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リフォームとリノベーションの違いって何?費用も解説!

川端 彰

川端 彰

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「新築より割安な中古」「汎用性よりオリジナリティ」。家を買うときに、このような価値観を持つ人が増えました。それを満たすうえで欠かせない存在となったのが「リノベーション」という住宅の改修技法です。
リノベーションとは、リフォームとは似て非なるもの。大規模改修でもない、まったく新しい概念。元をただせば、住宅業者が使い始めた造語ですが、中古ストック活用の機運が高まり始めたここ2~3年で、広く世間でも使われるようになりました。
おしゃれな中古住宅を買いたい会社員の方や、アパートの空室を埋めるために改修を考えている大家さんなどは、今の時流のど真ん中にある「リノベーション」について学ぶことは、決して損はないはず。集合住宅や戸建て住宅のリノベーション業者として一家言を持つ「リノベーションタイム株式会社(東京都世田谷区)」の蒲谷宜治社長に、詳細を聞いてみました。

目次

1 . リノベーションとは

リノベーションとは、「リフォーム(改修)」と「イノベーション(革新)」を掛け合わせて生まれた造語です。無理やり直訳すると、「改修で革新する」となりますが、まさにその改修の中に、「革新性」という新しさを見いだせなければ、リノベーションとは言えません。

1-1 . 既存の建物に工事を行う

既存の建物を施工することはするのですが、やはりそこに「革新性」という新しい価値観やコンセプトを生み出さなければいけません。リノベーションをする場合、その室内の壁をぶち抜き、スケルトンにするところから施工するケースが多いです。

1-2 . 性能や生活環境を向上させる

これまでにできなかった新しい暮らし方を提案するのがリノベーション。それは具体的にどういうことでしょうか。
例えば、「キッチン」の交換を想像してみてください。ただキッチンを交換しただけでは、「設備が清潔になった」「コンロがひとつ増えて料理の利便性があがった」にとどまりますが、リノベーションの場合、ひとひねり加えて、隅のキッチンをリビング中央にもってきて、「カウンターキッチン」に変更することがままあります。
そうすれば、「奥さんが料理しながら、子供の様子を見ることができる」「リビング中央に持ってきたことで、奥さんと家族の会話が増えた」などライフスタイルに変化が起こります。このように性能だけでなく、「生活環境」を向上させることができるのが、リノベーションの凄味というべきでしょう。

1-3 . 希望の物件に生まれ変わる

希望の立地や価格に合致する物件に限って、「間取りが気に食わない」「デザインが画一的で地味」などの不満を抱えるのはよくあるケースだと思います。
しかしある程度のお金をかけて「リノベーション」すれば、そのような不満は一掃されます。壁などをぶち抜いてスケルトンにして室内を再設計すれば、自分の希望通りの物件に仕上げることができます。今の「多様な価値観」に柔軟に対応できるのが、リノベーションの良いところです。

2 . リノベーションとリフォームの違い

リノベーションとリフォームの違いを端的に言い表すと、「改修後のデザインに『オリジナリティ』があるかどうか」(蒲谷社長)。以下、詳しく説明していきます。

2-1 . 工事規模内容の違い

リノベーションはいわば、「ライフスタイルを変えるための改修」。そうとなると、キッチンの位置を変えたり、間取りを変えたり、土間を新しく設けたり、「建材を新品に変えるだけでは備わらない新しい価値を付け加える」という作業が生まれてきます。内装をスケルトンにして、一から施工を始めます。
一方、リフォームに求められるのは、新規性。ライフスタイルの変化などではなく、「清潔感」「新品かどうか」など古い物を新しい物に変える、というニュアンスが強く含まれています。そのため、壁をぶち抜いてスケルトンにするような、大がかりな施工はあまり見られません。
水回り設備の交換、壁紙の貼り替え、フローリングの交換、といったように部分的に古い物を新品に変える、という作業がリフォームです。
リノベーションとリフォームでは目的が異なるので、自ずと工事規模も変わってきます。

2-2 . 工事後の部屋(建物)の性能の変化の違い

性能の変化というと堅苦しい印象を受けますが、要は、改修後に、「これまでできなかった暮らし方ができるようになっているか」が、リノベーションとリフォームの違いなのです。建材ひとつひとつを交換すれば、そこに「清潔感」は生まれるかもしれませんが、少しデザインが変わったからといって、それは暮らし方が変わったとは言えません。
暮らし方が変わったというのは、例えば、「玄関に4畳分の土間を設けて、そこを小さなアトリエにしている」とか「1畳分しかなかったクローゼットを、3畳分に広げて、常に片付いた部屋に。リビングを広く使え、生活にハリができた」などです。建材の交換だけでは、新しい価値は生まれないのです。

