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住宅ローンを組むときに知っておきたい変動金利

ゴンロク

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人生で最も大きな買い物のひとつといわれるのが住宅です。住宅はローンで購入するものと考えている方が多いでしょう。例えば、年収500万円台のサラリーマンであれば、住宅ローンは2500万円から3000万円が目安になります。毎月の返済額は8万円台で、賃貸マンションに家賃を支払い続けるよりもお得だといえるかもしれませんね。
ただし、ここで注意しておきたいのが住宅ローン「金利」です。今回はその中でも「変動金利」に注目して解説していきます。

目次

1 . 変動金利とは?

1-1 . 変動金利とは

住宅ローンのプランは、金利の扱いによって大きく3つに分類されます。
その3つとは、金利が変動する「変動金利型」、決められた期間内は金利が変わらない「固定金利型」、固定期間終了後に固定金利か変動金利かを選択する「固定金利選択型」です。

・変動金利型…金利や返済額が変動する
・固定金利型…決められた期間は金利や返済額の変動がない
・固定金利選択型…固定期間終了後に、変動金利型か固定金利型かを選択できる

この3つのうち、まずは変動金利型の特徴を掴んでおきましょう。
なぜなら金融機関に住宅ローンの申し込みをした場合、「変動金利型」を勧められることが多いからです。また、日本では超低金利が長く続いていた背景から、新規住宅購入者の半数以上が変動金利型を選択しています。

変動金利型の最大の特徴は「金利や返済額が変動すること」です。一般的に年2回の金利見直しがあります。つまり半年に1回ですね。しかし、この見直しがただちに住宅ローンの返済額へと反映されるわけではありません。変わるのは返済額のうち「元本」と「利息」の割合です。

また、金利の変動に応じて返済額の変更もあります。
一般的に変動金利型では、5年ごとに返済額の見直しが行われます。変動金利型の住宅ローンは「半年に一度、元本と利息の割合が見直される」「5年に一度、返済額の見直しが行われる」という2点を覚えておくことが大切です。

1-2 . 返済額が上がっても1.25倍まで

変動金利型の住宅ローンを組んで5年が経過すると、金利に応じて返済額が変わるようになります。 金利に変更がない、もしくは金利が下がっている場合は特に問題ありません。しかし、問題となるのは金利が上昇している場合です。仮に、金利の上昇による返済額の見直しで返済額が増えたとしましょう。急激に2倍、3倍といった返済額になると、当然毎月の返済計画が破たんしてしまいますよね。
このような事態を防ぐため、返済額の変更は「変更前の1.25倍」までが限度と決められています。

1-3 . 住宅ローン借入時の金利について

では変動金利型で住宅ローンを組むときの金利は、一体どう決まっているのでしょうか。変動金利は、「基準金利」から「金利引き下げ」を差し引いた「適用金利」で決まります。

住宅ローンの変動金利(適用金利)=基準金利ー金利引下げ幅

基準金利、金利引下げ幅、適用金利は、金融機関や借り入れする時期によって異なります。例えば、住信SBIネットでは住宅ローンの新規借り入れを対象とした変動金利が0.439%になっています。
2017年12月の基準金利が年2.775%、金利引下げ幅が年-2.298%で、この差が適用されているわけです。
一方、東京三菱UFJ銀行では基準金利が2.475%、金利引下げ幅が-1.7%から-1.85%で、適用金利は0.625%から0.775%になります。
このように、銀行によって金利が大きく異なるのも、変動金利の特徴といえます。

1-4 . 住宅ローン借入後の金利の変動について

次に、住宅ローン借り入れ後の金利変動について解説します。新規借り入れ後に引下げ幅(優遇幅)が拡大したとしたら、金利が安くなるのでしょうか。結論から言うと、借り入れ後の金利は「基準金利が下がらない限り安くならない」のです。
例えば、ある住宅ローンの新規借り入れを申し込み、基準金利が2.475%、引下げ幅が-1.7%だったとしましょう。3か月後、この住宅ローンが引下げ幅を1.85%まで拡大させたとします。このとき、既に契約している住宅ローンの金利は下がりません。
つまり、変動金利型の住宅ローンは、金利上昇のリスクがある一方、金利が下がる可能性は低いということになります。したがって、お得に住宅ローンを借りるためには、できるだけ適用金利が安い金融機関で、安い時期(月)に借りることが重要です。

