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不動産投資は出口戦略が重要!売却を検討すべきタイミングとは?

川端 彰

川端 彰

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これから就職する会社を「キャリアの踏み台にするか」「定年まで寄り添うのか」、退職までの最終目標をどう設定するかでその社員の身の振り方は変わってくると思います。

この「最終目標」を達成するためにあれこれ戦略を練ることを、経済・金融用語で「出口戦略」と呼びますが、当然不動産投資の世界にも出口戦略は存在します。

それは売却して多くの利ざやを叩き出すのか、息子に効率よく贈与して運営の身から退くのか、不動産とのお別れの仕方は所有者によって千差万別です。

この記事では、最終目標に「売却」を据えた皆さん、または売却する可能性を常に感じている方に対して、売却を検討すべきタイミングとその予備知識を余すところなく紹介していきます。

目次

1 . 売却の考え方はざっくり二通り

プロの不動産投資家が「売却」を最終目標に据えるときは、大抵下記の2パターンが挙げられます。

デッドクロスを見越した損切り
②高値で売却して利ざやを獲得

デッドクロスという専門用語が出てきて少し混乱した方もいると思います。詳細は後述しますが、上記をざっくり言い換えると、不動産の売却戦略には「長期戦略」と「短期戦略」の二通りあるということです。どちらかを選択するかで売却の考え方が180度変わってきます。

次の項目からそれぞれ説明していきます。

2 . 長期運営を想定した売却タイミング

長期運営を想定した売却タイミングとは、前項の①で挙げた「デッドクロスを見越した損切り」としての売却を指します。

デッドクロスをかなり平たく説明すると、「実際は赤字経営にもかかわらず帳簿上の黒字額が膨張してしまい、結果所得税がかさんで破綻してしまうタイミング」を指します。こうした悪循環に陥った、もしくは予見したタイミングで、多くのプロ大家さん、プロ投資家は「売却しよう!」と決断します。

赤字経営にもかかわらず帳簿上の成績が黒字というのは、一見チンプンカンプンですが、「減価償却費」のルールを理解すれば、その謎が解けます。

減価償却費とは、例えば3000万円で購入した一棟アパートを決まった年数に応じて分割して経費計上しなければいけない費用を指します。

なぜそんな決まり事があるのかというと、先の3000万円のような大きな買い物をしたときに、その年に一度に3000万円という大きな数字を経費計上すると、「1年でこれだけの出費をして所得から差し引いた」という解釈をされます。そうなると、国は所得税を課税できなくなってしまいます。毎年安定して税収をとるためには、一度に大きな経費計上をされると困るので、分割して計上するようルール作りがなされたのです。

そうして分割して建築代を経費計上するだけならまだいいのですが、やっかいなのは銀行ローンを元利均等方式で返済している場合。経費計上できる利息部分が年々減少し、経費計上できない元金の返済額が増える方式です。

こうしたお金のやりくりを続けていくと、実際にお金は出ないのに経費計上できる減価償却費の額を、実際にお金が出るのに経費にできない元金返済の額が逆転します。キャッシュに余裕がなくなる上に、帳簿上は黒字なので所得税がかさんで倒産するケースがあります。

まさにデッドクロスとは、同じ金額軸にある減価償却費と元金返済額の線が交差して上下逆転する、つまり「デッド(=死)クロス(=交差)」を指します。これを回避するために、売却して損切りする手法をとります。

売却を想定せずに不動産投資をした人でも、売却を検討せざるを得ないタイミングがあるのです。

実際に米国公認不動産経営管理士の資格を持つ株式会社エコホームズ(大阪市)の大野勲社長も、「長期で運営するときは必ずデッドクロスを意識すること」と警鐘を鳴らしています。

減価償却費と借入返済金をシミュレーションしておくのは当然のこと、そしてなるべくキャッシュを使わずに貯め込み、有事に備えるとよいとのことです。

3 . 短期運営を想定した売却タイミング

「短期運営を想定した売却タイミング」は至極単純な話で、中古住宅の売買取引価格の平均値が上がり、「高値で売れるかも?」というタイミングを見極めて売り、利ざやを得るという発想です。こうした投資家は、利ざやの獲得を目的に不動産を購入しますから、先のデッドクロスのように十年、二十年単位で運営することをほとんど想定していません。

しかし、売買市場が高騰していればそれが単純にチャンスなのかというと、ここにもちょっとした落とし穴があります。

それは個人の名義で売却する場合は、購入してから「5年」は待ったほうがいい、ということがあります。

なぜかというと、実はその人が儲けた売却益に課される「譲渡所得税」という税金の税率が購入後5年を境に急減される、というルールがあります。それに則ったほうが余計な税金を払わずに済みます。

「購入後5年を過ぎれば譲渡所得税の税率は20%まで落とされますが、5年未満で売却した場合は、譲渡所得税は約39%も課されます。税率が段違いに変わります」(大野社長)

どんなに高値で売れそうだと思っても、売却タイミングを購入後5年は見ておいたほうがよさそうなのは、いうまでもなさそうです。

4 . 売却するなら1~2月を狙え!

