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不動産投資と奈良の大仏

桜木大洋

桜木大洋

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あるビジネスコミュニティの仲間と、奈良の東大寺へ大仏を観に行きました。お寺参りとビジネスがどう関係あるのかと思いますが、日頃はスマホやパソコンに向かってばかりいる今のような時代こそ、古くから何百年も続く歴史や伝統に触れることで、物事の本質を見直す良いきっかけになることがあります。

私は、大仏といえば鎌倉でしか見たことがありませんでしたが、奈良の大仏もまた、その時代の人々の叡智と魂が宿っているのだと思うと、口を開けたまま見上げる自分から我にかえり、子供の頃に教科書でもっと勉強しておけばよかったなー、と痛感します。

 

大仏のすぐ前に「華厳の教え」という看板がありました。東大寺は、お釈迦様の悟りの境地が説かれた「華厳教」をメインの経典としているそうです。

その教えを単なる旧来の学問や歴史上の遺産と捉えるのではなく、現代のビジネス、特に不動産投資と結びつけて考えると、大きな気づきを得られます。

1 . 世界に存在するあらゆるものは、それぞれの密接な相関関係の上に成り立っている。互いに融合し調和を保ち、平和で秩序ある世界を形成している。

(解釈)一人の力でできることなど何もない。すべての事業は、自分を取り巻く多くの人   
    の協力によって成り立っている、ということだと理解します。

不動産投資でも、物件購入時には不動産販売会社の協力と金融機関の理解が必要だし、物件の運営時には管理会社や修理業者との関係性が非常に大事です。始めたばかりの人はとかく自分が「お客様」だという顧客意識が強く、買う時には仲介業者に無理な要求を突きつけたり、物件を運営する時には管理会社を見下したような態度を取る人を見かけますが、そういうタイプに限って、なかなか良い結果を得られません。

物件を所有するまでには誰の力が必要なのか、物件を安定的に運営できるのは誰のおかげなのかをしっかりと認識して進めることが大切です。特に賃貸業では何よりもまず入居者のことを考える視点が重要です。

これらをきちんと意識していけば、不動産投資も社会貢献の一つとしてやり甲斐を感じることもできます。

2 . ひとつは全ての中に、全てをひとつの中に観ることができる。

 (解釈)「One for all, All for One」。スポーツマンシップでもよく耳にする言葉ですが、
     自分さえ良ければ、という考えは禁物。

不動産賃貸業はあくまでも「事業」ですので、自分だけが得をしようという考えの人はうまくいきません。不動産投資家は顧客ではなく経営者であり、いろんな人を動かす立場にあります。この時、「人に指示する」というスタンスではなく「お願いする」という姿勢が求められます。相手をビジネスパートナーとして扱う意識が必要です。

不動産投資・不動産賃貸業はチームワークで行うもの。常に相手の立場を思いやりながら、連絡を密にし、聞かれたことにはすぐに答え、求められたことには直ちに反応して行動していくことで、信頼関係が築かれます。

3 . あらゆる事象は心が転じたものと観察し、形や時間にとらわれることなく宇宙の真理を探求する努力を怠らない。

(解釈)自分の身に起こることの原因は全て自分の内側にある、ということですね。人の
    せいにしたり環境のせいにしたり、思い通りにならないことを自分以外のものの
    責任にしがちですが、それでは望む結果は得られません。自分が変わらなければ、
    人生を変えることはできないのです。

 最近は収益物件の利回りもすっかり低いまま定着し、さらに金融機関の融資は厳しくなる一方。この状況下で、大した努力もせずにうまくいかないことばかりを嘆いていても仕方ありません。物件が見つからないのも融資が通らないのも、なかなか満室にならないのも、全ての原因は自分にある、と思うところから、ようやく改革に向けた行動が始まります。

「今は買い時じゃない」とか「◯◯してから・・・」という言葉を鵜呑みにして、行動しない理由を見つけようとしている人が多いです。今の環境に満足できず、それでもなんとかして現状を変えたいのなら、今できることから始めるしかありません。思い通りの結果が得られないのは誰のせいでもなく、自分の努力・行動が足りないから、と認識することが重要です。環境が変わらないのなら、自分の力で変えていくこと。全ては自分次第です。

4 . 動植物も含めたすべての生きとし生けるものの繁栄を願い、人々の苦しみを救済しようとする菩薩の行いを実践し、互いの思いやりの心をつなげてゆく。

(解釈)これは、例えば一つの事業を行う時、相手のことを考えて、相手の役に立つ行為
    をしてはじめて、お互いに満足のいく結果を得られる、ということです。まさに
    Win-Winの関係ですね。

不動産賃貸業を営む者にとって、お客様とは入居者のことです。この視点を置き去りにして、単にいくらの投資でいくら儲かるのか、ということだけに着目し、利回りやそのエリアの人口増加率などの表面的なデータ、もしくは広告費やリノベーションなどの経費効率ばかりをアテにしていては、結局十分な収入を得る=満室にすることはできません。

入居者の目線で部屋づくりを考え、トラブル時には最優先で誠意を尽くした対応をすることが、やがて長期入居や早期満室化につながります。不動産投資での良い結果を長い間続けるためには、相手に配慮する姿勢が不可欠です。

5 . 不動産投資に通じる、事業を行う上での本質

以上、私の経験のみに基づいた多少偏見のある解釈を披露しましたが、「華厳教」の中にはビジネスセミナーで教わる内容や実際の仕事を通じて感じるものと、本質的には同じことが語られているのだなぁ、と実感しました。

当時、奈良の大仏を造像した聖武天皇は広く国民に呼びかけ、政府の事業としてのみならず、大衆が力を合わせてこの偉業を成し遂げるように呼びかけたそうです。一人一人に参画意識が芽生えれば、その維持発展も主体的に行われていくと考えてのことですね。

物件の購入、満室運営、修繕への対応、やがては売却。その全ての局面において、不動産投資はチームワークがカギを握ります。多くの人を味方につけ、自分のために働いてくれる人を増やすためには、まず自分自身に主体性をもち、相手を尊重する姿勢が求められます。投資判断はもちろん自己責任であることは言うまでもなく、その先の経営も、最終的には自分が全ての責任を取る覚悟で取り組むべきなのです。

事業の本質は、1300年経っても変わらないですね。

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