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シェアハウス経営のメリットとデメリット、経営に必要なノウハウなどをご紹介

長嶋 シゲル

長嶋 シゲル

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不動産投資を行う上で、収益性を高めるために今注目を集めている手法の一つにシェアハウスがあります。シェアハウスの市場は年々拡大を続けており、若者の部屋探しの選択肢として一般的になってきています。
また、様々な独自性やコンセプトを持った物件も多く、工夫次第で入居者を集めることもできます。そこでシェアハウスを始めるために何が必要なのか、そしてどうしたら失敗せずに経営できるのかを、お伝えしていきます。

目次

1 . シェアハウス経営とは

まずシェアハウスが普通のアパートやマンションと何が違うのか、その基本的なところを知っておきましょう。

1-1 . シェアハウスとは

シェアハウスは賃貸住宅の形式の一つです。ただしマンションやアパートなどがそれぞれの部屋ごとに賃貸契約を結ぶのに対し、“シェア”という名称のとおり、一つの家を複数の人間でシェアして住むという点が、一般的な賃貸マンションなどとの違いになります。

個室をまるごと賃貸する賃貸マンションやアパートでは、昔は共同トイレや共同風呂も多くありましたが、現在ではそれぞれの部屋にキッチンや洗面所、風呂にトイレが設けられているものが一般的になっています。

一方で、シェアハウスの場合はリビング・ダイニング・キッチンを共有スペースとし、食事の調理などを共同の場所で行うことで、住人同士の交流を図りながら、経営側はコストダウンができます。風呂やトイレも共同設備になっており、個別の設備投資を抑えていく代わりに、共有設備の充実を図っているのです。

もちろん住人にはそれぞれに個室も与えられるので、プライベートとコミュニケーションの両立を図れる住居形態となっているのが大きな特徴です。
各入居者の個室ごとに家賃は発生しますが、部屋の大きさによって家賃にも傾斜をつけていくケースが多いです。

1-2 . ルームシェアとシェアハウスの違い

シェアハウスと似たような賃貸契約の一つにルームシェアがあります。ルームシェアとシェアハウスの違いは一体どういったものでしょうか。

ルームシェアは、一つの物件を契約し、その物件の中に複数人で住むことを指します。家賃は住人それぞれが折半し、二人や三人で2 DK や3 DK の部屋をシェアしていくのです。一つの部屋で共同生活を送ることになるので、元々の知人や友人である人間同士がシェアして契約することが多いです。結婚前提のカップルが大きな部屋を借りて住むことも、ルームシェアの一つといえます。

ルームシェアは、通常契約する人数は住人の中から一人になります。どの住人を契約上の賃借人とするか、また何人で住むのかという点は、賃借人が任意で決めることができます。

契約の際に、予め何人で住むかということを伝えておいた方がトラブルを防げますが、なし崩し的に途中から入居者が増えて結果的なルームシェアになるということもあります 一軒家や3 DK などの大型の部屋は、複数人で住むことを前提としているので、物件情報にもルームシェアOKという記述があり、ルームシェアを許可しているといった情報が書かれていることも多いです。

1-3 . シェアハウスの特徴

ルームシェアは契約する人間が一人ながらも、複数人で住む形態になっていましたが、シェアハウスの場合は住人それぞれと個別賃貸借契約を結びます。

個室は各入居者のプライベートスペースになりますが、リビングや風呂、トイレなどは共同で使用していきます。また、空き部屋が出た場合には住民の紹介から新しい住人が決まることもありますが、基本的には大家がウェブサイトなどに募集を出して、新しい住人を入れていきます。

そのため、入居者同士が知り合いというケースはそれほど多くなく、まったく面識のない赤の他人同士が同じ建物の中で生活をすることになります。それだけに人間関係や、各入居者の個室内の持ち物の管理などにも気を使わなければいけません。

また、賃貸借契約も個別に行うために、入居に関する手続きをこなす回数も多く、管理や契約がやや煩雑になってきます。

1-4 . シェアハウスの種類

シェアハウスと一口に言っても、ターゲットや設備、目的などで色々な種類のものがあります。普通のアパートやマンションに比べれば、共有部分に特色を出して運営をしているものが多いです。

