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少額投資のメリット・デメリットと投資商品の主な種類

長嶋 シゲル

長嶋 シゲル

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日本人の平均寿命は年々伸びており、男性で85歳、女性で90歳を超える日も間近と言われています。
中にはキャッチフレーズとして『人生100年時代』を打ち出し、長寿を謳う保険会社もある程です。このまま平均寿命が延びていけば、60歳もしくは65歳で定年退職を迎えた後、20年から30年と長い時間を生きていくことになるでしょう。長寿にして健康な状態で生活できれば、それは大変喜ばしいことですが、そのための生活費には不安を抱える人も多いでしょう。
日本人の平均寿命が伸びるのと同時に少子高齢化も進行しており、もはや年金は将来来る老後の支えとして万全なものではありません。自分たちで老後の支えとなる資産や収入源を確保しておく必要があります。
そこで、今からすぐに始められる株やETFなど、少額投資の方法とそのメリットを考えてみましょう。

目次

1 . 少額投資のメリット・デメリット

少額投資とは、いったいどのような投資手法でしょうか。少なくとも100万円や200万円といった大金を用意して、一つの銘柄に絞って投資する手法ではありません。まずは定期的にコツコツと10万円、5万円、時には1万円ずつ積み立てていき、プールした投資金を少しずつ運用していきます。そして、将来的に大きな資産を築き上げる投資手法が、小額投資です。
その具体的なメリットとデメリットを考えてみましょう。

1-1 . 少額投資のメリット

少額投資の第一のメリットは、名が表す通り、わずかな金額から投資が可能である点です。
「毎月給料をもらっても生活はギリギリで、ほとんどお金が残らない。ボーナスでやっと貯金ができるくらい。」
そんな20代や30代の人だっているでしょう。この状態では一般的に、投資に回すだけの生活の余裕はないかもしれません。
しかし少額投資であれば、最少で1,000円未満での投資が可能です。ネット証券で株取引、FX会社で FX 取引を始める場合、1万円もあれば十分で、様々な銘柄や対象に投資できるのです。
仮に20代の初めから毎月1万円ずつ投資した場合、10年続ければ120万円。そのペースで40年投資すれば、積み上げた元金は480万円です。そして、資産運用によって元金を倍にできれば、60代には1,000万円近い貯金ができるのです。無理のない範囲でコツコツ投資していくことで、将来的にまとまった資産を築けます。

1-2 . 少額投資のもうひとつのメリット

リスクが少ないという点です。大金を一度に、一つの対象に集中投資すると、値上がりした時の利益は大きいのですが、暴落した時のダメージははかり知れません。
しかし少額投資でしたら、毎月、投資対象を選んで分散投資できます。例えば、様々な株や投資信託、通貨のうちの1つが暴落したとしても、他の投資対象が健在であれば、ダメージは限定されたものになります。
また、分散投資は投資するタイミングも異なっていますので、結果的には購入時の価格を平均化できます。例えば、毎月コツコツと米ドルを購入していた場合、1ドル100円の時もあれば、120円の円安や80円の超円高のタイミングで購入することもあるでしょう。仮に120円の時に1万ドル購入した場合、円高が進むほど手痛いダメージを受けてしまいます。
しかし、80円、100円、120円と時期をずらして、同じ程度の割合でドルを購入していけば、円安時に購入した円・ドルの差益が円高時の損失をカバーします。このような投資手法を『ドルコスト投資法』と言います。タイミングをずらして長期の投資をすることで、様々な価格帯で同じ商品を保有することになり、リスクを大幅に軽減できるのです。また投資額も自分の家計の溶融を見ながら、増やしたり減らしたりできます。

1-3 . 投資することで世の中を学べる

若い社会人にとっては、まだ世の中で経済がどのように動いているのか、どのような投資対象があるのか、世界各国はどのような関係性で動いているのかなど、わからないことが多いでしょう。
若い人の多くは、「世界経済を勉強するのは煩わしい。仕事に直接関係ないから勉強したくない」と思っているかもしれません。
しかし、投資していれば話は別です。自分の利益に直結するのですから、自然と株式の銘柄や為替相場の変化、そして株式市場への影響などをチェックするようになります。若い社会人の方にとって投資を通じて社会勉強ができるというメリットは、意外と大きいのです。上司や目上の人と会話する時でも役立つ知識になるでしょう。

1-4 . 少額投資のデメリット

少額投資は比較的リスクの低い投資手法です。 しかし、リスクが低いということは当然、リターンも小さいのです。
また、毎月少しずつ投資していく少額投資では当然、投資対象の購入回数が一極集中型投資よりも増えてしまいます。 購入、入金、出金などにかかる手数料は多めになり、投資効率は悪くなるでしょう。利回り重視でいきたい投資家には向いていません。

