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これからの物件価格動向は?

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2018年7月30日付け発行の全国賃貸住宅新聞に「収益不動産の価格動向」に関する記事が掲載されていました。一年前の同時期に比べて平均利回りがどのくらい上がったのか、または下がったのか、というデータです。

ちなみに「利回りが下がる」ということは物件価格が高くなること、「利回りが上がる」とは、価格が下がることを意味しますので、この場では「利回り」を「物件価格」に置き換えて記載します。

目次

1 . 直近の価格動向について

1-1 . 首都圏の価格動向

東京23区および横浜市では一棟アパート、区分マンション、一棟マンションの各カテゴリーとも全てにおいて物件価格が上昇。築年数による影響も出ていない。
但し、横浜市では一棟アパートで築10年未満のものや築20年未満のものは物件価格が下落。

1-2 . 関西圏の価格動向

大阪市は、東京23区や横浜市と同様に物件価格が上昇。築年数による影響も少ない。一方、京都市・神戸市は、大阪市と逆に3カテゴリーとも物件価格が低下。
特に京都市では1棟マンションの築10年未満は利回りで1%も上がったそうです。

1-3 . 全国の主要市の価格動向

札幌市は区分マンションと一棟マンションで物件価格が下落。仙台市は区分マンションと一棟アパートで物件価格が下落。特に1棟アパートは利回りで1.32%も上がりました。

名古屋市は一棟マンションで物件価格が下落。区分マンションは若干上昇。広島市では全てのカテゴリーで価格上昇。特に区分マンションは利回りが1.08%低下。福岡市は一棟アパートの物件価格が下落。築年数では特に築20年以上で利回りが0.52%上昇しています。

まあ、上昇とか下落といっても、利回りにして0.数%の差がほとんどで、1%以上も変わってしまったら大きなトピックになってしまいます。
ただ、傾向値としては、これまで全国的に上昇傾向にあった物件価格が東京23区と横浜・大阪・広島を除く各地方都市では、価格が高止まりしてきた、ということが言えそうです。

物件価格の動向は、数年前から金融機関の積極的な融資姿勢が追い風となって上昇基調でしたが、さすがにここへ来てかなり厳しい状況に転じ、融資を受けられる人=買える人が少なくなったことで、価格も少しずつ下がっているのかな、という感じはします。

2 . 売買の判断は慎重に

でも、だからといって「今が買いだ」とか「早く売らなきゃ」とかいう話をするのはちょっと早計かと思います。全体の動向がどうであっても、実際に購入する物件は相対売買の交渉ごとになります。
たとえ物件価格が安くなっても(利回りが高くなっても)、多くの空室があったり、近々大きな修繕費がかかるようでは大しておトク感はありません。

利回りが高い場合には特に「それなりの理由」があるはずなので要注意です。私の基準は利回りではなく返済比率・キャッシュフロー比率など、金融機関の融資条件が複合的に関わってくるものなので、利回りが高かろうが低かろうがとにかく融資条件次第、ということになりますね。

3 . 不動産投資家を悩ます2つの要因

一方、この1、2年は不動産投資家にとって、2つの要素から特に厳しい状況が続いています。

1つは「物件価格の高騰」。これによって収益性が悪くなり、なかなか魅力的な物件が見つかりません。

たとえ運よく物件が見つかっても、今度は2つ目の要素である「融資の引き締め」。希望の額に届かなかったり、希望の低金利が実現しなかったり、希望の期間まで延ばしてくれなかったり、そもそも融資を断られるというケースが続出しています。この「物件を見つけること」と「融資を通すこと」が不動産投資の成否を左右する最大のキーであることは言うまでもありません。
ですので、これから不動産投資を志す人、特に高額の融資を引いてできるだけ規模を拡大したいと考えている人はこの2つに集中した方が良いです。

この2つのシンプルなキーがなかなか突破できずにいる中、ここへきてさらに融資の条件を厳しくする、という超有名な金融機関の話も聞きます。いろんな銀行が融資をしなくなればやがて物件を買える人が少なくなり、物件を買える人が少なくなれば、売る側の人が弱気になって値段を下げる。物件の値段が下がれば収益性が上がり、今度は金融機関が融資をしやすくなる、という流れで市場が動きます。

だから今、金融機関が引き締めているということは、やがてくる市場価格の軟化に向けた自然の摂理みたいなものなのですが、厄介なのは、その流れがいつ来るのか誰にも予測できないことです。

前述の各エリアの価格動向も、上がり基調一辺倒ではないものの、統計データで見えるものには僅かな「振れ」しか顕れていません。それは一般消費財の価格動向のように、ブームや需要によって一直線に変動するものではないからです。

不動産市場を牛耳るのは政治家でもオリンピックでもなく、金融機関の動向なのです。そしてそれは、ゆっくりゆっくり、ジワジワと満ち引きを繰り返しつつやってきます。

それは残念ながら、投資家の意のままには全くならないものなので、それを嘆いたり愚痴をこぼしていても、これまた何も前に進みません。

4 . 厳しい状況下で重要なこと

こういう状況でも、物件を買えている人はたくさんいます。買えている人と買えていない人はどこが違うのか、というと、行動量と覚悟、ですね。

融資情勢が厳しいといっても、全く融資しなくなったわけではないし、融資は金融機関にとって重要な経営の柱の一つでもあります。貸してくれる金融機関を今まで以上に探し回った人が買えているし、昔ほど良い条件ではないけれど、価格が高いことによるリスクも覚悟して踏み切れる人が、ギリギリいける物件を手堅くゲットしているのです。

理想を追えばキリがなく、計画的に買い進めたいと思っていても、今のご時世ではそうそう思い通りに物件も見つからないし、融資も下りません。私の持論では、不動産投資は1、2年で結果を出して終わり、ではなく、一生かけて取り組む価値のあるものだと考えています。

だから現在のように市場の風向きが不透明なときは見送るもよし、なんとかして1棟買ってみるもよし。しかし買った後の成否は決して翌年とか翌々年のレベルでわかるものではなく、5年・10年の長い目で見ていろんなことを学びながら、経営力を鍛えていくものだと思います。

目先の価格や利回りに一喜一憂することなく、不動産投資を事業と捉え、金融機関の動向を見据えながら決断・行動していくことが大切ですね。

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