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収支シミュレーションと瑕疵担保責任【現役サラリーマン大家が語る!Vol.74】

中林準

中林準

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不動産業者から物件の紹介を受ける際に、収支シミュレーションの提示もあるケースがほとんどだと思います。その収支シミュレーションを見て、キャッシュが残る案件かどうかを判断される方も多いかと思いますが、収支シミュレーションを100%信じることは危険なこともあります。

例えば、業者としては、物件を売却したいので、空室が出ないベース、もしくは税金費用を考慮しないベースで収支シミュレーションを立ててくることが多いです。

私は、不動産投資を始めた当初はこの収支シミュレーションを完全に信じてしまい、実際に運用してみたら全然異なった、もしくは、業者の見積もりミスで経費の部分で大きな差額が発生したなんてこともありました。

今回は、この収支シミュレーションと売主業者の瑕疵担保責任の関係性について、実際に私に起きた事例も交えながら、お伝えしていきたいと思います。

目次

1 . シミュレーションはあくまでシミュレーション

まずは、シミュレーションはあくまでシミュレーションだということを忘れてはいけません。そもそも、絶対に儲かるということが分かっているような案件があれば、自分には回ってこないと思っているぐらいの方が良いと個人的には考えています。

例えば、業者のシミュレーションでは、満室想定でシミュレーションを立ててくるケースが多くあります。しかし、実際は空室が必ず発生し、家賃が入ってこない期間はありますし、その際に原状回復リフォーム程度はやらないといけないので、コストが発生します。その部分をリアルに見積もるのは難しく、シミュレーションには入っていないことがほとんどです。

また、購入初期の頃は損失項目が多いので、税金費用を考慮する必要がないかもしれませんが、長期的に見ると、収益性が高い案件であればあるほど、税金が発生します。その費用もほとんどのシミュレーションでは見積もっていません。従って、業者の見積もりでは、キャッシュフローが多めに出ていることがほとんどです。

上記は一例ですが、一般的にシミュレーションの数値は楽観的な数値だと思い、あくまで参考程度にということで確認いただければと思います。間違っても、その数値を100%信用して、物件購入を決めることのないようにご注意ください。

2 . 法的拘束力を持つのはあくまで契約書

仮に、物件購入後にシミュレーションの数値を大きく異なった数値が出てきた場合、それを瑕疵担保責任として、売主を訴えることは可能か?ということですが、原則的には訴えることは難しいと考えた方が良いと個人的には考えています。

私が購入した1棟マンションでは、共用電気料金が1か月1万円台前半ということで、購入前のシミュレーションでは提示されていました。その時点で、大きな1棟マンションを所有していなかったので、その数値の適正性について判断できずに、その数値を鵜呑みしてしまったわけですが、実際は、3万円近く発生していることが購入後すぐに分かりました。原因は売主業者の仕入れ担当の見積もりミスでした。

相手の売主は宅建業者だったので、引き渡し後2年間は瑕疵担保責任を負っているわけですが、この部分は瑕疵担保責任として追及することは難しいのです。
なぜなら、契約書と収支シミュレーションは別物だからです。

何らかのトラブルが起きた場合は、契約書に記載があることをベースに判決が下されます。
従って、収支シミュレーションに大きなブレがあったとして、その後その大きなブレに対して補償があるか否かは、その業者の倫理観次第ということになってきます。

私の場合は、運よく謝罪の意味を込めてという位置づけで一定金額いただくことが出来ましたが、業者によっては、シミュレーションはあくまでシミュレーションということで、何も保障しないことが多くありますので、この点もご注意ください。

3 . 自分自身でシミュレーションを立てる

そうなると何を信じてよいのか分からなくなるかもしれません。
結局は、信じることが出来るのは自分自身だということです。

収支シミュレーションに関しても、ある程度の経験を積んだら、自分自身で収支シミュレーションを立てられるようになった方が騙されることは少なくなります。ただ、自分自身で見積もるためには、実際に同じような物件を所有して、運営してみて、金額の適正性を実感していくというプロセスは必要になります。

従って、初期の自分自身で収支シミュレーションを立てることが難しい頃は、不動産業者に関しては、既に成功されている方の紹介を受けた方が失敗する可能性は低いと個人的には考えています。

ただ、最近、自分は成功している大家だと全面的にアピールし、高額な料金をとって、○○塾という形で初心者投資家を囲い込み、裏で業者と組んで、あまりよろしくない物件であっても、その初心者に購入させ、その業者からバックマージンをもらうという大家の方もいます。

ただし、そういった方はネット検索してみると、ネガティブな情報が出ていることが多くあります。ネガティブな情報が出ている方には近づかないようにして、本当に信用できる方から物件紹介を受けれるようにしましょう。

その中で、自分自身で収支シミュレーションを作れるような実績を積んでいっていただければと思います。

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