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投資信託で失敗するパターンとは?初心者必見、投資信託のリスク回避

ファイコロジスト 山田

ファイコロジスト 山田

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投資にリスクはつきものです。プロに運用を任せる投資信託も例外ではありません。預金と違って元本割れすることがあるこの金融商品は、想定外の損失を出すこともあります。これから資産運用を初めようとする人に向けて、初心者がありがちな失敗パターンとその原因をまとめたので、リスク回避の参考にしてください。

目次

1 . 投資信託で失敗する主なパターン

投資信託における失敗とは何でしょうか。99%の人は、「今よりもお金(資産または収入)を増やしたい」と思って金融商品を購入します。ここでは、「損をしてしまった」「想定よりも増えなかった」ことを失敗と呼び、その典型的なパターンを紹介します。

1-1 . 自分で選ばず他人任せの商品選び

おそらくこの記事を読んでくれているのは、このような人でしょう。

これから投資信託を始めようと考えているが、何を買っていいかよくわからない。
大事なお金を投資するのだから、失敗は避けたい。
失敗するとどうなるのだろう?
どのような失敗パターンがあるのだろう?

具体的に何が失敗にあたるかは、購入の目的によります。
A「預金していてもほとんど増えない。もっと増やしたい」
Bが「老後資金が不安だから、運用で稼ぎたい」
C「子どもの学費を確保したいが、ただ預金しておくだけではもったいない気がする」

Aのような考えは、高金利だったかつての預金商品などのイメージと比較して、今の預金金利があまりにも貧素だという感覚にもとづいているのでしょう。たしかに高度経済成長時代には、郵便貯金の定期金利が8%だった時代もありました。今は0.1%を上回ることはほとんどありませんから、100分の1くらいになっているといえます。

このような人は、年間利回り8%のある程度ハイリスク・ハイリターンな投資信託が向いています。

Bの老後資金確保のためという人は、何歳までにいくら必要なのか目標を決め、その金額と今後の見込み収入によって商品を選ぶのがセオリーです。

Cのように用途が決まっている場合は、とにかく減らさないことが大事です。元本割れのリスクが低い公社債投資信託などが向いているでしょう。

ただ人からすすめられたり、インターネット上で評価の高かったりする商品を買ってしまうと、本来の目的に合わない運用をすることになってしまいます。それではせっかく投資信託を始めた意味がありません。

まずは目的を確認し、それを前提に考えることが大事です。

1-2 . 証券会社のおすすめ商品

投資経験の浅い人に多い失敗パターンが、証券会社や銀行の担当者の営業トークですすめられ、つい買ってしまうというものです。

「このファンドが投資する〇〇国は人口ボーナス期ですから、将来性がありますよ!」
「今までの運用成績を見てください。預金金利の100倍です!」などと言われると、なんだかオトクそうだな―、買おうかなー、という気がしてきます。

しかし、まず考えてください。なぜ担当者はこの金融商品をすすめるのでしょうか?
あなたが買えば、証券会社や銀行に販売手数料が入るからです。
もちろんすべてが手数料目的というわけではありません。最近は金融庁の要請もあり、顧客本位の営業も増えているようです。

とはいえ、基本的に彼らは投資信託や債券を売ることが仕事です。販売手数料のノルマがあり、その達成のために見事な営業トークでアプローチしていると考えるべきでしょう。

自分の目的に沿ったものが提案されればまだいいですが、すすめられた商品を何となく買ってしまうと後悔することになります。
また、営業マンはなるべく彼らにとって利益率の高い商品をすすめますので、その分割高になる可能性があります。

投資で最終的にものを言うのは運用益ですが、結果が保証されていない以上、せめて支払うことが確実な手数料にはこだわりたいものです。目的に沿った提案がされたとしても、同じような内容でもっと手数料が低いものがないか調べてみる価値はあります。

1-3 . ネット上のランキングやおすすめ商品

インターネットで検索してみると、「おすすめ投資信託ランキング」のような記事を目にすることがあります。

中には確かに十分魅力的な商品もありますが、購入に結びつけるために意図的に作られたランキングである可能性は否定できません。サイトを通じて申し込みがされると運営者に報酬が支払われる仕組みになっているかもしれないからです。
前述の営業マンと同じ理屈といえます。手数料が高いものほど高位置になるように、基準や調査時期をうまく調整しているのかもしれません。