1-5 . 変動金利が下がらない理由は「短期プライムレート」

変動金利が決まる基準のひとつに「短期プライムレート」があります。通称「短プラ」と呼ばれているものですね。この短期プライムレートは、住宅ローンの変動金利や中小企業への融資、個人への融資に用いられる利率で、各銀行が設定しています。短期プライムレートが下がると、必然的に銀行の収益は悪化します。そのため、銀行はできるだけ短期プライムレートを下げない方向に動くわけです。
実際、短期プライムレートはここ8年ほど変化していません。
また、銀行は2018年以降、自己資本比率を高めることが求められますから、財務体質強化のためにも収益悪化は避けたい=短プラは下げないという動きが予想されます。こういった銀行の動きを考えると、変動金利型住宅ローンの金利を下げるには「少しでも適用金利が安いプランへの借り換え」が適しているとわかります。

2 . 変動金利と固定金利の違い

変動金利と違い、固定金利は基本的に金利が変わりません。また、返済額も一定であることが通常です。ただし、固定金利型でも金利の変動に対応しているプランがあります。

2-1 . 固定金利とは

固定金利型は、変動金利型と異なり「基本的には金利が変動しない」という特徴があります。ただし、固定金利型ならば一切金利の変動がない、というわけではありません。固定金利型には大きく2つのタイプが存在します。
ひとつは住宅ローンを契約している間、一切金利が変わらない「全期間固定型」。
もうひとつは節目の年の翌年(11年目など)に金利が上昇する「段階金利型(固定金利特約型)」です。
このように、固定金利型といえどもある程度は金利の変動を見越しているのです。
しかし、基本的には決められた期間中の金利が固定され、元本と利息の割合や毎月の返済額は変わらないと考えて良いでしょう。では固定金利型の2つのタイプのメリットとデメリットを整理してみます。

2-2 . 全期間固定型

全期間固定型のメリットは、何といっても適用金利が変動しないことです。変動金利型のように、年2回の金利見直しも5年に一度の返済額の増加もありません。そのため、返済計画やライフプランが立てやすく、精神的な安定や家計管理のしやすさに繋がります。さらに、金利が安いときに借入を行うと、将来的な金利上昇のリスクを回避できることも見逃せません。

メリット

全期間固定型のメリットは、何といっても適用金利が変動しないことです。変動金利型のように、年2回の金利見直しも5年に一度の返済額の増加もありません。そのため、返済計画やライフプランが立てやすく、精神的な安定や家計管理のしやすさに繋がります。さらに、金利が安いときに借入を行うと、将来的な金利上昇のリスクを回避できることも見逃せません。

デメリット

金利が下降する局面に入ると、変動金利に比べて割高な利息を払い続ける必要があります。

2-3 . 段階金利型(固定金利特約型)

メリット

決められた期間(2年や5年、10年など。一般的には10年が多い)は金利や返済額が変わらず、返済計画やライフプランが立てやすくなります。また、仮に11年目に金利がアップした場合でも、金利アップはその一度のみです。変動金利型に比べると家計管理は容易といえるでしょう。

デメリット

全期間固定型と同じく、金利下降局面で割高な利息を支払うことになります。

このように固定金利型は、金利の下降局面でデメリットがでやすい住宅ローンです。変動金利型との金利差が気になるようなら、住宅ローンの借り換えなどを視野にいれ、金利の節約に努めていきましょう。

3 . 変動金利で住宅ローンを組むメリットとデメリット

固定金利と同様に、変動金利にもメリットとデメリットがあります。住宅ローンで変動金利を選択するか固定金利を選択するかは、人それぞれです。

3-1 . 変動金利のメリット

変動金利のメリットは、固定金利型よりも適用金利が安いことです。さらに、低金利期や金利下降局面で恩恵を受けやすいというメリットもあります。
金利が大幅に上昇しない限りは固定金利型よりも金利が低いわけですから、返済額も少なく抑えることができます。また、返済額に余裕があったり、借入額が少なかったりする場合にも有利でしょう。

3-2 . 変動金利のデメリット

景気が不安定で見通しが立ちにくい場合や、金利の急激な上昇局面では、変動金利のデメリットが大きくなります。特に金利の急激な上昇があると、未収利息が発生して元金に組み込まれ、元本が増えてしまうという事態もありえるのです。
これは、変動金利型の「5年間は返済額が変わらない」という特徴が理由です。金融機関が返済者保護の観点から返済額を一定に保つため、本来支払うはずだった利息を元金に組み込むわけですね。また、適用金利が上昇すると5年ごとの返済額も当然アップします。

デメリットだけを見ると変動金利型が不利に見えるのですが、これは返済者の考え方次第です。 毎月の返済額に余裕があり、金利上昇局面で繰り上げ返済が可能であれば、変動金利のリスクはかなり低くなります。また、将来的に収入が増加する見通しがある方も、変動金利型が有利になるでしょう。
特に2017年12月現在では、住宅ローンの金利引下げ競争が激しく、過去最低水準の低金利が続いています。リスク管理さえ怠らなければ、変動金利型の住宅ローンは大いに活用すべきといえるのです。

