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お寺に泊まって文化体験!今、『和空』の民泊ビジネスが面白い!

川端 彰

川端 彰

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民泊業界は今、サービス競争の火ぶたが切られています。民泊業やホテル業に参入した不動産デベロッパー各社が、宿泊者である訪日外国人客に対して「体験サービス」をこぞって提供することが当たり前の時代になりました。
その中で、和空(わくう・大阪市)という新興企業が、お寺に泊まれるという「文化体験の極み」ともいえる民泊事業を2018年7月に始めました。
他社では真似できないサービスということで、宿泊市場界隈で耳目を集めています。競争の舞台がハードからソフトにシフトした状況下、不動産投資家も、周囲のサービスレベルにアンテナを張ることが求められてくるかもしれません。

目次

1 . 民泊サービス『テラハク』とは

宿坊ビジネスを手掛ける和空は7月18日、お寺に泊まれる民泊サービス『テラハク』を始めました。全国の泊まれるお寺を特設サイトより検索・予約できるようになっており、田代忍社長は「年内に300件、5年後までに1000件の掲載を目指します」と目標を掲げました。宿泊許可を得たお寺のリニューアルは、7月時点で約30件進んでいます。

お寺に泊まるメリットは、日本伝統文化をじっくり感じられることです。庭園、修業体験、四季の景観、近隣の名所などの文化を、宗派ごとに堪能できることが特徴です。
「訪日外国人向けのサービスだが、日本人にも需要があります。それはこれまで弊社が手掛けてきた宿坊サービスの実績から、満足度の高さがうかがえます。外国人客の利用は3割で、残り7割が日本人です。お寺に泊まれることそのものへの興味は、内外問わず高いものがあります」(田代社長)

同社は宿坊サービスで3年前に設立された新興企業です。宿坊とは、お寺の近くにある宿泊施設のことです。本来は僧侶が宿泊したり、参拝者が心身を清めるための施設でしたが、近年は観光客の宿泊も受け入られるようになりました。
伝統文化を堪能できることから人気が徐々に高まり、同社が15年に宿坊ポータルサイトを開設。現在150施設ほどが登録されています。過疎化が進む地方への流入増が期待できるビジネスとしても期待されています。

2 . どんな文化体験ができるのか

18年6月15日に住宅宿泊事業者法(民泊新法)が施行されたことで、同社はお寺に直接泊まれる民泊ビジネスを始めました。その『テラハク』の第一弾が、滋賀県大津市の「和空 三井寺」です。1300年の歴史がある三井寺の僧房「妙厳院(みょうごんいん)」を宿泊施設用にリノベーションしたものが8月1日にオープンされました。
宿泊できるのは1組だけで、定員は8人まで。3LDK+仏間で、計176.16㎡です。

「和空 三井寺」でできる文化体験は、多彩です。山伏装束に身を包んだ「長等山」入峰、観音堂客殿での座禅、写経・写仏、腕輪念珠づくりなどです。その他、三井寺文化財収蔵庫で襖絵や観音立像を見たり、日本五大銘茶といわれる「紫香楽 朝宮茶」でお茶を楽しむこともできます。

「和空 三井寺」は海外からの問い合わせが目立っているようです。「まだ始動したばかりで、稼働率は公開しておりませんが、特に海外からの問い合わせが目立っているように感じます。ヨーロッパなどからの長期滞在を期待していますが、近年経済発展が著しく「心」を満たすことに興味が移っている中国アッパー層の食いつきがいいように思います。欧米系への訴求はこれからになります」(和空の広報担当者)

3 . 今後の展開

この『テラハク』はこの先、さらに認知度を高めようとしています。
7月18日、宿泊予約サイトの世界最大手であるブッキング・ドットコム・ジャパン(東京都港区)と、民泊ビジネスをワンストップで支援する楽天LIFULLSTAY(楽天ライフルステイ・東京都千代田区)との提携を発表しました。両社の予約サイトで、『テラハク』に登録されたお寺を掲載し、周知を広げます。

ブッキング・ドットコム・ジャパンの高木浩子代表は「弊社の予約サイトは、海外40カ国語に対応しています。掲載施設2800万件中、550万件がバケーションレンタルタイプです。今後、さらにニーズが高まるでしょう」とコメントしました。

楽天ライフルステイとの提携では、和空がリニューアルしたお寺を、楽天側が予約サイトで周知、その後の運営まで行います。宿泊実務を無人で行えるように、専用タブレットを使ってチェックイン・チェックアウトなどの作業をセルフサービスにて実施するというものです。

民泊ビジネスはサービスの質で競い合うようになりました。野村不動産などの大手デベロッパーや、東急不動産や京王電鉄などの私鉄各社が宿泊需要を狙った建物を開発し、取材をすると必ずと言っていいほど近隣文化施設の体験チケットを特典として与えるといったサービスがもはや当たり前になっています。インバウンド需要を取り込むのなら、こうしたサービスの提供姿勢は、これからの不動産投資家に求められてくるのかもしれません。

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