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相続税対策とは?相続時の税負担を軽減する3つの方法と注意点

ゴンロク

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相続税は、財産の相続が発生する限り、誰もが直面する問題です。相続税を支払えないばかりに、先代から受け継いだ資産を手放す方も大勢います。しかし、入念に準備をしておけば、相続税の負担を軽減できるのです。そして、その効果はとても大きいものです。
不動産や預貯金などの財産がある方は、家族のためにもできるだけ早く相続税対策に取り組みましょう。生前対策がしっかりとできていれば、相続税の節税は難しい事ではありません。

目次

1 . 相続税対策の基礎知識

まず相続税について、基礎的な事柄をおさらいします。効果的な節税のためにも、相続税自体を良く知っておきましょう。

1-1 . 相続税とは?

そもそも相続税とは何なのでしょうか。相続税とは「遺言や相続で遺産を引き継ぐとき、遺産の金額に応じてかかる税金」のことです。 誰かが亡くなると、その人の遺産を相続する権利を持った人(相続人)に遺産が引き継がれます。 この相続人は、法律によって定められており、「法定相続人」とも呼ばれます。 また、法定相続人が遺産を相続するとき、その人数によって「基礎控除額」が決定します。 つまり、遺産の金額から基礎控除額を差し引き、残った分に相続税がかかるというわけです。 ちなみに、法定相続人の人数と基礎控除額は、以下のように決められています。

○法定相続人の数と基礎控除額

・1人…3600万円
・2人…4200万円
・3人…4800万円
・4人…5400万円
・5人…6000万円

相続する遺産の金額の基礎控除額の範囲内であれば、申告も納税も必要ありません。 例えば、親の遺産が4000万円で、その子供3人が法定相続人の場合、基礎控除額を下回るため相続税はかからないことになります。

1-2 . 相続税対策の必要性

ただし、遺産の金額が基礎控除額を大きく上回っている場合は、相続税対策が必須です。 相続税の最高税率は55%で、金額によっては半分以上が税金として差し引かれます。 ちなみに相続税には「物納(現金ではなく現物を納付する方法)」も認められています。 しかし、現実にはあまり活用されておらず、手続きや申請も必要です。

そのため、一般的には現金で支払うことを前提に、相続税額や税率を計算し、相続税対策をしなくてはならないのです。 特に不動産が含まれている場合は、評価額に応じた相続税を支払わなくてはなりません。 相続税を支払うために、金融機関からの借り入れや不動産の売却を視野に入れる必要があります。

皮肉な話ですが、遺産の相続によって、資産の大半を処分することになる例も少なくありません。先代から引き継いだ資産をできるだけ多く手元に残すには、相続税対策が必須なのです。

では、相続税対策にはどういった方法があるのでしょうか。今回は3つに対策をご紹介します。

2 . 不動産による相続税対策

ひとつ目の対策は「不動産による相続税対策」です。不動産は相続税対策としてよく知られています。 特に賃貸マンションやアパート経営による不動産賃貸は、相続税対策の肝ともいえる方法です。

2-1 . 不動産で相続税対策をするメリット・デメリット

メリット

・現金よりも評価額が低い
相続税の根拠になるのは「評価額」です。例えば現金で5000万円を相続するときは、評価額は5000万円。この5000万円をもとに相続税が計算されます。 しかし、仮に5000万円を使って賃貸用のアパートやマンションを建築すると、相続発生時の評価額は2100万円程度にまで下がります。 相続税の計算では、新築物件を自己使用のために建築したときには建築量の6割程度、さらに賃貸の場合には自己利用時の7割程度にまで評価額が下がるのです。 したがって、

5000万円×0.6(新築かつ自己使用は6割)×0.7(賃貸は自己使用の7割)=2100万円

となります。ざっくりと「賃貸物件は現金の42%の評価額」と覚えておいても良いでしょう。

・減価償却によって所得税や住民税を軽減しやすい
例えば新築物件を建築したとき、その価値は時間の経過とともに落ちていきます。 これを減価償却として必要経費(損金)に参入できるため、結果として所得税や住民税が安くなるのです。

・給与収入や事業収入と損益通算ができる
不動産投資よにって得た所得(損失)は、本業の給与所得や事業所得と合算して申告できます。 これを「損益通算」と言い、個人の給与所得などから不動産投資の赤字を差し引けるわけです。 また、法人の場合でも、他の事業から得た所得との損益通算が可能です。

デメリット

不動産取得税固定資産税が発生する
不動産投資では、所得税・住民税を軽減できる一方、固定資産税不動産取得税が課税されます。

・将来的に税金が増える可能性がある
よく不動産投資の世界では「不動産のデットクロス」という言葉が使われます。 これは、不動産投資を開始して数年は経費として計上できるものが多いため、節税効果が高いものの、10年目あたりから経費計上できるものが減って税金が増えてしまい、帳簿上は黒字でも手元資金が減る事象を指します。 前述した減価償却費などは、その好例でしょう。減価償却は、実際にお金を払っているわけではありませんよね。あくまでも帳簿上で、経費扱いになっているものです。 つまり、減価償却ができなくなると、実際の収入は増減していないのに経費だけが減り、結果的に税金が増えてしまうというわけです。