3 . リノベーションの工事内容

ここから具体的な説明に入ります。工事個所ごとにリノベーションの事例をあげていけば、リフォームとリノベの違いが明確に浮かんでくると思います。

3-1 . 水回り

水回り設備の位置変更は、リノベーション工事の難関です。なぜならば、水回り設備は、あらかじめ建物に組み込まれている「排水溝」とは切っても切れない関係。この排水溝はやっかいな代物で、水回り設備の位置を多少変えることはできても、排水溝の位置を変えることはできません。そのため、「水回り設備の位置を変えるときは、排水溝との距離感とバランスを考慮しなければならない」(蒲谷社長)。
水が流れるように傾斜させなければいけない排水管は、長くなればなるほど、床を高くしなければいけなくなります。そうなれば、その分工事が複雑になり、コストが重くのしかかってきます。
マンションでは特にその傾向がありますが、一方、「木造の場合は、床下に配管があるため難易度はそう高くない」(蒲谷社長)と例外もあるとのこと。リノベーションか否かは、そこに「オリジナリティ」があるかどうか。洗面台ひとつとっても、オリジナリティを出すことは可能です。洗面台は、台とボールの一体型になっているものが多く見られますが、それを台とボールを別々に購入し組み合わせて造作する手法がとられます。

3-2 . 玄関・壁紙

玄関床は、クッションフロアや塩ビタイルなどの貼りもので、貼り替えずにそれを上乗せさせるのが通常のリフォーム。リノベの場合、既存のタイルをすべて剥がし、塗装するか、新しいタイルに張り替えます。
壁紙の貼り替えはよくおこなわれますが、蒲谷社長の場合、リノベでは壁紙を使いません。塗装を施します。「塗装のほうが手作り感があり、壁紙にはない雰囲気をつくることができる」(蒲谷社長)。特に日本の住宅では、塗装ベースの内装は少ないため、塗装を施すだけでそこに希少価値が生まれ、差別化にも役立つそうです。

3-3 . 間取り変更

間取り変更とは、「2DK」から「1LDK」に変更するといったように、部屋の数やリビングの広さ、はたまたキッチンの位置などを変えることです。大抵、壁をぶち抜く、取っ払うという作業が発生し、間取りの変更内容が大がかりであればあるほど、スケルトンにして既存の建材を一掃する必要性が高まってきます。

3-4 . 配線・追加設備

配線とは、テレビチューナーのことです。テレビチューナーにテレビをつながないと、テレビを見ることはできません。しかしチューナーが一か所にしかないと、テレビを置く位置は事実上縛られることになります。
蒲谷社長は、配線にもこだわりを示しています。「うちの場合は、必ずテレビチューナーを増設し、最低二ヵ所に設ける」そうです。配線が二ヵ所にあれば、テレビの位置を変えられます。入居者が部屋の模様替えをするときに、柔軟に家具の位置を変えられます。まさにこれも「新しいライフスタイル」の提案といったところではないでしょうか。
追加設備とは、例えば、「お風呂の追い炊き機能」「浴室乾燥機」「宅配ボックス」といったようなものです。当然、追加設備が増えれば増えるほど、コストの負担が重なってきます。そのため賃貸住宅の場合は、追加したがるオーナーはあまり見られないようです。

3-5 . リノベーション後の変化

蒲谷社長が実施したリノベーション物件をひとつ取り上げます。少し極端な例かもしれませんが、2LDKから1LDKに改装した事例です。

変化のポイントは、
・和室から洋室に変更
・玄関近くのキッチンを、洋室のリビングに移動。カウンターキッチンに変更
・トイレと風呂を別々に変更


上記3つがわかりやすいところだと思います。
こうしたことによって、「カウンターキッチンでリビングの子供の様子を見ながら、奥さんが料理をできるようになった(会話が増えた)」というように、ライフスタイルの変化を想像することができます。これこそがリノベーションの優位点であり、建材や設備を新しくするだけのリフォーム技術では実現が極めて困難であることがわかると思います。

4 . 物件をリノベーションするメリット

リノベーションのメリットはさまざまあります。具体的には以下のようなメリットが挙げられます。

4-1 . 古い物件に価値を持たせる

古い物件に「清潔感」だけでなく、ライフスタイルを変えられるまったく別の新しい価値をつけるのがリノベーションの一番の特長です。

4-2 . 家賃価格が大幅に上げられる効果がある

リノベーションを実施するオーナーは、空室解消よりも家賃を上げたくてやる人がほとんどです。ただし家賃の上がり具合ばかりは、そのリノベーション内容と周辺家賃相場、前の賃貸住宅の状態によって変わってくるので一概に言えません。ただし低いケースで1万円、高いケースで4万円アップしているケースが見られます。

4-3 . 新築よりもコストがおさえられて機能的な物件にできる

新築アパート・マンションなら、何千万円、下手したら億単位の費用がかかってしまいます。リノベーションなら、1戸あたり50万~400万円以内に抑えられます。

4-4 . 家族の人数変化に合った間取りに変更できる

壁をぶち抜くので、設計上可能な限り、自分の希望する間取りに変えられます。最近は、夫婦に子ども一人で計3人のファミリーなどは、「家族団らんで過ごせる広いスペース」を求める傾向にあり、それに合わせて3DKや2DKの部屋数を少なくして、その分リビングスペースの広い1LDKに改装するケースが増えています。