4 . 変動金利の推移と今後の予想

では最後に、金利の推移と今後についてご紹介します。金利予想は非常に難しく、ここで述べることが全てではありません。しかし、リスクヘッジや利息の節約を考えると、金利についての考察は必須です。新規住宅ローンの借り入れや借り換え、返済計画、ライフプランの参考になれば幸いです。

4-1 . 変動金利の推移

既に述べたとおり、銀行の変動金利(基準金利)は短期プライムレートに連動しています。短期プライムレートはこの8年間常に一定で、それとともに変動金利も動いていません。例えば、三井住友銀行では、2009年1月から2017年12月現在までの変動金利(基準金利)は「2.475」に保たれています。

・変動金利の代表例(住宅ローン新規借り入れの場合)

住信SBIネット銀行…基準金利2.775、引下げ幅-2.298、適用金利0.477
三井住友銀行…基準金利2.475、引下げ幅-1.85、適用金利0.625
みずほ銀行…基準金利2.475、引下げ幅-1.85、適用金利0.625
三菱東京UFJ銀行…基準金利2.475、引下げ幅-1.85、適用金利0.625
ソニー銀行…基準金利1.849、引下げ幅-1.30、適用金利0.549
イオン銀行…基準金利2.370、引下げ幅-1.80、適用金利0.570

どの銀行も独自の金利を打ち出しており、銀行全体で見たときの最高金利と最低金利で差が拡大していることがわかります。つまり、どの金融機関でどれだけの金利を適用されるかで、住宅ローンの利息が大きく変わる時代になっているのです。

4-2 . 今後、金利は上昇するのか?

金利については、様々な見方があります。現在の金利を「底」だとする見方もあれば、マイナス金利の先行き次第でさらに下がるという見方もあります。

そこで、現在の金利がなぜ低いかを考えてみましょう。
現在の低金利は、日本銀行(以下、日銀)の政策金利の影響を受けています。政策金利は、金融機関が優良企業向けに融資を行うときの金利に影響を与えます。この金利は「無担保コールレート翌日物」と呼ばれ、短期プライムレート同様に住宅ローン変動金利の指標となるわけです。
したがって、政策金利が上昇しない限りは、住宅ローンの変動金利も上昇に転じない、といえるかもしれません。

では政策金利が上昇する可能性はあるのでしょうか。日銀では、「消費者物価指数上昇率2%」を目標としており、これが達成されれば政策金利が上昇する可能性がでてきます。しかし、長く続いた不況の影響により、日本の消費者物価指数はなかなか上昇しません。また、過去の景気拡大期のように大量の資金需要が発生しているわけでもなく、金利上昇の材料は不足感が否めません。

現在が金利の「底」であり、今後上昇する可能性があるとはいえ、急激な上昇は起こりにくいと考えるのが妥当ではないでしょうか。

4-3 . 対応可能な金利を決めてリスク管理を!

2017年12月現在、主要銀行の基準金利は2.475、引下げ幅は-1.85で横並びです。しかし、前述したように金利上昇の可能性もあります。既に述べたように金利の予想は大変難しく、正確な予測は専門家でも明言を避けるほどです。そのため、金利の予想よりも「どの程度の金利までなら耐えられるか」を考え、リスクヘッジに繋げていきましょう。特に変動金利型の住宅ローンでは金利上昇がリスクとなるため、「対応可能な金利」を想定しておくことが重要です。

例えば、80年代から90年代初頭に起こった不動産バブル期には、変動金利(基準金利)が8%まで上昇しました。さすがにここまで上昇することは考えにくいですが、現在の超低金利を考えると3%台から4%は現実的、と考えられそうです。もちろん、あくまでこれらは基準金利ですから、実際の適用金利は引き下げ幅次第です。しかし、仮に0.5%~1.5%の金利上昇が起こっても返済計画に破たんが生じないか、という観点は必要になるでしょう。

変動金利型の住宅ローンは、返済額に余裕があり、金利上昇に対応できることが重要です。

5 . 変動金利を賢く使って効率的な返済を!

変動金利型は、固定金利に比べるとリスクが高い一方、リスク管理や借り換えの効果が表れやすい住宅ローンです。特に現在のような超低金利期には、借り換えによって返済額を抑え、利息も節約することができます。今後は金利が上昇する可能性もありますが、固定金利型で割高な利息を払っている方ならば、一度は見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

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