いろいろな商品があることを知るために勉強にはなりますが、掲載されているものをそのまま買うのではなく、現在の状況や、ランキングの基準が本当に参考になるものかどうかを自分で考えることが重要です。

銀行や証券会社のホームページには、基準価格や騰落率などで検索したりリアルタイムでランキングを見たりすることができます。検索のしかたには少しコツが必要ですが、もし自分なりに銘柄選別の基準があるのなら、積極的に使ってみてください。

1-4 . 流行りの商品

金融商品にはそのときの流行というものがあります。貴金属がさかんに売買されるときには金価格に連動する投資信託が買われ、某国の景気がよくなるとそこに投資するファンドが資金を集める。
たしかに世の中の流れに沿った投資方針を持っていることは大事ですが、テーマが一過性のものでないかどうかに気をつける必要があります。ピークを過ぎたときに、価格が大きく下落することになりかねないからです。

注目されている商品は、それだけ資金の移動が激しく、価格も上下しやすくなりがちです。特に投資した金融商品の価格変動が気になって眠れないという人は、避けておいたほうがよさそうです。

1-5 . 運用の仕組みや商品内容を理解せず購入

すすめられた商品に対して疑問を持たずに買うことの問題は、結局のところ、中身がよくわからないものに手を出してしまうということにつきます。

まず理解すべきは手数料です。商品を厳選することの意味はまさにここにあります。投資する人にとってはコストでしかないものですから安いに越したことはありません。いかに少ない手数料で希望の運用ができるかが、投資家の腕の見せどころです。

投資信託の手数料は大きく分けて3種類あります。

販売手数料

証券会社や銀行などの販売窓口に支払う報酬です。投資する金額に対して◯%といった形で一定の割合がかかります。販売手数料3%の商品を買うために100万円支払った場合、手元に残るのは97万円分の投資信託というわけです。
最近はインデックス型(日経平均やダウ平均などの指数に連動するタイプ)を中心に販売手数料無料のノーロード型も多く取り扱われています。

元本割れの可能性もある投資信託で、1~4%のコストは決して低くありません。これに見合うだけのパフォーマンスが見込めなければ、失敗する可能性が高いといえます。

信託報酬

投資信託を運用するファンドマネージャーへの報酬です。

保有資産額に応じて1年につき◯%という形でかかります。インデックス型は1%以内が普通ですが、日本で取り扱われているアクティブ型(指数を超える運用を目指すタイプ)は年間1~4%ほど、1.5%前後がボリュームゾーンといった具合です。
固定でかかる費用の他に、実績連動型で発生するものもあります。

信託財産留保額(解約手数料)

投資信託を手放すときにかかる費用です。販売手数料と同様、かからないものもあります。ファンドは顧客の資金があって初めて成り立つものですから、なるべく解約を避けたがります。そこで撤退する人にはペナルティを与えるというわけです。
おおむね、解約時の保有資産額に対して0.1~0.5%程度かかります。

販売手数料と信託財産留保額は発生しないことも多々ありますが、信託報酬は必ずかかります。
総じて、アクティブ型はインデックス型よりもコストがかかります。投資先の調査や選定に手間と費用がかかるからです。

過去の額面上のパフォーマンスだけではなく、コストを差し引いた実質的なリターンを重視して選ばなければ、思ったほど利益があがらないという失敗におちいる可能性があります。

1-6 . 分配金の仕組みを理解していない

あくせく働くことなく得られる収入、分配金はとても魅力的ですが、よく理解しないで買うと失敗の原因となりえます。

人気があるのは毎月分配型です。確かに不労所得が毎月入るのはうれしいことですが、さらに増やすチャンスを失っていることになります。分配金を受け取り、使ってしまうようでは、資金の増え方はあまり変わりません。しかし、受け取らずにそのまま元本が増えていくようなタイプであれば、保有資産は掛け算式に増えていきます。いわゆる複利効果です。

