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不動産投資における自己破産リスクと対応策 

オススメ 初心者向け
3,680 views 2017.5.2

不動産投資における自己破産リスクと対応策

不動産投資には様々なリスクがあります。そういったリスクが発生した時に対応できなかった場合、何が起こってしまうかというと、最終的には自己破産となります。私はこの自己破産というのが不動産投資における最悪の結果だと考えています。

自己破産という最悪の結果にならないためには、不動産投資においてどういったリスクが存在するかを把握することが重要です。どういったリスクがあるか分からなければ対応すらすることができません。

ただし、何事もそうですが利益が発生している限り必ずリスクはあります。
それはどんなビジネスでもそうです。ある程度のリスクを背負っているからこそ利益を享受することが出来るということは忘れずしていただきたいと思います。つまり、どんなリスクも完全にゼロにすることはできません。問題はどれだけ軽減することが出来るかということです。

そういった前提で、本日は自己破産に至る可能性のある主なリスクについてお伝えしたいと思います。私の不動産投資仲間で実際に自己破産しまった方もおりますので、そういった実例も含め、できる限り具体例を出してご説明したいと思います。

目次
1. 経営難易度が高い物件を購入してしまうリスク

2. 滞納リスク

3. 家賃下落及び金利上昇リスク

4. 空室リスク

5. 地震リスク

6. 大規模出費発生リスク

 

1.経営難易度が高い物件を購入してしまうリスク

不動産仲介業者の説明に惑わされるリスク

まずは、何といっても自分自身では気付かずに「経営難易度の高い不動産」を購入してしまうリスクです。

これをリスクと申し上げているのは、不動産投資の知識や経験がない初心者の方が惑わされる要因が不動産投資購入という入口の場面で多くあるからです。

まずは、不動産仲介業者の説明です。彼らは売買仲介を行うことにより上限で物件価格の3%+6万円を売買仲介手数料としてもらうことができます。この仲介手数料の捉え方が仲介業者によって異なります。
ある仲介業者はこれだけ大きな仲介手数料をいただくのであれば責任を持ってあらゆるリスクを説明して、納得していただいた上で買主の方に購入いただこうと考えます。しかし、そういった善良な仲介業者だけではなく、普通にリスクを説明してしまったら購入してくれないので、買主の購入意欲が下がってしまうようなことは言わずに仲介手数料だけもらって、その後のフォローは全くしないと考える仲介業者もいます。

ここで、実際に私の身に起きた事件をお伝えしたいと思います。

過去に区分所有マンションを購入した時の話ですが、区分所有マンションを購入すると通常、管理費と修繕積立金を支払わなければなりません。管理費は定期清掃や定期点検、管理組合の管理等通常の管理に対して支払う費用、修繕積立金は将来の大規模修繕工事に備えて積み立てているという性質の費用です。

従い、区分所有マンション購入後のキャッシュフローにこの管理費と修繕積立金は大きく影響してくるので、かなり重要な情報となります。

宅建業法上、購入前に宅地建物取引士が買主に重要事項説明書という購入する不動産の概要が書かれたものを説明しなければならないという決まりがあります。この取引もその重要事項説明書を使用してその不動産の説明がなされましたが、その時に説明された修繕積立金は20,000円でした。この金額は物件購入の際に参考にした販売図面に記載の金額と同じだったので、特に疑問を持たなかったのですが、購入後初めて届いた修繕積立金の通知金額を見て驚きました。

なんと、金額が40,000円になっていたのです。

何かの間違いと思い、物件の建物管理会社に連絡してみたところ、ちょうど私が所有した月から修繕積立金が2倍になったということでした。この物件、もともとは建物管理会社もなく管理組合で自主管理をしていたらしいのですが、築年数40年を超えてきたあたりから、自主管理ではどうにもならないということで、大手建物管理会社に管理の委託をし、その大手管理会社が、今の修繕積立金では到底間に合わないので、2倍に引き上げたということでした。
この事実自体はどうしようもないのですが、問題は売主がそれを知っていたかどうかです。

こういった大きな決断は必ずマンションの管理組合で多数決を取るわけですが、この修繕積立金の件に関しても過去の議事録が残っていました。私が購入した部屋の方も議決権を行使していたのですが、私が直接購入した売主ではなかったのです。登記簿を見る知識すらなかった私も悪いのですが、前の前の所有者→売主→私という流れで物件の売買がなされ、私の直接の売主はたった1か月弱所有して売却したという記録が登記されていました。

