駐車場の占める割合の多い物件は注意【先人に学ぶ!不動産投資の知恵Vol.4】

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アパート経営を行っていると、満室でも不動産会社が提示する利回りより実際の利回りが低い場合があります。その原因を探ってみると、家賃収入に占める駐車場収入の割合が多いことが原因でした。今回は、安定したアパート経営を行うための対策として、駐車場収入とどう向き合うかについて詳しく解説していきます。
目次
1 . 古いアパートは駐車場併設物件が多い
築年数がある程度経過しているようなアパートを見てみると、一部の駅チカ物件を除いて「部屋数=駐車場の数」の物件が多く見られます。少し前までは、車を複数台所有している家族も珍しくはなく、駐車場を使わない入居者がいても、別の入居者が2台目用の駐車場として借りることもよくありました。
しかし、現在は「若者の車離れ」や「カーシェアリング」といったように、「車を持たない」、「借りる」という選択も増えてきているため、空き駐車場が目立つようになってきていると言えるでしょう。
利回りを計算する際のアパート収入は、家賃収入と駐車場収入を加算するのが一般的です。そのため、いくら満室状態でも駐車場収入がない場合には、満室状態の想定利回りと現状の表面利回りとの間に乖離が生じることになります。
広告に掲載されている想定利回りを見て「これは買いだ!」と思っても、蓋を開けてみると駐車場収入がほとんどなく、満室になっても掲載されている想定利回りに達しないことが十分にあり得るため注意しましょう。
2 . 外部に対して貸し出すケースも増えている

アパートを購入した当初は駐車場の利用者が多く駐車場収入が安定していても、入居者の入れ替わりに合わせて徐々に駐車場収入が減る可能性があります。「駐車場収入なんて家賃収入と比べると微々たるものだから大丈夫!」と思っていても、融資の契約内容によっては駐車場収入の減少が大きな影響を与える可能性もあるため落ち着いてはいられません。
マンションでは、空き駐車場が増えたことが原因で、マンション運営が不安定になっているケースが増えています。マンションで生じている空き駐車場問題とその対策について見ていきましょう。
2-1 . マンションの空き駐車場問題は深刻
マンションなどでも、駐車場の利用者の減少に合わせて駐車場収入が入らなくなってきていることが大きな問題になっているケースがあります。機械式駐車場の場合には、定期的なメンテナンスが必要になりますが、駐車場収入でメンテナンス費用を補う予定が足りないというケースが増えてきています。
マンションなどでは、この現状を打開するために従来は入居者が利用する駐車場を外部に向けて開放するケースが増えてきています。月極駐車場として利用者を募集したりコインパーキングとして一時利用者を募集したりなど、空き駐車場をいかにうまく活用するかが重要になってきていると言えるでしょう。
3 . 実際に運用して気づいたこと

アパートの駐車場は平面駐車場であることが多いため、マンションほどの大きな問題にはなりませんが、それでも駐車場収入が入らないという現状は同じです。
実際にアパートを運用していても、駐車場が全て埋まるのは駅から相当離れているなどの特別な状況を除いてほぼないように感じています。では、この現状を打破するための対策はないのでしょうか?私が考える対策は以下の3つです。
・家に駐車場利用料を含める
・貸し駐車場として外部に提供する
・トランクルームを設置する
それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。
3-1 . 家賃に駐車場利用料を含める
これは既にいくつかのアパートで実践済ですが、家賃と駐車場利用料を別々に請求せずに、駐車場利用料込みの家賃を入居者に請求するというものです。
「家賃とは別に駐車場利用料がかかってしまうのか」という印象ではなく「駐車場利用料を含めてこの家賃か」という印象に変わるため、割安感が生じます。
また、実際の駐車場利用の有無に関係なく安定して収入が得られるようになるため、駐車場利用者に左右されないアパート経営が可能になるでしょう。
3-2 . トランクルームを設置する
貸し駐車場として需要がない場合でもトランクルームとしては需要がある場合があります。トランクルームが設置されているのを道端で見かけるようになってから、あっという間にいろんな場所で見られるようになりました。
特にアパートなどの場合には、部屋数や部屋の広さに限界があるため、ベビーカーやゴルフケースなどの日常使いしないものや使わなくなったものなどを収納できるため、ある程度需要が期待できるでしょう。
また、トランクルームの天井部分を活用して太陽光発電による収入を得るのも1つの選択です。空き駐車場を放置していても利益は生まれないので、いずれかの対策を試してみてはいかかでしょうか?
4 . まとめ

空き駐車場の問題は、「若者の車離れ」や「カーシェアリング」などの流れを見ていると、これからさらに深刻化する可能性があります。
建蔽率があるため、土地のギリギリまで建物を建てることもできないので、結局は駐車場を設置することになってしまいますが、対策を練っておけば空き駐車場問題を解決できます。時代の流れや需要などを考慮しながら、空き駐車場対策と向き合っていきましょう。