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どうなるタワマン節税。2017年はタワマンの駆け込み需要が発生する?

330 views 2017.1.18
どうなるタワマン節税。2017年はタワマンの駆け込み需要が発生する?
2016年12月8日、与党より「平成29年度税制改正大綱」が公表されました。その中での注目の改正の一つが、いわゆる「タワマン節税」への防止策ともいえる改正です。

今回の記事では、タワマン節税とは何か、タワマン節税の防止策はどのようなものかについて具体的に説明します。
目次

1.タワマン節税とは

2.タワマン節税への対策

3.駆け込み需要は発生する?

1.タワマン節税とは

一般に、高さ60mを超える(階数にしておおよそ20階建て以上の)マンションのことをタワーマンション(タワマン)と呼びます。

タワマン節税とは、そのタワーマンションの高層階の部屋を購入(区分所有)することによる相続税対策のことです。2015年1月から相続税が増税された影響もあり、資産家等の間で行われるようになりました。

マンションは、土地部分と建物部分に分けて、相続税の算定基準となる相続税評価額を算出します。この相続税評価額を低く抑えることで、相続税の節税が可能となります。

土地部分の相続税評価額

区分マンションの土地部分の相続税評価額は、マンションの敷地全体を評価し、その評価額に区分所有者の敷地権割合を乗じて算出します。

タワーマンションのような高層マンションは多数の区分所有者がいるため、区分所有者の敷地権割合も小さくなり、1戸あたりの土地の相続税評価額は低い金額となります。また、土地の評価額は路線価方式(または倍率方式)で算定するため、売買取引時価のおおよそ70%~80%ほどになります。

建物部分の相続税評価額

区分マンションの建物部分の相続税評価額は、その区分マンションの建物の固定資産税評価額に1を乗じて算出します(1を乗じるということは、建物の固定資産税評価額が、そのまま建物の相続税評価額になるということです)。

区分マンションの建物の固定資産税評価額は、1棟の建物全体を評価し、その評価額に区分所有者の専有面積の割合を按分して算出します。

マンションは面積(専有面積)が同じ部屋であっても、低層階より高層階のほうが景観の良さなどから、売買価格が高くなる傾向にあります。一方で、区分マンションの建物の固定資産税評価額は専有面積によって決まるため、高層階の部屋を購入することで、建物の売買価格(時価)と比べて固定資産税評価額(相続税評価額)をより低く抑えることができます。


タワーマンションの高層階の部屋を購入(区分所有)することで、土地部分の相続税評価額、建物部分の相続税評価額を低くすることができますので、相続税の節税が可能となります。

ただし、行き過ぎたタワマン節税は、悪質な租税回避行為として否認されることもあります。

2.タワマン節税への対策

タワマン節税への対策
与党はタワマン節税への防止策を「平成29年度税制改正大綱」にて公表しました。

一般に高さ60mを超えるマンションのことをタワーマンションと呼ぶと説明しましたが、建築基準法令上は高さ60mを超える建築物のことを「超高層建築物」と呼びます。また、超高層建築物のうち「複数の階に住戸が所在しているもの」を「居住用超高層建築物」といいます。この「居住用超高層建築物」がタワーマンションのことです。

今回の改正では、居住用超高層建築物(タワーマンション)の固定資産税評価額を見直しました。先に述べた通り、マンションの建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額に1を乗じた額であるため、建物部分の相続税評価額を見直したということでもあります。

改正内容は、中間階はそのまま、低層階は減税、高層階は増税というものになっています。具体的には、居住用超高層建築物(タワーマンション)の中間階を現行制度と同じ固定資産税評価額として、1階上がるごとに約0.25%評価額を増やす(増税)、1階下がるごとに約0.25%評価額を減らす(減税)、という仕組みになります。

この改正は2018年度から新たに課税されることになる居住用超高層建築物に適用されます(ただし、2017 年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものは除きます)。

この改正により、タワーマンションの高層階において、建物部分の固定資産税評価額(建物部分の相続税評価額)が上がりますので、固定資産税や相続税も上がり、タワマン節税の効果を下げることができるというわけです。

3.駆け込み需要は発生する?

駆け込み需要は発生する?
今回の増税によって、タワーマンションの駆け込み需要は発生するでしょうか?

まず注目したいのは、「2018年度から新たに課税されることになる居住用超高層建築物に適用される(ただし、2017 年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものは除く)」という点です。

適用までの猶予期間が設けられていることから、短期的な駆け込み需要が発生する……と言えなくもないですが、筆者としては、今回の防止策はタワーマンションの駆け込み需要が発生するほどの規制ではないと判断しています。今回の防止策は、けん制という意味合いが強く、タワマン節税そのものを無効化するほどのものではないと考えているためです。

その理由としては下記の通りです。

・タワーマンションの土地部分の相続税評価額には影響しない
・タワーマンション1棟あたりの相続税評価額が上がるわけではない
・中間階から1階上がるごとに約0.25%の固定資産税評価額増(増税)では、実際の売買価格(実勢価格)との差額を埋められないケースが多いと考えられる


1階上がるごとに約0.25%増ということは、仮に中間階から40階上がってもようやく約1割増です(あくまで仮の話で、2017年現在、中間層から40階上がれる国内タワーマンションは存在しません)。実際の売買価格(実勢価格)は、40階違えば3割~4割増ということも珍しくありません。これではタワマン節税の効果を無効化できているとまではいえません。

もちろん、今後さらに防止策が強化されていくことも考えられますし、現在でもタワマン節税自体が悪質な租税回避行為として否認されるケースもあります。

ただ、今回の防止策によって「タワマン節税が無効化された」とまではいえない印象です。そのため、タワーマンションの駆け込み需要に対しても、いくらかの駆け込みは発生するにしても、大きな需要が発生するとまではいえないと考えています。
有島 昇吾

ライター有島 昇吾

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