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おすすめの引っ越し時期はいつ?

ファイコロジスト 山田

ファイコロジスト 山田

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引っ越しは一大イベントです。新居を探す基準は賃料や住環境、交通の便利さなど人それぞれ。何度も内覧するものの納得いく物件が見つからず、大変な思いをすることもあるでしょう。物件の数や家賃は、探す時期によっても変わります。タイミングは必ずしも自由に決められるとは限りません。進学や就職、転勤、結婚など理由はさまざまだからです。ただ、少しずらすだけでも有利な条件で見つかることがあります。これから引っ越しの計画を考えている人は参考にしてください。

目次

1 . おすすめの引っ越しの時期

部屋探しをはじめるベストタイミングは、人の動きを先取りすることによってはかります。引っ越しする人が多ければ、それだけ空き物件も増えます。その前から準備にとりかかりましょう。

1-1 . 1月

総務省「住民基本台帳人口移動報告」よりデータを参照、筆者作成

グラフは国内における1ヶ月ごとの移動者(都道府県内・外含む)の数です。3月と4月が圧倒的に多いのがわかります。過去7年間で年度によるバラツキはほとんどありません。他の月で比較的多いのは8月・10月、少ない月は1月・11月・12月です。

3~4月に引っ越す予定の人は、2~3月頃から物件を探しはじめます。早い人は前年の12月から準備をしているかもしれません。3月が移動のピークだということを考えると、不動産屋は1月から徐々に忙しくなり、2月・3月が最繁忙期といえます。

3月、早い人は2月に引っ越すことが多いので、空き物件が多く出る時期も2~4月です。新築マンションも引越しシーズン狙って募集が開始されます。それよりも早く不動産業者に相談して好みを伝え、網を張っておくには1月頃に動き出すのがベストです。すぐ希望の物件が見つかればそれに越したことはありませんし、なければ2月の繁忙期まで気長に待つことができます。

引越し料金は1~2月はまだ低い時期です。コストの面からも、1月・2月はおすすめといえます。

不動産業者としても1月は2~3月に比べてまだ本格的に忙しい時期ではないので、比較的余裕を持って接することができます。

学校や職場の関係で3月までは今の部屋に住み続けるという人は、1月に引っ越すと家賃が2重に発生する月が3ヶ月もできてしまいます。そこでフリーレントに目を奪われるかもしれません。当初の数ヶ月は家賃がタダという契約です。注意したいのは、家賃が相場と比べ割高でないかということです。大家は無料期間に逃した収益を回収するために、賃料を高めに設定しているかもしれません。賃料を下げない代わりにフリーレント期間をもうけて集客しているともいえます。また、入居期間があまりに短いと違約金が発生する契約になっているはずです。住み続ける予定の期間と今までの引っ越しの頻度などを考慮して、損しないように計画してください。大学生で学年によってキャンパスが違う場合などは、予定が立てやすいことでしょう。

1-2 . 9月~10月

総務省人口動態調査よりよりデータを参照、筆者作成

次に移動が多いのは10月です。企業は転勤が多い時期。また、気候がよいこの頃は結婚式シーズンです。新しい家でパートナーとの新生活をはじめる人も多いといえます。ファミリー向け物件が多く動く時期です。

物件探しも引っ越し作業も、過ごしやすい気候のこの時期が適しています。

引っ越し料金は9月がもっとも安いという統計があります(リクルート住まいカンパニー「引越しに関する実態把握調査」2013年)。他の統計(価格.COMアンケート)によると、特に単身者向けが安い時期で、ファミリー向けは年間平均並みか少し高めといったところです。

国立社会保障・人口問題研究所の「人口移動調査」によると、現在の住居に引っ越した理由は結婚が12.8%、転勤が4.5%。入学・進学の2.6%、就職の1.8%を大きく上回ります。婚姻の数がもっとも多い月は11月と3月で、他は横並びです(総務省人口動態調査、2007~2013年平均)。これらのデータからも、10月~11月はファミリー向け物件の争奪戦が展開されていることが想像できます。

ちなみに「ジューンブライド」で人気がありそうな6月は特に婚姻が多い時期ではありません。

いい物件がおさえられるまえに探しはじめ、ピークに備えて待ち構える。1月と同様、早めに動いておけば希望する部屋が見つかりやすいのです。

1-3 . 11月~12月

転勤や結婚などによる引っ越しで退居され、空室となっている部屋がまだ残っています。物件数としてはまだ比較的多い時期です。1月以降になると前述したように春先に向けて徐々に埋まっていくので、ピークの谷間にある11~12月は狙い目といえます。

