円の特別控除」が使えない

投資用不動産を売却するときは、「3,000万円の特別控除」が使えないという点もリスクになります。
特に、入居用不動産の売却を経験している人は、「3,000万円の特別控除」が使えることによって税金がほぼ発生しないことを知っています。「3,000万円の特別控除」とは、簡単にいうと「譲渡所得から3,000万円控除します」という税制優遇です。つまり、不動産を売却して利益がでても、利益が3,000万円以下であれば税金はかからないということになります。

入居用不動産を売却して3,000万円の利益が出ることはほとんどありません。
そのため、入居用不動産の売却時には、基本的に非課税ということです。

譲渡所得税について

不動産を売却して利益が出たときは「譲渡所得」になり、譲渡所得税が課税されます。この譲渡所得税は以下のように高い税率になるのです。

・長期保有:所得税15%(復興特別所得税2.1%)、住民税5%
・短期保有:所得税30%(復興特別所得税2.1%)、住民税9%

長期保有とは5年以上物件を保有した状態で、短期保有とは5年未満の保有の場合です。仮に投資用不動産を売却して2,500万円の利益(譲渡所得)が発生したとします。そのときは、長期保有であれば約508万円、短期保有であれば約991万円の譲渡所得税がかかります。

譲渡所得税がかかるということは、利益が出たということなので、損をしているワケではありません。しかし、「3,000万円の特別控除が使えない」という投資用不動産ならではのデメリットもあるので、譲渡所得税率が高い点を認識しておく必要はあります。

6.賃借人とのトラブルリスク

つづいて、賃借人とのトラブルリスクです。不動産投資は、「賃借人」という第三者がいます。また、マンションやアパート経営の場合、集合住宅という特性上、賃借人同士のトラブルもあり得るのです。これは、株やFX、債券などにはない不動産投資ならではのリスクと言えるでしょう。

家賃滞納リスク

家賃滞納リスクは、不動産投資の中で最も厄介なリスクの1つと言えます。家賃を滞納するだけならまだしも、滞納した状態で居住し続けるというケースもあるからです。滞納をしているからといって、滞納した瞬間に入居者を追い出すことはできません。

賃借人は「借地借家法」という法律に守られているので、たとえ家賃を滞納しても、ある程度の期間が経たないと立ち退きさせることはできないのです。

家賃回収は代行会社へ委任

家賃を滞納されたときに最も重要なことは、即日家賃の回収に行くことです。賃借人からしても、どの程度家賃の回収をしてくるかで態度が変わってきます。極端な話、家賃滞納から数週間経って、やっと書面で連絡が来る程度であれば甘く見られてしまいます。

そうなると、結局滞納した家賃は支払われず退去になったり、そもそも先ほどいったように立ち退きまでに時間を要してしまったりする場合も少なくありません。

そのため、家賃回収に関してはノウハウがあり、回収業務に慣れているプロの業者にお願いしましょう。仮に、一室の不動産投資だったとしても賃貸管理業者に家賃の回収はお願いした方が無難です。

滞納保障のある賃貸管理会社を選定

また、賃貸管理会社によっては「滞納保障」というプランがあります。このプランは、家賃を滞納されたときも、賃貸管理会社が家賃を保証してくれるプランです。ただ、滞納保証をする代わりに手数料を支払う必要があるので、収益自体は減額になるという点はデメリットになります。

賃借人の選定の厳格化

また、賃借人と賃貸借契約を結ぶかは、最終的にはオーナーが判断します。しかし、実際には仲介業務を依頼している不動産会社の審査が通った賃借人は、ほぼ無条件で賃貸借契約を結ぶケースが多いです。

しかし、家賃滞納のリスクヘッジをするのであれば、オーナーの視点から賃借人を絞り込むのは大切です。絞り込みすぎると空室リスクにつながりますが、たとえば「属性」の指定をして雇用形態や年収制限などを設けるなどの対応は効果的です。

敷金トラブル

家賃滞納の次は敷金に関するトラブルリスクです。敷金とは、そもそも賃借人が居住しているときに付けた傷や汚れを原状回復するために預かっている費用です。そのため、賃借人が部屋から退去するときには、立ち合いの元、敷金から補修費用を差し引いて返還します。

仮に、補修費用が敷金を上回れば、追加で補修費用を請求するという流れになります。敷金トラブルに関して覚えておくべきことは「原状回復の定義」です。

原状回復の定義

一般的には、原状回復とは「賃借人が入居前の状態に戻すこと」と思われがちです。しかし、国土交通省が発表しているガイドラインには以下のように定められています。

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」※7より引用
つまり、賃借人は経年劣化による室内の傷や汚れは補修する義務はないのです。経年劣化のよる傷や汚れとは具体的には以下のような傷や汚れを指します。

・日常生活によって生じた床の傷や汚れ
・冷蔵庫裏のクロスの汚れ
・普段使いによるコンロの汚れ
※7国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

立ち合いによるチェック

上記のような汚れ・傷は賃借人が原状回復する義務はないため、実はほとんどの場合賃借人は補修する必要がありません。もちろん、明らかに賃借人の過失による傷・汚れは賃借人が原状回復をしなければいけません。

しかし、その傷や汚れが過失かどうかの判断をするのが難しく、「この傷や汚れはわたしの過失ではない」と言われてしまうと、中々原状回復費用を請求できないのが現状です。

立ち合い業者への依頼と特約

これも、上述した「家賃滞納」と同様で、プロである立ち合い業者に依頼しましょう。立ち合い業者であれば、なぜその傷や汚れが賃借人の負担になるのかをきちんと説明することができます。一度持ち帰ってしまうと時間がかかりますので、その場で賃借人とやりとりをすることが大切です。

また、賃貸借契約を結ぶときに「特約」を結ぶという方法もあります。たとえば、「退去に伴ないクリーニング代として一律3万円請求させてもらう」というような内容の特約です。特に、ペット飼育可のマンションは傷・汚れができやすいので、特約でリスクヘッジするという方法は効果的です。

近隣同士のトラブル

また、集合住宅の特性上、近隣同士のトラブルが発生することもあります。基本的には管理規約に「入居者同士のトラブルは入居者同士で解決していただく」という文言があるケースが多いですが、オーナーにまで飛び火するケースも少なからずあります。

たとえば、「タバコの煙」に関してのトラブルであれば、「共用部のルール変更」を求められるかもしれません。その場合には、賃貸管理会社だけでは判断できないため、最終的にはオーナーの判断になります。その判断基準としては、「トラブルの大きさ」「処理した後のトラブルの拡大具合」「近隣物件の動向」という3つの要素が大切になります。この点は、管理会社のノウハウが試されるところなので、管理会社は管理物件数が多くノウハウが豊富な会社を選ぶことがリスクヘッジにつながります。

次のページ:空室保証のトラブルリスクと金利上昇リスク〜まとめ

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中村 昌弘

ライター中村 昌弘

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