・5年未満の売却で税金が増える
5年未満の短期で不動産を売却すると、5年以上の長期に比べて税金が高くるため、注意が必要です。

2-2 . 不動産による相続税対策の具体例

・不動産小口化商品を利用した相続税対策
仮に相続した現金が、新築物件を建築するほどではなかったとしても、不動産による節税は可能です。 これは、「不動産小口化商品」を使ったスキームです。簡単に言えば、複数人でお金を出し合い、不動産の所有権を共有するのです。 個人では購入できないような高額な不動産でも、複数人で投資できれば購入が可能です。
一般的に高額な不動産の多くは都心部の優良不動産ですから、値崩れしにくく資産価値が高いです。 不動産小口化商品への投資は、小規模宅地等の特例が適用される対象になるものが多いため、おすすめできる節税対策のひとつといえます。

・ワンルームマンション購入で節税
賃貸用ワンルームマンションは、時価(市場での相場)と相続税評価額の差が大きく、相続税の節税効果が大きくなります。 例えば2000万円のマンションを区分購入すると、相続税の評価額はおよそ3分の1程度にまで下がるのです。 これは、区分所有によって土地を所有している権利が薄まるために起こる現象です。 資産を現金で保有しているときにくらべて、圧倒的に税金が安くなります。

路線価の高い都心に引っ越して節税
相続する財産をもとでに、郊外の自宅を売却して路線価が高い都心に引っ越すという方法も、節税効果が見込めます。 「小規模宅地の特例」では、土地面積が330平米までであれば、土地の評価額が実際の2割程度まで圧縮されます。 つまり、元の土地の値段が高いほど、節税効果が大きくなるのです。
例えば郊外の自宅の土地評価額が4000万円だとしましょう。このとき小規模宅地の特例によって評価額は800万円程度になり「-3200万円」です。 一方、郊外から都心に引っ越し、土地評価額が7000万円になると、評価額は1400万円になり「-5600万円」になります。

3 . 生命保険による相続税対策

相続税対策としては、生命保険を利用した方法もあります。手元にある現金や不動産を相続人に残すのではなく、生命保険の死亡保険金を相続人が受け取るのです。 不動産による節税対策とはスキームが異なりますが、非課税枠を利用できるなど、特有のメリットもあります。

3-1 . 生命保険で相続税対策をするメリット・デメリット

メリット

・生命保険の非課税枠を活用できる
生命保険の死亡保険金には、「遺された家族の生活を守る」という大切な役目が託されています。 そのため、一定の金額まで非課税なのです。具体的には「相続する人間の数×500万円」までが、控除対象になります。 この金額は相続税の課税対象にならず、相続税を軽減できるわけです。基礎控除に上積みすることで、かなりの額が控除できます。

・生前に準備しやすい
生命保険は、毎月一定額を支払います。そのため、自分が生きている間に少しずつ準備でき、少額からでも相続税対策が可能です。

・納税資金の確保としても活用できる
相続税は原則として、相続が発生してから10か月以内に支払わなくてはなりません。また、前述したように基本的には「現金納付」が主流です。 そのため、土地や建物のように評価額が大きい遺産を相続した場合、現金資産が不足する可能性があります。 このとき、死亡保険金が速やかに受け取り、生命保険の死亡保険金を相続税に充当できるというわけです。大切な土地や建物を売却しなくても現金が調達できるのは大きなメリットです。

デメリット

・税金が複雑
死亡保険金は、毎月の保険料を支払っていた人間と実際に受け取った人間の関係によって、税金の種類が変わります。
例えば、

1.夫が被保険者でかつ保険料を支払い、妻や子供が受け取るとき…相続税
2.夫が被保険者で妻が保険料を支払い、妻が受け取るとき…所得税
3.夫が被保険者で妻が保険料を支払い、子供が受け取るとき…贈与税

という具合です。つまり、相続税の対象にするのであれば、1のケースに該当させなくてはなりません。こういった仕組みの複雑さは、デメリットかもしれません。

・満期返戻金は非課税対象にならない
死亡保険金とは異なり、満期返戻金は相続税の計算から控除されません。混同しないように注意しましょう。

3-2 . 生命保険による相続税対策の具体例

例えば、配偶者がいない母親がなくなり、その子供3人に相続が発生したとします。 預貯金や不動産などの財産が合計4000万円で、生命保険の死亡保険金が2000万円です。

