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資産運用にお勧めの投資対象は?金利やメリットデメリットを比較

ファイコロジスト 山田

ファイコロジスト 山田

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年金不安、働き方改革、国や地方の財政問題。将来を思うと、不安要素は数え切れません。自分の財産は自分で築き、自分で守る必要があります。そのために資産運用の知識は必須です。まずはどのような投資対象があるのかを知り、利回りやリスクの面から比較してみましょう。自分に合った運用方法を見つけてください。

目次

1 . 資産運用の利回りは単利か複利かで比較

資産運用の対象商品を比較するための前提知識として、まずは単利と複利の違いについて理解しましょう。天才物理学者、アルバート・アインシュタイン博士をして「人類最大の発見である」と言わしめた複利効果の偉大さを実感してください。

1-1 . 資産運用の利回り

投資の手法や商品は千差万別。比較するためには、客観的に測ることのできる何らかの尺度が必要です。そこで役立つのが「利回り」。特に長期運用を目的とする場合には、年利回りを元にシミュレーションを立てていきます。

利回りは一般的に、投資した金額(元本)に対して得られた利益(リターン)の割合をパーセンテージで表したものです。比較するためには期間を一定にする必要があり、1年間あたりの利益である年間リターンで計算した年利回りがよく使われます。

利回りをうたう商品では1ヶ月間の利益を表す月利が使われるものもあります(月利数%~数十%など高すぎるものは、注意してください)。

リターン【利益】÷運用期間=年間リターン
年間リターン÷元本【投資額】×100=年利回り【%】


定期預金などは年利率が表示されているのでわかりやすいですね。利率が年0.3%なら、年間利回りも0.3%。実際には税金が引かれるので、正味の利回りは2.4%くらいでしょう。

2 . 単利より複利の方が有利

ところで、利回りの考え方には単利と複利の2つがあります。前者は常に一定の元本を元に計算しますが、後者は運用で得られた利益を元本に組み入れる方法です。

単利の場合

単利の場合、利率から将来的に得られる利益を計算するためには、先ほどの逆の計算をします。具体的な計算方法を見てみましょう。一定の利率で単利運用した場合、何年後にいくらになっているかを計算する方法です。

<単利の計算式>
元本【投資額】×(年利回り【%】÷100)=年間リターン
年間リターン×運用年数=将来リターン


単利で年利率0.3%の定期預金に10万円を10年預けた場合、次のようになります(話を単純にするため、税金は無視します)。
・年間リターン
10万円×(0.3÷100)=300円

・将来リターン
300円×10年=3000円

10年間の運用で得られるのは3000円です。

複利の場合

複利の場合は、一定期間ごとにリターンを元本に加えて計算します。例えば「半年複利」の場合、最初の半年のリターンは単利と同じですが、次の半年には最初の半年で得られたリターンを加えて計算するといった具合です。ここではこの区切りとなる半年を複利期間と呼び、1年単位に換算して使います。例えば半年の場合は0.5年、3ヶ月の場合は0.25年です。

<複利の計算式(説明用)>
・1回目のリターン
元本×(年利回り【%】×複利期間)=1回目のリターン
・2回目のリターン
(元本+1回目のリターン)×(年利回り【%】×複利期間)=2回目のリターン
・3回目のリターン
(元本+1回目のリターン+2回目のリターン)×(年利回り【%】×複利期間)=3回目のリターン
……

複利は年間リターンを出さずに利率で計算すると手っ取り早いです。

<複利の計算式>

元本【投資額】×{(1+年利回り【%】÷100)の(運用期間÷複利期間)乗}=将来+元本

実際に計算してみます。
単利の例と同じ利率年0.3%、元本10万円、期間10年で、半年複利の場合。

10万円×{(1+0.3÷100)の(10年÷0.5年)乗}
=10万円×1.003の20乗
=10万6174円

10年後には約6000円増えているという結果になりました。単利で運用したときの倍以上になっています。この単利と複利の最終的なリターンの差は、利率が高ければ高いほど、また運用期間が長ければ長いほど顕著になります。
また、元本が多ければ多いほど、その差を強く実感するでしょう。上記の事例は投資額が10万円と少ないのでそれほど違いを感じないかもしれませんが、100万円の場合は3万円、1000万円の場合は30万円の差が出ることになります。

運用で気を付けなければならないのは、資産額が複利効果によって大きく膨らんだときにリターンがマイナスに転じると、そのときの損失額も大きなものになるということです。つまり複利の商品は良くも悪くも変動が激しいのです。


