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不動産投資リスクを大幅軽減!「利回り」の正確な捉え方

川端 彰

川端 彰

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トヨタ自動車の高級車で知られる「レクサス」を新品で購入すれば600万円はかかると言われています。しかしその「新品のレクサス」がネットオークションで50万円で出品されていたら、飛びつくユーザーはどれだけいるでしょうか。大半の人は「何か裏がある」「どんな欠陥があるんだろう」と立ち止まるはずです。高級車を安値で売り飛ばすのは、商品にそれなりの理由があるはずだと考えるからです。
不動産投資の世界では、収益物件の「お得感」を数値化した「利回り」という指標は高ければ高いほどいいと言われています。しかし先のレクサスの事例のように、ブラックボックスに隠れた「何か」を見過してしまったせいで、購入者が被害を受けるケースは枚挙にいとまがありません。不動産の世界では50万円のレクサスのような収益物件が無数に流通しています。利回りの正体をつかむには? 今回はそんなビギナーの不安を解消するための記事を書きました。

目次

1 . 不動産の利回りとは

不動産投資に限らず、株式投資でも投資信託でも「利回り」という言葉が使われます。まずは「利回り」の定義から学びましょう。

1-1 . 利回りとは

投資したお金に対してリターンしたお金の割合のこと
冒頭のリードで、利回りのことを「=お得感」と書きました。投資をするということは、将来的にお金のリターンを期待して一時的に出費するということです。その出費額を「どの程度の期間で回収できるか」を表したのが利回りという指標なのです。

不動産投資における利回り
不動産投資における利回りも他と同義です。「最初に出費した物件の購入金額を、後の家賃収入でどのくらいの期間で取り戻せますか」ということを表します。

利回りの指標の種類
この利回りという指標には3つの種類があります。「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」の3つです。

1-2 . 不動産投資を始める際に利回りのことを考えることが重要

都内で働くベテラン一級建築士の先生(65)が「賃貸住宅は利回りが高くてナンボ」と言い放ったことがありました。利回りが高くなければ、地主や投資家からの一次予選を通過できないようです。なぜ利回りはそんなに重要なのでしょう。

不動産経営をする前に建物の収益性を考えなければいけない理由
不動産投資をするからには、儲けたい。なるべく確実に儲けるためには、その不動産がどれだけの利益を見込めるかを出来るだけ予測しなければなりません。そういう意味で、投資したお金を1年間でどれくらい回収できるかをあらわす「利回り」という指標は、重要な判断材料になるのです。

購入後の設計やリスク回避になるポイント
しかし利回りが高いからといっても、その通りに投資額を回収できるほど不動産投資の世界は優しくありません。なぜなら、空室を埋めるために家賃を減額したり、設備の故障などによる「想定外の収入源」「想定外の出費」がしばしば起こるからです。なので、目ぼしい物件を見つけたら、「取得後の出費をいかに定額に抑えられる物件か」を見極める必要があります。この辺は後で詳述します。

2 . 不動産投資で利回り計算が大切な理由

利回りは数値で表現される指標なので、「数字を使った計算」は必要不可欠です。業者に丸投げは禁物。自分で正確な数字を拾いながら計算できるようにすることが、不動産投資成功の第一歩です。

2-1 . 利回りは通常高く表記されることについて

不動産会社のチラシやインターネット上の広告で見かける「売り出し物件」の概要。そこに記載されている利回りは、通常より高めに記載されていることが多いです。初心者はこの数字をどう捉えたらいいのでしょう。

なぜ高く表記されるのか
利回りが高めに表示される理由はさまざまです。三井不動産リアルティの元社員で賃貸経営コンサルタントとして独立したリアル•スター•コラボレーション(東京都新宿区)の星龍一郎社長によれば「その業者のスタンスに左右される」とのことです。

そのまま鵜呑みにしてはいけない理由
多いのは、実際にとれる賃料よりも高めの賃料で利回り計算されているケースです。本当は家賃4万円でなければ埋まらない物件を「5万円で埋まる」と見誤れば、それだけ利回りは高くなり、精度を損ないます。利回りを高くしたいがために意図的に賃料を高く設定する業者もいます。 一方、後のクレームを避けるために保守的にみる業者もいます。

