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アパート経営の資金 目安はどれくらい必要?

長嶋 シゲル

長嶋 シゲル

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不労所得の代名詞とも言える不動産投資。初心者が不動産投資を始めるとしたら、どういった物件が適しているでしょうか。一般的には物件を購入するための費用が安く、ノウハウを記した書籍やサイトなども多いアパート投資がおすすめという声がよく聞かれます。
ではアパート投資を始めるに当たり、用意すべき資金はどの程度なのでしょうか。また資金を特に用意せずともアパート経営を始めることは可能なのでしょうか。

目次

1 . そもそもアパート経営に自己資金って必要?

アパート経営を健全に行っていくには、できるだけリスクを抑えなければいけません。数々のリスクを軽減する意味で、キャッシュがあったほうが心強いといえます。

●自己資金0円からでもアパート経営は可能?
「自己資金0円でもアパート経営が始められる!」そんな謳い文句の広告を見たことはないでしょうか。自己資金0ということは、アパート購入費用や諸経費の殆どを融資に頼ることになります。

たしかに2017年現在はマイナス金利政策の影響で、空前の低金利となっていますが、それでもアパートローンは、住宅ローンよりも遥かに高金利です。更に頭金がない人間に対しては、金融機関は返済能力が低く、貯蓄もできない対象として融資の審査で落とされる可能性が非常に高くなります。更にオーナー経験がなく、アパートを利益を出しながら運用した実績がない、という人間に融資をしてくれる可能性は非常に低いといえるでしょう。

ただし融資の際の担保となる物件が、資産価値の非常に高いものであった場合は別です。融資した金額を回収できなくとも、担保価値が十分にあれば金融機関のリスクは低くなります。もし購入しようとしている物件の資産価値が高く、かつ格安なものであれば、頭金0でも融資を受けられるかもしれません。もちろんそんなお宝物件に巡り合うには、運も必要になってくるでしょう。

2 . 一般的な自己資金の最低額はどれくらい?

ではアパート投資をするに当たり、最低限に用意しておきたい自己資金の金額はどの程度になるのでしょうか。

●自己資金の額によって融資金額は異なる
一般的に住宅ローンでは住宅購入資金の2割は必要と言われており、1割未満しか頭金を用意できないと、融資の際の金利が高くなることがあります。

アパートローンにおいてもそれは同様であり、頭金や年収が低い人にいきなり1億円もの金額を融資してくれることはないでしょう。また金利が高いということは、それだけ毎月の返済額が増え運営が破綻する可能性も高くなってしまいます。

例えば3000万円の物件を買う時に、1000万円用意できて、融資が2000万円、15年返済期間で金利3%であれば、毎月の返済額は 138,116円 です。しかしフルローンの場合は毎月の返済額は207,114円にもなります。

3000万円の物件の利回りが高めで10%だとしても、毎月の収入が25万円ですから、この金利差が毎月の返済に非常に大きな影響を及ぼすことがわかるでしょう。

自己資金はあればあるほどよいのはもちろんですが、最低2割、できれば4割ぐらいはほしいところです。

3 . 自己資金はどうやったら増やすことができる?

アパートを購入するに当たり自己資金が重要であることはわかりましたが、では自己資金を増やすにはどうしたら良いでしょうか。

●収入源の変更
自己資金を増やすには、まず自分の収入を増やすのが最も手っ取り早い手段です。金融機関は返済能力を見る時に、債務者の勤務先を重視します。簡単ではありませんが、高収入でかつ大企業や公務員など信頼性の高い勤務先に転職をすれば自己資金もためやすくなりますし、融資も受けやすくなり一石二鳥です。

ただしアパートローンの審査では転職したてだと評価がマイナスになることがあります。その人間が直ぐに離職をするのではないかというリスクを金融機関が懸念するからです。転職から1年以上経ってから、ローンの審査を申込んだほうが、落とされる可能性は低くなります。

●支出を抑える
もちろん収入を増やすだけではなく、毎月の支出を減らし、貯蓄を増やさなくては意味がありません。

重要なのは家計のスリム化であり、固定出費を減らすことです。生命保険や家賃、光熱費に通信費など減らせるポイントはたくさんあります。また子供の習い事もついついお金をかけがちですが、本当に必要な出費なのかを考えるようにしましょう。

都心に住んでいるのであれば車を持たなくすることで、駐車場代、ガソリン代、車両税に保険、車検代と大きく固定出費を減らし、家計をスリム化できるようになります。またクレジットカードで一括支払いを知れば、ポイントも溜まりますし、支出額を把握して無駄を見抜けるようになるでしょう。ただしカードローンの返済が多いとローン融資査定にはマイナスになります。カードは1回払で済ませる用意にして、リボ払いなどは絶対に使わないようにします。

そして具体的な目標を設定し、毎月コツコツとその目標のための積立を行っていきましょう。エクセルで目標金額と達成率を管理して、進捗率を確認できるようにしておきます。親族など信頼できる人には「毎月○円貯蓄する」と公言して自分にプレッシャ-を掛けて無駄遣いをなくす、というのも意外と有効です。

4 . 融資金額はどうすれば増える?