シェアハウスに住むという人には、ただ単に住居に関する費用を抑えたいだけではなく、共同空間で生活すること自体を目的としている人もいます。例えば、同じような仕事をしている人が住むシェアハウスに入ることでコミュニティーを形成し、人脈を広げる、クリエイター同士が同じ屋根の下で生活をすることで、お互いに刺激を与え合う。また趣味が同じ人が仲間を見つけるためにシェアハウスに住むということもあります。

そういった、住居以外の用途を目的としてシェアハウスを選ぶ人も多いため、シェアハウスを運営し利益を出して行きたいのであれば、他の競合物件との差別化を図るためにコンセプトや形成されるコミュニティーの種類を決めて運営していくことになります。

どんなコンセプトにするかは大家が決めることになりますが、それぞれ必要な設備なども違ってくるので、シェアハウスの運営や管理を行っているコーディネート業者に相談しながら決めていくことになるでしょう。

1-5 . 住居目的のシェアハウスの種類

住居目的のシェアハウスの場合は、男性限定、女性限定など性別を絞ったものが多くなっています。なぜ性別を限定するかと言うと、男女混合の場合は恋愛関係や人間関係のトラブルが発生しやすく、また各入居者のプライベートスペースでの関わりなど、色々な問題が起きやすいからです。

風紀的な問題が起こることも多く、大家としては頭を悩ませることが多くなるでしょう。テレビ番組などで男女混合のシェアハウスが取り上げられることも多いですが、実際の運営では入居者の出入りも激しくなってしまい、特に不動産投資の初心者にとってはそう簡単にお勧めできるものではありません。うまく運営できないと、収益性が一般のアパート以下になってしまうこともあります。

住居目的のシェアハウスで比較的需要が多いのが、住人を女性に限定した、女性限定物件です。女性は男性に比べてプライバシーを気にすることが多く、他人との距離感に気を配る必要があります。 一人暮らしが初めてという人は、一人暮らしに対する不安が大きいので、他の人との共同生活の中でも、異性と同じ空間で暮らすことに対して抵抗を持つ人も多くいます。

そういった、一人暮らし願望は強いけれども、異性と生活をするのは不安があるといった女性にとって、ニーズを満たしてくれるのが女性限定のシェアハウスです。もちろん女性同士ならではのトラブルというものもありがますが、風紀的な問題が発生することは少ないです。

一方、男性限定物件というものはそれほど多くありません。男性は女性ほどプライバシー空間の心配や一人暮らしに対する不安というものも少ないので、あまり周りの住人を気にすることもありません。シェアハウスで生活をしたいという人は、ただ単純に家賃が安いから、知り合いを作れるからといった動機が多くなっています。

男性は同じ空間に女性がいてもそれほど気にしないために、男性限定物件に対してメリットを感じることがあまりないのです。むしろ異性との共同生活を望む人もいるほどです。

1-6 . ある特定の共通の目的の人だけのシェアハウス

シェアハウスの中には、特定の目的を持った人だけのシェアというものもあります。有名なものでは漫画家を目指す若者を集めたシェアハウスです

かつて手塚治虫や藤子不二雄などの有名な漫画家が住んでいたトキワ荘というアパートがありましたが、それを模した、トキワ荘プロジェクトというシェアハウスもあるのです。ここでは漫画家が共同生活を送ることで、互いのアシスタントをしたり、刺激を与え合うことで切磋琢磨しています。

その他にもプロゲーマー志望者だけを集めたシェアハウスや、 IT関係のクリエイターを集めたシェアハウスもあります。こういった、目的を同じくする人を集めたシェアハウスの種類は非常に多岐にわたっており、起業意識を持った若者が、人脈を広げるために同じような目的を持った人間と生活空間を同じくすることもあります。

芸術関係の仕事に就きたい人や、建築関係の仕事を目指す人などを対象としたシェアハウスもあります。こういった将来同じ目的を持つ人間がひとつの空間に集まれば、互いに仕事を手伝ってもらったり、紹介しあったりすることもできます。

さらに、シェアハウス内に仕事の資料部屋を設けておいたり、打ち合わせのための部屋を設けたり、高価な資材や設備をおいた作業ルームなどを作ったりなど、仕事のための部屋作りにこだわったものもあります。人脈を広げる、仕事探しをする、そして仕事をするといった面で役立つものになっています。それだけに利用者にとってもメリットが大きく、利用される機会が多いのです。