ここまでをまとめます。資産運用の対象商品を比較する際に重要なポイントはまず、一定期間の利回りです。それが単利か複利のどちらなのかによって、運用結果に大きな差が生まれ、収益の安定性にも影響を及ぼします。

3 . 資産運用の種類

前置きが長くなってしまいましたが、具体的な資産運用の種類を見ていきます。

3-1 . 株式投資

利回りという観点で見たとき、株式投資における最大の特徴は、価格の変動率が高いこと。つまり非常に高い利回りになることもあれば、元本を大きく減らしてしまうこともありうるのです。1つの銘柄が1日に10%上下することは珍しくありません。もしも毎日10%リターンがとれたら、複利効果によって10日(土日をはさむ)で元本は2倍になります。その代わり、毎日10%負け続けたら10日で半分になってしまうのです。

この価格変動は投資家が自身でコントロールすることはできません。相場操縦という犯罪です。企業の業績や不祥事、経済環境の悪化などで大幅下落することも覚悟しておく必要があります。

上昇する銘柄を見つけるためには、その会社の事業計画や財務などの分析、業界の動向やマクロ的な経済状況、政治情勢など幅広い知識が必要です。それでも前述のような予期せぬ事態があると、プロの投資家でも元本を減らしてしまうことはあります。熟練するまではたくさん勉強が必要であることも理解しておきましょう。

取引のしやすさは株式投資のメリットといえます。基本的に誰でも口座を開くことができ、資金さえあれば自由に取引ができる公正な市場です。取引量の多い銘柄であれば、注文した次の瞬間にはもう売買が成立するスピード感もうれしいことでしょう。

初期投資の額にはあまり制限がありません。1株100万円を超える値がさ株から1万円以内で買えるものまで豊富にそろっています。ただし、継続的な収入が欲しい人にとっては、ある程度の自己資金が必要です。主に配当によって収益を得ることになりますが、東京証券取引所に上場されている銘柄の平均的な配当金の年利回りは1%台。お小遣い代わりに月数万円分の収入を得たいという人でも、数千万円単位のお金を用意する必要があるのです。

株式投資の魅力を簡単にいうと、誰でも自由に簡単・スピーディに参加できること。複利効果があるため、大きく儲けるチャンスが豊富にあります。
難しい点としては、上手に値上がり益を手にできるようになるためにはたくさん勉強するのが必要なこと、それでも大きく元本を減らすリスクがあること、継続収入の利回りは1%程度と決して高くないことが挙げられます。

3-2 . FX・先物取引

FXや先物取引は金融派生商品といい、株式よりもさらに複雑な仕組みになっています。両者に共通することはレバレッジをかけられること、つまり借り入れによって自己資金の何倍もの取引ができることです。株式にも信用取引という方法がありますが、取引できるのは最大で資金の3.3倍まで。それに対して、FXの先物取引では25倍もの倍率をかけることができるのです。FXは外国為替を対象にしたもので、先物取引は大豆や金などの実物商品、それに株価指数などさまざまなものを対象としています。
※2018年6月19日時点

短期間で狙える利益の大きさは株式投資をも上回りますが、同時にわずかな時間で資金のほとんどを失ってしまうこともありえます。そのため常に相場の動向を見守らなければなりません。主婦や専業投資家がFXで財をなした例は少なくありませんが、本業のかたわらレバレッジ取引で成功するには、相当の運と度胸が必要でしょう。

頻繁に売買する場合には複利効果がありますが、ただ持っているだけという場合は単利です。ある意味では自分の判断でリスクを調整できるともいえます。

3-3 . 投資信託

投資信託とは資産運用のプロにお金を預けて運用してもらい、利益が出たら分けてもらうという金融商品です。ファンドともいいます。運用方針は多種多様、自分に合ったものを選ぶことができるので、漠然と投資したいものはあるが、個別の銘柄はよくわからないといったときに最適です。

例えば、「これからはインドの株が上がるだろう」と思っても、インドの株式を買える証券会社を探し、さらに買う銘柄を選ぶことはなかなか難しいでしょう。そのようなときには、「インドの株式で運用する投資信託」を探して買えばよいのです。手軽に多彩な商品を買えるので、確定拠出型年金※の中心的な金融商品となっています。

※個人型がiDeCoの愛称でおなじみ。税制優遇が手厚く、将来の資産形成に役立つとして加入する人が多い。厚生年金のように運用を一任するのではなく、自分で購入する金融商品を選ぶ。