分配型は受け取ったときに税金がかかります。たとえ受け取った分配金で投資信託を買い付けたとしても、税金分は複利効果を出すことができません。

分配金には、「普通分配」と「特別分配」の2つがあります。
普通分配とは、利益の一部を分配するものです。株式の配当と似ています。
特別分配とは、元本を取り崩して分配するものです。もちろん資産はその分減ります。いわゆるタコ足配当です。タコが自分の足を食べるように、自ら保有資産を減らしてしまうことになります。

分配金の仕組みをよく知らずに投資すると、気付かないうちに資産が減ってしまった……ということもありえます。

1-7 . 商品の運用や内容を理解していない

目的に沿った投資信託を購入し、運用するために大事なのは、その商品に関するリスクを知ることです。
そのためには、何に対して投資するファンドなのかをよく理解することが大事です。
こういった運用方針は目論見書(パンフレットのようなもの)に必ず載っていますので、よく目を通しておいてください。
商品の内容を理解するのは投資の基本です。

例えば、学資のように使途が決まっている資金を一定期間運用するとき、最優先するべきは元本の確保です。(そもそも投資信託で運用するべきかどうかは別にして)リスクが低いのは債券のみで運用するタイプですが、投資先が新興国ということであれば話は別です。2ケタの利回りを期待できるものもありますが、相応のデフォルト(貸し倒れ)リスクがあるため、結局は株式で運用するファンドと同様に元本割れする可能性を持っているということになります。

何となくタイトルで選んでしまうのもよくありません。例えば、「プレミアム」と名前のつく投資信託は何だかお得感がありそうですが、非常にハイリスク・ハイリターンな手法である「オプションの売り(オプション・プレミアムを狙った取引)」が戦略に組み込まれているかもしれません。
詳しい説明は省きますが、「オプションの売り」は損失が無制限に拡大する可能性がある取引です。このような手法を取り入れているファンドは、大きく儲けることもありますが、元本を著しく減らすこともあるのです。

まずは目論見書をよく読み、内容を把握したうえで取引してください。

2 . 投資信託で失敗するリスクの回避方法

では、上記のような失敗パターンに陥らないようにどうすればいいのか、おさらいを兼ねて考えていきます。

2-1 . 自分で商品内容・仕組みを調べる

営業マンのセールストークを聞いたり、インターネットのおすすめを見たりして知った情報を鵜呑みにして、そのまま勢いで買うようなことはやめましょう。

情報をつかむのはいいことですが、必ず内容を調べ、自分に合ったものかどうか、優位性のあるものかどうかを吟味してください。
・どのような商品に投資するか
・手数料
・分配金の方針
・純資産残高(少なすぎると運用結果が不安定となりやすく、また想定していたよりも早く償還されることがあります)
など

2-2 . 証券会社や銀行を調べてから選ぶ

証券会社や銀行によっても、販売手数料は変わります。まだ口座を開設していない人は、そこからスタートです。安い手数料のところを選びましょう。
口座開設時にキャッシュバックなどのキャンペーンをやっていることもあるので調べてみてください。

また、取り扱い商品のラインナップも各社それぞれです。野村證券やSBI証券などの大手はほとんど網羅しているので安心感があります。

2-3 . 投資を分散する

分散投資はリスク回避にとって重要です。

投資信託のよいところは、ひとつの商品を買うことで、実質的にさまざまな投資先へ投資できるところです。例えばグローバル〇〇株式ファンドという商品名からは世界各国のいろいろな株式を買っていることがわかります。

だからといって、ひとつのファンドに資金を集中させ過ぎると、そこが運用に失敗したときのリスクをすべて負うことになってしまいます。積み立て型の運用でなければ、数種類の商品に分けるのがいいでしょう。

2-4 . 目的に合った投資を選ぶ

再三の指摘になりますが、投資は目的に沿ったものを選ぶことが大事です。

目的が達成できれば、必ずしも投資信託である必要はなく、個別株を買ったり、不動産投資をしたりという選択肢もあります。

いつ、どのような資産をいくらくらい持っていたいか、そのためにどれくらいのリスクを負えるのか、どれだけの時間をかけられるのかなど、大局的に考えてみて、必要な投資方法を選んでください。

