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土地活用の主な種類とメリット・デメリット

ゴンロク

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一口に土地活用と言っても、様々な活用方法があります。メジャーなところだけでも、賃貸マンション経営、駐車場経営、商業施設経営などが挙げられますよね。しかし運用したい資産はあれども、「どんな土地活用が自分の土地に合っているのかわからない」という方が多い印象を受けます。土地活用は専門性の高い分野ですから、まずは活用方法ごとの特徴やメリット・デメリットを整理し、理解するようにしましょう。

目次

1 . 土地活用の主な種類とメリット・デメリット

冒頭でも述べたように、土地活用方法は種類が多いため、目移りしがちで絞り切れないことがあります。
そこでまずは代表的な方法をおさえ、基礎知識として身に着けることが大切です。今回紹介するのは7つの土地活用方法で、それぞれの概要とメリット・デメリットを整理していきます。

1-1 . 賃貸住宅経営

賃貸住宅経営は、賃貸マンションやアパート、戸建て物件などを建てて、それを貸し出して家賃収入を得る方法です。土地の活用方法の中では、最もメジャーなもののひとつといえるでしょう。

メリット

・入居者さえ見つかれば、比較的長期間にわたり安定した収入を得られる。
・土地の評価額が下がることで、節税対策としても有効。
都市計画税固定資産税など、税の軽減措置が受けられる。
・現物資産であることから、経済変動に強い。特にインフレ時には貨幣価値が下がるため、リスクヘッジになる。
・家賃収入を確保しつつ健全に経営できれば、老後の私的年金代わりになる。
住宅ローン契約時に団体信用生命保険に加入すれば、万が一のときに保険でローンがまかなわれるため、家族に資産を遺しやすい。(生命保険代わりになる)

デメリット

・初期投資額が大きくなりがちである。
・空室リスクがある
・建物の経年劣化対策として、管理費修繕費がかかる。(=ランニングコストの増大)
・市場の状況によっては売却しにくく、住居以外の転用が難しいなど、収益改善が困難になる可能性がある。

1-2 . 駐車場経営

車が駐車できるよう区画割りして、区画ごとに利用者に貸し出します。遊休地の有効利用として手軽なため、投資初心者でも始めやすいという特徴があります。賃貸住宅経営と並んで、ポピュラーな土地活用方法といえるでしょう。

メリット

・設備投資が発生しにくいため、低予算で参入できる。
・駐車場以外への転用や売却がしやすい。(=失敗しても撤退しやすい)
・遊休地を手軽に有効活用できる。

デメリット

・場所・立地によっては需要が無く収入が低い。
・税率の軽減が受けられず税負担が重い。
・過当競争に陥っており、大手に対抗するのが難しい。

1-3 . 高齢者施設経営

高齢者の介護を目的とする施設を建築し、介護事業者や不動産事業者に借り上げてもらう方法です。超高齢社会に突入した日本で、注目されている土地活用方法のひとつといえます。

メリット

・社会に対する貢献として評価されやすい。
・超高齢社会は今後も進むため、需要増が期待できる。
・多少立地が悪くても、設備と環境が整えば収益化が期待できる。
・業者に借り上げてもらうスタイルであれば、収入が安定しやすい。

デメリット

・ある程度のまとまった大きさの土地が必要になる。
・初期投資額が億単位になるため、資金力が必要。
・特殊な施設であるため転用がほぼ不可能で、収益改善の道が限られている。
・住居系以外では固定資産税相続税に対する節税効果がない。

1-4 . トランクルーム経営

自分の土地にコンテナを用いた施設(倉庫)を建築したり、建物の一部を収納スペースとして区分・貸し出したりする土地活用方法です。一般的にトランクルーム業者と共同で進めるケースが多いでしょう。大きく分けて郊外に多い「コンテナ型」と都市部中心の「ルーム型」が存在します。

メリット

・構造が単純かつ頑丈なため、ランニングコストが低い。
・変形地や狭小地など、土地の大きさや形状に難があっても収益を上げやすい。
・借地借家法の適用外なことから、貸主と借主の間でトラブルが起こりにくい。
・生活インフラなどへの投資が不要で、初期費用が小さく、利回りが良い。

