HOME 不動産売買 瑕疵担保責任とは?不動産売買時に損害賠償を避けるための注意点

瑕疵担保責任とは?不動産売買時に損害賠償を避けるための注意点

ファイコロジスト 山田

ファイコロジスト 山田

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住宅を売却したら、買い主からクレームが来た。建物の一部がこわれているので、修理費用を負担してほしいとのこと。売ったのは数年前なのに…はたして、応じる義務はあるのでしょうか?

このようなときに問題となるのが「瑕疵担保責任」です。不動産取引にありがちな難しい法律用語のひとつですが、知っておけばトラブルの予防や損失の回避に役立ちます。意味や具体例、注意点などをまとめましたので、物件購入や売却の参考にしてください。

目次

1 . 瑕疵(かし)担保責任とは?

まずは用語の意味を確認しておきましょう。

1-1 . 瑕疵担保責任の意味

瑕疵担保責任とは、簡単に書くと、「売ったものに欠陥が見つかったら、売り主が責任をとります」ということです。

瑕疵(かし)とは法律用語で「きず」のことです。本来持っているはずの機能や性質が備わっていない状態を「瑕疵がある」と表現します。ものだけではなく、人の行動や契約など、さまざまな場面で使われます。

瑕疵には見た目やちょっとした検査でわかるものとちょっと調べただけではわからないものがあります。前者の場合は 買う前にわかっていることですから、瑕疵担保責任の対象にはなりません。問題となるのは後者の「隠れた瑕疵」です。

民法では隠れたる瑕疵によって契約の目的が達成できない場合、買い主は契約をなかったことにできます。それが現実的に難しい場合は損害賠償請求できます。買い主は瑕疵に気づいてから1年以内に売主へ責任を追及しなければなりません。

売主は瑕疵があるかどうか知っていたかどうかにかかわらず責任を取らなければなりません。いわゆる無過失責任です。

1-2 . 瑕疵担保責任と品質保証との違い

瑕疵担保責任と品質保証はよく似ているので違いがわからないという人もいるかもしれません。家電などを買うと保証書がついてきて、商品が壊れたらそれを持っていくと無償で修理してくれるアレです。

品質保証はアフターサービスという積極的な意味合いが強いものですが、瑕疵担保責任は基本的にあらゆる取引や契約で自動的に発生しています。不動産の売却のように個人が売主となる場合にも同様で、買った物件に何かトラブルがあると、まず瑕疵担保責任を追求することが一般的です。

ただし契約の内容次第で瑕疵担保責任そのものをなくしたり、責任追及できる期間を短くしたりすることができます。

2 . 瑕疵担保責任の具体的な内容

瑕疵担保責任の対象は物理的な不具合や契約内容、環境など多岐にわたります。実際どのような場面で追求され認められるのか、過去の裁判例から探ってみましょう。

2-1 . 設備が壊れて使えなくなった

買った建物に不具合があって使用できなくなったり、壊れて何らかの被害をこうむったりしたとき、買い主は売り主に損害賠償や契約の解除を請求できることがあります。

不動産業者からマンションの7階の1室を購入したAさんは、バルコニーに次々と鉄の棒が落ちてきたのを発見。上階の窓にはめられていた鉄格子だということがわかります。Aさんは、これを「隠れた瑕疵」だとして損害賠償を請求。業者を相手どって裁判を起こします。Aさんの主張は一部認められ、バルコニーを使用できない期間に応じた使用料相当の支払いが業者に命じられました。
(東京地方裁判所2013年3月11日判例)

3 . 土地に排水管が埋まっていた

B社は国から土地を購入し、戸建て住宅を建てて売却。購入したCさんはふとしたことで地中に排水管を埋まっていることを知ります。裁判所は隠れた瑕疵があったことを認めるものの、宅地建物取引法で規定されている「引き渡しから2年間」という請求の期限を過ぎているとして、損害賠償の支払いまでは命じませんでした。
(東京地方裁判所2013年3月25日判例)

その他、瑕疵担保責任があるかどうか争われた例としては、「違法建築物だった」「1棟マンションの入居者の中に暴力団員がおり、迷惑行為をくりかえす」「隣地との壁がもろく、しかも越境している」「地盤がもろい」などがあります。瑕疵が認められることは多いものの、契約の解除に至ることはまれなようです。

4 . 不動産売買における瑕疵担保責任と売買時の注意点

瑕疵担保責任は不動産の場合、新築と中古で扱いが異なります。

4-1 . 新築物件

最も大きな違いは、瑕疵担保責任を請求できる期限です。新築住宅は10年、中古住宅は0(請求できない)~2年とおぼえておくとよいでしょう。

民法上、瑕疵担保責任を請求できるのは引き渡しから10年以内と考えられています。ただし前述のとおり契約によって変えることかでき、売り主が個人(不動産業者以外の人)の場合多くは3ヶ月程度です。瑕疵担保責任を追わない(免責)とすることもできます。業者から買う場合は宅地建物取引法の定めによって2年が最短です。

新築住宅には「品確法」(住宅の品質確保の促進等に関する法律)によって売却した不動産業者は10年間瑕疵担保責任を追うことが義務づけられています。

4-2 . 中古物件

買い主としての立場で考えると、前述のとおり追求できる期間が短いことが中古住宅の不利な点といえます。反対に購入した物件を売ることを考えてみると、やはり新築に比べて損害賠償請求されるリスクは高いでしょう。なぜなら、建築されてからの期間か長いほど、劣化や環境の問題が蓄積されている可能性があるからです。いわば時限爆弾を抱えているかもしれないのです。

対策が難しい「隠れた瑕疵」のリスクを回避しやすいのは新築物件だといえます。

5 . 損害賠償トラブルに強いのは新築物件

数ある不動産の中には「欠陥商品」も出てくるでしょう。そこで売り主に悪気がない場合に損害賠償などを請求するとき根拠となるのが「瑕疵担保責任」です。「責任を追求する買い主側としての立場」「数年後に売却するときの立場」のふたつから対応を考える必要があります。新築物件と中古物件を比べると、どちらの面からも有利なのが新築住宅です。

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