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不動産小口化投資は本当にお得?建前と本音の話

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近年、賃貸マンションを一口100万円~1000万円から投資できる「不動産小口化商品」と呼ばれる不動産投資商品が増えています。元々1980年代に登場した金融商品ですが、近年の低金利と不動産投資ブームを追い風に、ここ1~2年で参入企業が急増しました。
扱われる商品が比較的新しいこともあり、不動産小口化を買うメリット、デメリットについて言及されることはあまりありません。「不動産小口化商品は、本当に得なのか」。
こうした疑問に応えられるよう、業界関係者の声をもとに、不動産小口化の建前と本音に迫ります。

目次

1 . 不動産小口化商品の増加

不動産小口化商品の取扱い会社が増えています。
国土交通省によると、不動産小口化商品の開発・販売が認められる「不動産特定共同事業者」は112社(2018年8月31日時点)、「小規模不動産特定共同事業者」は4社(18年9月6日時点)、計116社です。三井不動産や住友不動産の財閥系大手から、MDIやムゲンエステートの中堅まで様々な企業が参入しています。

不動産小口化商品とは、1棟マンションを小口化して「一口=100万円」「一口=1000万円」といった小分けで販売し、運用収益を出資者に分配する投資商品です。不動産の所有権を共有持分として小口化して販売できる点で、不動産投資信託のREITと異なります。

不動産小口化商品の契約形態は三種類あります。ひとつは任意組合契約といい、組合を通して不動産を買い、収益を投資家に分配するという形式です。所有権は組合員と「共有」という形をとります。
もうひとつは匿名組合契約といい、投資家が出資するといった形式をとる手法です。投資家は、所有権をもつ事業者から分配金を得るという仕組みです。
最後が賃貸借型といい、その不動産の共有持分に応じて、不動産事業者が投資家に賃料を払うという仕組みもあります。

不動産小口化商品が増えた理由としては、ひとつは、相続税対策や低金利を背景とした旺盛な不動産需要を見込んでいたためです。相続対策の場合は、現金よりも相続税評価額を圧縮させる効果を見込めます。

2 . 小口化商品への新規参入

例えば、2017年6月に不動産小口化商品の販売を始めた不動産会社のコスモスイニシア(東京都港区)は同様の理由です。
同月に『セレサージュ代官山』の販売を始め、1口10000万円で計214口を募集しました。東急東横線の代官山駅から徒歩1分の好立地で、築15年277㎡、全4戸の商業施設です。
地下1階と地上1階にアパレル店、2階・3階に美容室の計4戸がテナント利用しています。同社の担当者は「満室時の想定表面利回りは4.11%。分配金の支払いは2月と8月で、15年間運用した後に売却する予定」とのことです。

また、中古マンション再販のインテリックス(東京都渋谷区)は17年3月、第2弾の10億5000万円の横浜市の建物を完売したことを発表しました。
1050口に分け、平均出身額は約2000万円。分配金の表面利回りは5.2%、購入者の平均年齢は70歳、相続を控えた富裕層の購買が目立ったようです。担当者は「資産運用と相続対策の両面で需要の高さを実感しています」とコメントしました。

不動産小口化商品を買うメリットとしては、相続対策を通した購入や、運用先を分散してリスクヘッジできることがあげられています。こうした不動産を買いたい富裕層や投資家の需要を満たすため、少しでも販売用途のチャネルを増やしたい、というのが、参入企業の多くの理由といえそうです。

3 . 不動産小口化商品を買うデメリット

一方、デメリットとしては、一度買ったら売却が難しいことがあげられます。
通常の不動産投資なら、一度買った1棟マンションや区分マンションを中古にして売却する、といったことが比較的容易とされていますが、不動産小口化商品を中古として売却するには、いささかハードルがあがります。
売るには買い手を探す必要がありますが、10年、15年と中長期で運用してインカムゲインを狙う性質上、不動産会社によっては違約金を課すケースもあります。REITのように証券取引所を通して売買するわけではないため、不動産価格変動リスクにあわせて売買がしにくいというのが難点といえそうです。

そのため、販売が難航している商品もあるようです。ある大手不動産会社の担当者は「販売開始から半年以上たつが、売れ残っている商品は正直あります。
一口数百万といっても、多くの営業マンは効率的に売りたいため、一人の富裕層や投資家に5口、10口まとめて購入を促します。買いに慎重な姿勢を示す方が多いため、好立地物件でも営業が難航することがものはあります」と話しました。

不動産小口化商品に詳しい業界関係者によると、「売りたいときに売れない、というのは購入者にとって最大のリスクです。
近年、シェアハウス投資の『かぼちゃの馬車』報道にみられるように、お金を集めるだけ集めて破綻する不動産会社が増えていることから、昨年と比べて、不動産投資家の行動はより慎重になってきているでしょう」と明かしました。

4 . メリット・デメリットを理解して購入する

こうした投機的な意味では、あまりメリットを享受できないとする声が大半を占めました。
しかし小口化している分、親から子どもたちへ公平相続しやすいという点ではメリットが享受できるのではないか、とする声もあり、やはり不動産小口化投資も一長一短が垣間見えます。

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