HOME 不動産売買 用途地域と無指定の意味|物件購入時に押さえておきたいポイント

用途地域と無指定の意味|物件購入時に押さえておきたいポイント

中村 昌弘

中村 昌弘

0

「用途市域」「市街化区域」「線引き区域」などの用語を聞いたことがあるでしょうか。これらは、建築の専門的な用語ではありますが、実は物件を購入する際には知っておいた方が良い用語です。

特に、「用途地域」に関しては、建築の制限につながる用語なので、将来的なリスクに直結します。そこで今回は、用途地域とそれに付随する無指定の意味を解説し、合わせて物件購入時に押さえておきたいポイントも解説します。

目次

1 . 用途地域の基礎知識

まずは、そもそも用途地域とは何か?という基本的なことから解説していきます。無指定の意味を知るのも重要ですが、物件購入時は用途地域を知っておくことも重要です。

1-1 . 用途地域の意味

用途地域とは、都市計画法という「日本の土地を効率的に都市化しましょう」という目的の法律の基で定められる地域地区のことです。詳細は後述しますが、たとえば「ここは住環境の良い地域にする」という計画であれば、住居系の用途地域に指定するというイメージです。

用途地域を定める目的としては、色々な建物が混在しないようにするためです。上述した住居系の地域の中に、工場や歓楽施設が建築されてしまうと、適切な住環境にはなりません。そのため、用途地域を指定して、建物の建築などを制限し、都市計画法に沿った街づくりをするという意図があります。

1-2 . 用途地域で制限できること

用途地域を定めることで制限できるのは以下の点です。
・営業規制
・建物種類
建ぺい率
容積率
・高さ
斜線制限
日影規制

営業規制とは、店舗や倉庫など営業できる種類に制限をかけることです。建物種類は「住宅」「工場」「事務所」などのことで、これも用途地域で制限することができます。建ぺい率容積率は、建築できる建物の大きさの制限です。高さと斜線制限は、総じて建物の高さを制限することです。

そして、高さ規制や斜線制限の範囲内であっても、「周辺に○○時間以上の日影をつくらない」という日影制限に引っかかると建物を建築できません。このように、用途地域を定めることによって、建築できる建物の種類や大きさ、高さを制限することで環境を整えるのが狙いです。

1-3 . 用途地域の主な種類

主な用途地域の種類は以下の通りです。
1.第一種低層地域
2.第二種低層地域
3.第一種中高層地域
4.第二種中高層地域
5.第一種住居地域
6.第二種住居地域
7.準住居地域
8.近隣商業地域
9.商業地域
10.準工業地域
11.工業地域
12.工業専用地域

番号が若いほど、住宅地として優れているエリアになります。上記1~7が「住居系地域」と呼ばれ、住宅地をつくることを目的にしています。上記8~9は「商業地域」であり、10~12は「工業地域」です。比較的商業地域の方が、危険な建築物は建てられませんが、住居系地域よりは建築できる種類は多いです。

ただし、詳細は後述しますが、住居系地域だからといって、住居以外の建築物が建てられないわけではありません。そのため、どのような建物が建築できるかは頭に入れて、物件を購入した方が良いです。

2 . 「無指定」とは?

次に「無指定」について解説していきます。少々分かりにくい点もありますが、前項で解説した用途地域を踏まえて理解していきましょう。

2-1 . 無指定の意味

日本の地域は、全ての地域が前項で解説した12の用途地域に指定されているわけではなく、その用途地域の指定がされていない地域のことを「無指定」と呼びます。

まず、都市計画法に基づいた「都市計画区域」と呼ばれる場所は、大きく分けると以下4つに分かれるという点を認識しましょう。

・線引き区域-市街化区域
・線引き区域-市街化調整区域(無指定)
・非線引き区域-用途地域あり
・非線引き区域-用途地域無し(無指定)

上記の「無指定」は、前項で解説した用途地域が指定されておらず、ほかの2つは用途地域が指定されている地域になります。

市街化区域と市街化調整区域

市街化区域とは「既に市街地を形成している地域」または「概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」であり、市街化調整区域とは「市街化を抑制する区域」のことです。そのため、市街化調整区域は原則建物の建築はできずに制限されています。

市街化区域市街化調整区域が分かれているエリア(線引き区域)で住宅を売却している場合、大半は市街化を進める市街化区域内になります。

線引き区域と非線引き区域

前項の「市街化区域」と「市街化調整区域」のような区域区分は、主に大都市や中規模の都市です。一方、小規模の都市である地方では、そもそも市街化区域市街化調整区域を区別していないエリアもあり、それが非線引き区域と呼ばれる区域です。

小規模な都市は自然環境と住環境が混在しているため、「ここは住居エリア」「ここは自然を守るエリア」「ここは商業エリア」などの線引きが難しいからです。そのため、非線引き区域は「原則3,000㎡未満の開発には許可は不要」と開発許可も緩いです。