アパート投資が比較的不動産投資の中でも始めやすいと行っても、数千万円は必要になります。自己資金を増やすだけではなく、融資を受けられる金額を増やすことも同時に意識しましょう。

●金融機関からの信頼の獲得が必要
融資金額を増やすには自分の信用度を高めるしかありません。具体的には
・勤務先 大会社、公務員など倒産リスクのない勤務先にする。
・年収 多いに越したことはないが、芸能人やスポーツ選手などは安定性がないので、高収入といえどもローンの融資は受けにくい。年収を増やして毎年の安定した収入を確保することを念頭に置く。
・自己資金 自己資金や貯金がない人間は、あればあるほど使ってしまう人間とみなされることもある。自己資金を増やすことは、信頼性を高めることにもつながる。
・借金をなくす
過去にブラックリスト入りしていると、5~10年はお金を借りることが困難になる。また自動車ローンやその他サラ金の返済があると、ローン審査では大きくマイナス。毎月の固定返済を極力なくし、きれいな身になることを目指す。

とにかく収入の安定性と、貯蓄をできる人間=返済能力があるかどうかが見られます。その2つを両立することを目指しましょう。

●融資を受けにくいとき
融資を受けにくいときは2つの方法で対応するのがよいと考えられます。
・ハウスメーカー経由で申し込む
新築するのであればハウスメーカー経由でアパートローンを申し込むという手段もあります。ハウスメーカーが提携している金融機関であれば、審査において事情を鑑みてくれることも多くなりますし、ハウスメーカーの後押しも期待できます。
・金融機関を変えてみる
金融機関ごとにローンの審査基準も異なってきます。信用金庫などでしたら、面談をして事情を説明すれば融資が受けられることもありますし、自己資金の金額、年齢などでも可能性が変わってきます。一箇所に申し込んで断られても諦めず、複数の金融機関に融資を申し込んでみましょう。

住宅ローンの利用
アパートローンの金利は3~5%など高金利ですが、住宅ローン変動金利であれば最初の5年間が0.5%程度のものもあります。

ある意味利益度外視の低金利で金融機関が融資を行っているのが住宅ローンです。住宅ローンは国民が自宅を持てるように、あえて低金利で融資を行うように決められています。また物件の収益性などが吟味されず、融資を受ける人間の属性のみで審査が行われるので、アパートローンよりも条件が緩和されているといえます。

この住宅ローンを利用して、かつ賃貸物件も所有できるのが賃貸併用住宅です。1階をアパート、2階を自宅などにして、持ち主の居住分が建物の床面積の半分を超えていれば、住宅ローンの利用が可能です。非常に低金利で融資を受けられる上に、住宅ローンを賃貸収入で返済できるメリットがあります。

建物の建築費は一般住宅よりも高くなりますが、自宅とアパートを同時に持てるメリットは非常に大きいといえるでしょう。

5 . 自己破産せずに家賃収入を得ていくために注意すべきこと

アパート経営で最も怖いのが思ったような賃貸収入が得られず、ローン返済が滞り建物を手放してさらに自己破産をすることです。そのような事態を避けるにはどのようなリスク管理が必要になるでしょうか。

●キャッシュフローをシミュレーションする
もっとも重要なのは資金計画を建て、キャッシュフローを確保できるように務めることです。借入金が多く、さらに金利が高いと家賃収入の大半が返済で消えてしまい、修繕費などを捻出できず、建物の質を管理できなくなってしまうこともあります。さらに満室経営を前提に返済計画を立てていると、空室が続けば一気に経営が悪化します。

新築の物件だとしても、入居率は90%程度で考え、その入居率でしっかりキャシュフローが確保できるように見積もりを立てていきましょう。毎月の返済額と収入のバランスを考えれば、自ずといくら自己資金を用意し、いくらまで借りられるのかを逆算することができます。

一例として3600万円、家賃収入が月間30万円で表面利回り10%の中古アパートを購入するシミュレーションを考えてみましょう。

もし金利3%返済15年で3600万円を借り入れたら毎月の返済額は248,609円、15年間の総返済額は44,749,589円となります。毎月の家賃収入が30万円ですが、返済が約25万円であり、一部屋でも空室が出れば、自分の持ち出しが発生します。

しかし2割分の720万円を用意し、2880万円を借りたとしたら毎月の返済は198,887円で総返済額は35,799,669円となります。これなら入居率90%でもしのげますし、返済が進めば金利分が減っていくので返済が楽になります。