不動産を売却するのに他に適したタイミングがあるとすれば、前述の大野社長は「1~3月は狙いどき」と教えてくれました。

これは不動産業者ならではの物の見方かもしれません。そもそもあなたの売却したい不動産に買い手がついたとしても、金融機関による融資が下りなければその人は購入できないかもしれません。

しかし融資にも、承認されやすい期間とそうではない期間があります。融資が下りやすい期間がまさに3月なのです。

「多くの金融機関が3月を決算月としている。なるべく期末に成績を落とし込みたい心理が働き、銀行マンの融資の判断軸が緩みやすくなる」(大野社長)

3月末に間に合わせるためには、遅くとも1~2月から準備し始めるとよいとのことです。なるべくスムーズに言い値で売却したい人にとっては、こうした知識も売却タイミングを検討しうる重要な材料になるでしょう。

5 . 築年数と売却の大事な相関性

投資した物件の築年数がどの程度かも、売却を決断する上で欠かせない材料になります。

当然一概に言えるものではありませんが、築年数は10年を超えなければ「比較的売りやすい」と一般的に言われています。不動産を購入したい人は、目当ての物件をポータルサイトで探すときに、「築年数5年以内」「築年数10年以内」などフィルターをかけて検索することが多いからです。購入者に露出する機会が増えたほうが、当然売り抜けもしやすくなるので、築10年というタイミングは売却を検討する上での一つ節目になります。

また「築10年」というラインは、購入者が銀行融資を受ける上でも見逃せない指標になってきます。それは金融機関が使う「積算評価」という不動産の評価ルールを大きく左右する要素になるからです。

「積算評価とは、建物の資産価値と路線価の合算で決まる。建物は古くなればなるほど資産価値が目減りするため、築5~10年は資産価値が急減する直前のタイミングと言える」(大野社長)

しかしそのときの市況によっては、築2~3年の中古物件が新築よりも高値で売れることもあるそうです。

築10年以内の、具体的にどのタイミングで売ればいいのかを見抜くには、日々相場を注視する姿勢が必要になってきます。

6 . リフォーム直後は絶好のタイミング

設備交換などのリフォームを行うことで、結果的に売却時の利益を上げられることがあります。

それはリフォームすることで物件の競争力が上がり、本来下げようと思っていた家賃を下げずに空室を埋めることができるからです。区分ワンルームであれば、余程の改修をしなければ、100万円前後で収まるパターンがほとんどです。

これについて大野社長は「売却する際に利回りが大台に乗っているかどうかが重要になってくる」と説明しました。

利回りが9%なのか8.8%なのかで購入者の印象はガラッと変わってくる。リフォームして競争力が上がり、利回りが大台に乗ったときは、高値売却のチャンス」(大野社長)

リフォーム後も物件を売却すべきタイミングになりうるということを知っておいたほうがよいとのことです。

7 . はじめの一歩は「一括査定サイト」

ここまで一通り説明しましたが、まず売却を検討するうえで始めにやらなければいけないことは、「今あなたが抱えている不動産の市場価値を知る」ということです。

所有物件がいくらで売れるのかを把握しておかないと出口戦略の計画が立てようがないし、意外と査定価格が低いとわかれば、リフォームして資産価値を積みますこともできます。対策を練るという意味では、自分の立ち位置を知ることは早ければ早いほどよいです。

まず手軽な方法としておすすめしたいのが、「インターネットの一括査定サービス」を活用するということです。自宅にいながら、複数の不動産会社に一度に査定してもらい、相見積をとることができます。

一度の入力で複数社への査定依頼が可能です。もちろん査定してもらうだけなら、利用料は一切かかりません。一度利用してみましょう。

その中から納得いく査定価格を提示してくれる不動産会社とコンタクトをとり、売買の交渉に移りましょう。

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