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住宅ローンと不動産投資

桜木大洋

桜木大洋

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ある日、私が愛読している業界紙に「住宅ローン破綻の相談が月130件突破」という見過ごせない記事が出ていました。
住宅ローンが返済できなくなった人の相談を受け、救済を行っている、一般社団法人全国住宅ローン救済・任意売却支援協会(埼玉県所沢市)によると、それまで月に70-80件だった相談件数が、ここ数ヶ月で100件を越えるようになったそうです。

相談全体で一番多い原因はリストラ、病気、離婚などの収入減によるもので、当初、このままの現状がずっと続くと思って家を購入し、住宅ローンを借りたけれど、思うようにいかなくなって、返済できなくなっている、ということです。

こういうコワイ話を耳にすると、何十年も先のことなんてどうなるかわからないし、今のままの状態がずっと続くはずなんてないんだ、と思い、やっぱり住宅ローンなんてやめておいた方がいい、と考えるか、もしくは逆に、自分にはそんなことはあり得ない、とまったくの他人事として扱うか、どちらかになるかもしれません。
しかし、多くの人はなんとかしてマイホームを手に入れたいと思っています。

実際には、長年会社に勤めていても、絶対にリストラされないとは限らないし、突然ケガをしたり病気になったりして働けなくなるリスクは、誰にでも当てはまることです。
これは考えたり悩んだりしても、なかなか解決に至らないことなので、せめて保険に入るくらいの備えをして、あとはチャレンジするしかないのです。

目次

1 . 住宅ローンを背負う選択

私自身も、千葉県浦安市に戸建ての自宅を購入した時は34歳で、それなりに不安もありました。 
それでも高額のローンを背負う決意をしたわけですが、当時は将来のことを大して計画的に考えていませんでした。

60歳までは今の会社に勤め、その後なんとか仕事を見つけて収入を維持し、できるだけ繰り上げ返済をして少しでも早く返し終わればいい、きっと60歳過ぎても元気で働けるさ、くらいの考えです。

当時は周りの人に、そんな甘い考えで高額のローンを背負うのは危険だ、変動金利なんて、いつ上がるかわからない、まずはしっかり貯金することを考えなさい、とも言われました。 
それでも私は34歳のとき、将来の不安に備えて今を我慢するよりも、今から10年間の幸せを先に手に入れたいと思い、住宅ローンに踏み切りました。 
その結果、「今から10年」と言っていたものの、もう18年が経ちました。 
その間、自分の家に住んでとても充実した暮らしを満喫できたし、返済開始後15年間は「住宅ローン減税」の恩恵に預かり、合計で500万円以上の所得税が戻ってきて、運良く変動金利も一度も上がらずに、借り換えで4年ほど返済期間が短縮され、今日を迎えています。

それでいて、60歳まで勤めると思っていた会社は50歳で退職しました。
これから先は何が起こるかわかりませんが、少なくともこれまでの18年間について、自分の選択は正解だったと思えます。

2 . 不動産投資において住宅ローンは足かせになるか

そして今では、不動産投資のために多くのローンを抱えていますが、住宅ローンが一番金利が低いので、これを繰り上げ返済するなんてもったいないことは考えていません。できることなら少しでも先延ばしして、お金を確保した分、他の投資に充てたいくらいです。

不動産投資をする上で、住宅ローンを抱えていると足かせになる、という話を耳にすることがあります。しかし、そういう観点は金融機関によって異なります。 
所有している自宅の資産価値と、実際に抱えている残債を比較して、その差額によって融資の可否や金額を決める、というところもあるし、全く別の観点で、住宅ローンを持っている人は、この先大きな借金を抱える可能性が低い、ということで、安定的な将来設計ができる人、と見てくれる金融機関もあります。

何よりも私自身が3,000万円以上の住宅ローン残債をもったまま、一つの銀行から8.5億円、他も合わせて約12億円の融資を受けています。さらに住宅ローンの借り換えまで提案され、あいにくメリットがなくてお断りした次第です。
ただし、銀行で好意的に見てくれるのはせいぜい住宅と車のローンくらいでしょう。カードローンや消費者金融から無担保で借りるようなものは、かなりマイナスに見られてしまうので要注意です。

3 . 収益不動産と自宅はまったく異なるもの

今思えば、私が所有している不動産の中で、購入金額・融資金額がもっとも小さいのが自宅です。そう考えると、あの時はずいぶんと小心者だったのかな、なんて思うこともありますが、ここで勘違いをしてはいけません。

初めて不動産投資をする人は、本来は人生で最も大きな買い物であるはずの自宅よりも、さらに大きな金額の買い物をすることになります。だから何千万円、何億円もの融資を引くなんて、相当の勇気が必要で、なかなか踏み切れない、もしくは奥様・旦那様に反対されて連帯保証人になってもらえない、という話を聞くことが度々あります。

しかし、絶対的な価値の基本として、収益不動産と自宅はまったく異なるものです。人が住むもの、という点では似たような形をしているかもしれませんが、収益不動産は利益を生み出す装置であり、ビジネス商材です。

一方、自宅は、何もお金を生みません。だからどちらかというと、金額の大小に関わらず、自宅の方が返済するのに大きな負荷とリスクが伴うのです。自宅は大きければ大きいほど、返済リスクも高まる一方ですが、収益不動産は規模が大きくなればなるほど、利益も大きくなるはずです。そういう物件を選んで購入していくことが大事です。

住宅ローンと収益不動産のためのローンを混同していると、ビジネス感覚が欠落し、なかなか本質的な行動ができなくなります。
収支をしっかりとシミュレーションした上で、満室経営・経費節減という、賃貸業の基本を踏まえながら、収益を増やすことにチャレンジすべきなのです。そしてその決断も、最初から最後まで計画しなければならないわけではなく、まずは行動してみる、あとは経験を積みながら課題を解決していく、という覚悟が大切です。

4 . 人生の選択は自分で決断し、責任を取る

いずれにしろどんな決断も、どんな経験も、将来に役立たないものはありません。10年先のことなんて、本当にどうなっているかわからない、大抵、予想とは違うものになっているのです。
だから10年先を憂いて守りに入るより、今からの10年のために前向きな決断をし続けたい、というのが私の持論です。

人の価値観はさまざまなのでどれが正しいとは言えませんが、自分の人生の選択は自分にしか決断できないし、その責任も自分で取れば良いだけですね。

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