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社宅需要に復調の兆し!借り上げ社宅のメリットとデメリット

ゴンロク

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かつて日本企業の福利厚生の定番であった「借り上げ社宅」。
借り上げ社宅制度は、企業が社員に安定した生活環境を提供する福利厚生として普及しました。
この借り上げ社宅制度ですが、終身雇用制度の崩壊とともに鳴りを潜めていたものの、近年見直される兆しがあるようです。
今回は不動産投資の観点から、借り上げ社宅制度を考えてみます。

目次

1 . 社宅制度の変遷~再評価される社宅制度

日本の終身雇用を支える福利厚生の目玉でもあった社宅制度。 この社宅制度は大きく「社有社宅」と「借り上げ社宅」に分類されます。

1-1 . 社有社宅から借り上げ社宅へ

社有社宅は、社宅となる物件を企業自ら保有する方式です。
一方、借り上げ社宅は、企業が家主(オーナー)と賃貸契約を結び、借り上げた物件を社員に貸与する方式。 90年代は社有社宅が一般的でしたが、その後のバブル崩壊、経費削減の煽りを受けて社有社宅は減少しました。
特に社有社宅に対する減損会計の適用は、社有社宅を借り上げ社宅制度に移行させた契機と言えるでしょう。 2006年から提供が開始された減損会計では、企業が社宅として保有する物件が減損の対象資産となり、保有資産の目減り(減損損失)として計上されるようになったのです。
そのため、減損損失を計上しなくて済む借り上げ社宅に移行する企業が増えたのです。

1-2 . 採用難の時代に注目される借り上げ社宅制度

社宅制度が借り上げ社宅へ移行した後も、厳しい経済状況を反映するように、福利厚生の削減は続きました。 特にリーマンショック後の2000年代終盤は、社宅制度自体を廃止して住宅手当に切り替える企業が増えていきます。
しかし、ここ数年の危機的な人手不足・採用難から、採用率向上のため社宅制度を復活させる兆しがあります。
住まいに関する福利厚生は、労働力の確保と定着率向上に大きく貢献することが、その理由といえるでしょう。

1-3 . 人手不足対策として再評価「社宅を増やしたい」が2割増

レオパレス21が上場企業の人事総務担当者516人を対象に行った調査では、「社宅を増やしたい」と回答した企業担当者が20%を超えています。
人材不足の中で、少しでも求職者に労働環境の良さをアピールしたい企業が増えているようですね。
※参考:http://www.zenchin.com/news/20-11.php

2 . 借り上げ社宅として法人契約!そのメリットとデメリット

このように社宅制度は再評価される傾向にあり、今後は一括借り上げ社宅の需要も増えると予想されます。 そこで、不動産オーナーの視点から、一括借り上げ社宅として法人契約を結ぶメリットとデメリットを考えてみましょう。

2-1 . 借り上げ社宅(法人契約)のメリット

家賃滞納リスクが低い

契約する企業の規模にもよりますが、一般的に借り上げ社宅は個人契約よりも家賃滞納リスクが低いといえます。 企業としては借り上げ社宅の賃料が経費となって節税効果を発揮することから、家賃を支払い続けるメリットがあるからです。
個人契約よりも「家賃を払うメリット」が大きいといえるでしょう。 また、大手企業であれば資本力や信用力も大きく、安心感が増します。

空室リスクや入居審査の手間が減る

一括借り上げ社宅として法人契約を結べば、空室を気にしたり、入居者ごとに属性を審査したりといった点が減ります。 特に入居審査は、一定の収入、身分が保証されているという前提があることから、個人契約よりも楽になるでしょう。

2-2 . 借り上げ社宅(法人契約)のデメリット

長期の入居が期待できない場合がある

一括借り上げではなく、部屋単位での借り上げ社宅の場合、社員の異動や転勤によって賃貸契約が終了してしまいます。 そのため、個人契約と比べて入居期間が短くなる可能性があります。

敷金精算や修繕費のトラブルが発生する可能性

通常の借り上げ社宅であれば、入居時の敷金及び礼金は企業側が負担します。 しかし、入居中に部屋の設備を故障させたり、タバコのヤニによるクロス張替えが発生したりといったケースでは、入居している社員個人がその費用を負担することもあります。 修繕費やクリーニング費用などの取り扱いは、企業側の規定によるため、誰が支払うのかはケースバイケースといえるでしょう。
そのため「企業が支払うのか社員が支払うのか」で揉めることがあります。
契約時にしっかりと整理して、必要であれば別途書類を作成しておきましょう。

連帯保証人の信用力が低いことも

法人契約とはいえ、設立して間もない法人や極端に規模の小さい法人であれば、信用力は個人と大差ありません。 例えば、契約する企業の代表が連帯保証人となっていても、保証能力が担保されない可能性があるのです。 必要に応じて、入居者側からも連帯保証人を用意してもらうなどの対応が必要です。

3 . 「法人契約」に飛びつかず総合的な判断を

今後増えていくと予想される借り上げ社宅需要ですが、個人契約よりも安定性が高く、賃貸経営の手間が減る一方、いくつかの注意点もあります。 特に修繕や退去時の精算、連帯保証人の保証能力については個人契約同様に対策が必要となるしょう。
しかし、これらをクリアできれば魅力的な契約形態になる可能性は高そうです。
契約の相手方となる企業の規模や業績、業態などを総合的に判断し、適切な対応を心がけていきたいものですね。

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