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なぜ不動産投資型クラウドファンディングに参入する企業が増えているのか

長嶋 シゲル

長嶋 シゲル

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不動産投資の新しい形として注目されている手法の一つに、不動産投資型クラウドファンディングがあります。多くの投資家から少しずつ資金を集め、不動産会社が物件の購入や運営を実施。そして、投資家に家賃収入などによる収益を分配するというスキームを構築しています。この不動産投資型クラウドファンディングがなぜ最近注目を集め、そして利用者が増えているのか。その背景を探ってみましょう。

目次

1 . TATERUに続きRENOSYも参入。盛り上がる不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資型クラウドファンディングの先駆者として知られるのが、東証一部上場企業である『TATERU』です。TATERUは不動産会社として物件の運用や開発を行っていますが、その事業の一つとして、不動産投資型クラウドファンディングサービス『TATERUファンディング』を運営しています。このTATERUファンディングは1万円から不動産投資が可能であり、投資した金額に応じて利回り4%から5%程度の収入が得られます。
この8月には東証マザーズ上場企業である『GA Technologies』による不動産投資サイト『RENOSY』でも不動産投資型クラウドファンディングの提供を始めており、投資家から熱い注目を集めています。

2 . ソーシャルレンディングのリスクが表面化して投資家離れも

不動産投資型クラウドファンディングと似た投資手法の一つに、ソーシャルレンディングがあります。ソーシャルレンディングは別名、貸付型クラウドファンディングとも呼ばれています。スキームは複数の投資家から集めた資金をソーシャルレンディング運営会社が資金を必要とする別の事業者に融資。そして、金利収入を得て投資家に分配します。
投資家にとっては、高い利回りによる金利収入を手間をかけずに得られるメリットがあります。
一方で、多くの中小事業者が関係することによる事業者リスク、そして融資先の名前が明らかにされないことによる融資先リスクや運用リスクが存在します。特に2018年には『ラッキーバンク』、そしてソーシャルレンディング最大手の『maneo』に対し、金融庁から処分が下ったことにより、投資家心理が冷え込んでいます。ソーシャルレンディングへ投資家が回していた資金を回収し、他の新たな投資先を探そうとしていることもあり、不動産投資型クラウドファンディングが注目を集めているのです。

3 . 不特法の規制緩和により、小規模企業の参加も予測される

不動産投資型クラウドファンディングを運営する会社が増えた理由の一つに、『不動産特定共同事業法』の規制緩和があります。従来は一定の規模をもつ会社でなければ、資金を集めて不動産を運営することができませんでした。
平成29年に不動産特定共同事業法の改正が決定され、オンライン上で書面交付などを含む契約手続きが可能になりました。募集と契約が簡単になった結果、このビジネスに興味を持つ会社が増えているのです。
内容としては、投資家1人の出資金上限が100万円、募集総額が1億円以内に制限され、誰もが『小規模不動産特定共同事業者』となる形で参入が容易になりました。法改正の影響も、参入事業者の増加に拍車をかけています。
インターネット上で不動産物件の住所を調査し、その物件の収益性を判断してから投資ができる点も、不動産投資型クラウドファンディングのメリットの一つです。
またソーシャルレンディングと比較すると、いつでも運用中の解約や資金の回収が可能であるなど、投資家にとってリスクが少ない点も魅力です。

4 . 企業や投資家にとってもリスクヘッジが可能

規制緩和を背景に、運営企業は不動産投資型クラウドファンディングを利用することで、自己資金なしに収益物件の購入が可能になります。また、物件の運用で家賃収入を得ることができますし、他の事業者に売却することでも転売益が得られます。その上、物件購入と運営のノウハウが構築されていれば、1銭も費用を出さずに投資家の資金で事業を拡大できるというメリット、これは日増しに多くの企業から熱い注目を集めています。
投資家にとっても、ソーシャルレンディングよりも安全で、手間をかけずに投資ができる点が魅力です。不動産を購入する必要がないため、金融機関からローンで融資を受けなければ不動産投資が始められなかった人でも、手持ちの資金に応じた収入が得られます。さらに投資先の情報開示の請求や解約も任意など、リスク対策もしっかり取られています。
不動産会社、投資家双方のリスクを抑えた投資手法となっているため、今後は色々な企業による不動産投資型クラウドファンディングへの参入が予想されます。

不動産情報サイト『ホームズ』を運営する『LIFULL』、不動産事業を手掛ける『ケネディクス』などでも、すでに不動産投資型クラウドファンディングへの参入を表明しています。2018年内には不動産投資型クラウドファンディングサービスで、本格的な競争が始まるとみられています。
競争が始まれば、投資家にとって大変好ましい状況になりますが、投資家の獲得を優先するあまり、無謀な事業に乗り出す会社が出てくる懸念があります。
投資家としては複数の会社から慎重に投資案件を選び、より安全な投資先を見極めていかなければいけないでしょう。

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