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自己資金0円で失敗する人

桜木大洋

桜木大洋

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不動産投資をしたいけれどまとまったお金、つまり自己資金がない、という人は多いと思います。
かつての私もそのクチで、当初は、自己資金がない人間は不動産投資などできるはずがないと思っていました。それが一般的な見方です。

でも実際には自己資金0円でも不動産投資はできます。その代わりにその分のリスクを背負うわけで、購入した後に何もしなければ失敗することもあり得ます。
しかし自己資金0円だからといって、他の投資スタイルよりリスクが大きいのかというと、そうでもありません。その辺をしっかり理解して「自己資金0円」に安易な安心も過剰な心配もしないことが肝要です。

目次

1 . 自己資金0円で不動産投資をするということ

まず、自己資金0円で不動産投資をするということは、物件価格に加え、物件の登記費用や仲介手数料不動産取得税などの諸費用も全てローンで賄うということになります。
諸費用は、物件価格の7%程度が相場で、たとえば1億円の物件を買おうとした時には大体700万円くらいかかります。

金融機関は融資をする時、不動産を担保に設定しますので本来ならば売買価格以上の融資は受けられないはずなのですが、実際の融資は売買価格と直接関係なく、その金融機関の評価で金額が決まることが多いです。
このため、売買価格よりも融資額の方が大きいこともあるし、逆に少ないこともあります。当然ながら融資額は大きい方が物件を買いやすい訳ですが、今は銀行の評価が厳しいこともあり、評価が高くなる物件を見つけることは至難の技です。

私も4、5年前に、ほぼ毎日そういう物件を探していましたが、1年かけてようやく1件あるかないかという状況でした。それで運良く物件価格以上の融資を受けられたとして、次には大きな残債を背負うことになり、なかなか借金が減らない、でも資産価値は下がる、という大きなリスクをはらみます。だから、自己資金0円なんて失敗のもとだと言われることがあります。

2 . 不動産投資の失敗とは?

では、不動産投資の失敗って、どんな状況を示すのでしょうか。

2-1 . 返済不能による失敗

仮に「失敗」の定義をまず「返済できなくなって破産すること」として考えてみます。

自己資金0円というのは返済額が大きくなるため、月々の返済額も大きくなりがちです。その返済額と、毎月かかる管理費を家賃収入でまかなえない時、返済ができない、という状況になります。

この原因は、物件を購入する際、家賃収入に占める返済額の割合、つまり「返済比率」を考えずに購入を決めてしまうことにあります。返済比率が70%を超えると、残り30%の中で、管理費や税金を支払わなければなりません。
すると空室が出たときにその分の収入が減るため、残りは30%ではなく、20%とか15%になり、どんどん現金の手残りが少なくなります。
もっと悪い状態では、突発的な修繕費がかかったりすると、毎月の収入よりも出費の方が大きくなります。
空室によって収入が減り、修繕によって出費が増えると、家賃収入のほとんどを返済と経費に使ってしまいます。それでも足りなければ、手持ちのお金を出すしかなくなってくるのです。

たとえば1棟アパートで、6室中の2室が空室になると、確実にそんな状態になります。
そういうことを最初に考えずに、物件がいつも満室状態にあると想定したときの「利回り」が高いからといって、融資がつく物件に安易に飛びつくと、あとで地獄を見ることになります。
でもこれは、自己資金0円でなくても同じことが言えます。自己資金をいくら出したところで返済比率が70%を越えれば、返済が苦しくなるのです。

ですので本質は、自己資金0円かどうかではなく「返済比率がどのくらいか」ということに注意するべきです。

2-2 . 借金による失敗

もう一つの失敗として「売却時に残債よりも安くなって借金が残る」ということがあります。借入額が大きいとなかなか返済額が減らず、短期間で売却するには、利益を出すことが難しくなります。

自己資金をある程度出しているならば、借金も少なくて済みますから、売却時に多少値段が下がったとしても、それで借金をクリアできないというリスクは少なくなります。

しかし、そもそも自己資金を出しているのですから、その分の回収ということも考える必要があります。
具体的に言うと、1億円で利回り10%の物件を買うとします。この時、2,000万円の自己資金を出して買う場合と、自己資金0円で買う場合をみてみましょう。

1億円で利回り10%ということは、満室であれば年間1,000万円の家賃収入が入ってくるわけです。
自己資金を2,000万円出しておけば、借金は8,000万円となり、売却時の価格がたとえ9,000万円に下がってしまったとしても、その借金は帳消しにできます。

一方、自己資金0円でまるまる1億円を借りている場合には、9,000万円で売却してしまうとまだ1,000万円の負債が残ります。これが自己資金0円のリスクです。
また、自己資金2,000万円を出しているなら、家賃収入に占める毎月の返済額も少なくて済みますから、手残りの現金(キャッシュフロー)が増えます。

毎月の手残りが多い分、空室や修繕などの突発的な出費にも対応できる余力があります。自己資金0円の場合には、毎月の返済額が多い、つまり手残り現金が少ないため、常に満室を維持し、修繕費がかからないように祈るしかありません。これも自己資金0円のリスクです。

しかし、ここでもう少し冷静に考えてみます。
最初に2,000万円を出しているなら、その分を回収するためには「残債プラス2,000万円」で売るか、キャッシュフローの2,000万円が貯まるまで持ち続けなければなりません。自己資金0円であれば、もともとお金を出していないので、その分を「回収」するという概念がありません。毎年の収入(手残り現金)がそのまま利益となります。

つまりは、自己資金0円と自己資金2,000万円で、どちらがリスクが少ないかと考えても、一概には比較できないのです。最初に自己資金を出してしまうのも、毎月の運営上は安全性が増しますが、出した現金分を回収するまでは、そのこと自体がリスクを追っているわけです。

3 . 投資戦略は焦らず

そもそも自己資金を1円も出さずに、売る時だけ何百万円・何千万円と儲けよう、と考えること自体、都合が良すぎる話です。
自己資金0円でスタートしたら、まずは満室経営に注力し、十分な家賃収入を得て、何年もかけてキャッシュを貯めるところから始めるのです。
そのあとで、次の展開を考えていくのが真っ当な投資戦略と言えるでしょう。

自己資金0円で不動産投資を始めたい、でも失敗はしたくない、という人は、まずは返済比率に注意して物件を買い、その次には焦らずじっくりと満室経営を心がけることが大切ですね。

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