5 . 物件をリノベーションするデメリット

一方で、リノベーションには以下のようなデメリットもあります。

5-1 . 金利が高くなる

金利が高くなるということは、リノベーションをするオーナーは、大抵、金融機関から借金をして改装を実施しているということです。
リノベーション」という言葉が認知されていなかった3年前までは、それ故に金融機関によっては融資してくれなかったり、貸してくれても金利が高かったりといったことがありました。最近は金利も普通の水準になってきたようです。

5-2 . 引き渡しまでに時間がかかる

設計内容と施工業者の技術次第ですが、平均45~50日かかると言われています。施工期間ばかりか、「リノベーションの企画は綿密に組み立てなければならず、計画完成まで1ヶ月を要することも」(蒲谷社長)。※ただしこれも企画会社によりけりです。蒲谷社長が経営するリノベーションタイムの場合は、通常1ヶ月かかる企画を1週間で組み立ててしまうこともあるようです。

5-3 . 高額なコストがかかる可能性がある

高額なコストがかかる可能性があるとしたら、木造住宅で、「シロアリがいる」「床が腐食している」「天井から水が漏れている」などで別の施工が必要となってしまったケースです。築年数が古くなればなるほど、そういったリスクが高くなります。

5-4 . 耐震基準を満たしていない物件は大幅な工事に

昭和56年以前に建築された集合住宅は、「旧耐震」といい、いまの新しい耐震基準を満たしていないものになっています。それを満たすための施工を要すると、当然施工費用はかさんできます。「旧耐震から新耐震になったことで、壁の間のピッチが短くなり、必要とされる柱の本数も増えました」(蒲谷社長)

5-5 . 施工できない個所もある

区分マンションの場合、他のオーナーとの共有財産である「共有部」や「エントランス」はいじれません。エントランスの照明を変えたいという要望も、管理組合を通さなければ実現できません。自分の力では変えられない部分も出てきます。

6 . リノベーション費用のイメージ

リノベーションの費用は設計次第で大きく変わるといっても、建物の分類によって微妙に相場が異なってきます。

6-1 . リノベーション費用一の般的な相場

【マンション ㎡あたり10万~30万円】
マンションの場合は、工事時間の規定が定められており、夕方の17時を過ぎると工事ができなくなるそうです。その分、工期が延び、その分人件費がかさんできます。

【アパート ㎡あたり9万~12万円】
アパートとなると、マンションよりもグレードと規模が下がってくるので、㎡あたりの単価はわずかに落ち込みます。

【一戸建て ㎡あたり10万~30万円】
相場はマンションと一緒です。マンションのように「工事を夕方までに引き上げなければならない!」という時間の縛りはないのですが、集合住宅と異なり、一戸建ては室内に階段があったり、柱が多くあるので、そこに対して補修費がかかってきます。

7 . 業者による違い

リノベーション費用の算出は、本当に業者によって変わってきます。注意が必要なのは、その工事内容に、「お風呂」の改修が含まれているかどうかです。上記の相場でも、例えばマンションのリノベーションの相場は、「㎡当たり10万~13万円」と書きましたが、それは浴室の改修がなければ10万円で、あれば13万円になるということです。浴室の工事は、それほど振れ幅を大きくさせるものなのです。
ちなみに、同個所の改修費用はかなり高くつくので、リノベ費用を少しでも安く見せたい大手業者などは、浴室部分を含まずに料金を開示している可能性が高いです。

7-1 . よく行われるリノベーション工事

これも業者によって変わってきますが、リノベーションタイムが手掛けるリノベーションの場合、普通のキッチンをカウンターキッチンに変えたり、収納スペースをうんと増やす傾向が見られます。あとは壁紙を塗装にして、おしゃれな雰囲気を演出することもよく見られます。安い場合は一室50万円、高くなると200万円になるというイメージです。

7-2 . 大幅なリノベーション工事

既存の設備や建材をすべて交換して、まったく別の物件に仕立て上げてしまう物件をたまに見かけます。スケルトンにすることはもちろん、水回り設備はすべて新しいものに交換、和室をすべて洋室に、壁も新しくつくり直します。そうなってくると、一室で400万円以上かかるケースはざらに出てきます。

8 . 住む人のライフスタイルを変える=リノベーション

リフォームとリノベーションを混同させる業者が多い中で、騙されないように着実によいリノベーションを企画しようと思ったら、まずは頭の中に「リノベーション=オリジナリティ、新しいライフスタイルをつくること」と覚えましょう。
これらは、設備や建材を交換するだけのリフォーム工事では実現できないものです。そのためリノベーションは、「今までとはまったく違う層をアパートに住まわせたい」「空室を解消するだけでなく、家賃を思い切りあげたい」と思ったオーナーにとっては、非常によい追加投資となるでしょう。
画一的な商品よりも人々の多様な価値観に柔軟に対応できる、そういうアパートにすることが、今の住宅過多時代を生きるひとつのコツなのかもしれません。

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