運用方針は株価指数に連動したもの(インデックス・ファンド)から、積極的に値上がり益を狙っていくもの(アクティブ・ファンド)、債券のみで運用するもの(公社債投資信託)、外国の小型株に投資するもの、AIや電気自動車など特定のテーマに特化したものなど、非常に多彩です。株式と同じような感覚で買えるETF(上場投資信託)や、不動産で運用するREIT(不動産投資信託)などもあります。

投資信託のメリットは、気軽に分散投資ができることです。価格の動き方が異なるさまざまな金融商品を組み合わせることで、高いリターンを安定して出しやすくなることが知られています(ポートフォリオ理論)。また、「卵はひとつのカゴに盛るな」という格言があるように、資産が特定の商品に偏ると、それが上手くいかなかったときに大きな損害が発生する可能性があり、投資先は分散したほうがよいのです。投資信託では運用のプロが目利きした株式や債券などの商品を適宜売買するので、大きく資産を減らすといったことが起こりにくいといえます。

運用方針を選ぶことは、資産の配分を選ぶことでもあります。保有している財産を、株式や債券、不動産など商品の種類別に分けることをアセットアロケーションといい、自分が負うことのできるリスクに応じて決めるというのがセオリーです。例えば、一般的に株式は価格変動が激しく、債券は低いとされています。そのためリターンは低くていいから、元本を減らしたくないときには公社債投資信託を選ぶ、といった具合です。

デメリットとしては、手数料がかかることです。運用コストとして、購入した資産に対して一定割合が信託報酬として引かれます。購入時に販売手数料、終了時に売却手数料にあたる解約手数料や信託財産留保額などがかかることも少なくありません。アクティブ・ファンドの信託報酬は年間数%かかることもありますが、インデックス・ファンドの中には0.1%を切るものもあります。

また、株式と比べると資金が何倍にもなるような大きなリターンは得にくいという傾向にあります。リスクの面でも、アセットアロケーションは万能ではなく、金融市場全体に影響を及ぼすようなことがあれば、大きく目減りする可能性もゼロではありません。

投資信託の中には毎月分配金が支払われるタイプのものもあれば、支払わずにファンドの資金として利用するものもあります。一見すると前者のほうが投資家にはうれしいですが、後者のほうが最終的な利回りは高くなりやすいものです。なぜなら、リターンを元本に加える複利効果が発揮されるからです。

投資信託のメリットは気軽にやりたい投資ができること、デメリットは主に手数料がかかることといえます。

3-4 . 預貯金

もっとも安全な運用方法は預貯金だと思っている人も多いでしょう。確かに約束した利率分の利息は必ず振り込まれます。それに銀行が倒産しても預金1000万円までは保障されるペイオフ制度が日本にはあります。しかしこれを完全にノーリスクと言い切っていいのでしょうか。金融資産が1000万円を超える人は、いくつも口座を開かなければなりません。

株式や投資信託の場合は、販売している証券会社がつぶれたとしても、管理は別の会社がやっているので、何億円分持っていようと、1円も無くす心配はありません。投資先が倒産する可能性はありますが……

もうひとつ懸念されるのは、インフレリスクです。物価が上昇した際、価格が変動しない預金は、実質的に価値が目減りしてしまうといえます。今、日本政府と日本銀行はインフレターゲット政策のもと金融緩和を続け、是が非でも物価を上昇させようとしています。顕著な効果が見えているとはいいづらいですが、いつ本格的なインフレが始まるとも限りません。

日本の定期預金金利は年0.01%程度。1年複利の場合でも1%増えるのに90年を要します。リターンの面からみても、魅力は低いと言わざると得ないでしょう。

3-5 . 生命保険

もしものときに備えるというイメージが強い生命保険ですが、お金を預け、将来的に何らかの形で給付を受ける契約をするという意味では、資産運用の一種と考えることもできます。

生命保険は次から次へ新しい商品が生まれています。掛け捨てタイプの定期預金、相続対策にもなる終身保険、受け取り方も一括受け取り型から一生涯続く収入保障型までさまざまです。

資産運用としてイメージしやすいのは貯蓄性の高い養老保険か終身保険でしょう。前者はある年齢に達すると契約が終了し、満期金を受け取ります。後者は満期がなく、一生涯保障が続く保険です。どちらも契約期間中に解約すると解約返戻金を受け取ることができます。加入年数が短いと払い込んだ保険料を下回りますが、長いほど返戻金は高くなり、ある時期を超えると保険料を上回ります。

