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不動産を売却するときにかかる費用ってどれくらい?

ゴンロク

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不動産投資は出口戦略が重要で、売却によるキャピタルゲインが大きな魅力のひとつです。
しかし、不動産売却には様々な費用がかかります。
代表的なところでは「仲介手数料」や「印紙税」がありますが、これ以外にも細々と費用がかかりますから、しっかり把握して利回りの計算に役立てていきたいところ。
今回は、不動産の売却に必要な費用を徹底的に洗い出し、解説してみたいと思います。

目次

1 . 不動産を売却するとかかる費用項目一覧

まず、不動産の売却にかかる費用を全て洗い出していきます。
不動産売却にかかる費用は、以下7項目です。

仲介手数料
印紙税
抵当権抹消費用
・ローン返済に関する費用
・測量費用
・譲渡益課税
・その他

ではそれぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

1-1 . 仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社(仲介業者)に売却を依頼したとき、成果報酬として支払う費用です。金額は不動産会社によって異なります。
ただし、仲介手数料の上限は宅建業法で決められており、不動産会社は上限以上の手数料を請求できません。また、仲介手数料は不動産の売却価格ごとに、料率が変わっていきます。そこで、手数料の上限と価格帯ごとの料率を把握しておきましょう。

不動産売却時の仲介手数料上限額(価格帯別)

売買価格が200万円以下の部分…売買価格の5%+消費税
売買価格が200万円超400万円以下の部分…売買価格の4%+消費税
売買価格が400万円超の部分…売買価格の3%+消費税
このように不動産売却時の仲介手数料は3段階で料率が定められています。しかし、このままでは計算が複雑になるため、速算式でもっと簡単に計算できるのです。

不動産売却時の仲介手数料上限額(価格帯別・速算式)

売買価格が200万円以下の場合…売買価格の5%+消費税
売買価格が200万円超400万円以下の場合…売買価格の4%+2万円+消費税
売買価格が400万円超の場合…売買価格の3%+6万円+消費税

売買価格が200万円超400万円以下、もしくは売買価格が400万円超の不動産については、 それぞれ調整額(2万円、6万円)を加えることで計算が簡単になります。例えば、3000万円の不動産を売却したときの仲介手数料は、

(3000万円×3%+6万円)*(1.08)=103万6800円

となるわけですね。
毎回3段階の計算をするよりは、こちらのほうがずっと楽で間違いも少ないでしょう。不動産売却時の費用を簡単に把握するために、第一歩といえます。

1-2 . 印紙税

次に印紙税です。こちらも仲介手数料と並んで不動産売却費用としてはメジャーです。
印紙税とは、不動産売買契約書に添付する印紙の代金のこと。簡単にいうと郵便局で購入数する収入印紙のことですね。仮に契約書を買主・売主1通ずつ複数作る場合は、それぞれに印紙が必要です。また、不動産売買契約書に貼ったら、印鑑で消印をおすのが一般的です。もし印紙を貼り忘れたり、貼り付けを怠ったりすると「過怠税」として通常の3倍の印紙代が課されてしまうため、しっかりチェックしましょう。

収入印紙の金額(印紙税)は、不動産売買契約書に記載してある金額によって異なります。
以下、印紙税額の一覧です。

・1万円未満…非課税
・1万円超50万円以下…200円
・50万円超100万円以下…500円
・100万円超500万円以下…1,000円
・500万円超1000万円以下…5,000円
・1000万円超5000万円以下…1万円
・5000万円超1億円以下…3万円
・1億円超5億円以下…6万円
・5億円超10億円以下…16万円
・10億円超50億円以下…32万円
・50億円超…48万円

1-3 . 抵当権抹消登記費用

抵当権抹消登記費用は、必ずかかるわけではなく、売却する不動産に抵当権が設定されている場合のみ必要です。不動産を担保に金融機関からローンを借りるとき、金融機関は不動産に抵当権を設定・登記します。万が一ローンの返済が滞った場合に、抵当権によって差押え・売却し、返済に充てるためです。
一般的に抵当権が設定されたままの不動産を買う人はいないため、不動産を売却するときは、金融機関からの借入金(残債)を全額返済して抵当権抹消登記を行う必要があります。この抵当権抹消登記は、売主の自己負担で、以下のように計算できます。

抵当権抹消登記費用(登録免許税)=不動産1個につき1,000円+代理人依頼手数料(司法書士依頼手数料)