デメリット

・数が増えると契約や解約、料金回収、滞納への対応といった管理業務の負荷が増える。
・集客が難しく、広告費用が必要。
・税法上の扱いが変わり、節税効果が小さくなった。(償却資産ではなく建築物=固定資産税がかかる)
・コンテナ型では担保価値が認められない傾向にあり、融資を受けにくい。

1-5 . 商業施設経営

商業施設を運営する企業と共同で、店舗を建築して貸出し、収益化を図る方法です。ポピュラーな例として、コンビニ経営が挙げられます。また、コンビニ経営では建築物をコンビニ業者に貸し出す「リースバック方式」と、単純に土地を貸す(定期借地)だけの「事業用定期借地方式」があります。

メリット

・賃貸マンションやアパートよりも賃料を高めに設定でき、収益性が高い。
・住宅に比べて条件が良くない土地でも活用しやすい。
・事業用定期借家方式であれば、自己資金無しで活用できる。

デメリット

・コンビニ業者との契約の場合、契約期間が長く撤退しにくい。
・賃貸マンションやアパート経営に比べると固定資産税都市計画税の節税効果が低い。
・収益の安定性やリスクが借主の事業に依存してしまう。

2 . 太陽光発電

遊休地などにソーラーパネルを設置し、発電した電力を電力会社へ売却して収益をあげる方法です。 エコ意識やクリーンエネルギーの需要などが高まっている昨今、太陽光発電へ参入する事業者が増えています。

メリット

・土地を使って発電した電力を売却するため、安い土地でも収益を上げやすい。
・地方の遊休地など、住宅や商業施設に向かない土地を活用できる。
・自治体の補助制度など、公的なサポートが受けられる。
・国の「固定価格買取制度」によって、電力の買取価格が決められているため、収益の見通しがつきやすい。

デメリット

・投資金額の回収までに10年以上かかる。
・周辺環境の変化で日照を確保できなくなり、発電効率が落ちる可能性がある。
・台風などの自然災害による発電設備の破損、消失リスクがある。
・地盤の強化や電線・電柱の施設などで予想外の出費が発生する可能性がある。

2-1 . 売却

土地を貸すのではなく、単純に売却することで収益化する方法です。一般的には、不動産仲介業者に買い手を見つけてもらい、合意に達すれば売却するという流れになります。

メリット

・保有する資産を一括で現金化できるため、資産の組み換えに役立つ。
固定資産税都市計画税といった税負担が無くなる。
相続税対策や借入金返済の資金を確保できる。
・取得時と売却時の差額が大きければ、短期間で一気に資産を倍増させられる。

デメリット

・一時的なキャピタルゲイン(売却益)は得られるが、中長期的なインカムゲイン(利子・家賃収入)の機会を失う。
仲介手数料印紙税、測量費など、思いのほか売却時に必要なコストが多い。
・買い手がすぐ見つからず、収益が発生するまでに時間がかかる可能性あり。
・土地の所有期間や使用目的に応じて、不動産譲渡所得税が発生する。

このように代表的な7つの土地活用を見比べてみると、それぞれに特徴があることがわかります。どの方法が向いているかは土地の状況や本人の資産額によりますが、本稿では特に「賃貸マンション経営」に注目して見ていくことにします。なぜなら、土地の活用方法としての歴史が長く、最も一般的な選択肢といえるからです。

3 . 賃貸マンション経営を目的とした土地の選び方と物件の建て方

では実際に賃貸マンション経営に役立つ土地・物件について解説していきます。特に「立地」ですね。立地に関する情報をどれだけ認識できるかで、賃貸マンション経営の利回りは大きく変わるでしょう。

3-1 . 賃貸マンション経営に適した土地の選び方

前述したように、賃貸マンション経営は「立地」が命といえます。なぜなら、立地が良ければ入居率の向上が見込めて空室率が下がり、収益が安定しやすいからです。賃貸マンション経営は家賃収入を目的ですが、できるだけ安定性が高く、長期間にわたって収益をあげられることが重要です。