その他にも、職業関係だけではなく、敷地内で農業体験ができるシェアハウス、なかなか住居費用にお金をかけられない上に、子供の面倒を見てもらうことが難しいシングルマザー向けのシェアハウスなどもあります。シングルマザー向けのシェアハウスは、互いの不在時にそれぞれの子供の見ても面倒を見てもらうことができるというメリットもあります。 視野を広げると、外国人や留学生と言った人々をターゲットにしたシェアハウスなどもあり、その可能性はまさに無限大とも言えるのです。

1-7 . シェアハウスの経営方法は3つ

シェアハウスを経営する方法としては、以下の3つが主に考えられます。

管理を業者に委託

まずは物件を購入し、その大家として経営しながら管理は完全に業者をするという方向です。シェアハウスを所有しながら、できれば経営を手間も掛けずに行っていきたいという人向けの方法です。

シェアハウスに向いた専用物件や一戸建てを購入、賃借し、それをシェアハウスにリフォームします。そしてシェアハウスを入居者に賃借していきます。物件の管理や募集などは管理会社に委託することになるので、維持費用はかかりますが、自分の作業の手間を大幅に減らすことができます。

必要となる費用としては、物件の購入費用、家賃、さらに管理業務の委託費用です。物件を購入したり、賃借してリフォームしたりするため、ハードルは高くリスクも伴いますが、経営に成功した時の収入も大きいです。

オーナーになり、管理も自分で行う

次のケースは、シェアハウスのオーナーになり管理も自分で行うという方法になります。シェアハウス専用物件や一戸建てを購入する、もしくはシェアハウス向きの物件を賃貸で借ります。そしてシェアハウス用にリフォームし、入居者を募集して貸していくのは上のパターンと変わりません。

大きく違うのは、物件の管理を全部自分で行うことです。シェアハウスの管理や運営は一般的な賃貸物件よりも独自のノウハウが必要になり、自己管理を行うとなると非常に大きな手間がかかります。その代わりに、管理業務の委託費用は発生しませんので、上のケースよりもさらに利益を大きくすることが可能です。

管理業務を自分で行うということは、入居者と直接自分でやり取りをすることになります。入居者とのコミュニケーションに不安がない、むしろコミュニケーションを取ることが好きな人向きと言えるでしょう。あまり入居者と接触をしたくないという人には向いていません。

オーナーから委託を受けて管理運営を行う

最後はシェアハウスのオーナーから管理運営を受託するという方法です。自分で物件を所有しないので購入費用や初期投資費用がかかりません 。管理運営に関しては業務を委託して自分で行うことになるので、ノウハウや知識を有している必要もありますし、入居者とのやり取りの機会も増えます。

オーナーと綿密な連絡を取り合い、信頼関係を築くことも必要ですし、もちろん入居者からの信頼も得なくてはいけません。シェアハウスを所有するわけではないので、収益性も高くなく、実質的には不動産管理業務を行っているのと同じことになります。

厳密には不動産投資という仕事には当てはまらないかもしれませんが、管理運営の経験を積んでいくことで、将来的なシェアハウス運営のノウハウを身につけられるというメリットもあります。

2 . シェアハウス経営のメリット

ここまでシェアハウスの概要を見てきましたが、不動産投資において重要なのは、どれほどの利益が確保できるかということです。では、シェアハウスを経営することでどんなメリットがあるのかそれを見ていきましょう。

2-1 . 空室リスクを抑えることが可能

シェアハウスの大きなメリットとして、空室リスクを抑えることができるという点が挙げられます。シェアハウスは一棟の物件を分割し、複数の入居者に細かく賃貸することが多いので、一人当たりの家賃は安いですが、その分丸々一棟を個人に貸すよりも、退出が発生したときのダメージを抑えることができます。

例えば一軒家を20万円で貸していたとしても、そこから退出が出てしまえば、次の住人が見つかるまでずっと20万円の損失が発生してしまいます。しかし、その一軒家を家賃4万円、5部屋で貸していた場合、一人退去が出たとしても家賃の損失は4万円のみになります。

一気に家賃収入がゼロになってしまうというのは、不動産経営において非常に大きなリスクになります。シェアハウス経営を行うことで家賃収入の減少リスクを抑えることができれば、経営も安定します。