ここで注意すべきは「不動産1個につき1,000円」という点です。建物+土地をセットで売却するときは、不動産2個とカウントされます。つまり、2000円+依頼手数料となるわけです。また、司法書士への依頼手数料は概ね5000円から1万円が相場です。 金融機関への返済が完了すると、抵当権抹消についての資料が届き、抹消登記の手続きに入ります。大抵は、金融機関が紹介してくる司法書士に頼むか、自分で司法書士を選ぶかの2択です。
ちなみに、少しでも不動産売却時の費用を節約したいときは、代理人に依頼せず自分で抵当権抹消登記を行うこともできます。しかし書類の作成や法務局への提出など、節約した費用以上の手間がかかりますので、司法書士に依頼するのがベターでしょう。

1-4 . ローン返済に関する費用

前述した抵当権抹消に関することですが、ローン返済費用もカウントしなくてはなりません。ローン返済費用は以下のように求められます。

・ローン返済費用=ローン残高(残債)+繰り上げ事務手数料

繰り上げ返済を希望する時は、あらかじめ金融機関に申し出ると、ローン返済費用を計算してくれます。なお、繰り上げ事務手数料は通常5000円程度、固定期間選択型ローンの場合は3万円から5万円程度になるでしょう。

1-5 . 測量費用

土地を売却するときは、測量費用も考慮しておく必要があります。測量は、土地の面積・境界線・権利関係を明確にして、現況を確定させるために行います。登記簿謄本上の情報が古く、現況を正確に表してない可能性を考慮しているわけです。測量費用の相場は、土地の広さや測量のやり方によって変わり、概ね以下の通りです。

一般的な測量費用(官民査定省略の現況測量費)

土地面積30~100坪…35~50万円
土地面積100~200坪…80万~150万円
土地面積200~1000坪…100~200万円

官民立ち合いありの確定測量費用

土地面積30~100坪…55~80万円

売却する土地が国有地などに接しているときは、官民立ち合いありの確定測量が必要になります。一般的な測量よりも高額になり、土地の広さや形状によっては大きな費用になりがちですから、事前にチェックしておきましょう。

1-6 . 譲渡益課税

不動産を売却すると、売却益にたいして税金が発生します。これが譲渡益課税です。 譲渡益課税によって発生する税金は保有期間によって異なります。
・譲渡益課税の税率
長期譲渡所得…譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えるとき⇒税率20.315%%(所得税15.315%+住民税5%)
短期譲渡所得…譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年未満のとき⇒税率39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
※平成49年までは所得税に復興特別所得税(所得税の2.1%相当)が上乗せされています。

保有年数によって不動産売却時の費用が変化する、という点を覚えておいてください。

1-7 . その他の費用

ここまで挙げた費用以外にも、「雑費」のような細々とした費用がかかることがあります。
例えば、次のようなものです。

・不要品処分費用
・引っ越し費用
・印鑑登録証明書取得費
・ローン残高証明取得費
・住民票取得費

これらは家族構成や売却後の生活スタイルによって異なります。特に不用品の処分費用や引っ越し費用は金額が大きくなりがちですから、不動産売却時の費用として計上し忘れないようにしましょう。

2 . 知っておきたい住まいを売るときに使える税額控除

住まい(マイホーム)を売るときには様々な税額控除が適用されます。
税金は費用の中でも大きな位置を占めるものですから、積極的に活用し、費用を削減するようにしましょう。

2-1 . マイホーム(居住用財産の場合)の3,000万円特別控除

マイホームを売ったときも、譲渡所得3000万円までの特別控除が受けられます。 控除の条件は、以下の通りです。
・マイホーム(今住んでいる自宅)を売却したとき
・住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却すること
・配偶者や直系血族、同居する親族、生計を共にする親族、内縁関係者とその親族、特殊な関係のある法人など、特別な関係者に売却しないこと
・他の特別控除の適用を受けていないこと
・譲渡した年の前年および前々年に同じ特例、または居住用財産の買換え特例などの適用を受けていないこと(3年に1度のみ)
・別荘や仮住まいなどに使用していないこと

2-2 . 10年超所有軽減税率の特例

10年超保有したマイホームを売却するときも軽減税率が適用され、所得税と住民税が安くなります。
・10年超所有の軽減税率の特例
課税譲渡所得6,000万円以下の部分…14.21%(所得税10.21%・住民税4%)
課税譲渡所得6,000万円超の部分…20.315%(所得税15.315%・住民税5%)
※平成49年までは所得税に復興特別所得税(所得税の2.1%相当)が上乗せされています。

要するに、売却する年の1月1日時点で保有期間が10年を過ぎていれば、劇的に税率が下がるわけです。前述した短期譲渡所得、長期譲渡所得よりもかなり税金が安くなりますね。
なお、この特例は前述した3000万円の特別控除と重複して適用されますから、こちらも要チェックです。

