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「違反建築物」と「既存不適格建築物」は投資対象にしても良い?

初心者向け
160 views 2016.12.12
「違反建築物」と「既存不適格建築物」は投資対象にしても良い?
建物を新築や増改築などするときは建築基準法等を守る必要があります。

しかし、現実問題として、建物は必ず法を守って建築されるわけではありません。
また、必ずしも現行法の規定に適合しているわけでもありません。
収益物件の中には、法に不適合な物件もあるということです。

本記事では、そのような法に不適合な物件、「違反建築物」と「既存不適格建築物」について詳しく説明するとともに、それらの物件を投資対象にしても良いかを探っていきます。
目次

1. 違反建築物とは

2. 既存不適格建築物とは

3. 投資対象にしても良い?

1. 違反建築物とは

違反建築物とは、「建物が施工される時点で、建築基準法等に違反している建築物」のことです。違法建築物とも呼びます。
建築基準法等とは、具体的には、建築基準法、都市計画法、宅地造成等規制法、そして、これらの規定に基づく命令や条例のことを指します。

ポイントは「建物が施工される時点」で法に違反しているということです。 建物の施工後に法改正されて、建物が改正法に適合しない状態になったとしても、施工される時点で法に違反していなかったなら違反建築物ではありません。
また、建物の施工には、新築だけでなく、増改築や用途変更なども含まれます。 増改築や用途変更によって法に違反した場合も、違反建築物になるということです。

違反建築物によくあるパターンは、「容積率の制限を超えている」というものです。他にも「建ぺい率の制限を超えている」「接道義務に違反している」「斜線制限に違反している」「用途制限に違反している」などのケースが挙げられます。

国や地方自治体は、違反建築物の建築主や所有者などに、建築物の違反是正、使用禁止、除去などを命令することができます。命令に従わない場合は罰則が適用されます。

2. 既存不適格建築物とは

既存不適格建築物とは、「建物が施工される時点では建築基準法等に違反していなかったが、施工後に法改正されて、法の規定に適合しなくなった建築物」のことです。
工事中に法改正されて適合しなくなった場合も、既存不適格建築物に含まれます。

既存不適格建築物は、事実上法に違反していますが、違反建築物ではありません。そのため、国や地方自治体も原則的に違反是正などの行政処分はできません。
※ただし例外もあります。たとえば建築基準法においては、「現に著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合」は、既存不適格建築物であっても違反是正や除去などを命令できます。既存不適格建築物が違反建築物として扱われない理由は、「法の不遡及」と呼ばれる法の原則があるからです。法の効力は、法の施行以前にさかのぼって適用されないという原則です。「未来の法改正を予知したうえで建築を行え」というのは無理な注文ですからね。

既存不適格建築物の具体例としては、たとえば「新耐震基準を満たしていない建物」が挙げられます。1981年6月1日、建築基準法施行令の法改正により、新耐震基準が設けられました。そのため、1981年より古くに建築された建物は、既存不適格建築物である可能性が高いです。

3. 投資対象にしても良い?

 投資対象にしても良い?
さて、ここからが本題です。
違反建築物や既存不適格建築物を不動産投資における収益物件という観点から投資対象にしても良いかを探っていきます。

1. 違反建築物の場合

結論から申し上げると、違反建築物の場合、安易に投資対象にしないほうが良いです。

もし投資を検討するとしても、デメリットを把握しておくことが大切です。不動産会社の中には、違反建築物を多く所有している会社もあります。違反建築物には高利回りの物件も少なくないからです。ただ、不動産会社は不動産に精通しており、デメリットも承知の上で所有しています。

違反建築物の具体的なデメリットとしては、「通常は融資が受けられない」ということが挙げられます。地域性などもあり、絶対に通らないわけではないのですが、基本的に銀行などから融資を受けることは難しいです。

地域性というのは、たとえば大阪では、容積率制限を超えた違反建築物がとても多いため、違反建築物でも比較的融資が受けやすかったりするのです。なぜ容積率オーバーの違反建築物が多いかというと、マンションの1階を駐車場として申請して(駐車場は床面積の緩和があり一定範囲が容積率に算入されない)、あとで1階を部屋や店舗にするという手法が過去に流行ったことが一因です。これにより本来2階建てが限度の場所でも3階建てにすることができます。違反建築物の完成です。

また、融資を受けにくいことや、違反建築物であることを重要事項説明書に記載する必要があることなどから、「売却時に買い手がつきにくい」というデメリットもあります。違反の内容によっては再建築ができない場合もありますし、出口戦略をよく考えて購入する必要があります。そして、「国や地方自治体から違反是正、使用禁止、除去などの行政処分が行われるリスク」もデメリットといえます。現状、実際に行政処分が行われることは滅多にありませんが、物件を長期的に運用することを考えた場合、10年後や20年後も緩いままであるとは限りません。

2. 既存不適格建築物の場合

既存不適格建築物の場合、投資して良いかの判断は既存不適格の内容にもよります。たとえば、1981年6月以前に建築された物件は、新耐震基準を満たしていない既存不適格建築物が多いですが、それだけの理由で足切りするのは、お宝物件を見逃すかもしれません。
旧耐震の物件でも、新耐震基準に近い耐震性をもつ建物もあるためです。

一方で、施工時と比べて容積率が低くなっているケースなどは要注意です。施工時に容積率400%だったものが、現行の規定では300%に変更されているといったケースです。
既存不適格建築物は、増改築するときは原則的に既存不適格状態を解消する必要があります。つまり、施工時と比べて容積率が低くなっている物件を再建築するには、建物を小さくしなくてはなりません。このような「容積率オーバー物件」は、融資も受けにくいですし、それゆえ買い手もつきにくくなります。もし購入するなら出口戦略をよく考える必要があります。

既存不適格建築物に投資する場合は、既存不適格の内容精査も不可欠ということです。

違反建築物であることや既存不適格建築物であることは、重要事項説明書に明記する必要があります。契約締結の前に、重要事項説明書にしっかりと目を通しておくことも大切です。

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