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管理会社がオーナーに望むこと

桜木大洋

桜木大洋

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不動産投資家にとって、物件を買えればそれで終わり、と思っている人はいないと思いますが、物件を買う時よりも買った後の方がはるかに重要であることは言うまでもありません。

物件を購入する際には「利回り」とか「キャッシュフロー」を参考にするわけですが、その狙った利回りやキャッシュフローを維持するためには、満室化への努力が必要不可欠です。
物件を自主管理している人、入居者づけを自分でやっている大家さんを除き、私を含めて管理会社にすべてお任せしているケースにおいては、満室化を基盤とした物件の維持管理は、管理会社の働きによって左右されると言っても過言ではありません。

ではどうすれば、管理会社に理想的な働きをしてもらえるのでしょうか。

目次

1 . 満室経営を目指して

かつて私がはじめて物件のオーナーになった頃、「満室経営」という文字を含むタイトルの本を読みあさり、いろいろと研究したことがあります。
その中でも印象に残っているのは、自分で案内用のPOPを作成し、部屋の至るところに設置したことです。

エアコンやカラーモニター付きドアホンがついていることや、TV・インターネット使い放題、トイレの中にも便利な棚が充実、天井が高くてゆったりしていることなど、部屋の魅力をできるだけアピール。さらには光触媒の人工観葉植物を置いたり、今成約してくれればコーヒーメーカーやホットカーペットをプレゼントしますとか、自分で企画を考えて、目立つところに現物や説明書きを添えていきました。

こういうものは一般的に「がんばる大家さん」として良い印象を持たれるか、というと、必ずしもそうではないことに、後から気づきました。

2 . 管理会社の受け取り方

大家業のキャリアが積まれ、いろんな管理会社さんと知り合いになってくると、大家の行動にもさまざまな受け止め方があるようです。

当初、私の物件を管理してくれていた管理会社さんは、私が作るPOPを喜んでくれて「物件のメリットを説明しやすいです」と言ってくれました。
しかし、後々に知り合った管理会社の社長は「こういうことをされると、オーナーがとても細かい人なんじゃないかっていう、面倒な印象を持たれることもあるんですよね。」と教えてくれました。
たしかにPOPを掲示したからと言ってすぐに入居者が決まるわけではなく、案内する客付け会社のセールスがどれだけ決めたいと思ってくれるか、の方がはるかに影響が大きいのです。

案内POPや特別プレゼントのためにお金と時間を割くくらいなら、客付け会社の営業マンをやる気にさせることを考える方が効果が高いということです。
それは必ずしも広告費のようなわかりやすい資金面だけでなく、いつでもホットラインで電話を受けたり、条件面の相談に乗ってくれるレスポンスの速さです。

入居者を案内して、気持ちが動いている時に条件提示をされ、「オーナーに聞いてみます」と時間をかけているうちに他の物件に決められてしまう、ということも少なくありません。
いつでも連絡を取れるようにしておくことが、管理会社にとって一番ありがたいことのようです。

3 . 修繕の対応

もう1点、満室化と同じくキャッシュフローを支える重要な項目が「修繕」です。私が物件を購入した後、はじめて管理会社の方に挨拶する際に、必ず尋ねることがあります。

管理会社として、オーナーに一番望むことは何ですか?」
この問い対して、みなさんの回答は同じ。
「退去後の現状回復や、突発的な修繕が発生した際、対応を私たちに一任してくれることです。」
こういう話を聞くと「ボッたくられるんじゃないか」「しなくていい場所を修繕して売上を稼ごうという魂胆では?」と感じる人もいるでしょうが、私は素直に従います。もちろんその管理会社を信頼しているということが前提での話です。

なぜなら、突発的な修繕は、ほぼ入居者さんからの通報によって発覚するもので、緊急を要するものであったり、生活に支障をきたすものである可能性が多いからです。

それに対し、いちいち相見積もりをとったりオーナーに是非を尋ねるための時間をかけると、それだけ着手・完了が遅くなります。すると管理会社が入居者の信頼を失い、結果的に入居者の不満が募り、やがては退去につながりかねません。

何より管理会社の方はクレームを抱えた入居者と直接相対する役割なので、自分で判断できないもの、責任が取れないことを背負って進めるのは、とてもやり難いのです。

ですので私の場合、数万円程度の修繕はわざわざ私に確認することなく管理会社の一存で進めてください、事後報告で結構です、とお伝えしています。
たとえば即対応してもらって56,000円の修理代がかかったけれど、よくよく時間をかけて慎重に検討すれば39,000円で仕上げることができたかもしれない、というようなケースもあるでしょう。

しかし時間と信頼をお金に換算して、1万円や2万円の差分は飲み込んだ方が、長い目でみれば得策、と考えます。

また、土木建築の業界は、安かろう悪かろうという仕上げもあり、安いからと言って必ずしも得をするとは限りませんし、私にその違いや品質を見抜く力量がないことも自覚しているので、その程度のことは専門家に任せれば良い、というポリシーです。

要するに信頼して任せることのできる関係をつくる、ということが大切です。
不動産投資は自己責任だから、何でも自分でやらなければならないと思う人がいますが、実はそういうことではありません。逆に、いかにして人を頼り、人の力を借りて大きな成果を出すことができるかを考えられる人が、不動産投資で最も成功します。

4 . 良い関係を築く為に

しかし、人にものを頼む方法には2つのやり方があるので注意が必要です。

一つは、細かく指示をすること。
実はこれ、うまくないやり方です。一定時間内に決められた単純作業をこなしてもらうならこれで良いかもしれませんが、不動産投資でこれをやってしまうとなかなか効果が上がらないジレンマに陥ります。
指示された相手は自分で考えることをせず、言われたからやる、言われた通りにやればいいという発想になり、まるで使い走りのような感覚で、こちらの方にも良いイメージを持ってもらえません。

もう一つのやり方は、自分が得たい結果と自分が提供できるものを説明し、どうやるか、は相手に任せることです。
これは一見簡単そうに見えて、実はとても頭と気を遣います。本当に必要なことは「何を達成するか」であって「どうやって達成するか」はあまり重要でないことが多いです。

手段はその人に任せた方が最も効率の良い方法を知っていたり、自分なりのやり方を考えてもらうことで、責任感と自主性が芽生えます。合わせて「なぜそれを達成することが必要なのか」という理由も説明できると尚良いです。

さらに付け加えれば、相手の気持ちと相手のメリットを理解すること。これができると、「指示する」から「依頼する」になり、ビジネスパートナーとして好ましい関係を築くことができます。

5 . コミュニケーション力を磨く

ビジネスパートナーとして良い関係をうまく築くためには、

「相手が動きやすい環境を整え」
=レンスポンスが早いこと、要望が明確になっていること

「必要な原資を与えて」
=自分の情報、提供できる資金、賃貸募集の場合は広告費など

「結果を意識してもらう」
=物件購入、満室経営、そして、いつまでに、という時間的ゴールが重要ですね。

もちろんこれは不動産投資に限らず、いろんなビジネスでも共通のことです。
そしてこれを円滑に進めるには「相手を理解すること」、「相手にも得るものがあること」を明確にするためのコミュニケーション力を磨く努力が必要不可欠になります。

自己責任とは、結果に責任を持つことなのです。
結果へのプロセスをうまく頼める人が、大きな成果を得られます。

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