2-2 . 総収入が上がる

また、シェアハウス経営を行うことで、物件の総収入を上げることもできます。一棟まるまる賃貸に出すとしても、設定できる家賃は周囲の相場を見ながら決めていくので、自ずと上限は決まってきます。しかし、シェアハウス経営の場合は個室ごとに賃貸に出すことができるので、個室が多い建物であれば、それだけ家賃収入を増やすことが可能です。

4LDKの家を4人家族に貸しても15万円程度の収入ですが、4室それぞれ入居者を入れれて5万円で貸せば4×5=20万円の収入になります。またリノベーションをして設備を充実させて、それを付加価値として家賃アップを図ることもできます。

また、共同住宅にかかる費用を見ると、アパートやマンション経営は個室ごとに風呂やトイレなどがあるので設備の管理費がかかりますし、自分で建てる場合にはそれだけ建築費もかかります。シェアハウスは共同設備が多いので、初期投資及びランニングコストの面でも有利になっています 。

住人にとっては共同設備を使わなければいけないという面がありますが、元々シェアハウスで生活をしたいという人はそういった部分は承知しておりますし、同じ六畳の部屋を借りるにしてもアパートの場合はその中に風呂やキッチンなどの設備が含まれるので、生活に使えるスペースは狭くなります。しかし、シェアハウスであれば六畳をまるまる生活スペースに使えるので、個人のスペースを十分に確保することもできます。

2-3 . 多目的のニーズに対応可能しているため、入居者が集まりやすい

シェアハウスは多用途のニーズに対応することができるのもメリットです。例えば長く生活をするために借りるのではなく、旅行や出張などの一時的な宿泊場所として貸し出すということもあります。そういったフレキシブルな運用にも対応しやすいのです。

また、シェアハウスは一般的には初期費用を安めに設定することが多いので、アパートなどを借りるための初期費用を用意できない人、保証人を用意できない人や審査で落ちた人など、金銭的に何かしらのトラブルがあった人が利用できるというメリットもあります。 外国人や職業が安定していない人、非正規雇用や日雇いで働く人などでも、気軽に入居できるのがシェアハウスなのです。

2-4 . 立地に左右されにくい

シェアハウスは立地や築年数に左右されにくいというメリットもあります。普通のアパートやマンションは、立地面や築年数などのスペックを重視した部屋選びをする人が多いですが、シェアハウスはオンリーワンである特徴を持つものも多いので、スペック面以外の特徴で、「その物件に住む理由」を提供できます。

築古で駅から離れた場所にある格安の物件を購入し、リフォームなどで再生して収益性の高いシェアハウスにすることもできるのです。

3 . シェアハウス経営のデメリット・問題点

一方で、シェアハウス経営にも当然デメリットや問題点があります。特に管理関係運営面では一般的な賃貸物件経営よりも手間がかかるということは覚えておきましょう。

3-1 . シェアハウスのデメリット

シェアハウスのデメリットとしてまず挙げられるのが、管理の大変さです。戸建をまるまる貸す場合契約するのは一人(一世帯)だけになりますが、シェアハウスになると複数人との契約になるので、その手間が5倍にも6倍にもなります。

また、シェアハウスは家電などもそれぞれの部屋に備え付けになるので、設備の故障が発生する可能性も高くなります。普通は家電などは入居者の持ち込みなので、特に大家が故障の修理などをする必要が無いのですが、シェアハウスの場合は家電や設備は大家の所有物になるのでその修理対応が必要になります。

そして、シェアハウス経営をする上で避けては通れないのが住人同士のクレーム対応です。 10代、20代の若い住人が多く住むシェアハウスでは、どうしても恋愛やプライバシー関係のことなどでの衝突が発生する可能性があります。その対応も大家がしなくてはいけないというケースもあります。人間関係のトラブルの仲介に入った場合、どちらの肩を持つのか、そういった部分で精神的な負担が増えることもありまし、シェアハウスから発生した騒音トラブルなども対応しなくてはいけません。

あまりにもトラブル発生が多い時には、定期借家契約を結ぶことを考えましょう。定期借家契約は、半年や一年など、期限を決めて契約する方式になっています。普通の賃貸物件では2年ごとの契約が一般的ですが、シェアハウスは短期で出て行く人も多いため、半年や一年での定期借家契約が多くなっています。定期借家契約を導入しておけば、トラブルを起こすことの多い住人に対し、契約が切れる時点で退去してもらうことが可能です。

