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オーナーチェンジ物件のメリットからデメリット、選ぶ際の注意点まで

ゴンロク

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不動産投資の初心者が賃貸経営に踏み出すための第一歩として、オーナーチェンジ物件の取得があります。しかし、オーナーチェンジは面倒な手間や時間を削減してくれる魅力的な投資方法であると同時に、いくつかのリスクもはらんでいるのです。
本稿では、オーナーチェンジ物件のメリットやデメリット、物件選びの注意点などを紹介します。

目次

1 . オーナーチェンジとは

オーナーチェンジ物件は通常の不動産購入と比べたとき、いくつか相違点があります。 そこでまずはオーナーチェンジの定義や注意点を整理していきます。

1-1 . オーナーチェンジの定義

オーナーチェンジとは、一言で表すならば「入居者がついた物件を購入する方法」です。
賃貸契約が現在進行形で、賃借人が入居中のまま不動産を売買するわけですね。
このとき、建物のオーナーだけが変わることから「オーナーチェンジ」と呼ばれています。 簡単に言えば中古不動産の売買なのですが、賃借人がいない場合はオーナーが変わってもオーナーチェンジとは呼びません。 しかし、数十部屋あるうちの1室でも賃借人が入居中のまま売買されれば、それはオーナーチェンジになります。

オーナーチェンジにより取引される物件には様々な種類があり、一般の賃貸アパートやマンションはもとより、 事業用の店舗や事務所、一戸建て住宅、分譲マンションの1室なども含まれます。

1-2 . オーナーチェンジで何が起こる?

ではオーナーチェンジによって具体的に何が起こるのでしょうか。 まず、買主はオーナーチェンジによっていくつかの権利を得ます。 例えば、以下のような権利です。

・取得した日以降の賃料債権(賃料を受け取る権利)
・退去後に建物の返還を受ける権利
・退去後に入居者に原状回復を行ってもらう権利

また、権利と同時に、次のような義務も引き継ぐことになります。

・退去時の敷金返還義務
・建物を修繕する義務
・建物を使用させる義務
・使用者責任(民法第717条)

このようにオーナーチェンジでは、権利と義務の引継ぎが同時に行われることを覚えておきましょう。

1-3 . オーナーチェンジ費用に関する注意点

次に、オーナーチェンジに必要な資金調達について整理します。 オーナーチェンジ物件の購入費用を全て自己資金で賄う場合は、通常の不動産購入と何ら変わりありません。
しかし、オーナーチェンジにかかる費用を融資でまかなおうとした場合は、注意が必要です。 一般的にオーナーチェンジに対する融資は、金融機関から「投資用不動産の資金」という扱いをうけます。
つまり、入居用の住宅を購入する時のように、金利の安い住宅ローンを使うことができないのです。

例えば、良く利用されている住宅ローンとしてフラット35がありますよね。 フラット35では購入後に「やむを得ない事情」が発生し、他人に貸し出す(賃貸契約を結ぶ)ことは認めています。
しかし、始めから賃借人がいる状態の物件を、フラット35で購入することはできません。 あくまでも、「融資を受けた本人が入居する」という明確な前提条件がある住宅ローンだからです。
これは、フラット35以外の住宅ローンにも適用されるでしょう。 したがって、オーナーチェンジ物件の購入資金を融資でまかなうときは、不動産投資ローンやアパートローンなど、やや金利の高いローンを利用するのが通常です。

2 . オーナーチェンジ物件のメリット

オーナーチェンジ物件の取得は、家賃収入を得るまでの様々な過程を省略でき、初心者が始めやすい不動産投資といえます。 そこでまずは、オーナーチェンジ物件のメリットを整理してみましょう。

2-1 . 家賃収入発生までの時間と手間を削減できる

オーナーチェンジ物件は、家賃収入を得るまでの道のりを大幅にショートカットできます。 一般的に、空室の物件を取得して家賃収入を得るためには、以下のようなステップがあります。

1.入居者が付きやすい立地かどうかの検証
2.家賃相場の調査と家賃の設定
3.賃貸借契約書の内容を検討
4.入居者の募集と審査

初心者でもこれらのステップをクリアして家賃収入を得ることは、決して不可能ではありません。
しかし、実際に収入が発生するまで時間がかかり、不安や苛立ちを覚えることも少なくないでしょう。
通常、新築物件を取得して家賃収入を発生させるまでには、数か月から1年程度の時間が必要です。 また、空室の中古物件を購入するにしても、事前にリフォームが必要になることもあり、やはりこちらも時間とお金が必要になります。
一方、オーナーチェンジ物件なら賃借人が入居している物件をそのまま取得するため、家賃収入が発生するまでの手間と時間が非常に小さくなります。