引っ越し料金も比較的安い時期です。

不動産業者もまだ繁忙期に入っていないので、1月よりもさらにゆっくり物件を探すことができます。

物件の数と料金、業者の対応などからみて、おすすめできる時期です。

11月・12月は婚姻の数が多いのですが、それにもかかわらず移動者数は少ないという特徴的な時期です。10月の退居で残った空室を確保するため、この時期にファミリー物件を探す新婚カップルは早めに動いたほうがいいでしょう。

12月は家電や家具を安く買うチャンスがあります。ボーナス商戦と年末の大売り出しがあるからです。引っ越しを機に白物家電やインテリアなどを大量に買い替えるという人は、セールの時期を逃さないようにしてください。

1-4 . マイホームを新築するときの税金、完成時期が12月と翌1月とでは変わる?

12月~1月に新居の購入や新築をする場合に、念のため頭に入れておきたいのが固定資産税住宅ローン控除です。

固定資産税は1月1日時点で土地や建物などの資産を持っている人に対して課されます。購入日(登記の日付)が1日違うだけで課税関係が変わるわけです。ただし、購入の場合はあまり問題になりません。法令はどうであれ、1月1日~購入日までの固定資産税を日割りして売り主に払うことが慣習となっているからです。

問題となるのは、買ったり相続したりした土地に家を新築するときや、自己所有の家を建て替えるとき。土地と建物の取得日がずれ、年をまたぐような場合は、土地の固定資産税が高くなります。建物がない更地の状態だと、住宅用地の特例という軽減措置が使えないからです。家が建っている土地は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3になります。

例えば土地購入後に家を新築するときで、1月末に完成・引っ越しする予定の場合。1月1日時点では建物が未完成なので、土地は更地として評価されます。1ヶ月前の12月に完成していれば、固定資産税は1/6になっていたのです。非常に大きな差といえます。ただし建物に課税されるのは1年前だおしになるので、総合的にみて得になるのかどうかはケース・バイ・ケースです。原則的に登記された日付をもとに判断しますので、引っ越しがいつになるかは関係ありません。12月完成および登記し1月に引っ越した場合でも、12月に完成・登記・引っ越しをした場合でも、両方とも翌年に建物への課税と土地へ住宅用地の特例が適用されることになります。

1月1日時点で建築中であっても、長年住んでいた家を建て替える、というような場合は住宅用地の特例が使えることがあります。「住宅建替え中の土地に係る特例措置」です。適用の要件としては、新しい家屋が完成した年の前年1月1日時点で住宅用地であったこと、土地・取り壊した建物・新築した建物の所有者がすべて同じであること、などがあります。

ここまでを簡単にまとめると、土地を購入して新築する場合は、12月までに完成すれば翌年の土地にかかる固定資産税の金額が大きく軽減されます。建て替えの場合は年内に完成できず1月以降になったとしても、一定の要件にあてはまれば軽減措置が適用されます。

次に住宅ローン減税です。自ら居住する物件のみに適用されますので、引っ越し日が12月か翌年1月になるかで、対応が変わってきます。

住宅ローン減税は、年末時点の住宅ローン残高に応じた金額を所得税から差し引くことができる制度です。2014年~2021年に引っ越した場合は、各年の12月31日時点でのローン残高に対して1%(上限は所得税40万円+住民税13.65万円)を10年間控除することができます。

控除額が上限よりも低いときは、年末時点の残高が多ければ多いほど、減税できる額は多くなります。そのため、住宅ローン減税もっとも活用できる引っ越し時期は12月です。

引っ越す月とローン返済の開始日が同じと考えたとき、12月引っ越しの場合と1月引っ越しの場合とで比べると、控除を受けられる期間が10年間であることは変わりません。ただし、各年の控除額に差が出ます。1月引っ越しの場合は年末時点ですでに12ヶ月分を返済しているため、12月引っ越しの場合よりも11ヶ月分ローン残高が少ないのです。

例えば、借り入れ額3000万円、30年間利率2%、元利均等返済のローンを組んだ場合、毎月の返済額は11万円ほどになります。年末の残高×1%の10年間合計は、12月引っ越しの場合239万円、1月引っ越しの場合は227万円になります。

住宅ローン減税には、他にも所得上限(年収3000万円以上の人は適用不可)、床面積の要件(50平方メートル以上)などさまざまな要件があります。長期優良住宅の場合は年間の控除上限額が50万円になるなどプラスアルファもあります。ちなみに住宅ローン減税は2021年までの特例措置です。今のところ、消費税が10%に上がったとしても変更の予定はありません。

固定資産税住宅ローン減税、いずれにしてももっと細かい要件があったり、総合的に考えるとどの時期に引っ越せば節税になるかは一概に言えない部分があったりします。税理士のような専門家に相談することをおすすめします。

2 . 引っ越しシーズンのピークは?