このとき、基礎控除分は4800万円で、残り1200万円が課税対象になります。 加えて、死亡保険金の控除が500万円×3=1500万円あるため、課税対象額はゼロです。

基礎控除と死亡保険金の控除を組み合わせれば、大幅な節税になることがわかりますね。

4 . 生前贈与による相続税対策

生きている間にあらかじめ相続人に財産を渡す生前贈与でも、節税は可能です。 ただし、贈与税の対象にならないよう、注意が必要です。

4-1 . 生前贈与で相続税対策をするメリット・デメリット

メリット

・暦年贈与による節税が可能
暦年贈与とは、毎年一定額までの贈与を非課税にする「暦年課税」を利用した贈与です。 相続人一人当たり、毎年110万円までの贈与であれば、贈与税はかかりません。 これを利用して生前に財産を複数人に分けていけば、相続税が大幅に減額できるというわけです。

・遺産を残す時期を選択できる
通常の相続では自分が死亡したタイミングで遺産が渡りますが、生前贈与ではこのタイミングを自由に調節できます。 そのため、資産の価格の上下に合わせて財産を渡し、節税しやすくなります。

・相続する相手を明確にできる
相続は「遺産分割協議」を経て行われるのが一般的です。そして、相続人の間でトラブルが起こりやすいのも、この遺産分割協議です。 一方、生前贈与では遺産を渡す相手を明確に指定できるため、後々のトラブルに発展しにくいというメリットがあります。

・用途を限定すれば非課税にできる
教育資金としてなら1500万円まで、住宅取得資金としてなら一定額が非課税になります。

・配偶者控除が利用できる
婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、居住用不動産やそれを取得するための資金については、最高2,000万円まで配偶者控除が認められます。 また、基礎控除110万円とは別に控除されます。

デメリット

・不動産の贈与は節税になりにくい
不動産の贈与には登録免許税不動産取得税が発生し、これを含めると節税になりにくいことに注意が必要です。

・税務署のチェックが厳しい
税務署は生前贈与に対してやや厳しくチェックする傾向にあります。いつ、だれが、どのような手段で贈与したのかはもちろん、贈与を証明する書類も準備しなくてはなりません。

・被相続人が死亡する直近3年以内は無効
財産を遺す本人が死亡した日からカウントして、直近3年以内の生前贈与は控除の対象になりません。 あらかじめ余裕をもって贈与しておく必要があります。とはいえ、いつ死亡するかを明確に知っている人間は非常に稀ですから、難しいですよね。

4-2 . 生前贈与による相続税対策の具体例

例えば、結婚して25年目の夫婦の間で、夫から妻へ住宅の購入費用として2000万円を贈与すると、基礎控除分の110万円と併せて合計2110万円に税金がかかりません。 ただし、これには申告が必要です。無申告のままでは非課税にならないので注意しましょう。

5 . 相続税対策をするときの注意点

では最後に、それぞれの相続税対策について、主な注意点をまとめます。

5-1 . 不動産による相続税対策の注意点

不動産は節税効果が大きいものの、投資額も相応に大きくなりがちです。 また、賃貸物件による節税では、将来的に賃貸の需要が発生し続ける場所か否かが重要です。 目の前の節税にとらわれるあまり、将来性のない物件に投資すると、節税以上の負債が残ってしまいます。

5-2 . 生命保険による相続税対策の注意点

生命保険では、「死亡保険金」と「満期返戻金」の扱いの違いに注意しましょう。満期返戻金は、非課税対象になりません。 また、被保険者、保険料の支払者、受取人の関係によって税金の種類が変わることも押さえておきましょう。

5-3 . 生前贈与による相続税対策の注意点

生前贈与では、税務署から指摘をうけたときの対策を考えておきましょう。特に「贈与した財産の管理をしないこと」「贈与した金額や日付がわかる記録を保存すること」は重要です。 この2つが揃っていなければ、税務署を説得するのが難しくなります。特に長年にわたって暦年贈与を行う場合は、通帳や記録の管理に注意してください。 単に子供や孫名義の通帳へ振り込み、自分で管理していると、脱税行為だと認識される可能性もあります。

5-4 . 特例や控除を理解する

今回紹介した相続税対策の大半が、何らかの特例や控除の恩恵を受けています。やや難しい部分もありますが、特例や控除は節税の肝だと考えてください。 もし理解しにくいようなら、税理士などの専門家へ相談するのもおすすめです。

6 . 早めの対策が絶大な節税効果を生む

節税対策は、生前から準備できるものばかりです。そのため、10年や20年先を見越しつつ、余裕を持った対策を心がけましょう。
また、不動産や生命保険、生前贈与など、法律や税の専門知識が絡むことが多いことも見逃せません。専門家からのサポートを有効活用したいところです。 信頼できる不動産会社やFP、税理士などへ相談しながら、相続税対策をすすめてみてはいかがでしょうか。

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