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住みたい、買いたい街が変化している背景は?

長嶋 シゲル

長嶋 シゲル

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2017年に大手不動産情報サイト「HOMES」が発表した「2017買って住みたい街借りて住みたい街」では購入して住みたい街の一位が船橋、借りて住みたい街の1位が池袋という、従来とは大幅に異なる結果が発表されました。
昨年の二冠であった吉祥寺が一位から転落し、大きく順位を落とすなど、明らかに住みたい街の動向が変化している傾向が顕著となっています。そこでなぜ吉祥寺などこれまで人気があった街の人気が落ち、船橋と池袋の順位が上がったのかを考えてみましょう。

目次

1 . 都心のマンションの売れ行きは頭打ちで中古マンションに人気

まず購入して住みたい街が船橋になった要因ですが、購入して住むとなると、多くの人はそこで子育てをすることを前提に購入するでしょう。そうなるとある程度の広さが必要になってきますし、同時に通勤のしやすさも求められます。

都心でのマンション販売動向は価格の高騰により、新築マンションの売れ行きは2016年から下落傾向に転じています。平均価格も23区内のマンションを見ると、6000万円近い価格になっており、一般的な収入のサラリーマンが住むのはかなり難しくなっています。

そこで比較的価格が安く、ファミリー向けマンションや戸建てが買える場所として船橋が注目を浴びたと言えそうです。同時に船橋は総武線や中央線も通っているので、東京へは27分、新宿にも直通で45分と乗り換え無しでの通勤が可能です。

周辺には西船橋にららぽーとがありスポーツ関連の施設やディズニーランドなど、レジャー施設も多いので子育てがしやすい環境と言えます。吉祥寺も中央線沿いにあるので、通勤の便では抜群と言えますが、東京への通勤時間で言えば30分と、船橋駅よりも時間がかかるのです。

実際に船橋市の人口はここ6年で61万人から63万人と2万人も増加しています。対照的に武蔵野市の人口は減少しており、都心に通勤するサラリーマン家庭が、船橋駅の物件を購入して住む実態が浮き彫りになってきています。

2 . 池袋が借りて住みたい街になった理由

池袋は2016年の借りて住みたい街では20位以内にランクしていなかったのですが、一気に一位に躍り出るなど、躍進が続いています。

池袋の魅力は何と言っても都内の主要ターミナル駅では新宿、渋谷に次ぐ3位の規模ながらも家賃がそれらの駅よりも非常に安いことがあげられるでしょう。

例えばHOMESで1DKの価格平均を見ると、新宿駅が 約107,000円、渋谷駅は約124,000円となっています。
それに対して池袋では約87,000円と軍を抜いた安さになっているのです。埼京線、湘南新宿ラインなどJR以外にも東武東上線、西武池袋線、地下鉄も丸の内線に有楽町線、副都心線もあり、非常に充実しています。埼玉県から、そして埼玉県へのアクセス性が抜群であることは有名ですが、丸の内線を使えばオフィス街、有楽町線ではお台場や京葉線へのアクセスも容易なので、レジャーを楽しむときにも非常に便利な場所となっているのです。

その他にも旧区役所前の再開発や、アニメや漫画の街であることのアピールなど大概的に池袋という街の魅力を伝える施策が成功し、今回のような結果を産んだといえるのかもしれません。 コストパフォーマンスで考えれば、一人暮らしの人が住む場所として池袋は大変優れているといえるでしょう。

3 . 現実的に購入できるエリアを視野に入れるようになった

池袋、船橋と今回人気の街として上がってきた2つのエリアを考えると、とにかく家を買う人の傾向も「コストパフォーマンスを重視するようになった」といえるでしょう。吉祥寺に住みたいけれども、実際の通勤、通学時間を考えると街の雰囲気より利便性や価格面を取ったほうが良いのではないか、と20代、30代が考えるようになったと想像できます。

都心に家を買うとなると、敷地面積の必要な戸建てより、マンションを選ばざるを得ませんが、都心のマンションは、先に書いたように販売数が下落傾向にあり、それでいながらオリンピック需要や円安によって建築費や資材費が高騰しています。

つまり都心のマンションの原価が高騰してしまっているので、都心にマンションを買うことが難しくなってきています。それよりも校外で戸建てを買うほうが資材費もかからず、中古ならばなおお得な価格で買うことができるので、船橋の人気が上がっていることが推測できます。

池袋も家賃相場が、利便性と比べて非常に低いことはお伝えしましたが、池袋周辺は単身者向けのマンションが山の手線内で最も多いために、これも実需要の増大がそのままアンケートに反映された形になったのではないでしょうか。

さらにもう一つの要因として住宅金融公庫の調査※によれば、マイナス金利の導入から時間が経過し、再度金利が上昇していくのでは、と懸念している消費者が多いとのデータがあります。

金利が再び上がっていく前に、現実的に購入できる場所で家を買ってしまいたい。そしてその現実的に家を購入できるエリアの中でも、通勤や育児、買い物やレジャーで総合的に優れているのが船橋であった、そういった消費者の考え方の変化により、今回の船橋人気が浮き彫りになったのかもしれません。

※住宅金融公庫より http://www.jhf.go.jp/files/300334232.pdf

4 . まとめ

現在の日本の景気は、雇用は回復傾向にあるものの、非正規社員の増加や生活費の値上げにより消費を増やす所まで手が回っていないとの見方が優勢です。 日本人はそんな中でも住む場所に対する思考を変化させ、都内に済むという見栄より実を取って、苦しい中でも楽しく、家族で生活していこうとしているのでしょう。今後は単純な立地やエリアとしてのステータスよりも、本当の住みやすさ、利便性が住宅地人気にもっと反映されていくかもしれませんね。

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