1月と9~12月がおすすめなのは、ピークを避けてその間を狙うといった理由でした。不動産業界がもっとも忙しい時期の2~3月は引っ越しの時期としてどうなのでしょうか。

2-1 . 2月~3月が引っ越しシーズンのピーク

冒頭の統計をみてわかるとおり、3月と4月に引っ越す人の数は、他の月の2~3倍です。自宅を購入する人もいるので、賃貸の仲介業者が3倍忙しくなるわけではありませんが、繁忙期であることは事実です。

物件探しをはじめる時期は、早い人で引っ越し予定日の2ヶ月前から遅い人で2~3週間前くらいです。4月に就職・入学する人は4月の第1週か3月後半に引っ越しますので、動きはじめるのが2月というわけです。3月は11月に次いで結婚が多い時期でもあります。

新築と退居による空き物件が多く出てくる時期でもありますが、競争相手も多いので、のんびりしているといい物件がとられてしまいます。

特に3月上旬頃から不動産業者に相談する人が急激に増えます。入れ替わりははげしいものの、すぐ次の入居者が決まることも多いため、じっくり考えている余裕はありません。下旬になるとたいていの人が入居先を決めなくてはならないので、物件自体が少なくなってきます。

大家にとっても2~3月はかきいれどきです。家賃や敷金礼金も強めに設定してくるでしょう。あまり交渉には応じてくれないかもしれません。

2月の引っ越し料金は12月や1月と同程度で、もっとも安いグループです。物件を探しはじめるのは1月や2月でも、実際に引っ越すのは3月下旬から4月上旬なので、引越し業者はまだ忙しい時期ではありません。3月になると打って変わって、年間でもっとも高い月となります。

なお、供給量が多いのは中古だけではなく、新築も同様です。新築マンションの竣工数は2月3月が他の月に比べて圧倒的に多く、新築分譲マンションの購入や新築賃貸マンションへの入居を考えている人はこの時期に探すと希望条件にあてはまる物件を探しやすいといえます。

2-2 . 購入するなら2月がよい?

国土交通省「住宅経済関連データ」を参照、筆者作成

賃貸ではなく購入を検討している人にとっては、物件数が豊富な3月はいい時期といえそうです。価格の面ではどうなのでしょうか。グラフは月による住宅価格の変動をあらわしたものです。国土交通省が発表している月別住宅価格指数を、同じ年の1月に対する変動率を数値にし、2009~2016年の8年間で平均しました。

もっとも住宅価格が高いのは9月です。次いで高いのは3月で、2月が最低となっています。2月と3月の差は1.5%くらいです。わずかな違いのようですが、3000万円の物件であれば差額は45万円。決して小さい金額とはいえません。購入の場合も、賃貸と同様に1月から探しはじめ、2月には決めてしまうというのがうまいやりかたといえます。

3 . 引っ越しであまりおすすめできない時期

基本的におすすめできない時期はありません。それぞれ特徴があり、どのような部屋の探し方をしたいかによっても変わってくるので、一概にはいえないからです。ただ、探し方によっては苦労や損をすることもあります。

3-1 . 7月~8月

意外と重要なのが、気候です。汗をかきながら不動産屋めぐりをしたり、まだエアコンのついていない部屋を掃除したり……暑さの厳しいときには、物件探しも引っ越しも大変です。

気候を気にしないのであれば、むしろ他の月よりも優良物件に出会える可能性は高いかもしれません。卒業や結婚などのイベントがあまりないこの時期は、引っ越しをしようとする人が少ないので、不動産業者は閑散期です。状況にもよりますが、丁寧に対応してもらい、複数の物件をゆっくり比較しながら考えることができます。

物件の数自体は少ないので、逆をいえばじっくり探さないとなかなか希望どおりにいかないかもしれません。パートナーと相談しながらのんびり探したいという人には向いていますが、時間をかけたくないという人は1月や2月のほうがやりやすいかもしれません。