自分で計算できる知識を持つことが大切
業者によってスタンスが異なるとなれば、信じられるのは自分しかいません。ぜひこの記事で、計算できる知恵とノウハウを学んでください。 「まずはその家賃を現在の相場と照らし合わせましょう。家賃が適正かどうかを判断してからでないと、購入判断はしてはいけません」(星社長)

2-2 . 不動産投資は継続で利益を出すものであることの説明

そもそも収益物件は「リスク商品」です。長期的に収益を生み出す以上、その過程でリスクが生じることを念頭にいれなければいけません。

長く継続するために利回り計算をする(年間で出す)
目ぼしい物件を見つけて、適正な家賃がわかったら、年間単位で利回り計算をします。そうすれば、いつどの時点で自分の手元にどれだけのお金が残るかを把握できます。

3 . 不動産の利回り3つの計算

ここからいよいよ、実務的な説明に入ります。まずは「表面利回り」「想定利回り」「実質利回り」の定義を押さえましょう。

3-1 . 利回りにおける3種の計算 表面利回り・想定利回り・実質利回り

表面利回りとは
表面利回りとは、平たくいうと「ざっくり計算した利回り」のことです。年間の家賃収入から物件価格を割るだけで算出する指標です。業者によっては「グロス利回り」と表現する人もいます。

物件情報などによく使われる
物件チラシなどで表示される利回りは大抵、表面利回りか、この後説明する想定利回りであることがほとんどです。ただし不動産会社によっては、物件価格に対して、入居している分だけの家賃収入から割って算出しているところもあります。現況の表面利回りということです。

想定利回りとは
想定利回りとは、いったい何を「想定」しているのでしょうか。これは「満室」を想定した利回りを指します。10室中2室が空室でも、10部屋満室であることを想定した数値をはじきます。一番高いマックスの利回りです。

物件情報に使われているのは想定利回り
前述の星社長によれば、物件情報において「この満室想定利回りが一番よく全面にでてくる」そうです。

実質利回りとは
不動産経営は必ずしも「家賃収入」だけがお金のやり取りではありません。固定資産税を払ったり、家賃から数%の管理委託料を払ったり……取得後の支出には実に、さまざまなものがあります。これらを家賃収入から差し引いて算出した利回りのことを「実質利回り」といいます。

正確な収益力を判断できる
諸経費を差し引くので、適正賃料や経費の数字をよほど見誤らなければ、ある程度正確な数値をはじくことができます。※実はここにも落とし穴があります。詳細は後述します。

表面利回りの計算式
表面利回り=年間家賃収入額÷購入価格×100

(例)
全10室中8室が入居(家賃5万円)
購入価格:3,000万円
年間家賃収入:480万円
480万円÷3,000万円×100=16%

想定利回りの計算式
想定利回り=年間収入÷購入価格

(例)
全10室中8室が入居(家賃5万円)
購入価格:3,000万円
年間家賃収入:600万円(満室想定)
600万円÷3,000万円×100=20%

実質利回りの計算式
実質利回り=(年間収入-年間支出)÷購入価格×100

(例)
全10室中8室が入居(家賃5万円)
購入価格:3,000万円
年間家賃収入:600万円(満室想定)
年間必要経費:150万円
(600万円-150万円)÷3,000万円×100=15%

年間支出に含まれる経費について
管理費
・修繕積立金(区分マンションの場合)
・管理代行手数料
・建物維持管理費
・火災保険料
などが挙げられます。

3-2 . 計算するツールやソフトについて

複雑な利回り計算にも、数値を入れれば自動で算出してくれるツールがあります。実際に自分で使ってみて、使いやすいものを選ぶといいです。

エクセル
IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)
https://download.goo.ne.jp/software/contents/soft/winnt/business/se493526.html

アプリ
不動産投資!利回り収益計算ツール https://itunes.apple.com/jp/app/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E6%8A%95%E8%B3%87-%E5%88%A9%E5%9B%9E%E3%82%8A%E5%8F%8E%E7%9B%8A%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB/id586527965?mt=8

