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物件購入時には要注意。2項道路とセットバック

98 views 2017.1.10
物件購入時には要注意。2項道路とセットバック
物件情報をチェックしていると、備考欄に「セットバック要」「セットバック有」と記載されていたり、「セットバック済」と記載されていたりする場合があります。

この表記は何を意味するのでしょうか?

セットバックは、「2項道路」と呼ばれる道路と深く関係しています。
また、物件情報に「セットバック要」などと記載されているときは、たとえお値打ち価格に思えても、セットバックの意味や性質をよく理解したうえで購入検討する必要があります。

この記事では、2項道路とセットバックについて簡単に説明するとともに、「実際のところ、セットバック要と記載されている物件は購入しても良いのか?」(投資対象にしても良いのか?)という点について掘り下げていきます。
目次

1.2項道路とセットバック

2.セットバック要の物件は購入しても良い?

1.2項道路とセットバック

まず2項道路とセットバックについて簡単に説明します。

2項道路とは

2項道路とは、建築基準法42条2項の規定により、建築基準法上の道路とみなされる幅4m未満の道のことです。道路と“みなす”ことから「みなし道路」とも呼びます。

建築基準法上の「道路」は、建築基準法42条1項の規定により、道幅4m以上のものとされています。幅4m未満の道は「道路」には該当しません。

また、建築基準法43条の規定により、建築物の敷地は、この建築基準法上の道路に原則2m以上接していなければなりません(これを接道義務といいます)。

しかし、日本においては幅4m未満の道は数多く存在しており、この43条の規定に従うと、(建築基準法を施行する前の)多くの建築物が法に不適格な状態となってしまいます。

そこで、42条2項の規定により、建築基準法上の規定が適用される前から現に建築物が立ち並んでいる4m未満の道で、特定行政庁の指定したものについては、「道路」とみなすことにしました。その道のことを「2項道路」と呼びます。

セットバックとは

2項道路に接している敷地では、建築(新築、増築、改築など)する際に、道路境界線を道路中心線から2m後退させる必要があります。この道路境界線を後退させることを「セットバック」と呼びます。

※道路の片側が崖地、川、線路敷地などの場合は、その片側の境界線から4m後退させる必要があります。

これは2項道路の道幅が4m未満であるためです。両側の道路境界線を道路中心線から2mずつ後退させることで、幅4mのスペースを確保し、将来的にそのスペースに幅4mの道路を作ることが目的です。そうすることで、2項道路は通常の道路となり、火災時に消防車などが支障なく進入できるようになるからです。

なお、セットバックを要する部分は、将来的に道路となる部分であることから、土地の所有者であっても塀や門などを建てることもできません。もし建てた場合は是正の対象となり得ます。

物件情報に記載されている「セットバック要」「セットバック有」とは、2項道路に接している敷地であるため、セットバックを要する部分があるという意味です。一方、「セットバック済」とは、すでにセットバックを済ましているという意味です。

2.セットバック要の物件は購入しても良い?

セットバック要の物件は購入しても良い?
いよいよ本題です。不動産投資家として気になる点は、「セットバック要と記載されている物件は購入しても良いのか?」(投資対象にしても良いのか?)という点ではないでしょうか。

この点に関しては、セットバック要の物件の注意点やデメリットをしっかりと理解したうえで、それを考慮しても投資価値があると判断できる物件なら、購入しても良いと考えます。

そこで、セットバック要の物件の注意点やデメリットについて考えていきます。

本当にお値打ち価格?

セットバック要の物件の多くは、物件価格が周辺相場よりも安いです。そのため、一見「お値打ち価格」にも見えます。ただ、なぜ安いのかを考える必要があります。

まず、土地の価格が本当に割安かどうかを考えなくてはなりません。セットバックを要する部分の土地評価は、通常評価の3割となるため、セットバック部分の面積割合によっては坪単価が相場より安くなることがあります。

しかし安いといっても、セットバック部分は、塀や門を建てることもできず、建ぺい率や容積率を算出する際の面積からも除外されます。また、セットバック後に道路となった場合はゼロ評価となります。そのためセットバック部分の面積は初めから無いようなものともいえます。

このことから、セットバック要の物件の坪単価を考える場合は、セットバック後の坪単価(セットバック部分を除外した有効面積での坪単価)も計算しておく必要があります。

また、先ほど「セットバック部分は、建ぺい率や容積率を算出する際の面積からも除外される」と言いましたが、これは特に注意する必要があります。再建築の際に建物が小さくなってしまうような物件の場合、買い手が付きにくいため、物件価格も安くなる傾向にあります。この場合、たとえ安くてもお値打ち価格とは必ずしもいえません。

もっとも、セットバック要の物件もデメリットばかりではありません。
たとえば2項道路が将来的に幅4mの道路となることで、物件の資産価値が上がるという可能性も考えられます。また、セットバック要の物件であることを逆手にとって、値引きの交渉材料に使うこともできるでしょう。

もしセットバック要の物件を見かけたときは、セットバック後のことも想定しながら検討してみてください。
有島 昇吾

ライター有島 昇吾

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