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重要事項説明のネット化が本格的にスタート、その影響は?

126 views 2017.8.24
重要事項説明のネット化が本格的にスタート、その影響は?
これまで不動産売買に伴う重要事項説明は必ず売主と買主、そして宅地建物取引士の対面のもとに行われてきていました。
しかしIT技術の発展により、ネットを媒介しての重要事項説明を実現するための取り組みが進められており、この10月から本格的に開始されます。重要事項説明のネット化が行われることで、不動産取引の何が変わるのかを考えてみました。
目次

1.重要事項説明ネット化のこれまでの経緯

2.重要事項説明ネット化によるメリット

3.ネット化で懸念されている問題とは

4.まとめ

1.重要事項説明ネット化のこれまでの経緯

重要事項説明ネット化のこれまでの経緯
IT技術やインフラの発展に伴う重要事項説明のネット化は2017年より前、2015年からすでに検討されてきていました。

2015年から2017年までの約1年半の期間、テストとして実際に幾つかの事業者でネットを介した重要事項説明はすでに実施されていたのです。

その結果は好評であり、ネット化による不満の声は、不動産業者、賃貸人の両側から上がることも非常に少ないという結果になりました。そこで2017年10月から全国の不動産関連の事業者で、ITによる重要事項説明が本格的にスタートすることとなったのです。

2.重要事項説明ネット化によるメリット

重要事項説明ネット化によるメリット
実際に重要事項説明がネットを介してできるようになることで、どんなメリットがあるでしょうか。考えられるものとしては、以下の様なものがあります。

・遠距離の不動産屋まで赴かずに契約ができ、費用や時間の節約になる
・不動産売買や賃貸契約の活性化につながる
・重要事項説明の内容がログとして残せるので、トラブルの防止になる
・重要事項説明書などをデータで渡すことになるので、保管性が高い


まず一番理解しやすいメリットは、わざわざ不動産屋に何度もいかずとも、賃貸や売買が可能になるということです。

これは不動産を借りたい人、そして購入したい人にとっては時間も移動のための費用もかからず、物質的な距離で契約を断念していた遠隔地の物件も手軽に借りることができるようになります。

民泊新法の施行により、地方の空き家を民泊施設として活用できるようになるといった、地方不動産の活性化が期待されていますが、ネット重要事項説明の解禁でこれが後押しされることも期待されます。

またもう一つ重要なのがSkypeやチャットワークなどで重要事項説明を行えば、その内容がログや録画として残せるということです。

これまでももちろん宅地建物取引士立ち会いのもと、説明をした、していないという齟齬のないような契約が行われてきましたが、契約者がログを見て内容を再確認できるようになれば、契約時のトラブルを減らすのにも役立つ効果が見込めます。さらに契約書や重要事項説明書をデータ化して渡すようにすれば、再覧がしやすくなるというメリットもあります。

これまで不動産取引に対する知識がなく、説明を鵜呑みにするだけだった契約者にとっても、改めて書面を確認し、不利益がないかをチェックできるメリットがあるといえます。

また極端な話として、すべての不動産契約をネットで済ませて、実店舗を置かずに経営する事業者の登場も起こり得るかもしれません。不動産事業へ進出する人が増えてくることも予想されます。

法人への契約はテスト期間ではわずか2件の取引事例しかなかったのですが、ネット重要事項説明が行えることで、持ち出し禁止の法人印を使うことができるようになる、との声も有り、法人契約にとってもメリットがあるようです。

3.ネット化で懸念されている問題とは

一方で懸念されている事項にはどんなものがあるでしょうか。

まずITリテラシーの問題です。若い人はネット重要事項説明において機器の取扱にも問題はないでしょうが、中高年の人にとってはスマホやタブレットなどのデバイスを自由に使いこなすのはかなり難しいと感じることも多いでしょう。

デジタル・ディバイドという言葉がありますが、ITに関する知識やスキルは、一般的な不動産に関する知識以上に差が大きく、属人性が大きいと言えます。

国土交通省ではネット重要事項説明に関する手順などをまとめたガイドラインを作成する方針ですが、ITを使って重要事項説明を行うことに抵抗のある不動産屋が、時代の波に取り残されていく恐れもあります。

また重要事項説明の途中で機器の操作に失敗してしまい、顧客の不興を買って契約が途中で頓挫すると言ったことも予想できます。特に金額が大きい取引は買主も売主もナーバスになるものですから、その途中で宅地建物取引士がスムーズに手続きを行えないと、不審に思われる恐れもあります。不動産業者、特にネット関連に慣れていない人の負担はかなり大きいといえます。

さらに対面で説明を受けることにこだわる顧客も少なからずいるでしょうから、ネット重要事項説明ではそういった人へのフォローや説明も過不足なく行う必要があります。そしてネット環境の整備など、設備投資で経費がかかる事業者がいる場合もあるでしょう。

4.まとめ

ネット重要事項説明のスタートは、部屋を借りたい人、物件を買いたい人にとっては単純にメリットが大きいといえます。

ただ不動産屋にとっては、ビジネスチャンスが拡大するのと同時に、本格的にIT化に取り組まなければいけないなど、負担も同時にのしかかってきます。

地域に根ざした不動産屋でも全国の人を相手に商売をする機会が生まれますし、同時にネット重要事項説明に関して設備、知識などをブラッシュアップする必要がでてきます。ここでIT化に対応できる不動産屋こそが、うまく生き残れる不動産屋になるのでしょう。

投資家にとっては、遠隔地の物件の契約、売買が手軽にできるようになるので、投資拡大への追い風としてうまく利用していきたいものです。
長嶋 シゲル

ライター長嶋 シゲル

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