さらに、実績のあるテナント入居者や賃借人などを引き継ぐことで、賃貸経営を軌道に乗せやすい点も魅力のひとつです。 満室ではないにしろ、購入直後からほぼ確実に収入が発生するため、精神的にも経済的にも安定を感じることが多くなります。

2-2 . 賃貸経営のノウハウを学べる

オーナーチェンジ物件は、既に賃貸経営の基礎が出来上がった状態で引き継ぎます。 そのため、賃貸経営のイロハを比較的容易に学ぶことができるのです。
例えば、既に締結済みの賃貸借契約書から賃貸契約の実例を学ぶことができます。 また、物件管理のコツや適正な家賃相場を把握できるでしょう。 つまり、オーナーチェンジ物件は賃貸経営のノウハウが詰まった教材と考えられます。

2-3 . 投資失敗のリスクを低減できる

初心者が投資をはじめるときに最も難しいのが、「投資判断」と「リスクコントロール」です。
これは不動産投資に限ったことではなく、投資全般にいえます。
ただし、株や債券に投資するのであれば、プロに投資判断とリスクコントロールを任せる投資信託があります。 しかし、不動産投資、特に賃貸経営では、投資判断とリスクコントロールの大半を自ら行う必要がでてくるのです。

どの立地にどれだけの予算をかけて物件を購入し、利回りはどの程度を目指すべきか。 また、入居者の募集にはどの程度の費用をかけるべきかといった事柄をひとつひとつ検証し、総合的な投資判断を下さなくてはなりません。 加えて、入居者が集まらなかった場合(空室が多数発生した場合)のリスクも考えておく必要があります。 とはいえ、初心者がこういった投資判断やリスクコントロールを適切に行うのは難しく、結果的に投資が失敗に終わる可能性もあるでしょう。

一方、オーナーチェンジ物件なら、既に実績のある物件を入居者付きで獲得できるため、投資失敗のリスクを低減できます。

2-4 . 金融機関からの理解が得やすい

オーナーチェンジ物件は、賃料が既に決まっており、利回りの計算がしやすいという特徴があります。 利回りは不動産投資の基本ですから、投資計画の土台が出来上がっているわけです。
この土台は、金融機関へ融資審査を申し込むとき、有利に働きます。 実績のある数字を基にした返済計画は現実的で、金融機関との交渉をスムーズに進める材料になるからです。 また、物件の入居実績次第で融資がおりる確率も高くなり、実行までの時間も短くなる傾向にあります。

これが全て空室の賃貸物件だと、賃料を設定して投資計画を練るところから始めなくてはなりません。 さらに、実際にその賃料で入居者が集まる保証はどこにもないわけです。 そのため、百戦錬磨の融資担当者を納得させる計画を練り上げるだけでも一苦労です。

オーナーチェンジ物件は、投資計画作成や資金繰りの手間を削減してくれるという点で、初心者に向いているといえるでしょう。

2-5 . 空室物件よりも購入額が安い

オーナーチェンジ物件は、空室物件よりも購入額が安くなる傾向にあります。 入居者に居住する権利(賃借権)があるために、所有者の自己使用が制限されることがその理由です。
また、賃料の設定が相場よりも著しく安い場合は、利回りとの兼ね合いで売却価格が安くなっていることもあります。 この傾向は一般市場での売却、業者による買い取りの双方に共通しています。

3 . オーナーチェンジ物件のデメリット

オーナーチェンジ物件には、見落としがちなデメリットもあります。 安易に飛びついて損失を被らないよう、デメリットを正確に把握しておきましょう。

3-1 . 入居中は現況確認ができない

オーナーチェンジ物件に入居者がいる場合、入居中の室内は現況を確認することができません。
仮に満室稼働のオーナーチェンジ物件であれば、室内の状況は一切確認できないのです。
この点は、オーナーチェンジ物件最大のデメリットといっても過言ではないでしょう。 不動産投資は、例え中古物件であっても数百万円から数千万円単位で投資を行うことになります。
これだけの高額投資を、中身を確認せず実施するわけですから、初心者でなくとも不安を感じて当然です。 そのため、空室率については具体的に確認しておく必要があります。

ただし、物件が売れやすくなるよう「サクラ(満室状態のためだけに仕込んでおく入居者)」を雇い、偽の満室状態を創り出していることもあるため、注意してください。 仮にサクラを雇って満室状態を維持しているのであれば、売買契約成立後に一斉に退居がはじまるという事態もあり得るのです。

