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あなたは即答できる?「日影規制4h-2.5h/1.5m」の意味

2,151 views 2016.12.21
あなたは即答できる?「日影規制4h-2.5h/1.5m」の意味
2016年10月、高知市の土地区画整理事業の計画の一部が、「日影規制」に抵触することが判明しました。計画通りに進めた場合、「5時間以上の日影を生じさせてはならない」という規制に抵触しまうとのことです。計画変更のため、予定より4ヵ月ほど着工が遅れる見通しです。業者と高知市の両方のチェック不足がミスの原因でした。

また、2016年の夏頃には、大阪市が誘致した民間病院の建設計画が、やはり「日影規制」に抵触することが明らかとなりました。その影響で予定より2年以上も着工が遅れる見通しです。吉村大阪市長は、役所としても日影規制のチェックが不十分だったのではないか、という認識を示しました。

どちらも日影規制のチェック不足から生じたミスといえます。
そんな日影規制は、不動産投資家にとっても無関係ではありません。

たとえば、不動産の物件データを眺めていたら「日影規制 4h-2.5h/1.5m」、「日影規制 3h-2h/4m」などと数字が記載されていることがあります。これは、その物件を購入した場合、再建築の際などに注意する必要がある数字です。

この記事では、その数字の意味を分かりやすくお伝えするとともに、日影規制の具体的なルールについて説明します。
目次

1.日影規制 4h-2.5h/1.5mの意味

2.日影規制の具体的なルール

1.日影規制 4h-2.5h/1.5mの意味

日影規制とは、中高層建築物の日影を制限する規制です。
近隣の日照を確保することを目的としています。

それでは、「日影規制 4h-2.5h/1.5m」とはどういう意味でしょうか。

答えは…

「冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時まで(北海道の区域内では午前9時から午後3時まで)の間において、敷地境界線から5mを超える範囲なら4時間以上、10mを超える範囲なら2.5時間(=2時間半)以上の日影を生じさせてはならない。また、日影の測定水平面は1.5mとする」という意味です。

順を追って詳しく説明していきます。


「冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時まで(北海道の区域内では午前9時から午後3時まで)の間において」

これは日影規制の条文(建築基準法第56条の2)に規定されている日時です。

冬至日とは12月22日頃のことで、建物の日影が最も長くなる日です。
真太陽時(しんたいようじ)というのは、太陽が真南にきた時を12時とするものです。たとえば東京の場合、太陽が真南に来るのは日本標準時で11時40分頃ですが、真太陽時ではこの時刻を12時とします。

冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時まで(北海道の区域内では午前9時から午後3時まで)の間が、法律で定められた「日影の測定時間帯」です。


「敷地境界線から5mを超える範囲なら4時間以上、10mを超える範囲なら2.5時間(=2時間半)以上の日影を生じさせてはならない」

これが「日影規制 4h-2.5h/1.5m」の、「4h-2.5h」の部分の意味です。

敷地境界線とは「敷地」と「隣地や道路」などの境目となる線のことです。

「5mを超える範囲なら4時間以上」というのが「4h」、「10mを超える範囲なら2.5時間以上」というのが「2.5h」の部分を意味しています。

「5mを超える範囲」、「10mを超える範囲」というのは法律で決められた「日影の測定範囲」です。
「4時間」(4h)、「2.5時間」(2.5h)というのは、「日影の制限時間」のことで、区域によって異なります。

このケースなら、たとえば5mを超える範囲で5時間の日影が生じるようなら日影規制に抵触します。また、5m以内の範囲であれば日影は規制されません。


「日影の測定水平面は1.5mとする」

これが「日影規制 4h-2.5h/1.5m」の、「1.5m」の部分の意味です。

測定水平面とは、「測定における平均地盤面(地面)からの高さ」のことです。測定水平面が1.5mということは、地面から1.5mの高さで日影の測定を行うということです。

これは実際に建物の中に影が入るかどうかを考慮しているためです。1.5mというのは、建物の1階の窓を想定した高さです。2階の窓なら4mほどなので、測定水平面が「4m」になることもあります。


