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不動産投資におけるリスクについて

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470 views 2017.4.21

7.空室保証のトラブルリスク

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つづいて、空室保証という管理形態にした場合のトラブルリスクです。最近では、この空室保証というプランを選択するオーナーも多いですが、しっかり仕組みを理解していないことによるトラブルが多いのも事実です。もし、空室保証にする場合、もしくは既にしている場合には、以下の点は必ず理解しておきましょう。

空室保証とは?

そもそも空室保証とは、先ほどの滞納保証と似ており、「空室で賃料を保証してくれる」という賃貸プランのことです。空室保証という言葉以外にも「一括借り上げ」や「サブリース」とも呼ばれます。この3種類は、厳密には少々意味合いが異なるのですが、一般的には広義として同じ意味として扱われます。

空室保証契約を結ぶときには、まず賃貸管理会社とマスターリース契約という契約を結びます。マスターリース契約とは、賃貸管理会社が賃借人となる賃貸借契約のようなものです。その後、賃貸管理会社が一般個人の方を募集して、その一般個人の方と賃貸借契約を結びます。

つまり、賃貸管理会社はオーナーから借りた物件を一般個人に又貸しするということです。オーナーからすると、一般個人の賃借人が賃付けできなくても、賃貸管理会社とマスターリース契約を結んでいるので家賃は支払われるのです。

ただ、空室保証してくれる賃貸管理会社に、賃料の10%前後の手数料を支払う必要があります。空室時にも家賃は保証されますが、その手数料を計算した上で空室保証にするかは判断しましょう。

空室保証のリスク

また、空室保証契約を結ぶときには、以下2つのリスクがあります。

・家賃下落リスク
・強制解除のリスク

この2つのリスクは不動産業界では大きなリスクとなり国土交通省も規則を変える※8ほどの大きな出来事になりました。しかし、この2つのリスクについては、空室保証契約の内容をしっかり理解していればリスクヘッジできる内容です。
※8国土交通省 「賃貸住宅管理業者登録規程」及び「賃貸住宅管理業務処理準則」の改正

家賃下落リスク

家賃は下落するリスクがあります。厳密にいうと、家賃が下落する可能性は通常の賃貸時よりも空室保証契約時の方が高くなります。理由は、空室保証契約の仕組みにあります。

空室保証契約は、賃貸管理会社からすると絶対に空室にしたくありません。賃貸管理会社は家賃の10%程度の手数料しかもらっていないので、1か月空室になっただけで10か月分の手数料収入がなくなるからです。つまり仮に2か月、空室になったら、その分の支払った家賃を保証するのに20か月の回収期間が必要になるというワケです。

厳密にいうと保証金などの取り扱いルールが賃貸会社によって異なるため、上記とは限りませんが、説明上、賃貸管理会社の収益は「家賃10%程度の手数料」という前提の話です。

そのため、空室リスクが高まったときには、賃貸管理会社は家賃を下げるという選択を真っ先にとります。空室対策は色々とありますが、一番手っ取り早いのが家賃を下がることだからです。当然ですが、家賃が下がればオーナーの収益が減ってしまいます。

契約解除リスク

空室保証契約をするときには、「10年保証」など長期間空室保証するかのような謳い文句が多いです。しかし、10年保証と謳っていても、2年程度のスパンで賃料の見直しが行われることが多いです。そこで賃料の見直しに応じない場合には、強制的に空室保証契約が解除される場合があります。空室保証契約は、このような「賃料の改正がある話は聞いていない」というトラブルが多いのです。このようなトラブルが多いため、先ほどのルール改定※8が行われたという背景があります。

ルール改定の内容を簡単にいうと「将来的に家賃が下落する可能性がある旨をオーナーに必ず伝える」という内容です。

このルール改定ができてから、空室保証を行っている賃貸管理会社の多くは、上記の説明を行った旨を賃貸借契約とは別紙で取得するようになりました。

空室保証契約を締結する場合の注意点

結論から言うと、まず空室保証契約を結ぶときには、将来的に家賃は下落する可能性が高いと思っておきましょう。下落した家賃を加味したとしても利益が上がらないとリスクが大きく過ぎます。その下落した家賃のシミュレーションは、周辺物件の下落率から算出する良いです。

情報収集

まず、空室保証契約を結ぶ不動産会社を含め、できれば複数社に「周辺賃料相場」のデータを出してもらいましょう。なぜ複数社かというと、データが多いに起こしたことはありませんし、意図的にデータを絞られると正確なデータを抽出できないからです。