シェアハウスは、どうしても普通のマンションやアパートよりもターゲットが限定的になってしまうケースもあります。普通のマンションやアパートであれば、若い人だけではなく30代40代、そして高齢者も住人として想定することができます。

しかし、シェアハウスに住みたいという人は、大半が10代、20代の単身者であったり、外国人や低収入の人が多くなってしまうので、住人の属性も良好とはいえません。狭いターゲットに訴求する力を持つシェアハウスを作ることはメリットにもなりますが、逆に幅広い層をターゲットとしたシェアハウスを作るのは難しいのです。

収益性も高い代わりに、管理費用も高くなっています。一般的なマンションやアパートの管理会社へ支払う手数料は家賃の5%となっていますが、シェアハウスの場合は管理の手間も一般の物件よりも大きいので、管理費用は家賃収入の20%前後が相場となっています。

これはマンションなどの約4倍にも相当する数字であり、収益性を大きく圧迫するものになります。もちろん自分が住み込みで管理をすれば、この管理費用も軽減することはできますが、その分負担が増えるので、どちらを選択するかは悩ましいと言えるでしょう。 逆に資金的な余裕があれば、管理をまるまる委託してしまったほうが良いです。非常に収益性が高く、空室もほとんど発生しない物件を所有しているのであれば、将来的には管理委託を行って、二棟目、三棟目の運営に乗り出してみるのも良いでしょう。

4 . シェアハウス経営の始め方

メリットとデメリットを理解したところで実際にシェアハウスの経営を始めるにはまずどうやって行けばいいのかと、気になる人も多いでしょう。そこで、具体的なシェアハウス経営の手順を見てみましょう。

4-1 . シェアハウス経営に必要な資格

シェアハウス経営には特に資格などは必要ありません。普通の不動産賃貸業と同じで、自己の所有する物件を不動産屋などに依頼し、賃貸に出すだけで大丈夫です。もちろん利益が発生した場合は確定申告など行わなければいけませんが、専門の資格等は特に必要ありません。 ただし、宅地建物取引士やマンション管理士などの資格があれば、物件の運営において役立つことも多々あるでしょう。

4-2 . シェアハウス経営の初期費用

物件を購入する場合

シェアハウスを始める際には、まず物件を用意しなければいけません。物件をどのように用意するかで、最初のハードルとなる資金面が変わってきます。まず、全く物件を持っておらず、新たに物件を購入するケースを考えてみましょう。

物件がないので、シェアハウス用の物件を購入するか、戸建を購入して改装しなければいけません。戸建ての場合はローンを契約して購入することになります。 融資の難易度ですが、シェアハウスはまだまだ一般的な投資物件として認知度が高いとは言えないため、簡単に融資を受けることはできません。そのため面談を申し込んで、説明資料を作成したり、色々な金融機関に融資の申請をするといったことが必要になります。

アパートローンなどと違って、シェアハウス専用のローンを融資している金融機関はまずありません。またシェアハウスそのものを中古で購入できれば、まだ融資も受けやすいのですが、改装してシェアハウスにする場合は購入する物件も築年数が経ったものになります。そうすると、どうしても担保としての価値が低い物件が多くなるのです。築年数が古い物件は、費用が安い代わりに、融資が受けづらくなることも把握しておきましょう。

アパートローンの利用が難しい場合、住宅ローンなら収入が安定していれば個人で融資を申し込んでも、審査がおりる可能性は高くなります。その場合は、シェアハウスに自分も住所を移して住まなければいけないので、家族がある人は少しハードルが高くなるかもしれません。

しかし、住宅ローンアパートローンよりも金利が安いというメリットもありますし、返済期間を長くすることもできます。ただし、注意点として、自分用の居住面積を一定部分取らなければいけないという点があります。あくまでも住宅ローンは、個人が住宅を取得するために利用できる低金利のローンです。投資用のためではないので、自宅用の面積を最低30%は覚悟しないといけません。シェアハウスとして賃貸に出せる面積が減ってしまうので、やや収益性が低くなるというデメリットはあります。

