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意外と知られていない建物の寿命

ゴンロク

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一般的に木造住宅の寿命は、30年前後が目安と言われています。しかし、現在住居として使われている物件の中は、30年どころか40年、50年と使われているものが多いのが実態です。これは木造住宅に限らず、RC造物件などにも言えることです。では、建物の寿命はどういった根拠で計算され、実際には何年持つのでしょうか。

目次

1 . 木造住宅の寿命の根拠

まずは、ごく一般的な木造住宅寿命の根拠を紹介します。木造住宅の寿命は意外な数字で算出されていることがわかりますよ。

1-1 . 取り壊し済み建物の平均築年数

建物の寿命は、現役で稼働している物件ではなく、取り壊した建物の築年数から算出されています。 ではどういった場合に取り壊すのかといえば、

・災害に耐えられないと判断されたとき
・建物の用途が変わったとき
・土地を売却するとき

などが考えらえます。つまり、建物の寿命の根拠には、まだ住み続けることができる状態で取り壊したケースも含まれているということです。 もちろん、倒壊や損壊を引き起こすまで建物を使うわけにもいきません。 しかし、老朽化による寿命とは明らかに異なるケースも含まれており、若干合理性を欠く数字ともいえます。

1-2 . サイクル年数

取り壊し済みの建物の平均築年数に加えて、サイクル年数も寿命の根拠といわれています。 このサイクル年数とはストック数(住宅総数)をフロー数(新築物件数)で割った数字です。 サイクル年数は、どの程度のサイクルで建て替わっているかを便宜的に求めた数字であって、建物の寿命とは直接関係のないものとも考えられます。 しかし木造住宅の寿命は、用途や環境によって個体差が激しいため、指標的な数字を求めるのが難しいという側面もあります。 そのため、たとえ便宜的であっても明確にしやすい数字が使われている、と考えて良いでしょう。

2 . RC造の寿命の根拠:建て替え済みマンションの平均築年数

RC造マンションの寿命の根拠も、木造住宅とよく似ています。RC造マンションの場合は、建て替え済みマンションの平均築年数が、そのまま寿命として使われているのです。 しかしマンションの建て替えは、老朽化以外の理由でも発生します。 例えば耐震性の見直しや空き室対策、都市計画の変化などがこれに該当するでしょう。 こういった老朽化以外の要因による建て替えを含め、RC造の寿命は37年と言われています。 さらに、木造住宅と同じように法定耐用年数(47年)の影響も受けていると考えられます。
しかし実際にはコンクリート建築の寿命は30年や40年といったレベルではなく、物理的には100年以上持つという計算もあるのです。

3 . 木造住宅は65年…驚愕の物理的寿命

こういった便宜的数字とは別に、より実態に近い数字を算出している研究結果もあります。 その結果、木造住宅の推定寿命は65年、RC造は68年から120年以上という驚愕の数字が算出されているのです。
ではその根拠を簡単に整理してみます。

3-1 . 木造住宅寿命65年の根拠

早稲田大学の小松幸夫教授が2011年に行った調査で、木造住宅の推定寿命は64年から65年になるとの結果が出ています。※ これは、建物が完成してから残存率(取り壊されていない建物)の割合が50%になるまでの年数です。
簡単に言えば、100戸のうち50戸が生き残るまでの年数ですね。 実際には老朽化以外の理由で数年のうちに取り壊される建物がある一方、100年を過ぎても稼働し続ける建物もあるため、あくまでも目安です。 しかし冒頭で紹介した「30年」という数字とは大きな差があることがわかります。
※参考:http://www.waseda.jp/sem-ykom/kamatani.pdf

3-2 . RC造マンション寿命の根拠

一方、RC造マンションが、残存率50%に至るまでの年数は68年です。※
また、コンクリートの中性化や減耗度から耐久年数を考えると、120年から150年といった寿命も考えられます。 コンクリートは鉄筋の錆やコンクリート自体の中性化(水や空気を通しやすい状態)具合によって寿命が変わるとされており、 メンテナンスや補強工事で延命が可能なことも特徴です。 こちらも木造同様、37年という便宜上の数字とは大きな乖離が見られます。
※参考:http://www.waseda.jp/sem-ykom/kamatani.pdf

4 . 用途や地域によっても建物寿命は変化

小松教授の研究によれば、建物の寿命は「構造」「用途」「地域」によっても変化するようです。 構造については、鉄骨造⇒木造⇒RC造の順に寿命が長く、最近では鉄骨造の寿命が延びているという特徴があります。

また、用途では共同住宅⇒専用住宅の順に寿命が長くなり、一戸建てのほうが長持ちする傾向にあるようです。 さらに地域では、木造なら山陰地方が関東や南開地方よりも寿命が長く、非木造は瀬戸内地方で寿命が長いといった傾向もあります。 これらは地域独自の特性(気候や人口、古い住宅のストック数など)が関係しており、建物の寿命は複合的な要因で変化すると考えられるでしょう。 ちなみに建物寿命は調査年毎に伸びており、今後も長寿命化していくことが予想されます。

5 . パフォーマンスを知ることが要

木造30年、RC造40年という建物寿命は、あくまでも便宜上の数字です。 これまでの研究結果から考えると、適切にメンテナンスを続ければ、50年以上は稼働できる可能性が高いと考えて間違いないでしょう。 一般的な寿命から安易に取り壊し・建て直しを選択せず、メンテナンスやリフォームによる延命を検討してみてはいかがでしょうか。

5-1 . 法定耐用年数

法定耐用年数は、建物の寿命として最も一般的な基準かもしれません。 住宅用の建物であれば「軽量鉄骨造19年、木造22年、鉄骨造34年、RC造47年」という基準が有名です。 しかし、法定耐用年数は減価償却可能な回数を定めており、建物の寿命というよりは税務上の基準であると言えるでしょう。

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