ソフト
収支一発!不動産投資Pro http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se507463.html

4 . リスク回避とボーダーライン

リスクを回避するために、「想定外の収入減」「想定外の出費」をなるべく「想定内」に入れる作業を購入前にします。

4-1 . キャッシュフローを確保するポイント

実質利回りの精度を上げることが重要
諸経費を年間家賃収入額から引いた「実質利回り」の計算を使うほうが現実的なのは、言わずもがなです。重要なのは、各数値をどれだけ正確に見極められるかです。

家賃・賃料
適切な家賃を知るには、目当ての物件の所在エリアの家賃相場を調べるところから始めます。不動産情報サイトの「ライフル・ホームズ」などで検索できます。相場をつかんだら、次は築年数、構造、設備などなるべく目当ての物件と似ているものを探します。そしてそのライバル物件の賃料をみて、どれだけ空室があるか調べます。空室がたくさんあれば、「適正賃料はもう少し低い」「十分な設備投資ができていない」などがわかります。

収益・利益
最後に手元に残るお金のことを「収益」「利益」といいますが、諸経費だけを差し引いた数字をゴールに据えてしまうと、購入後に落とし穴にはまることになります。 落とし穴にはまると、さらにそこから多くの出費がかさみます。まずは借入金の返済。しかも借入金の金利の多寡で返済額はかなり左右されます。 「せっかく物件を割安で買えると思ったのに、金融機関への調達金利が高くつき、結果的に支出が想定外にかさむのはよくある話」(星社長) また、空室を埋めるための「(入居募集のための)広告費」、入退去時ごとに部屋を綺麗にする「原状回復工事費」「リフォーム費」も実質利回り計算の「諸経費」から外れていることにも注意を向ける必要があります。しかもこれらの価格は業者によって金額が異なり、空室もいつ発生するか読めないため、購入前に正確な数値を予想するのはかなり困難です。せめて業者への聞き込みで相場くらいは把握しておく必要があります。

経費・費用
購入後、キャッシュフローを確保する鍵は「経費をいかに安くするか」にかかっています。例えば、月額家賃に約3~7%かかる管理委託手数料。不動産投資家の中には、管理会社に管理を委託するのをやめて、自分で管理・運営できる仕組みをつくって経費を減らす人もいます。ほか、リフォーム費の見積りを読めるようにして、不必要な改修工事を省くようにするなど、経費削減のやりようはたくさんあります。

年間支出を細かく確認すること

不動産所得税
不動産を取得したとき、または増築したときに都道府県から課税される地方税です。固定資産税評価額の3-4%が課税されます。

固定資産税都市計画税
毎年1月1日時点の土地・建物所有者を対象に、市区町村から課せられる税金です。

所得税・法人税
会計上の個人の利益が黒字だと、その額に応じた「所得税」が課せられます。不動産投資家の本業である会社給料と年間家賃収入の合計額がおおむね1,300万円を超えると、法人を立ち上げたほうが節税効果が高いとされています。法人に不動産を所有させることで、税率が低くなるのです。なお、法人の所得に課せられる税金のことを「法人税」といいます。

どれくらいの実質利回りが必要になる?
これに関しては答えがありません。 「エリア、物件の種別、建物の構造、新築か中古か、築年数によっても基準は異なります」(星社長) たとえば、都内の平均表面利回りはおおよそ「5%」が相場なのですが、それが木造で建物代が安いときたら、もう少し利回り水準を高く見るなど、物件のタイプに応じた考え方が必要なります。目安がわからない人は、相場を確認しながら吟味していくといいでしょう。

入居が安定しない場合も想定する
入居者がつかないと家賃収入が得られないので、これには気をつけましょう。そのエリアの人口が年々減っているのかどうか、学生をごっそり抱える大学キャンパスが移転計画を企てていないかどうかなど、調べられる限り調べてみるといいです。

4-2 . 高い表面利回りに注意すべきポイント

不動産会社が記載している表面利回りには騙されない
以上、不動産投資にどれだけリスクがかかるかを理解すれば、不動産会社が提示している「表面利回り」「満室想定利回り」に振り回されることはないと思います。