しかし、入居中の部屋以外の部分(共用部分や外観)の状態から、物件の状態や空室率を推測することができます。 例えば、共用部床やエントランス、ゴミ置き場、駐車場などが適切にメンテナンスされているかといった点です。
共用部分や外観の管理が行き届いていれば、空室率が低い物件であるという裏付けになりますし、その逆であれば注意が必要な物件といえます。 室内の付属設備に関する書類とともに、必ず目視で確認しておきましょう。

3-2 . 条件変更ができない

オーナーチェンジ物件では、売買契約成立時に継続中の賃貸借契約は、全て新しいオーナーに引き継がれます。 したがって、入居者に対して賃貸借契約の変更にあたるようなことを強制することはできません。 特に注意したいのが、賃料と保険についてです。

まず賃料ですが、オーナーチェンジ後に賃料を改定して値上げすることはできません。 そのため、基本的には取得時の利回りで投資計画を立てていく必要があります。

次に保険です。賃貸物件では、賃借人が失火や水漏れなどを起こしたとき、部屋の原状復帰に使える保険(借家人賠償責任保険)へ加入しているケースが大半かと思います。 しかし、賃貸借契約書に借家人賠償責任保険への加入義務が記載されていない場合、後から保険に加入させることはできないのです。
失火や水漏れによる損害は、建物全体に悪影響を及ぼすことがあり、損害が大きくなりがちです。
トラブルに発展するリスクを回避するためにも、賃貸借契約書の内容を事前にしっかりと吟味しておきましょう。

3-3 . 入居者の属性を選ぶことができない

空室の物件を取得した場合には、入居者の募集や審査の段階でフィルターをかけることができます。 つまり、入居者をある程度選べるのです。 しかしオーナーチェンジ物件では、入居者を選ぶことができません。
取得前に入手できる入居者の情報は限られており、個人情報(氏名、勤務先など)は開示されないのが通常です。 また、既存の入居者に対して立ち退き要求も不可能です。
そのため、過去に入居者や管理組合との間でトラブルが発生していないかを確認する必要があります。

3-4 . 売却時の価格が安くなりがち

売主側のデメリットでは、物件価格が安くなりがちというものがあります。 前述したようにオーナーチェンジ物件は、入居者に居住する権利(賃借権)によって所有者の自己使用が制限されるため、価格が安くなる傾向にあります。
買主側としてはメリットになる点も、売主としてはデメリットになるということを覚えておきましょう。

3-5 . 家賃収入が保証されているわけではない

現況確認の項目で述べた通り、オーナーチェンジ物件では入居率を粉飾するために「サクラ」が住んでいることがあります。 こういったケースでは、オーナーチェンジが完了したタイミングで一斉に退居がはじまり、家賃収入が途絶える可能性があります。
さらに、家賃収入に関しては売主に責任を問うことができません。 空室率の確認と共に、「なぜ売主が物件を手放すのか」を確認することも大切です。

3-6 . 優良物件ほど倍率が高い

オーナーチェンジ物件は健全に賃貸経営が行われていれば、非常に魅力的な投資対象です。 そのため、空室が少なく管理も行き届いている優良物件は、あっという間に購入希望者が殺到することがあります。
しかし、単なる営業トークである可能性もぬぐい切れず、難しい投資判断を迫られることになりかねません。 不動産投資の経験が浅いうちは、慎重かつ冷静な判断を下す時間を確保し、高倍率を装った甘い言葉に騙されないことが大切です。

4 . オーナーチェンジ物件を売買する際の注意点~賃借人対応

オーナーチェンジ物件は賃借人が入居状態で売買を行うため、賃借人への対応が必要になります。 基本的には事後対応で事足りるものばかりですが、賃借人の信頼を得るためにも、あらかじめ把握しておきましょう。

4-1 . オーナーチェンジ時に必要な賃借人対応

貸主の変更について

オーナーチェンジ時には、賃借人に対して貸主が変更になる旨を伝える必要があります。 また、貸主の連絡先なども併記しておきましょう。

家賃の支払い先について

オーナーチェンジによって家賃の振込先が変更になるため、新しい振込先を通知しておく必要があります。 金融機関によっては、振込先の変更に1か月から2か月を要することがあるため、できるだけ早めに通知しておきたいところです。

敷金の継承に関して

賃借人が入居時に支払った敷金について、新たな貸主が継承したことを通知します。 また、敷金返還の義務についても引き継いだ旨を記載しておきましょう。

通知は売主と買主の連名で行う

これらの通知は、原則として売主と買主の連名によって行います。

4-2 . 自ら通知を行う必要がない場合もある

オーナーチェンジ物件によっては、売主や買主が一切通知を行わずにすむケースもあります。 例えば、管理会社が管理業務の全てを取り仕切っている場合です。 家賃の回収や賃貸借契約書の差し替えといった雑務を全て管理会社が行っていれば、賃借人への通知はほとんど必要ありません。
また、次回の契約更新までの賃貸借契約書の取り扱いや、賃貸借契約書の差し替えについては、物件の引き渡しと同時に仲介会社が対応することが多いです。 そのため、売主や買主が直接賃借人に通知を行う機会は少ないといえるかもしれませんね。