引っ越し費用は統計によってバラツキがありますが、7月は比較的安く、8月は高いといった傾向がみられます。8月の夏休み中に引っ越しする家族が多いといった説明がされています。

家賃交渉は、繁忙期に比べるとしやすいでしょう。フリーレント敷金礼金無料などの募集もこの時期によく見かけます。

4 . その他の時期

ピークが去った後の4~6月は、とても過ごしやすい気候。物件探しにも引越し準備にも身が入ります。

4-1 . 4月

4月上旬はまだピークの最中です。一年中で引っ越しがもっとも多いのは3月15日~4月15日の1ヶ月間。この期間は、引っ越し業者に通常許されていない白ナンバーのレンタカー使用が許可されています。国土交通省も認めるほどなのです。

引越し料金は3月に次いで高い時期です。業者のスケジュールも埋まってしまうことが多く、希望日までの日数が少ないと断られることがあるかもしれません。余裕を持って計画しましょう。

4月も上旬を過ぎると、新生活に向けた人の移動が落ち着いてきます。調整が可能であれば、引っ越しはなるべく後半にしたほうがいいでしょう。前半に行うよりも、費用が安く、スケジュールも思い通りにしやすいはずです。

4月も3月や11月・12月ほどではありませんが、婚姻数が多い時期です。ファミリー向けの物件、特に2LDKや3LDKといった、新婚カップルに人気の高い間取りのものは早めに埋まってしまうおそれがあります。これらのタイプの部屋を探す人は早めに動いたほうがいいでしょう。

4-2 . 5月

引っ越しのピークは過ぎており、閑散期に向かっていきます。ゴールデンウィークにしようとする人も多いので、避けるか早めに予約しておくことがおすすめです。運良くスケジュールをおさえられたとしても、引っ越し料金は高めになるので注意してください。連休を過ぎれば、引っ越しする人は少なくなり、料金もだいぶ下がります。

ピークを過ぎて、早ければ4月後半頃から家賃は下がる傾向にあります。大家としては繁忙期に入居が決まらなかった焦りが出はじめる時期なのです。他にも初期費用を低くしたり、フリーレントをつけたりと入居者に有利な条件を募集することもあります。

3月~4月に退居した物件がまだ残っているので数が多いにもかかわらず、余裕をもって取り組むことができます。気候も暑すぎず寒すぎず、梅雨入り前のこの時期は引っ越しにピッタリです。5月中旬の引っ越しを目標に4月中旬のピークを過ぎるころから探しはじめていれば、退居したばかりの人気物件をたくさんみることができるかもしれません。

4-3 . 6月

全体的に引っ越しの数が少ない時期です。生活の節目であることが少ないうえに、雨が多い季節なので人気がないのでしょう。祝日がないことも影響しているかもしれません。

引越し料金は安くすませられます。
また、家賃も下がりはじめます。大家の立場に立ってみると、4月のピークに入居を逃しているので、多少は家賃を下げてでも入居者を確保したいと思う気持ちがわかるかと思います。家賃が全く入らなくても管理費や税金などは発生するため、空室は非常に大きなリスクなのです。このあたりの心理を知っておくと、うまく交渉できるかもしれません。ダメでも損することはありませんから、不動産業者に相談してみましょう。

物件数自体は少ない時期です。4月に退居された部屋も、めぼしいものは5月の入居で埋まってくるでしょう。物件そのものの条件よりも、費用を重視する人にはおすすめの時期です。

5 . 何を優先するかによっておすすめの時期は変わる

11月12月1月は引っ越しする人が少なく、ゆっくり物件を探すことができます。引っ越し作業の料金も安い時期です。
9月10月も料金が安く、賃貸物件で数が出るのはファミリー向け物件です。気候がいいので作業もしやすいでしょう。
4月後半~5月6月7月8月はピークの谷間。物件数は少ないものの、じっくり探せます。また、家賃が安く、交渉もしやすい時期です。
2月3月4月前半は、引っ越しシーズン。物件数は多いのですが、埋まるのも早いので迅速に動く必要があります。料金はもっとも高い時期です。新築物件も多く出てきます。

引っ越し時期を選べるのであれば、家賃を安くしたい人は4月~8月、ゆっくりといろいろな物件をみたい人は9月~12月1月、物件数の多さに期待する人は2月~4月がおすすめです。

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