1-5 . 安易な分散は、実際にはあまり投資の勉強に繋がらない

「自分は投資初心者。だから、少額投資を通じて投資を学んでいきたい。」
そのように考えて少額投資から始める人もいます。その考え方は間違いではないのですが、リスクが低すぎて投資に緊張感が感じられず、深く考えないまま色々な対象に手を出してしまうのがオチなのです。
「利益なんか全然出なかった。結果的にはそれほどダメージを負わなかったけど、それでも元本がマイナスになったじゃないか。だったら、いつでも、どこでも自由に引き出せて、元本保証の貯蓄をやっていた方がよかった!」などと投資に失敗して後悔することもあるのです。投資対象を選ぶ際には、「少額だから」と安易に色々なものを選ぶことはやめましょう。値上がりする見込みがあるものや、安定性があるものをしっかりと選びましょう。

2 . 少額投資の主な種類

少額投資のメリットとデメリットを知ったところで、具体的に少額投資にはどのような種類があるのかを紹介します。

2-1 . 不動産小口化商品

不動産投資と聞けば、1,000万円くらいの大きなお金が必要と思っている人だっているでしょう。 しかし、最近ではクラウドファンディングの仕組みを利用した不動産小口化商品、いわゆる『不動産投資型クラウドファンディング』が登場しています。
サービスを提供する企業の設定金額にもよりますが、最低1万円からの投資が可能であり、投資した金額に応じて毎月、家賃収入から分配金が入ってきます。 不動産売買の収益ではなく、家賃収入から利益が投資家に分配されますので、市況の影響などを受けにくいのが特徴です。
『不動産特定共同事業法』の規制が緩和された結果、これまで参入を阻まれていた小規模業者でも利用しやすくなりました、今後、不動産投資型クラウドファンディングに乗り出す業者の増加が予想されています。
利回りとしては4%から5%と、インカムゲインとしてはなかなかの数字となっています。年間1,000万円投資できれば、税引き後の利益も30万円以上になるでしょう。

2-2 . REIT(不動産投資信託)

不動産投資信託『REIT』は、証券取引所で売買が行える、不動産を対象とした投資信託です。プロが運用する不動産が証券化されており、購入すれば3%から5%程度の利回りが狙えます。自分で運用するよりもはるかに手間いらずで、手堅い投資対象となっています。
株を購入するような感覚で、最小単位10万円程度から投資することができます。不動産投資と比べた場合、また証券取引所の売買のよって売買益も狙えますし、換金が容易というメリットもあります。
ただし、市況の影響は無視できないものがあり、リーマンショック時には多くの銘柄で20~30%以上も値下がりしました。購入の際は時期をずらし、少しずつ投資することでリスク分散を図っていきましょう。

2-3 . 株式

インターネット証券会社などの登場により、株式投資も昔よりは随分と行いやすくなりました。従来のように上場会社の株を、100株、1,000株とまとめて購入するだけではなく、今では1株から購入できる『ミニ株サービス』を数多くの証券会社が提供しています。特にインターネット証券会社を利用すれば、普通の証券会社よりも手数料がかかりません。その上、リアルタイムな取引ができますので、情報を集めながら、学生など若いうちから取り組む人が増えています。そのため、1万円もあれば、十分にミニ株への投資が可能です。また他の投資より、税金面の優遇制度もあります。取り組む人も多いので、経験者に相談がしやすいのもメリットです。
株式投資は、配当金や株主優待狙いでインカムゲインを目的とした投資もできますが、 基本的に少額で運用する場合ですと、効率的に資金を増やせるデイトレードによるキャピタルゲイン狙いの投資になるでしょう。 ただし、デイトレードができるのは、株式市場が動いている日中になりますので、会社員の方では急激な株価の変化に対応できないこともあります。

2-4 . 投資信託(投信)

『投資信託』、いわゆる投信は主に証券会社が販売する金融商品で、様々な株や為替などを組み合わせたものです。投資家は自分の運用目的に適った商品を選んで購入するのですが、運用自体は投資信託会社のプロのトレーダーが行います。自分で投資対象を研究する時間がない、複雑なことをしたくないという人にとっては、大変頼りになる存在です。トレーダーの力を借りることになりますが、少額で色々な投資対象に一定の金額を分散できるメリットがあり、さらに投資に時間をかけたくない人向きの商品だと言えます。
一方で、注意点としては、プロのトレーダーの運用でも必ず利益が出るとは限らないことです。もし損失が出ても、運用手数料を支払う必要があります。ネット証券であれば手数料は安めです。
利回りは4~7%程度が多いですが、海外株で組んだ投資信託などにはもっと高いものもあります。

2-5 . 積立投資

毎月少しずつ、一定額積み立てていく投資手法を『積立投資』と言います。特に最近では『積立NISA』が登場し、利益が非課税ということもあって人気を博しています。税制上大きなメリットを享受できる積立NISAは、まさに資産を少しずつ築き上げていきたいという人向けでしょう。1,000円ほどからでも始められますので、収入が限られる20代の方でも無理なくできるのもメリットです。
積立NISAの運用可能額は年間40万円ですから、大金を一度に運用するよりも少額投資で資産形成を行いたい人向けの投資手法でしょう。