地方の物件の注意点
地方は東京都心と異なり、人口が減り、中古物件の価格も安くなっています。物件価格が安いとなれば、それに応じて利回りが高くなるので、地方の収益物件は総じて表面利回りが高いという特徴があります。 物件価格が安いというのは、それだけ理由があるということです。とりわけ満室にするのが難しいと言われており、ある有名なプロ投資家で「賃貸住宅を買うなら、東京・山手線の内側に絞ったほうがいい。外側になると、少し危うくなる」と警告している人もいるくらいです。 どうしても地方物件を買いたいなら、情報収集を徹底してみるといいです。 「目ぼしい地方物件を見つけたら、まずはポータルサイトで競合物件の状態をみてください。空室だらけだったら無難にやめておきましょう。入居需要に関しては、地元の不動産会社を最低3社は訪ね歩き、『この物件ならいくらの賃料で満室になりますか』とヒアリングするべきです」(星社長) 少しでも正確な情報をつかむよう、汗を流すことが肝心です。

4-3 . 資金・収入に対する投資費用の安全な割合やボーダーは?

フルローンは避けたほうが無難です。借入金は少なければ少ないほど、いいです。築年数がかさんでくると、物件の資産価値も応じて落ち込み、いつかは家賃の減額が避けられないタイミングがきます。家賃収入が目減りするのに、莫大な借入金を長期間払い続けるのは至難の業。最低でも物件価格の1割以上は自己負担で賄うべき、というのが多くの不動産会社の見解です。

5 . 不動産投資の地域別・表面利回り相場

利回りの相場は、地域によって数値の高低に差が出てきます。どれだけ人が集まっているか、開発余地のある土地は余っているか、ビジネス需要はどれだけあるか、観光需要は……など、その都市の魅力は物件価格や家賃収入を左右するのです。不動産情報サイト「健美家」の調査データを元に解説していきます。

5-1 . 地域別の表面利回りの相場

首都圏
2017年4-6月は6.09%。表面利回りでこれくらい低いのだから、実質利回り、さらに手残りは微々たるものになりそうです。ちなみに14年4-6月の相場は8.5%。この3年間で、いかに物件価格が高騰しつづけたかがわかります。これは主に、外国人投資家の旺盛な買い意欲と、相続税を節税するためのアパート建設が数値を押し上げたためといわれています。

関西圏
17年4-6月は7.96%。3年前の14年4-6月は8.74%と関西圏の利回りも低下傾向です。特に梅田などの大阪市中心部に人が集中している影響を受け、築年数の古いアパートやマンションは、「同じ大阪市でも少し郊外に外れると、満室運営は絶望的」(大阪の不動産会社)といわれています。

北海道
17年4-6月は10.5%。3年前の14年4-6月は14.75%です。首都圏と関西圏と比べると、利回りの高さが魅力的ですが、札幌などの都市部は「新築マンションが建ちすぎて満室運営が困難な状況」(不動産業者)といわれており、デメリットも相当のものがありそうです。

九州・沖縄
17年4-6月は9.26%。3年前の14年4-6月は11.99%です。特に九州・沖縄のなかでも福岡県の中心部が、全体の利回りの低下を引っ張っていると言われています。近年、他県からの人口流入が進んでおり、それに伴い収益不動産の建設も進んでいます。福岡市内の不動産業者によると「同じ賃貸マンションでも中心部と郊外で空室対策の難易度の差が広がってきている。郊外にいけばいくほど入居付けが難しくなっている」とのこと。

ハワイ
ハワイの利回り相場は、東京と同じように利回りが低いといわれています。オアフ島ワイキキ周辺のコンドミニアムで、表面利回りは3%程度といわれており、長期運用で家賃収入を見込み続けるような投資には少し不向きかもしれません。現地の不動産を購入する人は、ほぼ節税目的の資産家が大半ということになります。

バンコク(タイ)
タイの不動産の平均的な表面利回りは5.1%といわれており、それは東京の3.4%と比べてやや高めです(Global Property Guideのデータより)。しかし新築の区分ワンルームマンションに限っていえば、日本の平均利回りが3-4%なら、バンコクでは4%前後と言われています(ライジングアジア社)。