ただ、自宅と場所を同一にしているので管理もしやすくなり、管理費用を軽減することで収益性を高めることもできます。融資を受ける金融機関も、ネットバンクやメガバンク信用金庫など、色々な所から融資を受けられますし、建物の属性が長期優良住宅など良好なものであれば、35年固定金利のフラット35を利用できることもあります。

住宅ローンの場合は頭金と購入の諸費用として、物件価格の3割程度の自己資金は用意しておかないと、有利な条件で融資を受けられないこともあります。

物件を賃貸で用意する場合

物件を賃貸で用意する場合は、その戸建ての用途としてシェアハウスに使っていいのかという許可を取る必要もあります。
初期費用で必要になるものというと、敷金が挙げられます。そして事業用に利用するわけですから、単純に戸建てを借りるよりも、初期費用が高額になります。シェアハウスを経営する前にはリノベーションが必須なので、退去時に現状回復義務があるかどうかはしっかりと確認しておきましょう。できれば敷金のみの負担で、原状回復義務がない物件を選ぶべきです。

敷金原状回復のための費用以外に用意しなければいけない初期費用では、前家賃があります。これは、契約開始日から次回の家賃発生日までの日割の家賃が1ヶ月未満で発生するというものです。

礼金があればその負担が1~2ヶ月。敷金は家賃2ヶ月程度。不動産業者に支払う仲介手数料1ヶ月分も必要です。合計で家賃6ヶ月分ほどは見積もっておきましょう。

初期費用的には、ローンを組んで自分で購入する方がはるかに高額になりますが、毎月のランニングコストで見れば、賃貸でシェアハウスを調達するほうが、家賃が高額になるケースが多いです。

リノベーション用の費用

賃貸、購入にかかわらず、普通の戸建てやアパートを改装し、シェアハウスにする時にはリフォームやリノベーションの費用も必要になってきます。間取りから変えてしまう場合はリフォームではなくリノベーションになるので、かなり大掛かりな施工が必要です。単純にクロスやフロアを交換するだけのリフォームであれば、費用は物件購入費の10%~15%で済みますが、間取りを変えてシェアハウスに適した物件にするためのリノベーションは、物件購入価格の20%ほどになることも多いです。

最初からシェアハウス用の物件を所有している場合

すでにシェアハウス専用の物件を所有していたら、その場合はスムーズに始めることが可能です。改装なども特にせずに、壁紙の交換やクリーニング、一部の設備投資をするだけでも始められるでしょう。その場合は始めるための資金が数十万円で済むこともあります。

シェアハウスの設備

物件を用意できたら、次に考えなくてはいけないのは設備面です。住人の ターゲットを決めて、リフォームやリノベーションを行うことを工務店やサポート業者に打診します。シェアハウスを専門としている業者にプランニングから任せても良いでしょう。リフォームでも坪当たり20万~30万円ほどの費用がかかりますが、改装だけではなく、設備を整える必要もあります。

共用部分の設備

入居者全員が使用する共用部分になにがあるかというと、まずはリビングです。リビングはソファーなどを置いて入居者が一度に集まれる程度の広さは確保しておきましょう。食事をするダイニングも、できればテーブルと全員分の椅子があるのが好ましいです。定期的にシェアハウス内でイベントを行ったりパーティーをしたりする場所にもなるので、設備と広さには手を抜かないようにします。

キッチンも2、3人で同時に作業できるほどの設備を整えておきましょう。ガスコンロは調理がしやすく高火力で便利ですが、料理に不慣れな人が使うと、火災リスクがあります。そのためにシェアハウスの場合は、コンロよりも IH ヒーターを導入しておきましょう。その他には大型の炊飯器や冷蔵庫も必須ですし、電子レンジもまとめて多くの調理をできるものが好ましいでしょう。オーブンやホームベーカリーなどがあれば、シェアハウス内での共同調理イベントなどに活用できます。

風呂は物件の規模にもよりますが、ひとつしか用意できない場合は、シャワールームなどを増設します。そうすれば、夜間に二人同時に利用することができて便利です。また脱衣場は必ず鍵をかけられるようにしておきましょう。

トイレは朝など人が集中する時間があるので、必ず複数用意します。2階建ての戸建てを購入すれば、トイレは二つ付いていることが多いので、物件購入時に設備面をチェックしましょう。後付工事をすると、排水管を引く上にトイレ部屋を間取り改装で設置するので、そこだけで100万円以上かかってしまいます。