賃貸管理業者であれば、周辺の相場データはたくさん保有しているはずですし調べることは容易です。提出してもらうデータは以下の通りです。

・物件住所
・物件規模(棟数、広さ)
・家賃
・築年数

これらのデータをエクセルなどで出した後、必ず㎡単価で賃料を算出しましょう。たとえば、35㎡13万円の家賃であれば㎡単価は3,714円(13万円÷35㎡)です。このデータを築年数ごとに並べて、築年数が経つごとにどの程度家賃が下がっているかの「下落率」を算出するのです。

自分の物件と照らし合わせる

前項で下落率を算出したら、次は自分の物件に照らし合わせます。たとえば自分の物件が月々10万円の家賃で、下落率が年1%だとします。その場合、通常は年間の家賃収益が120万円ですが2年目の家賃収益は118.8万円(120万円×99%)になります。

さらに、空室管理の手数料の10%(12万円)が差し引かれれば、1年目の年間収益は108万で、2年目は106.8万円です。この金額に、上述した「経費」を加味して、利益がどの程度になるかをシミュレーションするのです。

このように、10年~20年程度の長期間でシミュレーションをして、家賃が下落して、なおかつ家賃保証の手数料を支払っても利益が上がることを確認します。その上で、利益が出るようであれば、空室保証のリスクは小さいといえます。

空室保証契約の場合には通常の賃貸借契約のときよりも一層、家賃の下落リスクは加味して考えるべきなのです。

8.災害関係のリスク

さいごのリスクは災害関係のリスクです。何度もいうように、不動産は実物資産であるため、災害に関してはほかの投資に比べるとリスクが大きくなります。災害とは、具体的には地震と火災、そしてその他水害などのことを指します。

地震リスクと対策

ご存知の通り日本は地震対策ですので、建物が地震対策をどの程度しているかは重要です。不動産における地震対策は、「いつ建てられたか」と「構造」をチェックすることで分かります。「いつ建てられたか」については旧耐震か新耐震かをチェックします。また、「構造」に関しては「耐震」か「制振」か「免震」かをチェックします。一棟の不動産投資の場合には、この3つの構造のうち、どの構造を採用するかを決めます。

旧耐震と新耐震

旧耐震と新耐震とは、建築基準法が古いときに建てられたか、新しく改正された後に建てられたかということです。1981年に建築基準法が改正されたので、1981年を境に旧耐震か新耐震かに分かれます。
1981年以前に建てられた旧耐震物件に投資するのはリスクが高いということです。

そもそも、新耐震ができたキッカケは、1978年に宮城県沖で起きた地震被害です。この地震により倒壊した建物があり、多くの人命が奪われたため「震度6以上でも倒壊しない住宅」という基準で新耐震が誕生しました。

特に今はリノベーションが流行っているので、内装がキレイな築古物件は存在します。築が古くても需要があれば良いのですが、旧耐震は避けた方が良いです。ネットで調べれば旧耐震のリスクは一般個人でも簡単に把握できるはずですので、旧耐震という物件だけで敬遠されるリスクがあります。

構造

先ほどいったように地震には「耐震」「制振」「免震」の3つの構造があります。これは主に鉄筋コンクリート造のマンションの話です。

耐震は柱や梁で地震に「耐える」構造になります。制振は、建物内部にダンパーを施すことによっては、揺れを吸収するという地震対策になります。一方、免震は地盤と建物をつなぐ基礎部分を分離させることによって、地面の揺れが建物に届きにくくするという構造です。

免震、制振、耐震の順番で地震には強いといわれており、同じ順番でコストが高くなります。湾岸エリアなど、地震を気にする人が多いエリアでなければ、耐震構造のマンションで十分です。

この3つの構造のどれを選ぶかでコストが大きく変わってくるのと耐震構造でも大地震で倒壊しないという高い基準を保っているのです。

地震対策

地震対策に関しては、上述した「旧耐震物件は避ける」という点と「構造を理解する」という点がまず重要です。しかし、そのほかにも以下の点に注意して地震対策を行いましょう。

・エリアの情報収集
・投資エリアの分散
・地震保険への加入

エリアの情報収集

地震への対策は、まずそのエリアの地震危険度をチェックしましょう。役所へ行くと、地震による建物の倒壊危険性などのマップをもらえます。また、液状化予測図などを用意している自治体もあるので、その資料を手に入れましょう。