フィリピン
東南アジアの中でも表面利回りは高めで、6.1%です。先のバンコクの5.1%より高く、3.4%の東京や2.8%の香港のほぼ倍の水準といえそうです。物件価格が安い小型のものになると、表面利回り8%以上のものも出てくるそうです。

6 . 利回りと成功する物件

実質利回りの算出と取得後の出費リスクをいかに買う前に正確に織り込むかが、不動産投資の成否を左右します。正確な情報を収集するには、実際に自分で足を使い、人に当たり、汗をかき……。泥臭い努力が欠かせません。

6-1 . よい物件を選定する条件について

ランニングコストが低い
ランニングコストとは、毎月必ずかかる出費のことです。先ほどの「管理委託手数料」「修繕積立費」などがそれに該当します。

修繕積立費がわかりやすい
中古で買う場合は、すでに積み立てられている修繕費がどれだけあるかなど、情報が丁寧にのっている物件はおすすめです。載っていない物件というのは、それだけ管理がずさんである証拠とみてよさそうです。

割安の物件を探す方法
ポータルサイトなど市場に出回っている物件は「残りもの」であるケースがほとんどであるようです。不動産会社が開催するセミナーに参加して割安物件を紹介してもらったり、不動産投資家が集まる勉強会に参加して人気投資家と仲良くなり、割安物件情報を回してもらうなどの努力が必要になります。

参考サイトやデータベース
・健美家
https://www.kenbiya.com/

・楽待
http://www.rakumachi.jp/

不動産の下落時が狙い目
不況などで不動産価格が下落したタイミングは捉えようによっては購入のチャンスでもあります。不動産市場は10年サイクルで好況と不況を繰り返すといわれています。08年のリーマン・ショックのときは多くの不動産投資家が売却に踏み切りましたが、そこに目をつけて割安で取得したプロ投資家も一定数いたといわれています。

空室が出ない物件 空室リスクをなくす
空室リスクをなくすには、そのノウハウはごまんとありますが、一番有名なのは「都市部の駅近」を買う、つまり立地のいい物件を探すのは一つの選択肢です。駅近の基準は「最寄り駅から5分圏内」が目安です。

家賃設定はどのくらいが適切か
情報収集して自分で見極めてみてください。目当ての物件の競合物件をポータルサイトから探し出し、そのアパート・マンションの空室がどの程度あるか調べてみましょう。ライバル物件にたくさん空室があれば、その家賃が適正でないことがわかります。

競合物件の家賃と空室数を見る
例えば、立地も構造も備え付けの設備も同じ物件が家賃8万円で入居者を募っていたとします。全10戸のうち2戸だけが空室ならまだ安全圏ですが、それが4戸も5戸も空室が生じているのであれば、家賃設定に少し問題がありそうです。同じ条件で7万円で募集している物件があるかどうか調べたり、入居者が不可欠と感じる住設備がそもそも備わっていなかったら、購入後に設備投資してみることを考えてみてください。とにかく自分と同じ条件の物件を見つけて、その状況を確かめてから次に進むことです。

地域や狙い目のエリア
商業施設などの人が集まる資本を街の中心部に集中させるコンパクトシティ化が全国的に進んでいることを考えれば、全国主要都市の中心部は、よほど買う物件を間違えなければ、地方と比べれば狙い目といえそうです。共通項は、人口が集中していて、再開発が盛んなエリアです。あとは「学校が新設されるエリア」「工場が移転してくるエリア」など、人間が流入してくる情報がたくさんある場所です。 参考までに、単純に利回りだけでいうなら、東京メトロ千代田線の北綾瀬駅は8.44%と都内23区の中では極めて高い利回りです(「健美家」の調査データより)。

6-2 . 利回りの相場や平均値について

建物別の平均利回り
・区分マンション
⇒表面利回り7.69%
・一棟アパート
⇒8.95%
・一棟マンション
⇒8.10%

※「健美家」の調査データから引用

初期投資費用の平均値
初期投資費用とは、物件を買うときに使う自己資金や、成約後に払う売買仲介手数料などが該当します。物件価格によって投入する自己資金も売買仲介手数料も額が異なり、この分野に関しては「平均値」というデータは存在しません。しかし、その物件価格に対して、どの程度自己資金を投入すればいいのか、売買仲介手数料がどれほどかかるのかを簡単に示すことはできます。

