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変動金利の仕組みとは?メリット・デメリットと利用する際のポイント

ファイコロジスト 山田

ファイコロジスト 山田

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変動金利固定金利。不動産投資でローンを組むときに直面する大きな選択肢です。「変動」という言葉からリスキーなイメージを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし実際に物件を購入するにあたってはメリット・デメリットをよく知り、じゅうぶん納得したうえで選ぶことをおすすめします。今回は固定金利との比較を交えつつ変動金利の仕組みを説明します。ポイントを理解すれば、合理的な判断ができるはずです。


目次

1 . 変動金利の基礎知識

まずは固定金利との違いや、どんな種類があるのかをおおまかに説明します。

1-1 . 変動金利とは?

変動金利とは返済期間中に適用金利が変わるタイプのローンです。



ローンの金利には大きく分けて固定金利変動金利の2種類があります。前者は読んで字のごとく、契約した期間中は金利が変わりません。例えば全期間固定で金利2%、35年ローンであれば、35年後の完済までずっと年2%が適用されるわけです。



しかし変動金利は随時、金融機関が決めた利率によって変わります。借り入れ当初の金利が1%だったとしても、10年後も同じである保証はありません。2%に上がっているかもしれませんし、逆に0.5%に下がっている可能性もあります。不動産会社が行うローンシュミレーションはあくまでも購入当時の借り入れ条件が続くことを前提にしていますが、金利が変われば返済額も変わる可能性はあるのです。

1-2 . 変動金利の種類

金利やそれを見直すタイミング、返済額の計算方法など、全てのローン商品の返済条件が同じわけではありません。契約内容は基本的に金融機関がつくるからです。ただ金利見直しのルールにはよく用いられているものがあります。後で詳しく述べますが、見直しのタイミングは年1~2回、返済額の変動には上限が設けられるというパターンが多いものです。



固定金利選択型というタイプもよく使われます。これも広い意味では変動金利といえるでしょう。あらかじめ決められた期間は金利が固定され、それを過ぎると変動金利に切り替わるか、または再度固定金利を選ぶ形をとります。固定期間は3年・5年・10年など選べるのが一般的です。



例えば固定金利選択型(5年)の場合、借り入れから5年経過後に変動金利か再度5年固定とするか、どちらかを選びます。金利はそのときの金利が適用されます。後者の場合は、5年ごとに金利を見直す変動金利と考えることもできます。



必ずしもローンの全額について固定か変動のどちらかを選ばなければならないというわけではありません。例えば半分を固定金利で借りて、もう半分を変動金利で借りるということもできます。一部を固定金利で借りることで、金利変動のリスクをある程度は回避できるというわけです。

2 . 変動金利の仕組み

「5年ルール」と「125%ルール」を中心に、変動金利の仕組みをもう少し詳しく解説します。すべてのローンで採用されているわけではありませんが、アパートローン住宅ローンなどのパッケージ商品において標準的なルールです。

2-1 . 5年ルール

適用金利が変わっても、返済額そのものは5年間変わりません。それまでは金利が変わると返済額の中の元金と金利の割合で調整します。金利が上昇すると5年までは返済額が変わらないものの、支払う金利の割合が増えるというわけです。 支払う元金が減ることは、その後の利息、つまり返済額に影響します。



2-2 . 125%ルール

金利が上がって5年後に返済額が増えても、1.25倍までで打ち切りになります。例えばあるときの返済額が月額10万円だったところ、金利がものすごく上昇し、計算上の支払い額が15万円になったとしても、実際に返済する額は12.5万になるのです。ただし125%を上回った部分は免除されるわけではありません。打ち止めとなった部分は総返済額に加えられ、後回しになります。



2-3 . 金利は何を基準に決まるのか

何を基準に金利が変わるのかも気になるところでしょう。基本的に各金融機関がそれぞれ独自のルールで決めますが、政策金利の影響を大きく受けます。



金融機関には通常、事業性ローンの最優遇金利である「プライムレート」が定められています。住宅ローンや不動産投資ローンの変動金利、預金利率などはこれに連動するのが一般的です。



金利見直しのタイミングは年1回、年2回が多く採用されています。



例を出してみましょう。



年1回、4月1日に見直すタイプの変動金利です。毎月の返済額は4万円。4年目に金利が大幅に上昇したとします。その後の金利は見直されますが、 借入当初から5年経過するまで、つまりあと2年間の返済額は変わらず4万円のままです。見直し後の金利で5年目以降の返済額を計算すると、6万円になったとします。しかし125%ルールが適用され、新しい返済額は5万円となります。



この二つのルールは返済の負担を軽減するためのものですが、高くなった金利を払わなくていいということではありません。返済は利息から充当されるので、元本がなかなか減らなくなります。そうすると支払う金利が当初の予定よりも増え、総返済額が増えるのです。



125%ルールが適用されたことによって返済が繰り延べられていくと、最終回に一括で支払うことになります。 はみ出た部分を最後に精算するわけです。



5年ルールと125%ルールは急激な金利変動によって返済額が増え、「返済できない」という状況におちいることを避けるために導入されたルールです。 ただし最終的な総返済額が減るわけではないということは覚えておきましょう。

