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自主管理vs管理委託 得するのはどっち?

川端 彰

川端 彰

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これから賃貸住宅を経営したい投資家にとって、取得後の建物を自分で運営するか、賃貸管理会社に委託するかは、かなり悩みどころでしょう。

自分でやるかどうかで、月々のキャッシュフロー、または経営の仕方まで左右される大事な決め事であるにもかかわらず、それを初心者が正確に決断するには、あまりに専門性が高いです。賃貸経営はモノによって扱い方が様々で、有名投資家や管理会社によっても主張がバラバラで、一体誰のアドバイスを信じたらいいのかがわかりづらいことも多いです。

こうした不動産投資家が判断軸を持つためには、まずは自主管理派と管理委託派の言い分を整理することが大切です。専門家の声をもとに、それぞれのメリット、デメリットをまとめます。

目次

1 . 自主管理?管理委託?自分のケースで考える

自主管理がいいか管理委託がいいかは、一概に判断軸を提示できるものではありません。建物の運営の難易度や、所有者である不動産投資家がどれだけ賃貸経営に熱意と時間を注ぎ込めるかにすべてがかかわってくるからです。

一般論としては「日中に時間を割けない会社員の人は、管理会社に運営を代行してもらうべき」という声がありますが、実際に会社員でも自主管理に成功している不動産投資家はいます。 

「トラブル対応を任せられる業者チームをつくれば、会社員でも自主運営は可能」と聞くと簡単に思えますが、想定できないトラブルに巻き込まれたり、空室が長引いたときに、皆が皆、そうした逆境を乗り越えられるかどうかは、わかりません。

したがって、自主管理か管理委託かで迷っている不動産投資家は、それぞれのメリット、デメリットをもとに、「自分だったらどこまで出来るか」を見極める力が求められてくることになります。

特に最近は、低い利回りの物件を買ってしまい、月々のキャッシュフローの捻出に頭を痛めている投資家は多いと思います。そうした方の中には、「自主管理に切り替えて、管理手数料を浮かせよう」と一度は考えたことのある方も多いでしょう。

2 . 自主管理のメリット・デメリット

自主管理の最大のメリットは、毎月家賃にかかる5%前後の管理委託料をカットできる点です。 

例えば、家賃8万円の区分マンション。管理委託料が家賃の5%だとしたら、月々の手数料は4000円。年間で4万8000円のコストがかかります。総額家賃が50万円の1棟アパートなら、月2万5000円。年間にして30万円の手数料をカットできます。

自主管理派である、首都圏で約100戸分のアパートを自主管理で運営している川村龍平氏は「月々の手残りが数万円も残らないオーナーほど、自主管理への切り替えを検討したほうがいいです」と主張しています。

月々の手残りが数万円もないオーナーの中には、借入金の返済利率が高かったり、そもそも利回りの低い賃貸住宅を買ってしまっているという事情を抱えています。 

これはスルガ銀行の不正融資問題に火を点けたシェアハウス投資「かぼちゃの馬車」のオーナーに特に言えることなのかもしれません。

しかし自主管理というと、本来なら管理会社に任せられる「家賃回収」「物件清掃」「リフォームの手配」「トラブル対応」などすべて自分でやらなければならなくなります。不動産投資家の業務負担が増えることが、自主管理のデメリットにあたります。

この点に関して川村氏は「何かあったら電話やメール一本で作業手配できる業者チームをつくれば十分カバーできる」と説きました。それは自分が信頼できる原状回復工事の会社、入居付けを任せられる仲介会社、清掃会社などを見つけて一つのチームを組めば、サラリーマンでも業務時間中に入居者クレームが入ったとしても「修理業者を手配しましたので少々お待ちください」と対応できるという理屈です。家賃回収は「土日に行えばいい」「振込にすればいい」とのこと。

また管理会社を通さず自分で業者を手配すれば、管理会社から中間マージンをとられません。こうしたことも大きなメリットとして働きます。

しかし、こうしたことをやりきるには、業者に騙されない知恵を不動産投資家自身が持ち合わせる必要があります。

そのためには、リフォームの知識、家賃滞納トラブルの対処方法、または空室リスクを低減するための競合分析、設備投資の判断等、挙げればキリがありません。自主管理を決断するには、不動産投資家にある程度の「熱意」「勉強意欲」が求められることになります。これができると思えるかどうかが、判断の分かれ目になるところです。

3 . 管理委託のメリット・デメリット

一方、こうした諸作業を賃貸管理会社に代行してもらえば、不動産投資家の負担はなくなります。これが管理委託のメリットです。

専門家の中には「不動産投資家が一から勉強して、賃貸経営のすべてを理解するのは、あまり現実的でない」と唱える人もいます。それが一般社団法人投資不動産流通協会の井上徹理事長です。投資用不動産の取扱い方を学べる民間資格を主宰しています。

「賃貸経営には見えないリスクが沢山潜んでいます。例えば中古物件を買ったはいいものの、リフォームや大規模修繕の履歴を知らずに買ってしまったがために、後になって追加修繕の出費が多額に及んでしまうことはよくあるトラブルです。しかも修繕の履歴は、記録に残っていないため、下手したら不動産会社ですら把握していないこともある。その他にも、賃料が適正かどうかを見極める目、近隣住民同士のトラブルの存在、こうしたことを、現場を見られないサラリーマン投資家が把握して適切に対処することは、あまりにハードルが高いです」(井上理事長)

ここで難しいのは、経験と見識のある賃貸管理会社に巡り合えるかどうかです。 

空室対策に詳しくなかったり、清掃報告すらきちんとできない賃貸管理会社が沢山ある中で、知識のない不動産投資家が選び抜くのは困難です。任せる会社を間違えてしまったが故に、管理手数料だけとられてしまっては、まさに本末転倒です。これは管理委託のリスクであり、デメリットともいえます。

自主管理か管理委託か、いずれにしても、健全に賃貸経営を運営するには、自己分析と、任せる会社を見極められるだけの知識が求められてくるということです。ひとつの判断材料として参考にしてください。

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