3 . 少額投資を始めるときのポイント

少額投資を始める時には、いくつかのポイントを押さえておかないと、着実に資産を増やすことはできません。

3-1 . 余剰資産がどの程度あるのか把握しておく

少額投資は、毎月きちんと積み立てることに意味があります。毎月の給料をもらうために開設した口座から、投資に回せる資金が、1~2万円程度あることを確認してから投資しましょう。
無理のない範囲で、自然に給料から天引きするような形で投資していくのが理想です。また、よほど運用益が出ない限りはなるべく、引き出さないようにしましょう。複利運用することで利益は増大します。
結婚や家の購入など、まとまった額の出費が決まっている人は、投資とは別に貯金しておきましょう。

3-2 . トレンドの投資手法に惑わされない

少額投資は安定した投資手法であることが理想です。2018年現在、最もトレンドといえる投資対象といえば、『仮想通貨』が思い浮かべられます。「仮想通貨のような新手の投資手法で大金を稼いだ人が多く出てきたから、自分も始めてみようかな」と、ついつい思ってしまいがちです。
しかし、新興の投資手法には、ブームに乗っかった投資家に詐欺行為を働くような会社の存在や、相場の暴落が激しいなどのリスクもあります。最悪の場合、投資手法自体が数十年後には存在しないこともあるのです。 新しい投資手法に目移りするよりも、30年後、40年後でも確実に残っている、実績も投資家の数も豊富で定評のある投資手法を選びましょう。その意味では株式投資、投資信託、不動産投資などは歴史も長く、今後もなくなることはないでしょう。

3-3 . 勉強しながら意味のある分散を行う

少額投資では、資金を分散させながらリスク軽減を図っていくことが重要です。しかし、闇雲に分散させればいいわけではなく、きちんと意味のある分散を行うべきです。
投資する国、投資する業界、そして投資する通貨に貴重な資金を振り分けてこその分散投資です。ただ単に、意味もなく色々な株を買えばいい、色々な通貨を買えばいいと言うのではなく、それぞれが正反対に作用するような相関関係を持った投資対象に対し、分散投資することが理想です。
つまり、一方が値上がりした時に、もう一方が値下がりするような関係性であれば、リターンは大きくはなりませんが、リスクも大変小さなものになります。
ただ、ろくに勉強もせずに気になった対象になんとなく分散投資するのでは、「つもり」分散になっている可能性があるのです。
それよりも、いろいろな投資対象に興味を持ち、相場がどんなときに変動するのかなど、リスクを把握しながら投資対象を選んでいきましょう。

3-4 . 投資に時間をかけすぎない

少額投資のメリットの一つに、ストレスや時間が少ないという点があります。本格的に投資にのめりこんでしまうと、常に投資に対する評判が気になってしまい、仕事に集中できないこともあります。
投資対象の研究や勉強をしながら、投資自体は毎月機械的に一定金額を投入する程度に留め、あまり欲を出しすぎないようにしましょう。
500万円、1,000万円と目標を達成したところで、次のステップをどう進むのか改めて考えればよいのです。

4 . 少額投資から徐々にステップアップして、本格的な資産形成を

少額投資には、少しずつの投資でも資産形成が手堅く行えるというメリットがあります。ただし、毎月1万円程度の投資では順調に資産が増えていったとしても、何十年も掛けてせいぜい1,000万円という程度です。
年金があてにならなくなった昨今、老後を豊かで資金に不安なく過ごしたいのであれば、定年退職時までに3,000~4,000万円程度の貯金を用意しておきたいものです。特に最近は退職金が期待できない、制度自体がない会社も増えています。
そこで、資産を形成する上で投資にリターンを求めるのであれば、ローリスク・ローリターンの少額投資から徐々にミドルリスク・ミドルリターンの投資手法に切り替えていくことも考えておきましょう。
例えば、20年間少額投資で積み上げた1,000万円を元に、マンション投資用資金を用意。 そして、不動産投資を始めていけば、ローンによる借入金をそれほど用意しなくてもマンションを購入できます。
家賃収入からマンションのローンを完済すれば、残りはすべて自分の収入になるのです。不労所得を得ることができれば、定年退職後の生活の大きな支えになってくれるでしょう。
ライフプランとして、20代~30代のうちは少額投資で投資に対する知識を学び、経験を積みながら実践の場でどんどん己を鍛えていきましょう。
そして、積み上げた経験をもとに、ミドルリスク・ミドルリターンである不動産投資などを行っていけば、手堅くて確実な資産形成が可能です。
資産形成のステップアップの第一歩として少額投資を行い、そして将来的にはもっと楽になりたい、贅沢がしたいという人は、より多くの資金を必要とする大がかりな投資を検討してみると良いでしょう。

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