各入居者の個室に対してどれほどの設備を置くかは、シェアハウスによって異なりますが、テレビやエアコンなどの家具家電備え付け物件は、入居者にとっても初期費用が必要ないということで、人気が高いです。大家にとっては、初期費用がかかることになり負担になりますが、設備が充実していればそれだけ家賃を高くすることも可能です。

日常的に利用する設備として、洗面所、洗濯機、乾燥機、掃除機、さらには各入居者用のポストも必要になってきますし、その他にターゲットを設定しているシェアハウスの場合は仕事用スペースや交流用スペースに更に設備投資も必要になってきます。

とにかく設備には手を抜かないようにしましょう。質の良いシェアハウスは必ず入居者が入ってくれます。特にセキュリティ面で安心できないシェアハウスは、住んでから数日で人がいつの間にかいなくなってしまうこともあります。シェアハウスは評判を見てから入居を決める人も多いので、セキュリティ性を高くすることは評判を高めることになり、入居者もスムーズに決まります。退去も減ることで収入を安定させられるメリットもあります。

各入居者の部屋用の設備

家具家電以外に、各入居者用の部屋の設備として必要なのは、クローゼットやインターネット接続用の端子、そして机や椅子、ベッドなどになります。布団は入居者各自が自分で購入して持ち込むケースが一般的です。入居者が決まり次第、こういった家具や家電を購入していきましょう。

各入居者の部屋として提供する個室は、快適性から見ても最低でも四畳半、広いものでは8畳程度を用意してあげると良いでしょう。三畳など狭い部屋では家具を置くこともできず、生活のクオリティも下がってしまいます。

そして設備と同様に重要なのがセキュリティ面です。顔も知らない人間と同じ屋根の下で生活をするということは、盗難などの犯罪リスクも高くなってしまいます。盗難が起きれば入居者にとって損害になるだけではなく、オーナーにとっても大きなリスクになりますし、 盗難が多いという噂が立ってしまうと後々悪評が広まって客付けにも苦労することになります。

部屋の鍵は、一般的にはシリンダーキーですが、シリンダーキーの場合、合鍵を作るのがシェアハウスという物件の特性上非常に簡単できてしまいますし、他の入居者がシェアハウスにいなければ、ピッキングもできてしまいます。

ピッキングを防ぐため、費用はかかりますが簡単に合鍵を作ることができないカードキーや電子キーをそれぞれの部屋に設置するようにしましょう。シェアハウスに住みたいという人の中には、防犯面の不安で住めないという人もいます。防犯性の高いシェアハウスであるということは物件として非常に大きなアピールポイントになります。

4-3 . シェアハウス物件の準備に不安がある場合は

個人でシェアハウス用の融資を受けるのが難しいという場合には、シェアハウスのコーディネート会社を利用することを検討しましょう。コーディネート会社ならば融資を受けるためのノウハウを熟知していますし、提携の金融機関経由であれば融資を受けられる可能性もぐっと高まります。コーディネート会社の信用を利用できるので、個人で融資を受けるよりも金額、返済期間などの条件も良くなるのです。

シェアハウス経営の初心者であればあるほど、コーディネート会社を利用した方がスムーズにシェアハウス経営を始められます。 コーディネート会社は融資の斡旋やアドバイスだけではなく、シェアハウス物件の開始から運営までの全面的なサポートを行ってくれます。シェアハウス経営の肝ともなる、プランニングやリノベーションに関してもアドバイスを受けられ、施工会社も紹介してくれるので、自分の手間を省きつつ、入居率の高いシェアハウスを作り上げていくことができるでしょう。

プランニングの順番としては、まず性別や年齢層などのターゲットを定めます。物件の周辺エリアにどんな年代の人が多いかなどを、きちんと把握して決めていきます。ターゲットによって共用設備を充実させた方がいいのか、セキュリティをしっかりさせた方が良いのか、といった設備面の投資額も変わっていくのです。 また、物件探しに時間を取れない、どんな場所や物件を購入すればよいのかわからないという人には、シェアハウスに適した物件を探しも行ってくれます。シェアハウスが完成した後には物件情報を掲載するサイトの斡旋や、コーディネート会社の運営するサイトでの情報掲載などの広告宣伝活動まで行ってくれます。