無指定のまとめ

ここまでをまとめると、主に大都市や中都市では、市街化を促進する「市街化区域」と市街化を調整する「市街化調整区域」に分かれ、市街化調整区域は無指定です。また、市街区域と市街化調整区域の指定があるエリアは線引き区域と呼ばれます。

そして、小規模な都市は、市街化区域市街化調整区域を区別していない非線引き区域です。そして、非線引き区域の中でも用途地域を定めている場所と定めていない「無指定」の場所があります。

3 . 物件購入時、用途地域について気をつけたいこと

前項までで、都市計画法に基づいた用途地域、および用途地域の指定がない「無指定」エリアについて理解できたと思います。最後に、物件購入時に用途地域、もしくは無指定の地域で気を付けたいことを解説します。

3-1 . 用途地域の確認方法

用途地域の確認方法は、用途地域マップにアクセスして以下の手順で検索することです。
・住所検索
・地域指定

住所検索をすると地図が出るので、その地図上で調べたいエリアを探すか、もしくは選択画面で詳細な住所を選びます。そして、自分の調べたいエリアをクリックすると、そのエリアの用途地域が表示されるという仕組みです。地図が少々見にくいので、間違った場所を調べないように気を付けましょう。
用途地域マップ
http://cityzone.mapexpert.net/pgKenList

3-2 . 用途地域によるリスクを知る

用途地域によるリスクは、以下のように住居地域であっても工場や店舗などが建築できるエリアがあり、逆に工業・商業地域に建築する物件は、色々なものが建築できるという点です。詳細は、用途地域の建築制限※を確認しましょう。

※東京都 都市整備局「用途地域による建築物の用途制限の概要」
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kanko/area_ree/youto_seigen.pdf

住居地域

住宅系のみ建築できるのは第一種低層地域のみで、第二種低層地域でも小さな店舗は建築できます。また、第一種・第二種住居地域では、火薬や石油などの危険物が少量の貯蔵庫であれば建築できます。このように、いくら住居地域とはいえ、種類によっては住宅だけのエリアではないということです。

商業・工業エリア

商業・工業エリアは、建ぺい率容積率が高いので、マンションが建築されることも多いです。しかし、特に工業エリアは「危険性が大きい工場」や「火薬・石油などの貯蔵が多い施設」なども建築可能です。

そのため、商業・工業エリアの物件を購入するときには、法律(用途地域)的には危険を伴う建築物がすぐ隣建築される可能性もある点は認識しておきましょう。

3-3 . 無指定のリスクを知る

そもそも、用途地域が定まっていない無指定のエリアに、物件が分譲されることは非常に少ないです。あったとしても、新築で分譲しても売りにくいので、元々建築されていた中古物件が多いでしょう。そんな無指定の物件購入時は、以下2つのケースでリスクが異なります。

市街化調整区域

無指定の市街化調整区域は、上述したように原則として建物は建てられません。そのため、そもそも住宅を積極的に供給するエリアではないので、ガスや電気などのインフラが通っていないこともあります。さらに、市街化調整区域の土地を購入して建物を建築するときは、原則行政への開発許可が必要です。

「届け出」ではなく開発「許可」になるので、認可されなければ建物の建築はできないというわけです。市街他調整区域の場合、住宅を購入するというよりは土地を購入するケースが多いでしょう。そのときは、インフラ設備の確認と開発許可が必要な点と、建築が制限される点に注意しましょう。

非線引き区域

非線引き区域かつ無指定のエリアは、上述したように原則3,000㎡未満の開発には許可は不要です。3,000㎡とは約907坪なので、よほど大きな住宅でないと、このくらいの規模にはなりません。そのため、多くの住宅は、線引き区域では開発許可なしで建築できます。

逆にいうと、非線引き区域で無指定エリアは、開発許可が緩いので比較的どんな建物も建築しやすいということでもあります。つまり、工場や倉庫なども建築されやすいエリアという点を認識し、物件購入することが重要ということです。

4 . 用途地域は周辺環境の変化を表す

用途地域は、周辺に建築される建物を制限します。そのため、用途地域によって周辺環境が守られることもありますし、周辺環境が悪化することもあるのです。つまり、用途地域や無指定エリアを知っておくこと、将来的なリスクを理解した上で物件の購入ができるというわけです。

同じカテゴリーの記事

ページトップへ移動する
icon-article icon-articleCategory1 icon-articleCategory2 icon-articleCategory3 icon-articleCategory4 icon-articleCategory5 icon-articleCategory6 icon-beginner icon-check icon-glossary icon-kentei icon-popularwords icon-premium icon-realvoice icon-recommend icon-seminar icon-talkroom icon-trend icon-user icon-voice