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本当の空室対策とは?

桜木大洋

桜木大洋

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満室を維持することは、大家業を営む者にとって最大の課題でありますが、そのための対策についてたくさんの書籍やセミナーがあります。
そのどれもが一度は試してみるべきものかもしれません。しかし空室対策はほとんどの場合ケース・バイ・ケースで、こうすれば必ず空室が埋まるといった、たった一つの法則はまず存在しないのです。

目次

1 . 空室対策の本質

空室対策にはいろいろなパターンがあり、家賃を下げる、広告費を増やす、リフォームで特徴的な内装にする、設備を増強する、モデルルームをつくる、入居者の条件を緩和する、等々、やってみなければわかりません。さらに時期や立地、ターゲットによっても効果が変わるため、いろいろと試すしかないのです。

但し、いくつかのノウハウを覚える前に理解しておいた方が良い「本質」があります。それは、客付けをしてもらう管理会社に自分のことを充分に理解してもらうこと。そのためにはまず先に「相手を理解すること」が重要です。

管理会社の営業マンはオーナーに対して「近寄りがたい人」「話し難い人」という印象をもっている人がほとんど。なぜならば、1棟のマンションやアパートをもっている人なんて、自分とは別世界の富裕層で、資産家でもあり経営者でもあるスゴイ人、と思われているからです。

たとえ事実がどうであれ、「そんなつもりはないのに」と感じようとも、世の中の印象として「そういうもの」なのです。この現状を受け止められるかどうかが実は重要なカギを握っています。
その上で、管理会社とオーナーの距離をいかに縮められるかということが肝要です。

管理会社の方とゆっくりお話しをする機会というのは、あるようでなかなかないものです。
空室が出たり、次の入居者がなかなか決まらなかったり、やっと客付けができたり、突発的な修繕が必要だったりと、様々なタイミングはあるものの、電話やメールで必要最小限の連絡をするだけにとどまっています。

例えばお中元やお歳暮の機会に品物を送り届け、御礼の意を伝えるという手もありますが、それだけでは不十分。品物よりも、感謝の手紙の方がはるかに気持ちが伝わります。
手紙を出すか、直接訪問するか、この2つのいずれかを無くして真心は伝わらないのです。

2 . 管理会社に理解してもらうこと

私はかつて、これから所有物件(1棟マンション)の管理を丸ごとお任せする、という重要な局面がありました。そこでホテルのラウンジでしっかりと打ち合わせをし、お互いの今後の展望について意見交換をしました。

そこでの私の主張はたった一つ、
「満室を維持するために、何でもします。」
とにかく「満室にこだわる」ことを管理会社にも理解してもらいたいという一心です。そのために必要な設備・必要な修繕・必要な広告費、そのほか管理会社のセールスさんがやりやすいように資金を投じていきます。

ですので一旦退去が出たら、再び入居者を獲得するための提案を管理会社として積極的に行って欲しい、と伝えました。
面談相手の管理会社・店長は「そう言っていただけると助かります」と返し、他のオーナーさんはなかなか管理会社の立場や気持ちを理解してくれない人もいることをボヤいていました。
その理由としてまず、私の物件がある下町エリアのオーナーさんは昔ながらの「地主系」の方が多く、賃貸経営上の収支にこだわりがないため、少しくらい空室があっても気にしないそうです。

そして、修繕もできるだけせず現況で良いという人だけ入居させる、外国人とか、素性がよくわからない人は断るなど、いわゆる「殿様商売」的なオーナーが多かったようですね。

だから、せっかく入居検討者に案内しても、オーナーの一存でNGになることがあり、そうなると、そこまでお膳立てしてきた営業活動が無駄になるわけです。
それでも管理を引き受けている以上は満室にしたいと思うし、来店顧客にも良い部屋を紹介したいのが管理会社の心情。

最近は確かにインターネット情報を頼りに部屋を決めるケースが増えていることはありますが、やはり現場では「セールスのひと押し」が成約を左右していることは間違いありません。
そして管理会社も「組織」ですから、仕事の進め方、顧客の対応など、社内外に順序とルールがあるわけです。そういったことをオーナーはきちんと理解して、仕事をしやすいように配慮してあげることも大切です。
その先にあるのは「自分の物件を1番に決めたい」と、管理会社に思ってもらうことです。

3 . コミュニケーションの重要性

現状では、手紙を書いたり直接訪問するオーナーは多くありません。だからこそ、それができる人は相手に印象づけることができ、そこから距離を縮め、コミュニケーションを円滑にします。

そうして人間関係ができたら、次に「管理会社が動きやすいように」配慮すること。「なぜ部屋が埋まらないのか」「どんな営業をかけているのか」「何件の内見があったのか」「このままでは採算がとれない」ということで、相手を責めることが一番のタブー。

管理会社のセールスは会社の従業員なので、対面上はどんなに低姿勢であっても、実はオーナーの物件に空室が出ようが収支がマイナスになろうが、自分の給料には影響しないのです。
それなのにただ責められるだけでは、表面的には誠実に見えても心の中ではますます壁ができる一方です。 それよりも「どうすれば入居者をつけられるか」を素直に、謙虚に、現場を熟知している営業マンに尋ね、言われた通りにしてあとは信じて任せること。

このスタンスが大切です。報告書をつくっているヒマがあったらどんどん現場に出てもらう方がマシです。提案力の高い管理会社であればあるほど、満室にするためのノウハウは相手に委ねるべきです。

提案力が高いかどうかは、やはり日頃のコミュニケーションから感じとるしかありません。そうしたことから信頼関係も生まれてくるので
「オーナーの利益なんて、管理会社は意識しているはずがない」
などと勘ぐる前に、まずはお互いの要望を理解し合うことから始めるといいですね。

管理会社に「やらせる」ではなく「やっていただく」という意識を持って接すること。もしくは一緒に経営していくパートナーとして目指すベクトルを擦り合わせていくというスタンスが必要です。これには意識だけの問題ではなく、きちんと対面で意思疎通を図るということが肝心です。

「あのオーナーの物件を満室にしたい」と相手に思ってもらえているかどうか。この本質にフォーカスしてコミュニケーションを取ることが、最も有効な空室対策になりますね。

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