売主は議決権を行使していないものの、建物管理会社の担当曰く、その売主の業者に修繕積立金が引きあがるという通知は郵送しており、返送されなかったことから絶対にその売主の業者には届いているという話でした。つまり、知っていたにもかかわらず、私に告知しなかったという可能性が非常に高かったということです。

ちなみに、宅建業法上では、業者が売主で買主が業者でない場合、売主から買主に重要な事実を告知しなかった場合は1億円以下の罰金を科するという規則となっています。しかし、実際に訴訟するとなるとそれなりの費用もかかりますし、時間もかかるため泣き寝入りになるパターンが多いと聞きます。

私の場合は、糾弾書という形で書き物で通知したり、簡易訴訟をしようと試みたりしましたが、海外駐在に出発する時期と重なり、結局は泣き寝入りとなりました。しかし、それはそれで致命傷を負わないレベルで騙された経験を積めたので、経験値が上がったという意味でポジティブに捉えています。

上記は私が経験した1つの例ですが、皆さんにお伝えしたかったことは、みんながみんな善良な仲介業者ではないということです。彼らは仲介手数料という報酬を得るために、自分たちにとって都合の悪いことは言わないことも多くあります。それを見破るためには、自分の知識を高め、経験を積んでいくことしかありません。決して仲介業者任せにしないようにご注意下さい。

無数にある情報に惑わされるリスク

次は、この不動産投資市場が過熱していることに伴い、ネットや書籍での情報が氾濫している点です。ある人は中古の戸建が良いと言ったり、ある人は新築で勝負すべきだと言ったりある人は地方物件が良いと言っているので、何が自分にとって何が一番良い投資手法なのかが分かりにくい状況となっています。

経営難易度の高い不動産を購入してしまうリスクとして良くあるのが、表面利回りが高いと思って物件を購入したところ、実はその満室想定家賃収入を得るなど夢のまた夢の状況で、むしろ赤字になってしまうぐらい経営が厳しいというパターンです。これはそもそもの投資リスクとリターンの関係性を理解していないからこそ起こってしまう失敗だと私は認識しています。

私は本業の方では財務・経理マンとして勤務していますが、投資案件の査定を行うことがしばしばあります。その際に将来の計画キャッシュフローを現在の価値に置きなおして、それが投資する金額よりも大きければ投資実行、小さければ投資を実行しないという指標を作ります。これはファイナンス用語では割引現在価値と言っているのですが、リスクが高ければ高いほど、割引に使用するレート、いわゆる割引率を高くします。
例えばですが、同じ不動産投資であっても、日本で実行するのと、フィリピンで実行するのは大分リスクが異なります。仮に日本であれば、リスクレートが2%、フィリピンであればリスクレートが8%だとしましょう。

日本で500万円投資して、5年後に600万円返還される案件と、フィリピンで500万円投資して5年後に700万円返還されるという案件を現在価値に置きなおした場合は以下の通りとなります。

日本の場合 600万円 × 1 / (1.02)⁵ = 543万円
フィリピンの場合 700万円 × 1/ (1.08)⁵ = 476万円

初めて割引現在価値という言葉を聞いた方は上記の1 / (1.02)⁵と1/ (1.08)⁵の意味が理解できなかったかもしれませんが、これが割引率となります。割引率が高くなればなるほど、また、将来先のことであればあるほど、割引率は高くなり、現在価値は小さくなります。

上記の場合でいえば、5年後に受け取れる予定の金額的に言えば、フィリピンの投資案件の方が大きいわけですが、リスクを考慮すると、日本の投資案件の方が現在価値は高いということになります。

リスクレートに関して深い言及をすると、話がそれてしまうので今回は控えますが、ここで申し上げたいことは、将来の収入に対して物件価格が安いということは、それだけ購入後のリスクが高いと市場は見ているということになります。
この考えは不動産投資にも応用することが出来ます。
地方物件と都心物件に関して、地方物件の方が将来の経営リスクが高いからこそ想定家賃収入に対する不動産価格が割安になります。結果、地方物件の方が表面利回りは高くなります。

同じ都心の物件であっても、一方は築年数が40年超のもの、一方は築年数が10年程度のものであれば、保有後のリスクがより高い築年数40年超のものの方が想定家賃収入に対する不動産価格が割安となり、結果表面利回りは高くなります。