以上を整理しますと……

・「冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時まで」=日影の測定時間帯
・「5mを超える範囲なら4時間以上、10mを超える範囲なら2.5時間以上」=日影の測定範囲と制限時間(4h-2.5hの部分)
・「日影の測定水平面は1.5m」=日影測定における地面からの高さ(1.5mの部分)
・「日影規制 4h-2.5h/1.5m」=日影の制限時間は4時間と2.5時間、日影の測定水平面は1.5m

下記の図もあわせて参考にしてみてください。

日影規制 4h-2.5h/1.5mの意味
※「日影規制 4h-2.5h/1.5m」の場合の図です。

2.日影規制の具体的なルール

日影規制の具体的なルール
では、日影規制の具体的なルール(=建築基準法第56条の2に基づく規定)について説明します。

日影規制の対象となるかどうかは、区域(用途地域)によっても異なります。
対象となる区域は、下記の区域のうち、地方公共団体が条例で指定する区域になります。


・第一種、第二種低層住居専用地域
・第一種、第二種中高層住居専用地域
・第一種、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域
・用途地域の指定のない区域
※上記の区域であっても、地方公共団体が条例で指定しない区域は対象になりません。


それでは、各区域における、日影規制の具体的なルールを見ていきましょう。


・第一種、第二種低層住居専用地域の場合

【規制対象となる建築物】
軒高が7mを超える、または地上3階以上の建築物

【日影規制の内容】
種別(一) 3h-2h/1.5m ※北海道 2h-1.5h/1.5m
種別(二) 4h-2.5h/1.5m ※北海道 3h-2h/1.5m
種別(三) 5h-3h/1.5m ※北海道 4h-2.5h/1.5m

※種別は、地方公共団体が条例で指定します。
その地方の気候、風土、土地利用の状況等を勘案して、どの種別にするかを決めます。


・第一種、第二種中高層住居専用地域の場合

【規制対象となる建築物】
高さが10mを超える建築物

【日影規制の内容】
種別(一) 3h-2h/4m ※北海道 2h-1.5h/4m
種別(二) 4h-2.5h/4m ※北海道 3h-2h/4m
種別(三) 5h-3h/4m ※北海道 4h-2.5h/4m
※4mが6.5mになる場合もあり。


・第一種、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域の場合

【規制対象となる建築物】
高さが10mを超える建築物

【日影規制の内容】
種別(一) 4h-2.5h/4m ※北海道 3h-2h/4m
種別(二) 5h-3h/4m ※北海道 4h-2.5h/4m
※4mが6.5mになる場合もあり。


・用途地域の指定のない区域の場合

【規制対象となる建築物】
1. 軒高が7mを超える、または地上3階以上の建築物
2. 高さが10mを超える建築物

【日影規制の内容】
1. 軒高が7mを超える、または地上3階以上の建築物
種別(一) 3h-2h/1.5m ※北海道 2h-1.5h/1.5m
種別(二) 4h-2.5h/1.5m ※北海道 3h-2h/1.5m
種別(三) 5h-3h/1.5m ※北海道 4h-2.5h/1.5m

2. 高さが10mを超える建築物
種別(一) 3h-2h/4m ※北海道 2h-1.5h/4m
種別(二) 4h-2.5h/4m ※北海道 3h-2h/4m
種別(三) 5h-3h/4m ※北海道 4h-2.5h/4m


商業区域・工業区域・工業専用区域は、原則として日影規制の対象にはなりません。ただし、例外として高さが10mを超える建築物で、かつ、冬至日に日影規制対象となる区域内に日影を生じさせる場合は、その区域内の建築物とみなして日影規制の規制対象になります。

また、特殊ルールもあります。


・同一の敷地内に二つ以上の建築物がある場合は、これらの建物物を一つの建築物とみなして日影規制が適用されます。
・建築物が異なる規制の区域にまたがる場合は、区域に応じた建築物の高さ、階数を検討して日影規制にかかるかどうかを検討します。また、日影規制が掛かる場合は建物全体に適用となります。
・日影が異なる規制の区域にまたがる場合は、それぞれの区域の規制を守る必要があります。
・建築物が道路、川、海、その他これらに類するものに接する場合は、日影規制における緩和措置を受けられる場合があります。


不動産の物件データなどを眺めているときに、「日影規制 4h-2.5h/1.5m」という数字が目に入ったら、ぜひこの記事のことを思い出してください。
有島 昇吾

ライター有島 昇吾

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