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1ヶ月で空室を埋めるには

桜木大洋

桜木大洋

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不動産投資において最大のリスクは「空室」です。これはどんなに優秀な投資家であっても、避けること・逃れることができません。
ですので、安定した賃貸経営のためには、この空室対策についてどれだけ行動できるか、がカギとなります。
今日は私の実体験に基づく空室の埋め方、についてお話しします。
私の所有物件の1つに、ファミリータイプ15室のRCマンションがあります。
そしてもうじき退去を迎える部屋が1部屋ある、ということで、空室を埋める対策を打合せのために管理会社を訪問しました。

目次

1 . 過去の苦い経験

先述の物件は、約2年前にも1部屋空いたことがあり、その時は7ヶ月間も空室が続き、年間約80万円の家賃収入を失いました。ファミリータイプは家賃も高めで退去も少ないことがメリットですが、一度空くと失う家賃も大きいわけです。
地域的にも家賃的にも決して見劣りする物件ではないのに、どうしてこんなに空室が空いてしまったのか、と原因を探っても、もはや担当管理会社の営業マンの「優先順位が低かったから」と思わざるを得ません。
今回は同じ失敗をしないように、まだ退去する前に、客付け会社の担当者と対策を協議することにしました。

2 . 打合せのポイント

空室後の動きとしては、退去後、すぐにリフォームして現状回復しなければなりません。現状回復するまでの段取りとしては、次のようになります。

①退去日に、入居者と管理会社が立会いのもと、現状回復の箇所と入居者負担分を決めます。(オーナーは同席しません)
②その後で内装業者に見積を依頼し、修繕箇所の提案があります。
③そうしてオーナーである私が、その修繕箇所と見積金額が妥当であると判断し、発注をかけます。
④リフォーム業者が工事のスケジュールと材料(壁紙など)手配をします。
⑤実際のリフォームに取りかかります。


しかし、ここまでの段取りを各担当者任せで進行させていたのでは、すぐに数週間が経ってしまいます。平日発注しか対応ができない会社がほとんどですから、3連休を挟んだりするとまたそこから3日分、進行が遅くなる恐れがあります。

そこで私は、「立ち会ってもらう担当者の方の判断に全て任せるので、その場で全て発注してください。」と依頼しました。

後で私に判断を委ねられても、素人の私が判断するためには、複数の業者の見積を比較し、それぞれの内容を確認していかなければなりません。それで多少のコストは抑えられるかもしれませんが、圧倒的に時間のロスになります。
それよりも「客付けに最低限必要なレベルをプロの目で判断してください」と判断基準を明確に伝え、その担当者に一任しました。こういうことは管理会社の方を信用していないとできませんが、逆に「そこまで任せてもらえるなら」、とモチベーション高く取り組んでもらうことを期待してのアクションです。

3 . 内見がすべてのカギを握る

部屋を埋めるには、とにかく内見(入居検討者を部屋に案内すること)を一日も早く実現するしかありません。修繕前の部屋を見せることもできますが、前の住人が住んでボロボロになった部屋を見せても、あまり魅力的には映らないのが普通です。
ですので、まずは退去日の前に、退去後の現状回復のスケジュールをしっかりと打合せし、一日でも早くキレイな部屋にして内見者を案内できる状態にすることが、最善の策なのです。

しかしながら、管理会社は期待通りのスピードで、原状回復して次の入居者を案内しよう!と考えてくれるとは限りません。なぜなら、管理物件はたくさんあるでしょうし、自分の物件を優先的に仕上げてもらう必然性などどこにもないからです。だからこそ、発注はさっさと済ませ、そのあとのスケジュール管理に注意を払うことが重要になります。