3 . 変動金利のメリット・デメリット

変動金利固定金利のどちらを選ぶかにあたって、メリットとデメリットを知っておきましょう。

3-1 . 変動金利のメリット

当初の金利が低いことが最大のメリットです。固定金利選択型の金利を見るとよくわかるのですが、一般的に金利は固定期間が長ければ長いほど高くなります。



金利は変動することによって、当初よりもさらに低くなることもあります。日本は超低金利が長らく続いていますが、まだ下がる余地があるすれば、変動金利を選択することのメリットはあるでしょう。底と思われてものさらに底を更新することがあります。しかし借り入れ金利はマイナスになることはないことを考えると、限界があることは意識しておきましょう。



借りやすいということもメリットといえます。固定金利は金利が上がったときには金融機関が損をすることになりますが、それがないぶん変動金利は審査に通りやすいのです。むしろ不動産投資ローンは住宅ローンと違い、変動金利しか選べないことも多々あります。



3-2 . 変動金利のデメリット

デメリットというよりもリスクといったほうが適切かもしれません。金利が上昇すると返済額が増える可能性があります。



住宅販売のチラシを新聞の折り込みや郵便受けに入っているのを見たことがあるでしょう。そこには、「月々の返済は〇〇万円!家賃と比べてください」などと書かれていますが、これは金利の低い変動金利で、しかも優遇金利が適用された場合を想定していることがよくあります。たしかにそのままいけば無理のない返済プランになりますが、金利が上がった場合のことを考慮していません。



金利が1%上がると総返済額はどうなるか、シュミレーションしてみます。



期間30年、借入額は5,000万円とします。全期間固定で借りると月の返済額は21万802円、 総返済額は7,588万8,443円です。



もしも変動金利を選択し、10年ごとに1%ずつ上がるとどうなるでしょうか。10年目から20年目の返済額は23万332円、21年目から最後までは24万1,297円です。 総返済額は8,189万1,781円と、500万円以上の差が出てしまいます。 返済額の増えかたが10年目と20年目で違うのは、金利は残りの元金に対して課されるからです。



もちろん金利が下がれば変動金利のメリットはあります。同様の例で1%ずつ下がった場合を考えてみましょう。 10年目から20年目の月の返済額は金利2%となり19万2,285円、それ以降は18万3,070円です。総返済額は7,033万8,891円。全期間固定のよりも500万円ほど安くなります。



メリットとデメリットというより、変動金利には返済額が変わる「リスク」がある、ということを覚えておきましょう。

4 . 不動産投資ローンで変動金利を選択する際のポイント

先のことはわかりません。金利は上がるのか、それとも下がるのか借り入れ時点で知ることはできませんので、固定金利変動金利を比較してどちらが得かということはいえません。一般論でいえば、低金利のときには固定金利のほうがよく、政策金利が低いときは変動金利のほうがよいということになります。しかし、その時点が金利の「底」なのかどうかは誰にもわからないのです。



ただ判断をする際に、実際のローン返済額や金利の動きについても知っておく必要があります。変動金利は借り入れた当初よりも、借り入れた後の方が重要なのです。



金利の変動リスクは、返済期間が長ければ長いほど大きくなります。この場合のリスクとは金利が上がるおそれということではなく、下がる場合も含めた「変動性」のことです。いいかえれば、「当初の計画どおりにならない可能性」でもあります。



期間を短くすればリスクは低くなります。しかし返済比率が高くなるので自らの首を絞めかねません。そこで活用できるのは繰り上げ返済です。当初は借り入れ期間を長めにとり、繰り上げ返済して総返済期間を短縮すれば、金利変動リスクをある程度は回避できます。もちろん不動産投資でローンを組むことの意義は、少ない元手で規模を拡大していくことですから、安易に「金利が高くなったら繰り上げ返済すればいい」と考えるのは得策ではありません。それに返済できるだけの現金があることが前提です。 こういう選択肢もあるぐらいに思っておいてください。



固定金利を選んだからといって、金利を下げる方法がまったくないというわけではありません。レートダウン、つまり金利交渉です。金融機関と交渉して金利を下げてもらうことをいいます。黒字の実績を数年間積んでおけばできる可能性はあります。



借り換えについても頭に入れておきたいところです。同じ金融機関や他の金融機関から新たに融資を受けて、前のローンを完済します。その際、金利を下げたり、変動金利固定金利に変えたりすることもできるかもしれません。



固定金利といっても、完全に固定されているわけではありません。変動金利で金利が上がったとしても、為す術がないわけではありません。働きかけ次第では金利を下げることができるでしょう。柔軟に対処が可能なので、「固定金利で借りられなければ買わない」「絶対に変動金利がいい」などと意固地になってチャンスを逃すことは避けてください。



5 . 「固定か変動か」がすべてではない

不動産投資で規模を拡大させていくと、必ずローンを借りることになります。そこでまず選択肢にあがるのは固定金利変動金利のどちらにするか、です。変動金利しか選べない場合もありますが、全期間固定、当初の数年間は固定など、いくつか種類があります。



変動金利には返済額が変わるリスクがありますが、5年ルールや125%ルールで月々の返済額がある程度は安定するようになっています。当初の金利は低いので、最初から固定金利を選ぶよりもメリットが出ることが多いのですが、先のことはわからないので、必ずしもどちらが有利ということはできません。



ローンの返済方法や金利などの条件は、借り換えや繰り上げ返済などを活用することで柔軟に対応できます。しっかり考え、納得したうえで選択することは大事ですが、こだわり過ぎて物件購入のチャンスを逃さないようにしてください。

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