不動産価格が、必ずしもこのリスクとリターンのバランスで決まっているわけではないのですが、表面利回りだけで物件のよしあしを判断してしまい必要以上の経営リスクを負ってしまう人に対しては、まずこの基本的なリスクとリターンのバランスと不動産価格へのどのように反映されていくのか?という部分を理解しておく必要があります。

その上で、何が一番リスクになり得るかというと、表面利回りが高い背景を知らずに、その裏に隠れている保有後のリスクを知らずに購入してしまうことです。

例えば、良くある話が下駄履き物件と言われる物件を購入してしまい、購入後に苦労してしまうパターンです。
この下駄履き物件は健美家や楽待といった投資物件ポータルサイトでも良く見るのですが、1Fが大きな店舗、2Fより上が住居という1棟物件です。

こういったタイプの物件、表面利回りは高く見た目は良いのですが、1Fの店舗の家賃収入の割合が高く、もし1Fの店舗が長期間空室になってしまった場合、場合によっては赤字になってしまうケースもありますし、そもそも住居と店舗ではニーズが異なります。

例えば、都心であれば最寄駅から徒歩10分以内の距離であれば、物件に大きな問題がない限りはそこまで苦労することなく、住居の入居者付けをすることできます。また、住居であれば、最悪家賃を下げれば決まることが多いということもあります。

一方、店舗の場合は、最寄り駅から徒歩10分でも、決まらない場所は決まらないと聞きます。また、本当に需要のない立地だと、どれだけ家賃を下げても決まらず、平気で半年、1年と空室になってしまうことも良くあるという話は賃貸管理業者から聞くことが多いです。

まだ店舗としての需要がある立地であれば問題ないと思いますが、一般的に表面利回りが高くなっている下駄履き物件は、仲介業者の間で購入しようという業者が出なかった、いわゆる余りもののため、基本的にその後の経営リスクは高いケースが多いのです。

また、立地はあまり宜しくない、最寄り駅から20分の都内近郊物件ですが、近くに工場や大学等があり、その従業員や大学生で賃貸需要があるような物件も一般的には危険です。

こういった物件は立地があまり良くないので、表面利回りが高くなる傾向がありますが、近くの工場が閉鎖したり、大学が移転した場合など、急に賃貸需要がなくなりその後の経営が厳しくなるケースがあります。一見すると、表面利回りも高いし、現況満室だし、良い物件だなと考える方もいるかもしれませんが、何かに頼らなければ経営が成り立たないような物件はその何かが崩れる可能性もあることを考えると危険な投資だと考えます。

上記の下駄履き物件と特定の賃貸需要に頼った物件は数あるケースの内の2つの例なので、まだまだ多数こういったケースがありますが、大事なことは購入するときにそういった保有後のリスクをしっかり把握できているかという点です。

その上で、そのリスク対応が可能かどうかを考えて購入に至るというのが正しい過程です。

問題なのは、最近不動産を購入する方は、表面利回りが高い物件の裏に隠れているリスクを認識せずに購入し、購入後にそのリスクに気付くというケースです。

成功している大家の方を見ると、このリスクを認識しているのはもちろんのことですが、そのリスクに対して対応できる幅が広い方が多いです。例えば、誰も購入しないようなオンボロ物件があるとします。築年数も経過しており、物件自体も相当劣化が激しくなっているのがリスクありということで、表面利回りが高くなるのが通常です。
一般の方が普通にリノベーション業者に依頼した場合、それなりのコストが発生してしまうので、結局投資案件としては実行に移せないのですが、そのリノベーション自体を自分でできるノウハウがあれば、リスクを小さくすることが出来ます。

そのようにして、リスクを自分の経営手腕で最小リスクにして、より多くのリターンを得るという投資手法で規模を大きくされた方もいらっしゃいます。ただ、ここまでは一般の人はできないでしょう。
どのようにして自分自身でリスクをリスクと認識できる知識を積んでいくかというと、多くの業者と話をして、多くの書籍や情報を仕入れ、できる限り自分自身で動くことでしかないと私は思います。

最初にお願いした仲介業者が運よくかなりサポート的で知識もある方で、その後の経営で困難になることはなかったという可能性もあります。しかし、そういった仲介業者にあたる確率の方が格段に少ないこの不動産業者、やはり自分の身は自分で守るという意識は強く持つべきだと思います。

そのためにはまずは「量」をこなすべきでしょう。
入口の物件購入のところで転ぶとその後長い苦悩が待っていると考えると、購入する前の段階で苦労しておく。それがこの不動産購入で失敗するリスクを少なくする近道だと私自身は考えています。

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中林 準

ライター中林 準

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