4 . 当初の対策

次に決めたことは、広告費(AD)、つまり管理会社に支払う謝礼を、通常は家賃1ヶ月分のところ、特別に2ヶ月分に増やす、ということでした。その代わりに短期(2ヶ月以内)で決めてほしい、という条件を出しました。
そしてすぐに管理会社を訪問し、各セールスさんに名刺を配りながら「さらに即断即決が必要なら、いつでも私に電話してご相談ください」と直接伝えます。こうするとセールスの印象が高まり、モチベーションも上がるようで、私の物件を優先的に勧めてくれそうな手応えを感じられます。

具体的には
・物件に募集看板を設置
・インターネット集客用に写真を撮影
・さらに動画も撮影してアップロード


といったことを、すべて管理会社の負担で自主的にやってくれました。

5 . 現場からの連絡に柔軟に対応

そしてさっそく次の日に、セールスさんから電話をもらいました。
「今、目の前でお客様が申込書に記入しようとしているところなんですけど・・・」と前振りの後、「もともと家賃10万円の予算を考えていたところ、11万5千円の(私の)マンションが気に入ってくれています。無理は承知であと5千円、家賃値引きに応じていただけないでしょうか。これで背中を押したいんですが。」
こういう提案はよくあることです。しかし家賃を下げるのは、オーナーとしてはどうしても避けたいところ。
ここが思案のしどころです。この商談を逃して、またセールスさんに一から内見案内をしてもらえるかどうか。

今回の物件は特に際立つ特徴がなく、駅から徒歩17分。同エリア内で競合ひしめくファミリータイプということもあり、物件の魅力だけでどこまで勝負できるか。そしてこの物件は、一昨年、7ヶ月間も空室が埋まらず大きな損失を被った経緯がありました。
思案の末、私は以下の提案をセールスさんに回答しました。
「家賃5000円を下げた方がいいか、それともフリーレントを1ヶ月分つけた方がいいか、入居者さんに選んでもらってください」

フリーレントとは、家賃無料期間のことです。1ヶ月無料ということは、11万5千円分の家賃値引と同じこと。5千円の月額に換算すると、22.1ヶ月分に相当します。
そしてこのクロージングをセールスさんに委ねた結果、1ヶ月のフリーレントではなく、やはり5千円の家賃引き下げで決着しました。

6 . 私が決断した根拠

考え方によっては、22.1ヶ月以上住むつもりがあるから、家賃値下げの方がお得だと思って選ばれたのかもしれません。そうなると、できるだけ長く住んでもらった方が良いですし、ご夫婦二人なので、そのうちに家族が増えて車を買い、駐車場も借りてくれるかもしれません。

結果的に家賃を5千円下げることになりましたが、このように前向きに捉えることできます。
おかげでセールスさんは無事成約でき、私は「話のわかるオーナー」として好印象を持ってもらえたと思います。こういうことが「次に空室が出た時」にきっと効いてくると思います。

7 . ただ妥協するだけじゃない

そして最後に細かい調整をしました。11万5千円の家賃は、実際には

正規家賃  106,000円
共益費     9,000円
で構成されています。

このうち、5,000円割引は「共益費」の方に充当してもらいました。
家賃本体は変えないことで、表面上の家賃相場は下がらないし、他の入居者や、次にまた募集をかける時にも「家賃を割引した」事実が薄まるように工夫したのです。

ちょっとした小細工ではありますが、こうして単に管理会社の言うなりに家賃を下げるのではなく、ギリギリまで代案を提案することにもこだわっていきたいです。
こういうことで管理会社からも甘く見られないし、次の客付につながる地道な糧にもなります。

今回の経営判断が正しかったと思えるように、今後も配慮して行動しなければなりません。単に家賃を下げる、満室にする、というだけのことではなく、そこにはビジネスパートナーである管理会社との密接なコミュニケーションがあります。同じ目標に向かって協力し合う、という経験を積み重ねながら、こちらの意図を汲んでもらえるようになることが理想です。

今回は前の人が退去してからちょうど1ヶ月後の成約でした。このくらいのスピードで満室が維持できると、賃貸経営は安泰です。そのためには日頃の意識と努力が必要なのです。

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