5 . 良いオーナーチェンジ物件の見つけ方

では最後に、良いオーナーチェンジ物件の見つけ方について解説します。 オーナーチェンジによる不動産投資を成功に導くには、いくつかのコツが必要です。

5-1 . サクラが入居中かを見抜く

オーナーチェンジにおいて、利回り以上に注意すべきなのが「サクラ」の入居です。 これまでも何度か紹介したように、オーナーチェンジ物件にはサクラが入居していることがあります。
これは、満室状態を維持して物件を高く売り抜けるための「仕込み」です。 満室状態のオーナーチェンジ物件は、室内や入居者情報を一切確認できないため、初心者が見抜くのはなかなか難しいかもしれません。

サクラが入居している物件を見抜くためには、まず管理会社の情報を集めていきましょう。 インターネットや取引銀行、不動産業者などから情報を集めれば、管理会社の実態が見えてくるはずです。
管理会社の評判や業務の品質が良ければ、物件の管理は健全に行われている可能性が高くなります。 また、健全な管理が行われていれば、サクラが入居している可能性は低くなるでしょう。

5-2 . 物件に関する書類上の情報を集める

オーナーチェンジ物件に関する書類は、必ず集めておくようにしましょう。
退去時の原状回復敷金返還の計算時の根拠となります。
特にオーナーチェンジ物件では、入居中の部屋を確認できないため、書類上の情報が大切です。

5-3 . 実際に物件を見学する

満室経営で室内が確認できないオーナーチェンジ物件であっても、共用部や駐車場、インフラ設備などは見学できます。 必ず自分の目で、これらを確認するようにしましょう。
書類上の情報だけを鵜呑みにせず、自分の目で現在の物件を確認すれば、様々なことが見えてきます。 仮にエントランスや駐車場、外壁のメンテナンス状況などに問題があるようなら、売買契約を考え直したほうが無難です。

5-4 . 連帯保証人の有無を確認する

賃借人に連帯保証人がいるかどうかも重要なポイントです。 特に家賃の滞納が続いたときは、連帯保証人がいるかどうかで天と地ほどの差が出ます。 なぜなら、連帯保証人の責任は、賃借人本人と同一だからです。
連帯保証人は通常の保証人とは違い、債務を頭割りできません。 つまり、連帯保証人が複数いる場合でも、そのひとりひとりに滞納分の家賃を全額請求できます。 賃借人の属性に不安を感じるようであれば、連帯保証人が複数設定されている物件を選んでいきましょう。

5-5 . 家賃保証会社の有無を確認する

賃借人に連帯保証人が設定されていない場合でも、家賃保証会社を使用していれば家賃滞納リスクを低減できます。 最近では連帯保証人を立てられない賃借人のために、家賃保証会社を利用するケースが増えています。 滞納している家賃の回収を代行してくれるため、オーナーチェンジの際には是非確認しておきたい項目です。

5-6 . 入居率について

オーナーチェンジ物件は、入居中の賃借人をそのまま引き継ぐため、入居率によって価値が大きく変化します。 もちろん、入居率が高いに越したことはありません。
しかし、前述したサクラを使うケースもあるため、不自然に満室が続いていないか、急激に入居率が変化していないかなどもチェックしていきましょう。

5-7 . 慎重さが何よりも大切

オーナーチェンジ物件は初心者にとって魅力的な要素が多い反面、入居者の実態が見えにくいというリスクもあります。 表面的な利回りや物件価格、入居率だけに惑わされず、自分の目で確かめた情報を大切にして慎重に選んでいきましょう。
目先の家賃収入に翻弄され、投資が失敗に終わっては元も子もありませんからね。

6 . 入念な下調べがオーナーチェンジ成功の鍵

オーナーチェンジ物件は家賃収入獲得までの道のりを大幅にショートカットでき、初心者にとっては魅力的な投資に見えるかもしれません。 確かに健全な物件であればメリットは多く、投資失敗のリスクも低減できます。
しかし、下調べを怠ってしまうと途端にリスクが大きくなる投資方法でもあります。
特に利回りや入居率、賃貸借契約の内容などは、確実に裏をとるよう心掛けたいところです。 それでも不安がぬぐい切れない時は、信頼できる不動産業者に相談し、サポートを受けることも大切です。
「うまい話には裏がある」ことを常に念頭におき、慎重かつ冷静に物件を選んでいきましょう。

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