3 . 既に損失している投資の処理

すでに失敗してしまい、損失の処理をどうすればいいのか悩んでいるという人もいるかもしれません。

3-1 . 損切りの覚悟

投資信託を購入した当初は毎月運用損益を見るのが楽しみだったが、元本割れしてしまい、今は見るのもいやだ。
そんな人は、いっそのこと損切り、つまり解約(売却)するほうがいいかもしれません。

損切りするかどうかの基準は、「今、仮に投資信託を何も持っていない状態だとして、この銘柄を買いたいと思うかどうか」です。思うのであれば回復を待ったほうがいいですし、思わないのであれば解約請求してください。

「見切り千両」という言葉があります。少しの損失が大幅下落への入り口かもしれません。損切りは早いに越したことはないのです。勇気を持って決断してください。

なお、損切りを有効活用できるケースがあります。他に上場株式や債券、投資信託などの売買益があれば、損益通算によって税金の還付を受けられるのです。購入するときに特定口座(源泉徴収あり)を選んだとき、売却して利益が出ると、20%が源泉徴収税として引かれます。
同じ年度(1月1日~12月31日)内に投資信託を損切りすると、この損失と源泉徴収済みの利益が相殺されて、支払った税金が戻ってくるのです。また、合算して損失のほうが多いときは、3年間繰り越すことができます。
還付を受けるには翌年3月15日までに確定申告する必要があるので注意してください。

4 . 失敗から学ぶ!投資信託で失敗した体験談

具体的な失敗例から、投資信託選びのコツを学んでいきましょう。

専業主婦のAさん、内容をよく調べずに買ってしまう

専業主婦のAさんは、夫の給料だけでは老後の生活資金が心配です。少しでも足しになればと思い、投資信託を始めました。
なるべくたくさん利益を上げて、早く定年退職直後に必要だといわれる3000万円を達成したい。少々あせりがあったかもしれません。

ファンドの選び方は、証券会社のランキングを見て、直近1年間の成績がもっとも優秀なものに投資するという方法です。
購入してはじめの半年はよかったのですが、価格はだんだんと下がっていきました。しかし、上昇を神に祈るばかりで、損切りはしていません。購入時の80%になったところでようやく解約し、数十万円単位の損失を出してしまいました。その1年後に同じファンドのパフォーマンスを見てみると、Aさんが購入したときの価格に回復しています。

Aさんの失敗原因は、直近のパフォーマンスに目を奪われて、運用方針や将来性を見ていなかったことにあります。騰落率はあくまでも過去のものであり、それが続くかどうかはわかりません。
また、損切りのタイミングが遅かったのも手痛い失敗でした。

目論見書を読んでしっかり投資先の内容を判断すること、損切りの判断は早くすることなどが教訓として挙げられます。

無職のBさん、毎月分配型で元本割れ

Bさんは長年勤めた会社を定年退職して悠々自適な生活。とはいえ、まだ年金をもらえる年齢には達しておらず、貯金を取り崩しています。

何か収入を得る方法はないかと考え、資産運用をすることに。退職金を使って毎月分配型の投資信託を購入しました。これで毎月給料のように定収入が入ってくると喜ぶBさん。しかし、たしかに分配金は入ってくるのですが、元本は少しずつ減っています。それに気づかず持ち続けた結果、気づいたら資産は購入価格の半分に。てっきり退職金はまるまる残っていると思い込んでいたBさんにとっては大失敗です。

分配金のような運用の仕組みはよく理解して投資しなくてはならないということがわかる事例です。

5 . 投資信託で失敗しないためには、よく調べること

投資信託で失敗しないための事例や対策を見てきました。まず、これに限らず、投資をする前には、目的を明確にすることが大事です。求める結果をもたらしてくれるのは必ずしも投資信託とは限りません。総合的に考えて、投資の対象を決めるべきです。

各論としては、信託報酬・販売手数料・信託財産留保額という3つの手数料に注意すること、どういった運用先に投資するファンドなのか目論見書などを見て知ること、いくつかのファンドに分散することなどが挙げられます。

失敗の原因は多くの場合、他人のすすめるがままに買ってしまうことにあります。結果を出して目的を達成したければ、購入する前に自分でよく調べることです。

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