・自己資金 ⇒物件価格の1-3割はあったほうがいいと言われています。なぜなら、フルローンで借りるとそれだけ借入金の返済期間が長くなり、借入金利も割高になります。物件取得後の出費が増えるということです。物件を仕入れる際は、ある程度自己資金を投入しておけば、金利の低い地銀などから借り入れることもできます。
・売買仲介手数料 ⇒不動産会社を介して購入する場合は、売買仲介手数料を不動産会社に払わなければなりません。売買金額が200万~400万円の場合、「売買価格×4%+2万円+消費税」で計算されます。売買価格が400万円以上の場合、「売買価格×3%+6万円+消費税」となります。

築年数別の平均利回り
全国的な平均値を算出したデータがあったのでそれを引用します。

・築10年未満 5.20%
・築10年以上 5.65%
・築20年以上 8.51%
※いずれも17年4-6月時点

築年数が20年を超えると、急激に利回りがあがります。建物価格が一気に下がるのでしょう。全体的には、3年前の数字と比べて、利回りは平均1%落ち込んでいる傾向が見て取れました。

※「健美家」の調査データから引用

6-3 . 上記を踏まえた目指すべき利回り設定

東京都内
東京都内の利回りは、ただでさえ低いです。なので、平均値より下回ることだけは避けておいたほうがよさそうです。

23区内
人気のある築10年未満の物件になると、表面利回りの平均値は4.8%とおそろしいほど低くなります。そこから諸経費、借入返済金、修繕費……などを差し引いていくと、手残りはほぼ残らない状態です。築20年以上の築古物件になると、6.1%と多少高くなります。しかし高くなっても、今度は「満室」を維持できるか、集客面をクリアできるかが問題になってきます。

郊外
これが郊外(市部)になると、利回りの平均値はやや高まります。

・築10年未満
郊 外  6.65%
23区  6.22%

・築10年以上
郊 外  7.09%
23区  6.07%

・築20年以上
郊 外  8.69%
23区  7.35%

※いずれの数字も17年4-6月時点
※「健美家」の調査データから引用

ローン返済年数
もちろん短いに越したことはないです。30年を超えるとフルローンの領域なので、危ないです。新築で建てても、完済後は築30年の築古物件になっています。築30年にもなれば、大規模改修が必要になってきたり、そもそも築古物件なので、人気が落ち、満室を維持するのが大変になります。なので、30年を下回る年数がおすすめです。どんな物件を買うかにもよりますが、とりわけ新築で建てるなら10年~20年くらいがおすすめだと言われています。

家賃収入と利回りの正しい割合や比率
これはローンの返済比率にいいかえて書いたほうがよさそうです。家賃収入のうち、借入金をどの程度返済するかを示した割合を返済比率といいます。家賃10万円で返済比率60%なら、毎月6万円を返済金に回すことになります。 返済比率は一般的に、高くても50%程度にとどめたほうがよいといわれています。なぜなら、退去が発生するたびに入居募集広告費や原状回復工事費・リフォーム費などの出費がかさんでくるからです。借金を早めに返す意識はもちろん大切ですが、いざというときに備えて手残りもある程度残るように計画したほうがいいです。家賃収入と利回りの正しい割合も、返済金がどれだけあり、毎月どの程度返すかをみて、バランスをみて調整してあげたほうが得策です。

7 . 利回りは追求すればするほど奥が深い

物件チラシになんとなく記載されている「利回り」という指標は、実はとても奥が深い数値であることがわかったと思います。 正確な利回りを捉え、且つ利回り通りに利益を得ていくためには、家賃相場や競合物件の調査、エリアの吟味、不動産会社への聞き込みなど、まさに泥臭い作業を一通りこなさなければいけません。 不動産投資は投資でも、購入後は「不動産経営」になり、購入した本人自身、「経営者」になるわけです。一種の「事業計画」だと思って、慎重な情報収集を徹底することをおすすめします。

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