ただしこれでも決して楽とはいえないので、空室発生時のリスクに備えてキャッシュフローは確保しておかないといけません。

一方で投資額に対するリターンが借り入れの金額を上回っていれば、借り入れを増やしてもそれ以上の収入が確保できることになります。もし自己資金0でも金利より収入が高ければ、返済もしながら建物をどんどん購入することもできるわけです。

先の例でも満室を維持できれば毎月5万円ほどの利益が発生するので、それを元手に新しい物件を次々と購入してく人もいます。後者の例では2割の頭金720万を投資、それで毎月約10万円手元に残るのですから、年間では120万円の益となり、120÷720=16.6 16.6%という非常に高い利回りと考えることもできます。

小さな投資で大きな利益を出す。これを投資の世界ではテコの原理に例えて、レバレッジ効果と呼びます。ただし建物を買い増していってかつ満室経営をしなければいけないので、不動産投資の初心者には難しいといえるでしょう。ノウハウを身に着け、確実に満室にできる物件を見極められる審査眼を養ってから、このような投資法を試していったほうが無難です。

6 . 金融機関から中古物件の紹介があったときに注意すべきこと

アパートを購入する際に、中古物件を選択肢に加えることもあるでしょう。そんなときにはどんな点に注意をすればよいのでしょうか。

●実質利回りの確認
物件購入時のスペックとして、マイソクなどに表面利回りが掲載されています。しかし修繕費管理費、保険や管理費などの各種経費を考えた実質利回りを考えないと、キャシュフローが確保できないこともあります。経年数のある物件ほど、修繕をしないと使いものにならないこともあります。

また当然ですが入居率がどの程度見込めるかを図ることも必要です。表面利回りはあくまでも満室を前提にしていますから、古くなった中古物件でどの程度競争力があるのかを考えなければいけませんし、家賃を今後どの程度下げ無くてはいけないのかも検討し、実質利回りを見定めましょう。

●紹介手数料が妥当かどうか
金融機関が不動産投資を検討している人に、物件と宅建業者を紹介。そして紹介手数料を建築費や物件代に上乗せして投資家に請求するケースが増えています。新聞でも報道されており、金融庁でも顧客本位の方針に反するものとして、銀行などの金融機関に指導を入れています。

最大で約3%もの上乗せ手数料が課されているケースも有り、金融機関から投資物件の紹介を受けたときには、紹介手数料の金額が妥当かどうかを見極めるようにしましょう。

●担保価格がつくかどうか
物件に担保としての価値があるのかも重要です。新築物件と異なり、中古物件は担保価値が評価しづらく、また乱高下する傾向にあります。担保価値が低いと融資が受けられませんし、万が一の際に評価割れが起こって手離れも悪くなります。建物はある程度価値が無くなるのは仕方がありませんが、立地にはよく注意し、需要のある土地を選ぶようにしましょう。

●賃料差額が発生してないか
アパートは経年によって家賃を下げるのが一般的です。すでに入居者がいる物件を買う時、10年前から住んでいる入居者は家賃がずっと6万円、しかし新たに募集をする際には古い物件なので家賃5万円で募集をしなければいけないということがあります。古くからいる住人には当然面白くないですし、家賃の引き下げを要求されることもあります。低い方の家賃で利回りを計算していきましょう。

●法定基準を満たしているかどうか
1981年に設けられた旧耐震基準の物件は大変危険であり、そのまま設備修繕が行われていない物件は、大規模な耐震工事を行わないといけないケースもあります。特に近年の震災によって、耐震物件かどうかを重視する人は増えています。物件の規模にもよりますが、最低でも耐震工事は数百万円掛かるものですので、耐震基準適合証明がされていない物件は避けたほうが良いでしょう。

●反社会勢力の事務所が入っていないか
心理的瑕疵物件として、反社会勢力の事務所があるような物件は避けられる傾向にあり、また融資を受けるハードルも高くなります。金融機関がそのような物件を紹介してくることはないでしょうが、自分で物件を見つけたときにもそのような事務所がないかどうかはしっかりと確認しておきましょう。

7 . キャッシュフローに余裕を持ったアパート投資を

フルローンを利用したアパート投資、そして経営は大変にリスクが高いので不動産投資の初心者が参加をするのは避けておいたほうが無難だといえます。
最初の投資は満室経営が望みやすい新築物件、頭金をできるだけ用意しての投資など、リスクを軽減することを重視しながら、物件を探していきましょう。

ただし住宅ローンが利用できる賃貸併用住宅ならば、フルローンに近い状態でもかなり金利リスクを減らせます。新築の家を建てる時の選択肢として、考えてみるのも良いでしょう。

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