ネットでも、資料は手に入ります。東京都の資料「東京都中央区 中央区における津波および液状化について」※9
また、地震に関しては地震ごとに詳しい資料が、内閣府より出典※10されています。

※9東京都中央区 中央区における津波および液状化について
※10 内閣府 防災情報のページ

投資エリアの分散

また、複数の不動産投資をする方は「投資エリアを分散」させるという対策もあります。エリアによって地盤の固さが違うので地震被害の想定も異なります。そのため、前項で解説した災害マップを見ながら、各地に分散して投資するようにしましょう。

地震保険への加入

先ほどいったように地震保険は任意加入になります。原則は、火災保険に付保する保険になるので、火災保険に加入していないと地震保険にも加入できません。また、地震保険は火災保険よりも保険料は高くなり、保険金の上限も決まっています。

そのため、地震保険に加入するかはエリアと物件によって判断しましょう。仮に、上述したようなデータから、地盤も強く地震対策もばっちりな物件には、わざわざ地震保険を付保する必要はないかもしれません。

また、複数物件所有している場合には、全ての物件に地震保険を付保する必要はないと判断することもあります。このように、物件のエリア特性や物件の所有数などを加味した上で、地震保険への加入は判断しましょう。

火災リスク

火災リスクに関しては、特に木造アパート経営の場合には注意しましょう。木造だと1部屋で火災が発生すると、ほかの部屋への延焼が早いです。そのため、火災リスクをヘッジするなら、そもそも鉄筋コンクリート造のマンションへ不動産投資することです。

もちろん、鉄筋コンクリート造のマンションでも火事は起こり得ますが、延焼するリスクは木造アパートよりも遥かに小さいです。または、アパートを建築するときも多少コストは上がりますが、軽量鉄骨造にするなども火災対策になります。

エリアを考える

火災リスクを避ける対策としては、火災が発生しにくいエリアにすることです。たとえば、以下の点に注意してエリアを選ぶと火災リスクは軽減できます。

・緊急車両が入れる道幅に接道している
・木造密集地帯は避ける

万が一火災が発生しても、消防車がきちんと消火活動をしてくれれば、延焼するリスクは軽減できます。そのため、消防車や入りやすく消火活動しやすい、大きな道路に接道していることは火災リスクを軽減する重要なことになります。また、戸建て街などの木造密集地帯を避けることも大切です。仮に、自分の物件では火災が発生していなくても、周辺の物件が火事になれば延焼する可能性はあります。このような「エリアごとの火災危険度マップ」についても、各自治体は作成しているので、最寄りの役所のホームページを見てみましょう。

設備やルールを工夫する

ほかに火災リスクを軽減する方法としては、建物設備やルールを工夫することです。
具体的には以下のようなことを実施すると火災リスクは小さくなります。

・全部屋IH採用
・共用部および敷地内を全面禁煙
・ゴミ出しは時間制限を設ける

総務省消防庁の資料※11によると、火災の原因は1位がタバコの不始末で、5位がコンロとなっています。そのため、ガスではなくIHを採用することで、火災リスクは大きく下がります。1Rの部屋であれば、1口の電気コンロでも問題ありません。「タバコの不始末」は火災原因の1位なので、共用部と敷地内を禁煙にすることで、火災リスクを小さくできるのです。

また、「放火および放火の疑い」という理由も火災理由全体の20%を占めています。出火場所まではデータでありませんが、ゴミに放火するケースが多いとすると、ゴミ出しの時間を区切るのも火災リスクを軽減するのには効果的だと考えられます。

たとえば、24時間ゴミ出しOKだったのを、「ゴミ出し日前日の18時~当日9時まで」のように時間を制限するということです。※11総務省 消防庁

まとめ

このように、不動産投資は実物資産ならではのリスクもあります。しかし、実物資産であるので、次の日に価値が30%落ちるリスクは極めて低いですし1年で資産が半分になるリスクもほぼないでしょう。一方、株などの投資は1年間で資産が半分になるリスクは大いにあります。

不動投資は、投資の中では珍しく「賃料収入」という安定収入があります。もちろん空室リスクもありますが、安定的に利益が上げられる投資という大きなメリットもあるのです。

そのメリットを最大限に生かすために、上述したリスクは良く理解した上で投資に臨みましょう。

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ライター中村 昌弘

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