保険料に対する返戻金の額の割合を返戻率といいますが、投資でいうところの利回りと似ています。例えば返戻率が110%であれば、保有期間全体で110%の利回りで運用しているのと同じことなのです。

かつては生命保険の返戻率は高くメリットが多かったのですが、近年は魅力的な商品は少なくなっている現状があります。その主な原因は、世界的な長期金利の低下、とりわけ日本におけるマイナス金利政策です。解約返戻金は、払い込みを受けた保険料を保険会社が運用した利益から捻出されることになるので、上手く収益をあげられないと返戻率も下げざるを得ません。この主な投資対象は安全資産である国債だったのですが、マイナス金利下では運用が非常に難しくなっているのです。実際に2016年ごろから、生命保険や学資保険などのうち加入者のメリットが大きいものが次々と販売停止になるということが起きています。

生命保険の返戻率は市場金利の影響を強く受けます。保障や保険料のタイプはさまざまですが、やはり保険は保険。資産運用の手段として考えると、生命保険による運用先の選択肢は少ないといえるでしょう。

3-6 . 不動産、マンション経営

不動産投資やマンション経営という言葉が市民権を得て久しいといえます。以前に比べて、資産運用の投資対象として不動産を挙げる人は多くなったのではないでしょうか。

不動産投資の最大の特徴は、最大数十倍という高いレバレッジをかけられることです。金融機関でローンを組み、物件を購入。買った不動産を担保に入れることで、借り入れが可能になります。経営者としての経験がない普通のサラリーマンや公務員でも、マンション経営が可能なのです。数百万円を元手に数億円を借り、年間家賃数千万を得ている会社員もいます。年間の利回りは数百%といったところでしょうか。

レバレッジをかけているにもかかわらず、収益が安定しやすいというのも魅力です。入居者から受けとる家賃収入から経費を差し引いた分がリターンとなるため、株式のように1秒刻みで損益が動くということが基本的にありえません。縁があれば、何十年も住み続け、安定した収入を与えてくれる入居者と出会うこともあります。

現物資産である不動産は、預貯金のところで問題となったインフレにも強いといえます。経済ニュース1つで暴落することがある株価と違い、価格が大きく上下することもありません。おそらくいつかは売却することになるであろう物件、その価格も安定しやすいのです。

目下、注目を浴びているのは2020年にオリンピックを控えた東京です。訪日客に向けて開発や整備が進んでおり、実際に東京都区部のマンション価格は2008年頃から右肩上がりに伸びています(国土交通省「住宅取引と住宅産業の動向」など)。
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/pdf/h2amini043j.pdf

もちろんデメリットもあります。賃貸需要を見誤ったり、入居者募集の努力を怠ったりすれば、空室が発生して家賃収入がなくなるかもしれません。それでもローンの返済は必ず毎月ありますので、赤字が出れば貯金や給与の中から持ち出しということもありうるのです。また、古いマンションであれば修繕費用がかかったり、地震や火災などで倒壊したりリスクもあります。

基本的に不動産投資による利回りは単利になります。しかし、積み重ねた利益と実績を資本に物件を買い増せば、複利効果を出すこともできるのです。FXと同じで、リスクをとるか安定性をとるか、機会に応じて判断ができます。

不動産投資には、安定して高収入を得られる可能性がある反面、物件の良し悪しや賃貸需要を見抜く力、そしてたゆまぬ経営努力が必要なのです。

4 . 自分にあった資産運用を見つけよう

資産運用の手段として、株式、FX・先物取引、投資信託、預金、生命保険、不動産を紹介しました。

株式はスピード感あふれる売買ができ、激しい価格変動を好む人におすすめです。

FXはレバレッジをかけることによって株式に輪をかけたリスキーな取引ができますが、売買頻度やレバレッジ倍率で調整することもできます。長期的な資産運用というよりも短期的な利益を狙うことが多いでしょう。

投資信託は資産配分を自分で決めることができ、収益も比較的安定しています。商品によっては複利効果によって、長期的な価格上昇も見込めます。

預金は利回りが低く、リスクもゼロではないので、資産運用としてはあまりおすすめできません。

生命保険も、現在の経済環境では厳しいところがあります。

不動産はレバレッジを大きくかけられるにもかかわらず、収益が安定しやすいというのが特徴です。オリンピックに向けた東京のように、需要と価格上昇に期待が持てる地域もあります。

それぞれの概要をつかんだら、具体的に調べたり詳しい人に聞いたりして、自分に合ったものを見つけましょう。

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