HOME 不動産投資 区分所有マンションで建替えが実現しない現実【現役サラリーマン大家が語る!Vol.47】

区分所有マンションで建替えが実現しない現実【現役サラリーマン大家が語る!Vol.47】

中林準

中林準

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日本では空き家の数が増えており、それが1つの社会問題になっています。
また、築年数が30年超も物件の割合も年々上がってきており、いわゆる築古物件といわれる物件が多くなってきています。

投資対象として築古物件を考えた場合、建物自体は古かったとしても、立地が良くまた価格も安く叩けるのであれば購入するという選択も考えられます。

私は立地が良い築45年以上の区分所有マンションを所有しているのですが、購入当時は将来的な建替えも期待して購入したというのもあります。

しかし、一向に建替えが進まないのが現実です。
私のように立地の良い区分所有マンションを所有している方は、建替えについて期待したこともあるかもしれませんが、本日はその建替えに関する現実的なお話をしたいと思います。

目次

1 . 建替えに必要な賛成割合

区分所有マンションは、区分所有者が管理費や修繕積立金を負担することによって管理運営がなされている建物です。

従って、大きな変更をするときには必ず各区分所有者のある一定割合以上の賛成が必要になります。

議題によって決議されるために必要となる賛成者の割合も異なるのですが、建替えが区分所有者に与える影響はあらゆる変更の中でも大きいとされており、建替えを決議するためには区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。

これが大きな壁になっているのが事実です。

仮に100人区分所有者がいたとすると、70人の方が賛成では建替えは実現しません。
80人の賛成によってやっと建替えが決議されます。

また、上記で議決権とあるのは共有部分の持分割合です。例えば、区分所有者としては同じ1人であっても、1人は100㎡の部屋に住んでおり、もう1人は50㎡に住んでいる場合は、議決権でいえば前者が多くの割合を握っているということになります。

政府から特別な許可を取得したり、または政府から建物の管理状況があまりにも酷いので、建替えの指導等受けた物件に関しては、5分の4だった要件が、3分の2まで下がるケースはありますが、それでも、多くの賛成票が必要です。

2 . 築古物件の居住者の大多数は高齢者

築古物件に共通して言えるのが、高齢者の割合が高いということです。 私が所有している築45年超の区分所有マンションにいくと70歳以上の方しか見かけません。

外観は悪くとも、立地だけは良いので、そこに死ぬまで住み続けるという方も多いのだろうと容易に想像できます。そういった住民の方にとっては建替えなんてどうでも良いのです。今の環境を変えずにのんびり暮らしたいという方が多いわけですから。

仮に、建替えが決議された場合は、現入居者の方には負担が生じます。
まずは、建替えが完了するまで、仮住居に引越しする必要があるということ。

それに加え、建替えに必要となる資金は借入になりますが、管理組合がまとめて借入をするケースがほとんどです。その後のローン返済は各区分所有者それぞれの負担割合に応じて支払っていくことになり、経済的な負担も増えます。

高齢者が高額のローン返済をしてまで建替えをするということは考えにくく、建替えはあまり進んでいません。私が所有している区分所有マンションでは耐震診断を受け、耐震状況に若干問題ありという判断が下されたにも関わらず、お金がかかるからという理由で、耐震診断はしないという決議がされています。

区分所有マンションでは、1人の方が所有している1棟マンションとは異なり、何をするにも各区分所有者の賛成が必要です。自分が関わらなくても色々進んでいくという意味では楽かもしれませんが、何か変えたいと思った時に自分意見を通すのは難しいのです。

3 . 建替えが必ずしも得とは限らない

建替えというと私はどちらかと言えば良いイメージを持っていました。 新築物件になれば家賃も上がるでしょうし、物件売却をすることにより利益を得ることも出来ると考えていたためです。

しかし、必ずしもそうではありません。

建替えによって一番カギを握るのは現在のマンションの容積率と建替えた場合の容積率の差だと個人的には考えています。

仮に現在の容積率と建替え後の容積率が今と同じもしくはそれ以下になってしまう場合は、あまりうまみはないでしょう。

なぜなら、建替えには先ほど申し上げた通り、ローンの返済というその後の追加負担が求められます。仮に新築物件の家賃が以前の家賃より上がったとしても、2倍になるということは考えられません。

また、ローンの返済による追加負担の方が家賃アップの金額よりも大きい場合、キャッシュフローは悪化しますし、建替え中は家賃収入が入ってこないことも考慮する必要があります。

しかし、現在の容積率よりも建替え後の容積率が上がる場合は、その差によって生まれる家賃収入により管理組合全体のローン返済額が減少するので、各区分所有者の追加負担額が軽減されます。

この軽減額が大きいのであれば、建替えによって生まれるメリットも大きく、多くの区分所有者が賛成し、建替えが実現することもあります。しかし、実際にはそのようにうまみがある建替えになることが少ないため、建替えがほぼ実現していないというのが現状なのでしょう。

ということで、築古の区分所有マンションを購入する機会がある場合は、建替えには過度に期待しすぎず、現状のまま経営ができるかどうかを考えて購入の検討をした方が無難だと個人的には考えています。

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