2-3 . マイホーム売却の譲渡損失は損益通算できる

マンションを買い替えるために売却を行ったとき、損失が発生することがあります。 この損失に対しては減税措置があり、大幅な減税が期待できるのです。例えば、3000万円で6年前に購入したマンションを売却して、新たに10年ローンを組み、マンションの買い替えるとします。
この時、売却金額が2000万円だとすると、当初の金額よりも売却金額が小さいために1000万円の譲渡損失が発生します。この譲渡損失は損益通算によって給与所得や事業所得から差し引く(控除)ことができ、結果的に所得税が減るのです。
損失額と所得次第では、所得税や住民税の支払いが不要になることもあるでしょう。

また、損益通算でも控除しきれなかった分は、翌年以後3年以内(最長4年)であれば繰越控除できます。
例えば所得500万円のサラリーマンがマンションの売却で700万円の譲渡損失を発生させた場合、控除しきれなかった200万円分は翌年以降3年以内に控除として使える、という具合です。

2-4 . 居住用財産の買換え特例による課税繰り延べが可能

例えば、1000万円で購入したマンションが10年後に2000万円で売れ、3000万円のマンションへ買い替えたとします。このとき、譲渡益は1000万円で、通常であれば課税対象になります。しかし、この特例が適用されれば、すぐには課税されません。
新しく購入した3000万円のマンションを売却するときまで課税を先延ばしできるのです。
ただし、この特例はあくまでも「先延ばし」であって減税とは異なる点に注意しましょう。
新しく買い替えたマンションを4000万円で売却したときは、繰り延べていた1000万円+新たに発生した譲渡益1000万円の計2000万円に対して課税されることになります。

適用条件は以下の通りです。

・マイホーム(今住んでいる自宅)を売却したとき
・売却した年の1月1日次点で、土地建物の所有期間がどちらも10年超、かつ居住期間が10年以上
・日本国内に存在する住居で、譲渡した年の前年および前々年に同じ特例、または居住用財産の買換え特例などの適用を受けていないこと(3年に1度のみ)
・住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却すること
・買い換える建物の床面積が50㎡以上で、買い換える土地の面積が500㎡以下
・売却の年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること(前後3年間の間)
・配偶者や直系血族、同居する親族、生計を共にする親族、内縁関係者とその親族、特殊な関係のある法人など、特別な関係者に売却しないこと
・買い換える不動産が耐火建築物の中古住宅である場合、取得の日以前25年以内に建築されていること

2-5 . 10年超所有軽減税率の特例

10年超保有したマイホームを売却するときも軽減税率が適用され、所得税と住民税が安くなります。

・10年超所有の軽減税率の特例
課税譲渡所得6,000万円以下の部分…14.21%(所得税10.21%・住民税4%)
課税譲渡所得6,000万円超の部分…20.315%(所得税15.315%・住民税5%)
※平成49年までは所得税に復興特別所得税(所得税の2.1%相当)が上乗せされています。

要するに、売却する年の1月1日時点で保有期間が10年を過ぎていれば、劇的に税率が下がるわけです。前述した短期譲渡所得、長期譲渡所得よりもかなり税金が安くなりますね。なお、この特例は前述した3000万円の特別控除と重複して適用されますから、こちらも要チェックです。

3 . 不動産投資物件の売却は費用を正確に計算しよう

ここまで紹介した内容を踏まえ、不動産投資物件の売却費用について考えてみましょう。
不動産投資物件でキャピタルゲインを狙う場合は、何よりもまず「仲介手数料を考慮しても赤字にならない」ことが大前提です。ローンの残債があるときは「ローン残債額+仲介手数料」よりも売却額が大きくなるように調整していきましょう。

さらに、3000万円の特別控除枠をフル活用し、税金もできるだけ安く済ませたいところ。
これに加え、これまで紹介したような費用を計算し、最終的な売却額を確定させていきます。ここまで計算すれば、最終的な実質利回りが見えてくるはずです。

また、購入時より値下がりしてしまった不動産を売却する場合、損失が発生します。仮に投資用物件兼居住用として使用していたなら、前述した損益通算を使って3年間(最長4年間)の繰り越し控除が可能です。例え損失が発生しても、翌年以降の所得から控除できますから、節税対策として活用することが大切です。

4 . 費用計算と税制の活用で不動産売却費用は安くなる!

マイホームや投資用不動産を売却するときは、想像していた以上に様々な費用がかかってきます。場当たり的に売却すると、ローンの残債と同額程度では、費用や税金で赤字になってしまうこともあるでしょう。
そこでまずは仲介手数料印紙税、その他の費用を確定させるとともに、税額控除や特例の対象にならないかをチェックしてみてください。場合によっては所得税や住民税が安くなったり、課税を先延ばしできたりと、不動産本体の価格とは別のところで赤字を補填できる可能性があります。
不動産本体の売却価格だけで考えず、費用や税制を考慮しつつ、俯瞰的な視点を忘れないようにしてください。本稿が不動産売却費用削減の一助になれば幸いです。

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