好条件な立地の例

・城南3区(世田谷区・目黒区・渋谷区)
・都心3区(千代田区、中央区、港区)

東京都は過去20年間、一貫して人口が増え続けており、旺盛な賃貸需要があります。その中でも城南3区や都心3区は、事業用・居住用ともに賃貸需要が多く、なおかつ低下もしにくい地域です。

・再開発や地域特性で賃貸需要が多い地域(江東区、墨田区、中野区)

臨海部である豊洲地区の再開発で人口増が続く「江東区」、スカイツリー建設で一気に日本の顔となった「墨田区」、若者に根強い人気を誇るサブカルチャーの街「中野区」などが目安となるでしょう。これらは再開発によって住環境が変わったり、伝統的に特定の層から支持されていたりと、賃貸需要が発生しやすい強みを持っています。

面積が大きな土地を運用する

土地活用では、面積が大きいほど収益を安定させやすい傾向にあります。分割して建物を建てることでリスクヘッジにもなりますし、節税効果も大きくなるからです。

幅が広い道路(12m以上)と接している土地を選ぶ

賃貸マンションを建築する時、ポイントとなるもののひとつに「容積率」があります。
容積率とは土地に対する建物の総床面積を割合で表示したものです。つまり、容積率が高いほど賃貸マンションの床面積を広くとることができ、個数や部屋数を増やすことができるわけですね。容積率は、賃貸マンション経営の利回りと収益を伸ばすためのポイントといえるでしょう。
では、容積率はどのように決まるのでしょうか。容積率は「都市計画で定める用途地域ごとの率」と「前面道路の幅員による率」で決められます。特に注意すべきなのが「前面道路の幅員が12m未満の場合」ですね。前面道路の幅員が12m未満の場合、都市計画で定められた用途地域ごとの率よりも低い容積率になる可能性があります。そのため、幅員が12m以上の大きな道路に面していたほうが、容積率を上げられるのです。簡単に言うと、12m以上の幅を持つ道路に面している土地ならば、大規模なマンションを建てやすいということですね。

将来的に人口増加が見込めそうな土地を選ぶ

前述した江東区や墨田区のように、何らかの開発計画で人口増が見込める土地を選びましょう。賃貸需要増加の波に乗って経営を軌道に乗せやすくなります。
また、開発が始まる前や完了する前に買えば、初期投資額をある程度抑えられるでしょう。
ただし再開発に関する情報は誰もが狙っているため、スピードが命ともいえます。
情報網や人脈を駆使して、日ごろから情報収集を行うようにしましょう。

3-2 . 賃貸マンション経営を始めるまでのステップ

(1)保有地が法規で賃貸物件の建築を禁止されていないかを調査する

建物の建築は、都市計画法や建築基準法の制限を受けます。これらで制限されている場合には、賃貸マンションを建てられません。特に都市計画法上の用途地域は重要です。市街化調整区域や工業専用地域に賃貸物件は建てられませんからね。
また、自治体によっては袋小路の奥にある敷地に対し、賃貸物件の建築を禁止している場合がありますから、注意してください。法律が絡む難しい分野ですから、地域の事情に詳しい不動産業者からサポートを受けるといった方法がおすすめです。

(2)保有地で賃貸物件の需要があるか調べる

立地の項でも述べた通り、周辺環境によって賃貸需要は異なります。本当に需要がある地域か、もしあるならばどの程度の需要が見込めるのかなどを精査しましょう。

(3)市場の需要に合わせて間取りや賃料などを設定する

賃貸需要があることがわかったら、その需要の中身を掘り下げていく必要があります。単身世帯に需要があるのか、ファミリー層に需要があるのかで、建築時の間取りが変わってくるからです。また、周辺の家賃相場を加味しながら、賃料の設定も詰めていく必要があります。

(4)事業計画を作成する

事業計画は、賃貸マンション経営全体の道しるべになるとともに、金融機関から融資(ローン)を受けるための必須書類でもあります。安定した収入の確保と資金調達、無理のない資金計画の立案に役立ちますから、必ず作成するようにしましょう。

