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年金制度改革法が成立。統計から見る年金制度の現状と未来

119 views 2017.1.18
年金制度改革法が成立。統計から見る年金制度の現状と未来
2016年12月14日、年金制度改革法が成立しました。2021年4月から施行されます。年金制度改革法の施行によって、下記のようにルールが変わります。

「物価が上がり、賃金が下がる場合は、年金支給額を減らさない」「物価が下がり、賃金が物価よりも下がる場合は、物価に合わせて年金支給額を減らす」
 ↓
【新ルール】
「物価が上がり、賃金が下がる場合は、賃金に合わせて年金支給額を減らす」「物価が下がり、賃金が物価よりも下がる場合は、賃金に合わせて年金支給額を減らす」

このため、年金制度改革法の施行後は、施行前と比べて現在の年金受給者の年金支給額が減りやすくなるといえます。
政府は、年金制度改革法を「将来の年金水準確保法」と説明しています。年金制度の持続可能性を高め、将来世代の年金水準を確保し、将来的に安心な年金制度を構築することが年金制度改革法の目的です。
目次

1.年金制度を取り巻く状況

2.老後は年金だけで生活できる?

3.老後に備えて何ができる?

1.年金制度を取り巻く状況

内閣府の公表した「平成28年版高齢社会白書」によると、2015年10月1日の時点での高齢者(65歳以上)の人口は全体の26.7%にのぼるとのことです。そして、2035年には33.4%(3人に1人)、2060年には39.9%(2.5人に1人)が高齢者になると予想されています。

また、厚生労働省の「人口動態統計の年間推計 平成28年」では、2016年の日本の出生数は約98万人と推計されています。人口統計を開始した1899年(明治32年)以降、出生数が100万人を下回ったのは初めてのことです。

このように、日本は少子高齢化が進行しています。現役世代が高齢者の年金受給者を支える年金制度においては、少子高齢化の進行は現役世代の負担を重くし、ひいては将来世代の年金水準にも悪影響を及ぼします。

また、厚生労働省は国民年金の納付率も発表しています。

2016年6月30日に発表した「平成27年度の国民年金の加入・保険料納付状況について」によると、平成27年度分の国民年金の納付率は63.39%となっています。

年齢階級別ですと、20歳~24歳が58.94%、25歳~29歳が53.47%、30歳~34歳が54.72%となり、納付率について「おおむね年齢が若いほど低くなっている」と記されています。平成25年度、平成26年度と比較すると納付率は上昇していますが、若いほど納付率が比較的低い傾向にあることには変わりないようです。

このような状況下、年金制度改革法を成立させ、年金制度の持続可能性を高め、将来世代の年金水準を確保しようとする政府の意図も分からなくはありません。

とはいえ、年金制度改革法の施行によって、本当に将来世代の年金水準が十分に確保されるかどうかは別問題です。少子高齢化が進行している以上、将来世代が年金を受け取る頃には、更にその次の将来世代のために年金制度が改革される可能性もあります。

2.老後は年金だけで生活できる?

老後は年金だけで生活できる?
そもそも、老後は年金収入だけで生活できるのでしょうか?
主に年金収入で暮らしている現在の世帯を参考にして考えてみます。

主に年金収入で暮らしている世帯としては、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)と高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)が挙げられます。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)平成27年」によると、高齢夫婦無職世帯の実収入は月213,379円で、そのうち91.3%が社会保障給付(年金、医療、福祉その他)によるものです。手取りとなる可処分所得は月181,537円です。一方、高齢夫婦無職世帯の消費支出は月243,864円であり、月62,327円の赤字という計算になります。

また、高齢単身無職世帯の実収入は月115,179円で、そのうち91.0%が社会保障給付によるものです。手取りとなる可処分所得は月102,631円です。一方、高齢単身無職世帯の消費支出は月143,826円であり、月41,195円の赤字になります。

この赤字(差額分)に関して、金融資産の取り崩しなどで賄われていると総務省統計局は記しています。年金収入に頼って生活する場合、金融資産が十分にある場合は取り崩しで賄うことが可能ですが、そうでない場合は、消費支出を平均以下に削る必要があります。

※上記の消費支出の内訳は、高齢夫婦無職世帯であれば、食料25.6%、住居7.2%、光熱水道8.4%、家具・家事用品3.5%、被服及び履物2.9%、保健医療6.3%、交通・通信11.2%、教養娯楽10.7%、その他24.3%(うち交際費12.5%)となっています。

また、先に述べた通り、将来世代の年金水準を十分に確保できるかどうかは分かりません。少子高齢化が進行している以上、将来的には年金水準が低下する可能性も十分にあります。

老後においては、年金収入だけでは心もとないというのが筆者の考えです。

3.老後に備えて何ができる?

老後に備えて何ができる?
それでは、老後に備えてどのような対策が取れるでしょうか?

「貯金をする」「投資をする」「私的年金制度を利用する」(年金基金、確定給付年金、確定拠出年金など)といった方法が挙げられます。

投資で生計を立てている筆者の場合は、やはり投資で老後に備えています。老後に備えるという点においては、継続的で安定的な運用益(インカムゲイン)を得られる投資が向いています。不動産投資の賃料収入、株式投資の配当金、投資信託の分配金などがその代表例です。

特に不動産投資はおすすめできる投資です。不動産で推定37億ドルの資産を築いた不動産王、ドナルド・トランプ次期大統領のようになる必要は特にありませんが、上手に投資を行うことで、資産を拡大させながら、継続的で安定的な賃料収入を得られるようになるのが不動産投資の魅力です。

たとえば、日本では少子化が進行しているという話をしましたが、地域毎に見れば人口が減っていない、あるいは人口が増加している地域もあります。そのような地域の不動産を中心に購入することも、上手に投資を行うための戦略の一つといえます。

もちろん、投資にはリスクがあります。投資において重要なことはリスクを理解することです。リスクを理解すれば、そのリスクをヘッジ(回避、軽減)する方法を考えたり調べたりすることができます。

たとえば不動産投資はローンを利用することが一般的ですが、その際に団体信用生命保険(団信)に加入できるのであれば、加入しておくことをおすすめします。団信とは、万が一、ローン返済中にローン契約者が死亡した場合や、高度障害状態になった場合にも、生命保険会社がローン残高を代わりに支払ってくれる保険です。そのため、家族にはそのまま収益物件としての不動産が残ります。「もしローン返済中に自分が死亡したら」というリスクを考え、団信という方法でヘッジする、これもリスクヘッジの一つです。

年金制度を取り巻く状況を考えると、年金任せで老後生活を迎えることそれ自体がリスキーな社会になってきています。そのためのヘッジとして、貯金、投資、私的年金など、公的年金以外の支えを増やしておいた方が良いと考えられます。
有島 昇吾

ライター有島 昇吾

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