物件の紹介から入居者募集まで、シェアハウス経営に関する全ての工程をサポートしてもらえて、初心者でも集客力と収益性を両立した物件を所有できることが、コーディネート会社を利用する最大のメリットです。もちろんコーディネート料は発生してきますが、ノウハウのない人間が一からプランニングや経営を始めるよりも、きっと物件として魅力のあるシェアハウスを作り上げてくれるでしょう。

5 . シェアハウス経営の始め方

物件を準備し、内装や設備を整えたところで、経営を始めるにはどうしたらいいでしょうか。

まずシェアハウスを運営するにあたり、仲介業者と契約するのかを決めます。仲介業者を介することで、大家としては入居者が集めやすくなるメリットがあるのですが、入居者にとっては敷金礼金仲介手数料などが発生するので初期費用がかかるとデメリットがあります。

シェアハウスに住みたいと考える人はコスト面を重視している人が多く、また物件や住人の好みが合わない場合は、どんどん転居をしていく人もいます。そのため初期費用がかさみがちなシェアハウスは敬遠されます。敷金を最低限にとどめたり、退去時にクリーニング代として徴収するようにしたり、礼金を取らずに、仲介手数料はオーナーの負担にするなど初期費用を軽減するための取り組みが必要でしょう

一般の不動産情報サイトに掲載するのではなく、シェアハウスはシェアハウス専門の情報サイトに情報を掲載しましょう。こういったサイトへの掲載もコーディネート業者に代行してもらうことができます。

5-1 . 管理を自分で行うかの判断

管理を自分で行うか、全面委託するかの選択も重要です。自分で管理する場合は、収入の20%にもなる委託管理費がなくなるので、収益性の面では大きく上昇します。しかし、住人間のトラブル対応をしたり、掃除や修理などの作業をしたり、業者の手配も全て自分で行わなければいけません。

自宅の近くにシェアハウスがあるケースや、自分もシェアハウスに住んでいるという人であれば自己管理をしても比較的負担は少ないので、自己管理に乗り出しても良いのでしょう。特に家から遠距離にシェアハウスがある場合は、業者に管理を全面的に委託してしまった方が無難です。

大家が同じ建物内に住んでいることを好ましく思う人もいますし、抵抗を感じる人もいます。各入居者の好みに依存してきますが、仕事や趣味の仲間を求めるシェアハウスであれば、大家も入居者に受け入れられる可能性が高くなります。自分が興味のあることを実現できるシェアハウスのほうが、何かと経営もしやすいものです。

5-2 . 大家としての責務

シェアハウスの大家としての責務ですが、定期的に行わなければいけない重要な業務が共用部分の管理です。キッチンやリビングが常に清潔に保たれているか、ゴミ出しなどはしっかり行われているかなどはしっかりと数日おきに確認し、時には自分で手を動かしましょう。

また管理運営のためのルール決めも重要です。誰がゴミ出しを何曜日に担当するのか、この部分は誰が掃除をするのか、何時以降は音を立てないようにするのか、友人の連れ込みはどうするのかといった細かいルールを最初に設定しておきましょう。

シェアハウスはこれまで同じ屋根の下で生活をしたことない人間が、多数で共同生活をする場所です。それだけにルールは厳密に決めておかないと、トラブルが発生する可能性が高くなります。必ずルールを設定し入居者全員に周知しましょう。新しい入居者が入った場合は、既存の住人に紹介の場を設けて、ルールの周知も同時に行うようにします。

オーナーは2、3日に一度は定期的に訪問し、掃除を行って入居者との会話の場を持ち情報収集に努めるようにしましょう。

6 . 自分のアイデアで、属性の弱点をカバーできるのがシェアハウスのメリット

シェアハウス経営の最大のメリットは、築古で競争力の無くなった物件を再生し、高収益の物件に生まれ変わらせることができるという点です。

駅から遠い、古い、木造など決して良い属性とはいえない物件でも、ターゲットを設定し、他にはない設備投資などで差別化を図れば、十分魅力的な物件にすることができます。こういった家を作りたい、家以上の付加価値をもたせたいなど、アイデアはあるのに資金的に難しいという人でも、比較的低価格で物件運営を始められます。

ぜひ豊富なアイデアがあるという人は、マンションやアパートよりも創造的な可能性を盛り込むことができる、シェアハウス投資を始めてみてはいかがでしょうか。

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