(5)実際に物件を建てて、貸し出す

物件を建て、賃貸経営をスタートさせます。賃貸マンション経営では、物件の維持管理が必要になります。手間とコストを比較しながら管理会社に任せることも検討しましょう。

4 . 土地活用で賃貸マンション経営を始める際の注意点

では最後に、賃貸マンション経営の注意点について解説します。土地活用を成功に導くための実務的なポイントです。

4-1 . 間取りや賃料などはできるだけ不動産会社と相談して決める

初めての賃貸マンション経営は、賃料設定や間取りの設計などで誤った判断をしてしまうおそれがあります。ここはプロの手を借りたほうが無難です。不動産会社は賃貸経営のノウハウを持っており、最適な間取りや賃料の設定、周辺との差別化について教えてくれるからです。勿論費用はかかりますが、一度は不動産会社との連携を検討すべきでしょう。

4-2 . 毎月のキャッシュ・フローを想定する

いわゆる資金計画・管理ですね。
キャッシュ・フローとは、簡単に言うと「お金の流れ」です。キャッシュ・フローは「流入するお金(キャッシュインフロー)」から「流出するお金(キャッシュアウトフロー)」で成り立っています。
賃貸マンション経営に置き換えると「手元に入ると想定される家賃の総額」から「税金や管理費などのコスト」を差し引くことですね。これにより、毎月どの程度の収入が必要か、空室対策にかける宣伝広告費、設備管理にかける費用などが決まります。

4-3 . 自分の本業、ライフスタイルに合わせて管理方法を選ぶ

物件の管理方法は「自主管理」か「委託管理」の2通りです。一般的に自主管理は、賃貸経営のノウハウが身に付く一方、管理業務に追われやすくなります。
これに対して委託管理は、業務負担が減る代わりに、不動産会社に支払う手数料が必要になってきます。入居者募集や物件管理などすべての業務を自分で行うべきか、不動産会社に一部もしくはすべての業務を委託すべきかは、オーナー次第といえるでしょう。

4-4 . ローンを組むときは「虚偽申告」をしない

初期投資を金融機関からのローンで賄うオーナーは少なくありません。このとき、賃貸物件ではなく「居住用の住宅」と偽って申告し、より利率の安いローンを借りてしまうと、虚偽報告となります。虚偽報告が発覚すると契約違反となり「期限の利益喪失」に該当することになります。つまり、一括返済を求められる可能性が高くなるのです。
ローンの利率は確かに重要ですが、それ以上に期限の利益は貴重ですから、虚偽報告は絶対にやめるべきです。

4-5 . サブリース契約(一括借上げ契約)は慎重に!

賃貸マンション経営では、できるだけ低い空室率を保つことが重要です。空室リスク対策・空室率管理こそが、賃貸経営の肝ともいえます。しかし、空室管理はどのオーナーも苦心する部分ですから、不動産業者とのサブリース契約(一括借上げ契約)で済まそうという方が少なくありません。確かにサブリース契約は、うまくいけば安定した収入をもたらします。
ただし、不動産業者やら家賃の値下げを迫られたり、高い手数料によって収益が悪化したりと、問題が発生しがちなことも事実です。サブリース契約は、不動産業者をしっかりと見極めてから実行するようにしましょう。

5 . 土地活用はプロとの連携が肝心!

今回は土地活用の種類とそれぞれの概要、メリット・デメリットを紹介するとともに、賃貸マンション経営について詳しく解説しました。
土地活用は様々な法律の知識、市場動向の把握、運営体制の整備が必要になります。例えば賃貸マンション経営なら、「土地の調査」「間取りや賃料の設定」「建物の維持管理」ですね。これら全てを初心者が完璧にこなすのは難しく、どこかでプロ(不動産業者)の手を借りなくてはならないのが実情と言えます。
不動産業者へ支払う手数料をどう考えるかはオーナー次第ですし、全て自分で実行することに意義を感じる方もいるでしょう。しかし、プロのノウハウとサポートを吸収して賃貸経営に活かすと考えれば、決して悪い投資ではありません。それだけに良心的で健全な不動産業者との連携は、賃貸経営の成否を左右する重大な事項といえるのです。

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